リ・バース60とはどのような商品で、どのような場面で有効活用できますか?
リ・バース60とはどのような商品で、どのような場面で有効活用できますか?
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2025/10/20 09:04
男性
60代
住宅ローンの返済が続く中で老後資金も不安に感じています。最近「リ・バース60」という制度を知りましたが、具体的にどのような仕組みの商品なのか、また老後資金や生活費にどのように活用できるのかを教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
リ・バース60は、60歳以上の方が自宅を担保に資金を借りる「リバースモーゲージ型ローン」です。毎月の返済は利息のみで、元金は契約者の死亡後に相続人が一括返済するか、自宅を売却して清算します。老後の生活資金を確保しつつ、現金の流出を最小限に抑えられるのが大きな特徴です。
利用できる資金の使い道は幅広く、老朽化した自宅の建て替えやリフォーム、バリアフリー化、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)への入居一時金、既存ローンの借り換えなどがあります。子どもの住宅購入資金を援助する目的で利用するケースもあります。
現役時代より収入が減った後でも、利息のみの支払いで家計負担を軽減できる点が魅力です。自宅を手放さずに老後資金を確保でき、生活の質を保ちながら資産を活かす手段となります。
融資の上限は、担保となる不動産評価額の50〜60%が目安です。長期優良住宅や耐震性能が高い住宅では、上限が65%程度に引き上げられる場合もあります。取扱金融機関によって金利タイプ(固定・変動)やノンリコース型の可否が異なるため、複数社を比較して選ぶことが重要です。
一方で注意点もあります。金利上昇によって支払利息が増えるリスクや、長生きによる総支払額の増加、将来的な不動産価格の下落による清算不足リスクがあります。ノンリコース型で不足分が免除される場合でも、その分が課税対象(債務免除益)になる可能性があります。相続人と十分に話し合い、税理士など専門家に相談しておくことが大切です。
リ・バース60は、自宅の資産価値を老後の生活に生かす制度として有効ですが、家族構成や相続意向、住まいの維持費などを考慮した上で慎重に判断することが求められます。リースバックや通常のリバースモーゲージと比較検討し、自分のライフプランに合った形で活用するのが望ましいでしょう。
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関連する専門用語
リ・バース60
リ・バース60とは、住宅金融支援機構が提供している「リバースモーゲージ型住宅ローン」の一種で、主に60歳以上の高齢者を対象とした仕組みです。自宅を担保にして資金を借り入れ、借入金の返済は利用者の死亡後に自宅を売却することで行われます。つまり、利用者は生存中に返済の負担を負わず、自宅に住み続けながら老後資金を得ることができる制度です。 リ・バース60では、融資額や金利は自宅の評価額や年齢、金利タイプなどによって決まり、用途としては生活費の補填、リフォーム資金、医療・介護費用などに充てられることが多いです。資産運用の観点では、自宅という「不動産資産」を現金化して老後の生活を支える手段として注目されています。ただし、相続時に自宅を処分して返済に充てる必要があるため、家族との合意形成も重要なポイントになります。
リバースモーゲージ
リバースモーゲージとは、自宅などの不動産を担保にして金融機関からお金を借りる仕組みです。ただし、通常のローンとは違い、借りたお金は借り手が亡くなったあとや、施設に入所して自宅に住まなくなったときに、担保となっている自宅を売却することで一括返済されます。高齢者が老後の生活資金を確保するために利用することが多く、自宅に住み続けながら現金を得られるという特徴があります。借入中は利息だけを支払うか、返済を一切行わずに済むタイプもありますが、最終的に不動産を手放す可能性があることに注意が必要です。
ノンリコースローン
ノンリコースローンとは、借入者が返済不能になった場合でも、貸し手が担保物件以外の資産に対して返済を請求できないタイプの融資のことです。つまり、返済の責任は担保に限定されており、万が一ローンを返せなくなっても、借入者の他の財産には影響が及ばない仕組みです。 このようなローンは主に不動産投資やプロジェクトファイナンスなどで用いられ、投資家にとってはリスク限定型の資金調達手段とされています。一方、貸し手側にとっては回収リスクが高まるため、通常は担保評価を厳しく行い、金利もリコースローンに比べて高めに設定される傾向があります。資産運用においては、リスクとリターンをどう分配するかという視点から重要な意味を持つローン形態です。
担保評価
担保評価とは、お金を貸す側が、借り手から差し入れられた担保資産の価値を見積もることを指します。たとえば、不動産や株式、有価証券などが担保として提供された場合に、それらが万が一返済されなかったときにどれだけ回収できるかを判断するため、担保の市場価値や換金性を評価します。 この評価額は、貸し出せる金額の上限や金利条件の設定に大きく関わります。一般に担保評価額は市場価格よりも安全側に見積もられ、一定の「掛け目(かけめ)」を差し引いて計算されることが多く、これは価格変動や売却時のリスクを織り込んでいるためです。 担保評価は、金融機関による融資審査や、証券担保ローン、不動産担保ローンなどの取引において不可欠なプロセスであり、貸し倒れリスクを管理するうえで非常に重要な役割を果たします。借りる側にとっても、評価額次第で借入可能額や条件が変わるため、担保となる資産の価値を正しく把握しておくことが大切です。
長期優良住宅
長期優良住宅とは、長い年月にわたって安心・快適に住み続けられるよう、耐久性や省エネルギー性能、維持管理のしやすさなどに優れた住宅のことをいいます。この制度は、短期間で建て替えを繰り返すのではなく、良質な住宅を長く大切に使うことを目的としており、一定の基準を満たす住宅に対して、国や自治体から認定される仕組みです。 認定を受けると、住宅ローン控除の上限が増えたり、固定資産税の軽減措置が受けられたりするなどの優遇があります。資産運用の観点では、家そのものが将来価値を保ちやすくなるため、資産としての住宅の質を高める意味でも重要です。投資初心者にとっては、「長く安心して住めて、税金の優遇も受けられる、将来の資産価値を意識した家」と捉えるとわかりやすいでしょう。
債務免除益
債務免除益とは、借金や負債の一部または全部を、債権者が返済しなくてもよいと認めたことで生じる利益のことをいいます。たとえば、金融機関からの借入金を返すのが難しくなり、銀行がその返済を免除した場合、その免除された金額は、借りた側にとって「支払わずに済んだ利益」として扱われます。会計上は収益として計上されるため、法人や個人事業主の場合は課税の対象になることがあります。 ただし、経済的に苦しい状況で債務免除を受けた場合などには、一定の条件のもとで課税が軽減または免除される場合もあります。資産運用においては、債務再編やリストラを行う企業の財務改善を判断する際に、この債務免除益がどのように発生し、どのように会計処理されているかが重要なポイントになります。





