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国民年金基金に入るのはやめとけと言われました。なにかデメリットがあるのでしょうか?

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2025/07/22 07:56

公的年金
公的年金

女性

40代

question

国民年金基金への加入を検討しているのですが、知人から「やめておいたほうがいい」と言われ、理由が気になっています。具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか?加入時の注意点もあれば教えて下さい。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

国民年金基金には節税効果や終身年金という安心感がある一方で、注意すべきデメリットも多く存在します。主なポイントは次の6つです。

まず、途中で引き出せないことが最大の制約です。原則として中途解約はできず、掛金は60歳以降の受給開始まで引き出せません。掛金の一時停止や減額は可能ですが、急な資金需要に対応しづらく、流動性の低さがデメリットとなります。

次に、インフレに弱い点が挙げられます。受取額は加入時の予定利率で固定されるため、物価が上昇すると実質的な年金価値が目減りします。長期的な購買力を維持するには、別の資産や制度で補う必要があります。

三つ目は、運用利回りが低いことです。2025年7月時点の予定利率はおよそ1.5%にとどまり、市場の成長を取り込むiDeCoや投資信託とは性質が異なります。安定志向には向きますが、積極的な資産形成を目指す人にはリターンが物足りないでしょう。

四つ目に、早期死亡時の元本割れリスクがあります。特に保証期間のないB型プランでは、受給前に亡くなると遺族一時金は1万円のみで、掛金総額を大きく下回る可能性があります。受給後に亡くなった場合も、保証期間がなければその時点で支給は終了します。

五つ目は、他制度との併用制限です。国民年金基金に加入すると、少額で費用対効果の高い「付加年金」には加入できません。付加年金は月400円の掛金で年間最大6,000円の上乗せ年金が得られる制度で、コストパフォーマンスの良さを失う点は見逃せません。

六つ目は、税制上の注意点です。掛金は全額所得控除となり節税効果がありますが、所得が少ない人では恩恵が限定的です。また、将来受け取る年金は課税対象となり、住民税や国民健康保険料の算定に影響することもあります。iDeCoのように運用商品を選べず、掛金変更の自由度も低いため、税制メリットを最大限に活かしづらい点にも注意が必要です。

これらを総合すると、まずは費用対効果の高い「付加年金」を検討し、そのうえで柔軟性のあるiDeCoなどを活用するのが一般的です。その後、長生きリスクへの備えとして終身年金を重視したい人や、安定した収入から長期間掛金を支払える人にとって、国民年金基金は現実的な選択肢となるでしょう。

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国民年金基金

国民年金基金とは、自営業者やフリーランスなどの国民年金第1号被保険者が、将来の年金額を上乗せするために任意で加入できる制度です。これは、国民年金(基礎年金)だけでは老後の生活費として不十分な場合に備えて、公的に用意された追加の年金制度です。加入者は自分の希望に合わせて受け取る年金の型や金額を選ぶことができ、掛金もそれに応じて決まります。終身で年金を受け取れる選択肢もあるため、長生きリスクへの備えとして有効です。また、支払った掛金は全額が所得控除の対象となるため、節税効果も得られます。資産運用の視点では、自分で備える年金制度の一つとして、iDeCoなどと並んで重要な選択肢となります。

インフレ(インフレーション)

インフレーションとは、物価全体が持続的に上昇し、その結果、通貨の購買力が低下する現象です。経済活動が活発になり、需要が供給を上回ると価格が上昇しやすくなります。また、生産に必要な原材料費や人件費の上昇が企業のコストに転嫁されることで、さらに物価が上昇することがあります。適度なインフレーションは経済成長の一側面とされる一方、過度な物価上昇は家計の負担を増大させ、経済全体の安定性を損なうリスクがあるため、中央銀行は金利操作などの金融政策を通じてインフレーションの抑制に努めています。

予定利率

予定利率は、生命保険会社が保険契約者に対してあらかじめ約束する運用利回りのことです。これは保険会社が保険料を計算する際に用いる重要な指標の一つで、契約者から払い込まれた保険料を運用して得られると予想される運用利回りを表します。 予定利率は保険料の設定に大きな影響を与えます。予定利率が高い場合は保険料が安くなり、低い場合は高くなります。これは、高い予定利率では将来の運用によるリターンを多く見込めるため、保険料を低く抑えることができるからです。 予定利率の決定方法は、まず金融庁が国債の利回りなどを参考に「標準利率」を設定し、その後各保険会社が標準利率を基準に自社の状況を反映して決定します。 予定利率には特徴があり、契約時点の率が適用され、基本的には支払い終了時や更新時まで同率で変わりません。バブル経済期には高い予定利率の保険が多く販売され、これらは「お宝保険」と呼ばれています。近年は低金利環境により、予定利率は低下傾向にあります。 保険料の計算には予定利率以外にも、予定死亡率(性別、年齢別に想定される死亡率)や予定事業費率(保険会社の運営に必要な経費の割合)も影響します。これら3つの要因を合わせて「予定基礎率」と呼びます。

元本割れ

元本割れとは、投資で使ったお金、つまり元本(がんぽん)よりも、最終的に戻ってきた金額が少なくなることをいいます。たとえば、100万円で投資信託を購入したのに、解約時に戻ってきたのが90万円だった場合、この差額10万円が損失であり、「元本割れした」という状態です。 特に、価格が変動する商品、たとえば株式や投資信託、債券などでは、将来の価格や分配金が保証されているわけではないため、元本割れのリスクがあります。「絶対に損をしたくない」と考える方にとっては、このリスクを正しく理解することがとても重要です。金融商品を選ぶときには、利回りだけでなく元本割れの可能性も十分に考慮しましょう。

小規模企業共済

小規模企業共済とは、中小企業の経営者や役員、個人事業主の方のための退職金制度です。「小規模企業」という文言が含まれているとおり、一定の要件を満たす中小企業や個人事業主が対象です。 小規模企業共済制度は、独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)が運営している「小規模企業共済法」という法令に基づいた共済制度です。 掛金は全額所得控除され、加入者は事業資金の借入れも可能です。 加入資格は、従業員が20人以下(商業・サービス業では5人以下)の個人事業主や会社役員などです。ただし、兼業で会社員をしているなど、給与所得を得ている場合は加入資格がないため注意が必要です。

iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。

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