生前贈与された財産も、遺留分の計算に含めますか?
生前贈与された財産も、遺留分の計算に含めますか?
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2026/01/29 12:17
男性
60代
相続が発生した際、被相続人が生前に特定の相続人や第三者へ贈与していた財産がある場合、その分も遺留分の計算対象に含まれるのでしょうか。どのような贈与が対象となり、いつまで遡って計算されるのか教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
遺留分の計算(遺留分算定の基礎となる財産)では、相続開始時点の遺産だけでなく、一定の生前贈与も「持ち戻し(加算)」して評価します。遺産を減らして遺留分を潜脱するのを防ぐためです。
第三者(相続人以外)への贈与は、原則として相続開始前1年以内のものが対象です。ただし、贈与者・受贈者が「遺留分権利者に損害を与える」と知って行った贈与は、1年より前でも対象になり得ます。
相続人への贈与は、婚姻・養子縁組のため、または生計の資本(住宅取得資金援助など)としてされた贈与について、原則「相続開始前10年以内」が対象です。こちらも同様に、遺留分侵害の認識がある場合は10年を超えて対象となる可能性があります。
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遺留分
遺留分とは、被相続人が遺言などによって自由に処分できる財産のうち、一定の相続人に保障される最低限の取り分を指す。日本の民法では、配偶者や子、直系尊属(親)などの法定相続人に対して遺留分が認められており、兄弟姉妹には認められていない。遺留分が侵害された場合、相続人は「遺留分侵害額請求」によって不足分の金銭的補填を請求できる。これは相続財産の公平な分配を確保し、特定の相続人が極端に不利にならないようにするための制度である。
遺留分算定
遺留分算定とは、相続人が請求できる最低限の取り分である遺留分を、法律に基づいて金額として計算することをいいます。この金額を決めるには、まず「遺留分の基礎となる財産額」を出す必要があり、これは被相続人が亡くなった時点の財産に加えて、生前の贈与なども含めて評価されます。そのうえで、相続人の関係性(配偶者、子、親など)に応じた割合を掛けて、遺留分の額が算出されます。この算定によって、どれだけの金銭を請求できるかが明確になります。
生前贈与
生前贈与とは、本人が亡くなる前に、自分の財産を家族や親族などに贈り与えることを指します。たとえば、子どもや孫に現金や不動産などを自分の意思で生きているうちに渡す行為がこれにあたります。生前贈与を活用することで、相続時に財産が一度に多額に移転するのを防ぎ、相続税の負担を軽減する効果が期待できます。ただし、贈与にも贈与税がかかるため、贈与額やタイミング、誰に贈るかによって課税額が大きく変わることがあります。また、一定の条件を満たせば非課税になる特例制度もあるため、計画的に行うことが重要です。資産運用や相続対策として、生前贈与は家族に財産を無理なく引き継がせるための有効な手段のひとつです。
相続人(法定相続人)
相続人(法定相続人)とは、民法で定められた相続権を持つ人のことを指します。被相続人が亡くなった際に、配偶者や子ども、親、兄弟姉妹などが法律上の順位に従って財産を相続する権利を持ちます。配偶者は常に相続人となり、子がいない場合は直系尊属(親や祖父母)、それもいない場合は兄弟姉妹が相続人になります。相続税の基礎控除額の計算や遺産分割の際に重要な概念であり、相続対策を検討する上で欠かせない要素となります。
持ち戻しルール
持ち戻しルールとは、相続税を計算する際に、生前に被相続人から受け取った贈与財産の一部を、相続財産として「持ち戻して」合計し、課税対象に含めるという制度です。具体的には、相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産がある場合、その贈与分をいったん相続財産に加算して相続税を計算し、その後、すでに支払った贈与税があればその分を差し引く、という流れになります。 このルールは、贈与によって相続税の負担を不当に軽減することを防ぐために設けられています。つまり、亡くなる直前に多額の贈与をしても、それが課税対象から逃れられないようにするための仕組みです。生前贈与を活用した資産移転を検討する際には、このルールの存在をしっかり把握しておくことが重要です。






