住宅ローン控除は中古マンションの購入でも使えますか?
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2025/09/05 09:02
女性
30代
中古マンションを購入した場合でも住宅ローン控除が利用できるのか知りたいです。新築と比べて適用条件が異なると聞いたことがあり、築年数や耐震基準、ローンの返済期間などに影響があるのか不安です。控除額や手続きの流れも併せて教えていただけますか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
中古マンションを購入する場合でも、一定の条件を満たせば住宅ローン控除を利用できます。これは新築と同じように、所得税や住民税からの控除を受けられる制度で、家計にとって大きなメリットとなります。
ただし、中古マンションには独自の条件があります。たとえば木造住宅は築20年以内、鉄筋コンクリート造などの耐火建築物は築25年以内であることが原則です。これを超える築年数でも、耐震基準適合証明書や住宅性能評価書(耐震等級1以上)があれば控除の対象になる場合があります。
その他の条件は新築と共通です。具体的には、ローン返済期間が10年以上あること、購入した年の年末時点で床面積が50㎡以上あること、実際に本人が居住していること、合計所得金額が2,000万円以下であることなどです。
控除額は、新築と同様に最大13年間利用できるケースがあり、年末時点のローン残高の0.7%が所得税や住民税から控除されます。ただし、制度は改正されることがあるため、購入時期によって控除期間や控除率が変わる点には注意が必要です。
手続きは、購入の翌年に確定申告を行うところから始まります。その際、売買契約書、登記事項証明書、耐震基準適合証明書などの必要書類を揃えて提出します。初年度に確定申告を済ませれば、2年目以降は年末調整で控除を受けられるケースが多いです。
まとめると、中古マンションでも条件を満たせば住宅ローン控除は十分に活用可能です。特に築年数や耐震条件は大きな判断ポイントになるため、購入前に不動産会社や金融機関に確認し、必要書類が整うかどうかをしっかりチェックしておくことをおすすめします。
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住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、個人が住宅ローンを利用して自宅を購入・新築・増改築した際に、一定の条件を満たせば年末時点のローン残高に応じた金額が所得税から控除される制度です。住宅取得を支援する目的で設けられており、最大で13年間にわたり税負担を軽減できます。 控除額は原則として「年末のローン残高×0.7%」を基準に算出され、各住宅区分ごとに定められた借入限度額までが対象となります。控除しきれなかった分は翌年度の住民税からも一定額控除されます。 適用を受けるにはいくつかの条件があります。主な要件は、①自ら居住すること、②取得から6か月以内に入居し年末まで継続居住すること、③床面積が50㎡以上(一定要件を満たせば40㎡以上も可)、④返済期間が10年以上のローンであること、⑤合計所得が2,000万円以下であること、などです。親族間の売買や勤務先からの無利子・超低利ローンは対象外となります。 また、新築住宅は省エネ基準の適合が必須条件とされており、長期優良住宅やZEH水準の住宅は借入限度額が優遇されます。中古住宅では新耐震基準に適合していることが必要で、古い住宅では耐震証明書の提出が求められるケースもあります。増改築やリフォームも一定の工事要件を満たせば対象になります。 手続きは初年度に確定申告が必要で、会社員の場合は2年目以降は年末調整で対応できます。必要書類として、住宅ローンの年末残高証明書、売買契約書や登記事項証明書、省エネ性能に関する証明書などが挙げられます。 住宅ローン控除は、住宅購入時の資金計画や税負担に大きく影響する重要な制度です。適用条件や期限を正しく理解し、事前に必要書類や証明の取得を進めておくことが安心につながります。
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