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3か月の期限を過ぎても相続放棄は可能ですか?

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2025/07/25 08:32


男性

30代

question

親戚が亡くなったのですが、生前ほとんど付き合いがなかったため、遺産や借金の状況をまったく把握していませんでした。そのため相続放棄が必要だと気づいたのが最近で、3か月の期限を過ぎてしまいました。このような場合でも、今から相続放棄をすることは可能なのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

相続放棄は、原則として「自分が相続人であることを知った日」から3か月以内に家庭裁判所へ申立てを行う必要があります。この期間を過ぎると、相続を承認した(単純承認)とみなされ、放棄はできなくなるのが基本ルールです。しかし、親戚付き合いがなかった場合などで被相続人の死亡や相続人であることに気づくのが遅れたケースでは、この起算点そのものが後ろ倒しになることがあり、3か月を過ぎていても放棄が可能なことがあります。

また、たとえ相続の開始を知ってから3か月以上経過していたとしても、「特別な事情」があると判断された場合には、例外的に期限後の相続放棄が認められる可能性があります。具体的には、被相続人に多額の借金があることを全く知らず、通常期待される範囲で調査しても判明しなかったような状況が該当します。そして、債務の存在を知った後、遅滞なく(通常は2〜3か月以内を目安に)申立てを行えば、家庭裁判所が放棄を受理する余地があります。

ただし、注意しなければならないのは、相続財産に手を付けてしまうと「単純承認」とみなされる点です。たとえば、被相続人名義の預金を引き出したり、不動産を処分したり、形見分けを受けたりした場合、放棄の余地がなくなるおそれがあります。相続放棄を検討している間は、財産に一切手を付けないことが大原則です。

なお、3か月の熟慮期間内であれば、家庭裁判所に「期間の伸長申立て」を行い、検討時間を延ばすことも可能です。しかし、これはあくまで期限内に限られる措置であり、すでに3か月を超えている場合には使えません。

仮に相続放棄が家庭裁判所で却下された場合でも、2週間以内であれば高等裁判所に「即時抗告」を行い、不服を申し立てることができます。ただし、抗告審では新たな証拠提出が原則として認められないため、初回の申述時にどれだけ丁寧に事情を説明し、証拠を揃えられるかが重要です。

状況が複雑な場合や、放棄すべきかどうかの判断に迷う場合には、できるだけ早く弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。相続放棄の可否を判断するためには、被相続人の死亡日や通知が届いた日、債務を知った日を証明する書類が有効です。放棄の申述書類の作成や証拠の整理も含め、専門家のサポートを受けながら進めることで、誤った手続きを避けることができます。

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相続放棄

相続放棄とは、亡くなった人の財産を一切受け取らないという意思を家庭裁判所に申し立てて、正式に相続人の立場を放棄する手続きのことです。相続には、プラスの財産(預貯金や不動産など)だけでなく、マイナスの財産(借金や未払い金など)も含まれるため、全体を見て相続すると損になると判断した場合に選ばれることがあります。 相続放棄をすると、その人は最初から相続人でなかったものとみなされるため、借金の返済義務も一切負わなくて済みます。ただし、相続があったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があり、その期限を過ぎると原則として相続を受け入れたとみなされてしまいます。したがって、放棄を検討する場合は早めの判断と手続きが重要です。

熟慮期間

熟慮期間とは、相続人が相続を「する」「しない」を決めるために与えられている法的な猶予期間のことです。具体的には、相続が開始されたことを知った日から3か月以内に、相続するかどうかを決めて家庭裁判所に申し出る必要があります。 この3か月の間に、亡くなった方の財産や借金の状況を確認し、自分にとって相続が得か損かを見極めることが求められます。もし期間内に何も手続きをしなければ、法律上は「相続する」と判断され、自動的にすべての財産と負債を引き継ぐことになります。資産運用の観点からは、負の遺産を回避するための重要な判断期間であり、財産の内容を冷静に分析する時間でもあります。

単純承認

単純承認とは、相続が発生した際に、被相続人(亡くなった方)の財産をそのまま全て受け継ぐと決める手続きのことをいいます。この場合、預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産もすべて引き継ぐことになります。単純承認は特別な手続きをしなくても、相続人が財産を使ったり処分したりすると自動的に成立することが多いため、慎重な判断が必要です。 たとえば、被相続人に多額の借金があった場合、それも自分が返済する責任を負うことになりますので、相続を受ける前には、財産の内容をよく調べることが大切です。

即時抗告

即時抗告とは、家庭裁判所や地方裁判所の決定や命令に対して、不服がある場合に一定の期間内で上級の裁判所に判断を求めるための手続きのことです。たとえば、相続放棄が家庭裁判所に却下された場合などに、この即時抗告によってその判断を不服として高等裁判所に再審査を求めることができます。 通常、抗告できる期間は原則として2週間以内で、迅速に対応する必要があります。資産運用の場面では、遺産に関する裁判所の判断が資産配分に大きく影響することがあるため、正当な権利を守るための重要な法的手段のひとつです。

熟慮期間伸長の申立て

熟慮期間伸長の申立てとは、相続するかどうかの判断をするために与えられている3か月の熟慮期間を延ばしてもらうよう家庭裁判所に申し出る手続きのことです。相続財産の内容が複雑で調査に時間がかかる場合や、遠方にある財産の確認が必要な場合など、3か月以内に判断を下すのが難しいときに利用されます。 裁判所に正当な理由を説明し、認められれば熟慮期間が延長され、その分だけ相続の可否を慎重に判断する時間が確保されます。資産運用の観点からは、財産の全容が見えにくいときに、負債をうっかり引き継ぐリスクを避けるために重要な手段となります。

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