全財産を娘に相続させたいのですが、遺言書の書き方を教えてください
全財産を娘に相続させたいのですが、遺言書の書き方を教えてください
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2025/09/17 10:18
男性
50代
全財産を娘に相続させたい場合は、公正証書遺言で「一切の財産を娘に相続させる」と記載し、遺言執行者を指定するのが最も確実です。配偶者や他の子がいる場合は遺留分への配慮も必要です。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
全財産を娘に相続させたい場合は、公正証書遺言で「一切の財産を長女に相続させる」と明記し、遺言執行者を指定するのが最も確実です。ただし配偶者や他の子がいる場合には、法律上の取り分である遺留分に配慮しなければなりません。
まずは相続人の確認と遺留分の把握が必要です。配偶者や他の子がいれば、遺留分請求によって金銭の支払いが必要になる可能性があります。また、不動産や非上場株など流動性の低い資産が多い場合は、現金での備えも検討が必要です。
遺言方式は公正証書遺言が一番確実です。公証人が作成し、原本を保管するため、方式不備や紛失のリスクが低く、家庭裁判所の検認も不要です。自筆証書遺言を選ぶ場合は方式不備や紛失のリスクがあるため、法務局の保管制度を利用するのが望ましいです。
書き方のポイントは「相続させる」という表現を使い、財産は「一切の財産」と包括的に記載し、洩れを防ぐことです。遺言執行者を必ず指定し、受益者が先に亡くなった場合の予備的条項も用意しておきましょう。付言事項として理由を記すと家族間の理解を得やすくなります。
公正証書遺言を作成する際は、戸籍謄本、資産一覧、本人確認書類を揃え、公証役場で証人2名とともに手続きを進めます。費用は財産額に応じて数万円からかかりますが、確実性が高い点で安心です。
最後に、遺言は一度書いて終わりではなく、ライフイベントや資産状況の変化に合わせて数年ごとに見直すことが大切です。こうした手続きを踏めば、希望どおり娘に財産を集中して相続させることが可能です。
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関連する専門用語
公正証書遺言
公正証書遺言とは、公証人が本人の意思に基づいて作成する遺言書で、遺言の中でも最も法的な信頼性と実効性が高い形式とされています。作成にあたっては、公証役場にて遺言者が口頭で内容を伝え、それを公証人が文書にまとめ、証人2名の立会いのもとで公正証書として正式に成立します。 この方式の最大の特徴は、家庭裁判所による検認手続きが不要である点です。つまり、相続開始後すぐに法的に効力を持つため、遺族による手続きがスムーズに進むという実務上の大きな利点があります。また、公証人による作成と原本保管によって、遺言の紛失や改ざん、内容不備といったリスクも大幅に軽減されます。 一方で、公正証書遺言の作成には一定の準備が必要です。財産の内容を証明する資料(不動産登記簿謄本や預金通帳の写しなど)や、相続人・受遺者の戸籍情報などが求められます。また、証人2名の同席も必須であり、これには利害関係のない成人が必要とされます。公証役場で証人を紹介してもらえるケースもありますが、費用が別途発生することもあります。 費用面では、遺言に記載する財産の価額に応じた公証人手数料がかかりますが、将来のトラブル回避や手続きの簡素化といったメリットを考えれば、特に財産規模が大きい場合や、遺産分割に不安がある家庭では非常に有効な手段と言えるでしょう。 資産運用や相続対策において、公正証書遺言は重要な役割を果たします。特定の資産を特定の人に確実に引き継がせたい場合や、相続人間の争いを未然に防ぎたい場合には、公正証書遺言を活用することで、遺言者の意思を明確かつ安全に残すことができます。
自筆証書遺言
自筆証書遺言とは、遺言者ご本人が遺言書の全文・日付・氏名を自筆し、押印することで成立する最も手軽な遺言方式です。公証役場に出向く必要がないため費用を抑えられる一方、書式の不備や保存中の紛失・偽造リスクがあるほか、相続開始後には家庭裁判所で検認を受けなければ法的効力が発揮されない点に注意が必要です。近年は法務局での自筆証書遺言の保管制度も始まり、保管と検認手続きが簡素化されるなど利用しやすさが向上していますが、内容の法的妥当性を確保するためには、作成前に専門家へ相談することをおすすめいたします。
遺留分
遺留分とは、被相続人が遺言などによって自由に処分できる財産のうち、一定の相続人に保障される最低限の取り分を指す。日本の民法では、配偶者や子、直系尊属(親)などの法定相続人に対して遺留分が認められており、兄弟姉妹には認められていない。遺留分が侵害された場合、相続人は「遺留分侵害額請求」によって不足分の金銭的補填を請求できる。これは相続財産の公平な分配を確保し、特定の相続人が極端に不利にならないようにするための制度である。
遺言執行者
遺言執行者とは、遺言書に記された内容を実際に実行するために選任される人物で、相続財産の名義変更や不動産の登記、銀行預金の払戻し、相続人への遺産分配などを法的権限をもって行います。遺言書であらかじめ指名しておくことができ、相続開始後は家庭裁判所の選任状を受けて職務を開始します。 遺言執行者がいると、相続人全員の同意を都度取り付ける手間が省け、紛争を避けながら遺言の内容を迅速かつ確実に履行できるメリットがあります。一方、職務に必要な費用や報酬は相続財産から支払われるため、事前に相続人へ説明しておくことが望ましいです。
検認手続き
検認手続きとは、遺言書が見つかった際に家庭裁判所がその形状や日付、署名押印などの状態を確認し、改ざんや偽造の防止を図るための公的な手続きです。これは遺言の内容を有効と認める審査ではなく、あくまで遺言書の存在と原本の保全を目的とするものですが、検認を経ないまま遺言を執行すると過料の対象となるため注意が必要です。公正証書遺言では不要ですが、自筆証書遺言と秘密証書遺言では相続開始後に相続人が家庭裁判所へ申し立てを行い、開封の立ち会いや写しの作成を受けて初めて遺言内容を実行できる流れとなります。
付言事項
付言事項とは、遺言書の中で法律的な効力を持たないものの、遺言者の気持ちや家族へのメッセージなどを自由に書き添える部分のことです。たとえば、「これまで育ててくれてありがとう」や「仲良く助け合ってほしい」などの感謝や願いを記すことができ、相続人にとって心の支えになることもあります。また、なぜこのような遺言内容にしたのかという背景や理由を説明することも可能です。法的な拘束力はありませんが、相続人同士の誤解や争いを防ぐための重要な役割を果たすことがあります。資産だけでなく思いも一緒に引き継ぐという意味で、遺言書において非常に大切な要素です。








