営業利益・経常利益・純利益の違いについて教えて下さい。
営業利益・経常利益・純利益の違いについて教えて下さい。
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2025/11/07 11:04
男性
30代
企業の決算書に出てくる営業利益・経常利益・純利益の違いがよく分かりません。売上からどの費用を差し引いて算出するのか、どの利益が会社の本業の実力を示すのかなど、仕組みや意味を教えてください。また、投資判断にどう活かせるかも知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
営業利益・経常利益・純利益は、企業の収益構造を段階的に示す重要な指標です。結論から言うと、営業利益は本業の稼ぐ力、経常利益は財務面も含めた平時の稼ぐ力、純利益は最終的に株主に残る利益を表します。
営業利益は、売上高から売上原価と販売費・一般管理費を差し引いたもので、企業が本業でどれだけ利益を生み出しているかを示します。製造業でいえば製品の価格設定力やコスト効率が反映され、事業の競争力を見る際の中心的指標です。
経常利益は、営業利益に受取利息や配当金、支払利息などの営業外損益を加減した数値で、本業に加えて財務活動なども含めた日常的な企業の稼ぐ力を表します。金利や為替の影響を受けるため、財務体質の良し悪しが反映されやすいのが特徴です。
純利益は、経常利益に一時的な特別損益を加減し、税金を差し引いた最終的な利益で、株主への配当や内部留保の原資となります。ただし、特別損益には災害損失や資産売却益などの一過性要因が含まれるため、毎期の変動が大きく、企業の実力を測る際は注意が必要です。
このように、営業利益は本業の強さを、経常利益は企業全体の収益構造を、純利益は最終的な成果を示します。投資判断や企業分析では、これらを併せて比較し、利益の持続性や一過性を見極めることが重要です。
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関連する専門用語
営業利益
企業が本業である営業活動によって得た利益を示す指標で、売上高から売上原価や販売費、一般管理費を差し引いたものです。 投資家や経営者にとって、本業の収益力や効率性を把握するうえで最も注目度の高い指標の一つとなります。営業利益率が高い場合はコストコントロールや付加価値創出に優れていると評価され、企業の競争優位性を示す根拠にもなります。
純利益
純利益とは、企業が一定期間に稼いだ利益のうち、すべての費用や税金などを差し引いた後に最終的に残る利益のことです。売上から原価、人件費、販売費、管理費、借入金の利息、法人税などをすべて差し引いたうえで残った金額が純利益となります。いわば「会社が本当に儲けたお金」といえる部分で、この数字が黒字であれば企業は利益を上げており、赤字であれば損失を出していることになります。株主にとっては、配当の原資になったり、企業の成長性や財務健全性を判断する重要な指標になります。決算書の中でも最も注目される数値の一つで、企業の経営状況を端的に示しています。




