「頭と尻尾はくれてやれ」という株の格言はどのような意味でしょうか?
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2025/09/25 08:50
男性
40代
株式投資の世界には「頭と尻尾はくれてやれ」という格言があると聞きました。利益を最大化することよりも一部をあえて逃しても良いという意味らしいのですが、初心者の私にはその意図や実際の投資行動との結びつきが分かりにくいです。なぜ利益の最初と最後を狙わないことが重要とされるのでしょうか。どのような場面でこの考え方を活用すればよいのでしょうか。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
「頭と尻尾はくれてやれ」とは、相場の最初と最後を無理に取ろうとせず、値動きの中盤である“胴体”だけを狙って利益を得るべきだという格言です。底値買いや天井売りを狙うのはリスクが高く、結果的に損失や機会損失につながりやすいため、あえて“くれてやる”姿勢が合理的とされています。
トレンドの初動は情報の真偽が不明確でダマシが多く、終盤は過熱感や反転リスクが高まります。そのため、確度の高い中盤を狙う方が再現性があり、資産形成の安定につながります。
実際には、エントリーとエグジットの条件をルール化して、トレンドがはっきりした区間だけを狙う方法が有効です。例えば、直近高値の上抜けで買い、移動平均線の割れで売るといったルールを設定します。これにより、焦りや欲張りによる誤判断を避けられます。
資金管理も重要で、1回の取引で口座資金の1〜2%以上を失わない範囲に抑えることが基本です。また、シナリオどおりに相場が動かなければ、時間を区切って撤退する判断も必要です。
心理面でも、頭と尻尾を割り切ることで「底で買えなかった」「天井で売れなかった」といった後悔を減らせます。その結果、感情に流されず、安定したトレードを続けやすくなります。
ただし、この考え方は短中期のトレンドフォローに適しており、長期投資や逆張り手法では必ずしも当てはまりません。自分の投資スタイルに合わせて「どこを捨て、どこを狙うか」を明確にすることが大切です。
要するに、この格言は「完璧を求めず、確実な利益を狙う」ための教えです。ルールを守り、中盤の値動きに集中することで、初心者でも安定した成果を得やすくなります。
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底値買い
底値買いとは、株式や投資信託などの価格が大きく下落し、これ以上は下がらないと考えられる水準で購入することを指します。投資家にとっては安く買って高く売ることが理想であり、底値買いはその最も有利な買い方にあたります。ただし、実際に価格の底を正確に見極めることは非常に難しく、多くの場合は「ここが底だ」と思ってもさらに下がることがあります。 資産運用の初心者にとっては、底値買いを狙いすぎるとタイミングを逃してしまうリスクがあるため、長期的な分散投資や積立投資の方が堅実な方法として勧められることが多いです。
天井売り
天井売りとは、株式や投資信託などの価格が大きく上昇し、これ以上は上がらないと考えられる水準で売却することを指します。安く買って高く売るという投資の基本の中で、最も有利に売る方法にあたります。しかし、実際に価格の天井を正確に見極めるのは非常に難しく、売却した後にさらに上昇することも少なくありません。 資産運用の初心者にとっては「天井売りを逃した」と焦る必要はなく、長期的に見れば安定した収益を得られる戦略の方が堅実であると考えられます。
トレンド
トレンドとは、株式や為替、債券、商品などの相場が一定期間にわたって上昇または下降する方向性のことを指します。日本語では「傾向」や「流れ」と訳され、資産価格がどちらの方向に動いているかを表す基本的な概念です。 たとえば、価格がじわじわと上がっていく状態は「上昇トレンド」、逆に下がり続けている状態は「下降トレンド」と呼ばれます。 相場には、常に短期・中期・長期のさまざまな時間軸のトレンドが存在し、それを把握することで投資判断や売買のタイミングを考えるうえでの重要なヒントになります。特にチャート分析(テクニカル分析)では、移動平均線やトレンドラインなどを使ってこのトレンドを視覚的に捉えようとします。 トレンドに逆らわずに投資することは、リスクを抑えながら利益を狙うための基本的な戦略とされ、「トレンドに乗る」という言葉がよく使われます。投資初心者にとっても、市場全体の大まかな方向をつかむ感覚としてトレンドの理解はとても役立ちます。
移動平均線
移動平均線とは、株価や為替レートなどの価格の動きを滑らかにして、相場のトレンド(方向性)をわかりやすくするための線のことをいいます。 たとえば、ある株の過去5日間の終値を毎日平均して、その平均値を線でつないでいくと「5日移動平均線」ができます。これにより、日々の細かい値動きに左右されず、価格の流れや傾向をつかみやすくなります。 投資の世界では、短期(例:5日)、中期(例:25日)、長期(例:75日や200日)といったさまざまな期間の移動平均線が使われ、それぞれが売買のタイミングを見極める目安とされます。特に初心者でも視覚的にトレンドを把握しやすいため、テクニカル分析の基本として広く利用されています。
逆張り
逆張りとは、相場の下落時に買って上昇時に売るという、相場の流れに逆らって売買を行う投資手法のこと(対義語:順張り)。逆張り時の投資家の予想としては、株価の下落時は株価の下落が早期に止まることや下落の反発が起きて株価が上昇することを予想し、株価の上昇時は株価の上昇が早期に止まることを予想する。逆張りのメリットとしては、順張りよりも株式購入コストが抑えられることが挙げられるが、デメリットとしては、順張りよりも決断が難しく、リスクも高いことが挙げられる。