家にも相続税がかかると思うのですが、算定方法を教えてください
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2025/09/18 10:23
男性
50代
相続税は自宅などの不動産も対象になると知りました。しかし、家の評価額というのはどのような基準で算定されるのかよくわかりません。実際に自宅を相続する場合、どのような方法で評価され、相続税の計算に反映されるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
相続税は被相続人が亡くなった日の時価を基準に計算します。自宅は「土地」と「建物」に分けて評価し、他の財産や負債と合算して課税の有無や税額を確定します。建物は固定資産税評価額をそのまま用い、土地は路線価方式または倍率方式で算定します。マンションは建物評価額と敷地権割合で求めた土地評価額を合算します。
居住用宅地には小規模宅地等の特例があり、一定要件を満たせば330㎡まで評価額を80%減額できます。基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)や配偶者控除、死亡保険金・退職金の非課税枠などとあわせると、大幅な軽減が可能です。
評価は死亡日が基準で、その後の売却価格は影響しません。貸家や二世帯住宅、不整形地などは補正が加わる場合があります。特例の適用には申告が必須で、期限は原則10か月以内です。資料収集と早めの税理士相談が安全策となります。
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時価
時価とは、特定の資産や証券が市場で取引される際の適正な価格を指す。一般的には、金融市場における最新の取引価格や、公正な評価方法によって算出された価値を意味する。市場の需給や経済環境の変化によって常に変動し、会計や税務上の評価において重要な指標となる。特に、株式や不動産、債券などの資産価値を適切に把握するために用いられる概念である。
固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、土地や建物などの不動産に対して課税される固定資産税を計算するために、市区町村が評価して決める金額のことです。この評価額は原則として3年ごとに見直され、土地や建物の状況、周辺の地価などをもとに決定されます。 この金額は市場での売買価格とは異なり、実際の価格よりも低めに設定される傾向があります。また、相続税や不動産取得税など、他の税金の算出にも使われることがあるため、不動産を所有している方にとっては非常に重要な指標となります。納税通知書などで確認することができ、不動産の維持コストを把握する上でも役立ちます。
路線価
路線価とは、国税庁が毎年7~8月に公表する、1月1日時点の主要な道路に面した土地の1㎡あたりの価格です。主に相続税や贈与税の課税額を算出する際の基準として用いられます。 土地の評価額は、通常、実際の取引価格(時価)とは異なり、公示地価や基準地価を基に一定の割合で決定されます。一般的に、路線価は公示地価の約80%程度を目安に設定されますが、地域や土地の特性によって差が生じることもあります。 路線価は、土地の相続や贈与を行う際の税額計算に重要な指標となるため、事前に確認することで税負担の目安を把握することができます。また、路線価の適用範囲外の土地については、倍率方式と呼ばれる別の評価方法が用いられることもあります。土地の評価方法を理解し、適切な税務対策を講じることが重要です。
倍率方式
倍率方式とは、不動産の評価方法の一つで、土地の評価額を「基準となる土地価格」に一定の倍率をかけて求める方法です。主に相続税や固定資産税の算定など、課税目的での評価に用いられます。 具体的には、路線価や固定資産税評価額などの公的な基準価格をもとに、その土地の利用状況や地域特性、権利関係などを反映させた倍率を乗じて計算します。市場での実際の売買価格とは必ずしも一致しませんが、簡便かつ統一的な評価ができるため、税務上の実務で広く利用されています。
小規模宅地等の特例
小規模宅地等の特例とは、相続が発生した際に、被相続人が居住や事業に使用していた土地について、一定の条件を満たせば、その土地の相続税評価額を大幅に減額できる制度です。主な目的は、相続税負担によって自宅や事業用不動産を手放すことを防ぎ、円滑な資産承継を支援することにあります。 たとえば、亡くなった方の自宅に配偶者や同居していた親族が引き続き居住する場合、その宅地の評価額を最大で80%まで減額できる可能性があります。事業用地や貸付事業に用いられていた土地についても、50%〜80%の減額が認められるケースがあります。この減額によって相続税の課税対象となる財産の価額が抑えられるため、納税資金の負担が軽減され、不動産を売却せずに相続を完了できる事例も多く見られます。 ただし、この特例の適用には、居住や事業の継続に関する要件、土地の面積制限(最大330㎡まで)など、細かな条件を満たす必要があります。また、相続税申告期限内に適用を受ける旨を申告することが必須であり、準備不足や誤解によって適用を逃すケースもあるため注意が必要です。 自宅や事業用不動産を含む資産を次世代に円滑に引き継ぐ上で、この特例は極めて重要な制度のひとつです。早めに対策を講じ、制度の内容を正しく理解したうえで、税理士など専門家のサポートを受けながら計画的に進めることが求められます。
基礎控除
基礎控除とは、所得税の計算において、すべての納税者に一律で適用される控除のことを指す。一定額の所得については課税対象から除外されるため、納税者の負担を軽減する役割を持つ。所得に応じて控除額が変動する場合もあり、申告不要で自動適用される。