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米国高配当ETFのJEPIはおすすめしないと言われましたが、なぜでしょうか?

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2025/09/25 08:50


男性

60代

question

米国の高配当ETFであるJEPIについて調べていたところ、「初心者にはおすすめしない」という意見を耳にしました。毎月分配が魅力的に見えるのですが、実際にどのようなデメリットや注意点があるのか、JEPIを選ぶ際に気をつけるべきポイントについて教えていただけますか。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

JEPIは米国高配当ETFとして人気がありますが、初心者に必ずしもおすすめできる商品ではありません。その理由は、高い分配金の裏側に仕組み的な制約やリスクがあるからです。特に、カバードコール戦略によって株価上昇の利益を一部放棄しているため、強い上昇相場では市場平均に劣後しやすいという構造的な弱点があります。

分配金も安定した企業配当だけでなく、オプション取引による収入を含んでおり、市場の変動性によって額が大きく上下します。税務上も単純な配当とは異なり、課税区分が複雑になりやすいため、実際に手元に残る金額が想定より少なくなるケースもあります。さらに、オプション戦略を株式連動債(ELN)で実現しているため、取引相手方リスクや市場流動性の問題も生じる可能性があります。

さらに、経費率が0.35%とインデックスETFと比較して高めである点も見逃せません。市場平均の成長を目指すシンプルな長期投資を希望する初心者にとっては、高いコストと複雑な仕組みがデメリットになります。また、為替変動の影響も受けるため、円高局面では円ベースの資産価値が目減りする点にも注意が必要です。

こうした特徴から、JEPIは毎月の分配によるキャッシュフローを重視し、相場上昇の取りこぼしを許容できる投資家には適しています。しかし、成長を最大化したい、あるいはシンプルで低コストの商品を望む初心者には不向きです。利用する場合でも、あくまでポートフォリオの一部に留め、分配金を生活費に組み込まず、相場状況によってリターンが変わりやすいことを理解しておく必要があります。

代替手段としては、低コストの市場インデックスETFを中心に据えて必要なときに取り崩す方法や、増配株ETFなどシンプルな商品を検討するほうが、初心者には安心です。JEPI自体が悪い商品ではありませんが、その仕組みとリスクを理解したうえで活用することが不可欠です。

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JEPI(JPMorgan Equity Premium Income ETF)

JEPIとは、米国の運用会社J.P.モルガンが提供する「JPMorgan Equity Premium Income ETF」の略称です。主に米国の大型株に投資しつつ、カバードコール戦略を組み合わせることで、安定的なインカム(分配金)を投資家に提供することを目的としています。 株価の値上がり益だけでなく、オプション取引によるプレミアム収入を得られるため、比較的高い分配利回りが期待できる点が特徴です。その一方で、株価上昇局面ではオプション取引によって上昇益が制限される可能性があるため、大きな値上がりを狙うというよりは、安定収入を重視する投資家に向いた商品といえます。資産運用の観点では、分配金重視の投資戦略を取りたい人に人気があり、米国ETFの中でも注目度が高い存在です。

カバードコール戦略

カバードコール戦略とは、株式を保有しながら同じ株式に対してコールオプション(買う権利)を売ることで、オプション料(プレミアム)を収入として得る投資手法を指します。株価が大きく上昇した場合には利益が限定されるものの、横ばいや緩やかな上昇局面では安定した収益を得やすい特徴があります。 この戦略は、インカムゲインを重視する投資家に向いており、特にETF(上場投資信託)ではJEPIやQYLDといった商品に組み込まれています。資産運用の観点では、大きな値上がり益を狙うよりも、配当や分配金のように安定した収入を得たい場合に有効な戦略といえます。

オプション取引

オプション取引とは、ある資産を「将来の特定の期日までに、あらかじめ決めた価格で買うまたは売る権利」を売買する金融取引のことをいいます。この「権利」は、実際にその資産を売買するかどうかを選べる自由があるため、一定のプレミアム(保険料のような費用)を払って取引されます。 買う権利は「コール・オプション」、売る権利は「プット・オプション」と呼ばれます。オプション取引は、相場の変動に応じて利益を狙う投資手段として活用されるほか、すでに保有している資産の値下がりリスクに備える「保険」のような使い方もあります。価格変動が大きくなると利益も損失も大きくなりやすいため、仕組みをよく理解してから利用することが重要です。

経費率

経費率(Expense Ratio)は、投資信託やETF(上場投資信託)などの運用にかかる年間コストを、運用資産総額に対する割合で示した指標です。投資家はこの経費率を負担するため、経費率が低いほど投資のコストが抑えられ、リターンが高まりやすくなります。 例えば、あるETFの経費率が0.2%の場合、年間で運用資産の0.2%が管理費用などに充てられます。経費率には、ファンドの管理費用、売買手数料、監査費用などが含まれます。 一般的に、インデックス型ETFは経費率が低く(0.1%~0.5%程度)、アクティブ運用のファンドは高くなる(1%~2%程度)傾向があります。経費率が高すぎると、長期的に資産が目減りする可能性があるため、投資先を選ぶ際は経費率の低い商品を選ぶことが重要です。

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