ロボアドバイザーはおすすめしないと言われましたがなぜでしょうか?
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2025/08/22 08:35
男性
40代
ロボアドバイザーは自動で資産運用してくれて便利な印象があります。しかし、知人にロボアドバイザーはおすすめしないといわれて不安になっています。実際に利用するとなにかデメリットがあるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ロボアドバイザーは投資の手間を減らし、自動で運用してくれる点が魅力です。投資経験がない方にとっては、口座を作って資金を預ければ、あとは任せられるという安心感があります。
しかし、専門家の立場から見ると「必ずしもおすすめできない」と言われる理由がいくつかあります。
まず大きな理由は、手数料が割高なことです。ロボアドバイザーの手数料は年0.7〜1.0%程度かかることが多いですが、インデックスファンドなら0.1%以下のものもあります。長期運用を考えると、この差が将来的な資産に大きく影響してきます。
次に、投資対象が限られている点です。ロボアドバイザーはあらかじめ決められたETFや投資信託を組み合わせる仕組みなので、自分のライフプランや好みに合わせて細かく調整したい人には不向きです。
さらに、運用成果が特別に優れているわけではない点も挙げられます。基本的には市場平均に沿うように設計されており、自分で低コストのインデックス投資をする場合と比べて大きな差が出ないケースが多いのです。それなのに手数料は高めなので、効率の悪さが気になります。
また、投資の知識が身につきにくいという側面もあります。すべて任せきりにすると、資産配分や市場の仕組みを理解する機会が減ってしまいます。将来的に自分で資産運用の判断をする場面がきたときに、不安要素になる可能性があります。
総合すると、ロボアドバイザーは「投資を始めるきっかけ」としては悪くありませんが、長期的に資産を増やすには、低コストのインデックスファンドを自分で積み立てていく方が効率的だと考えられます。これが「おすすめしない」と言われる主な理由です。
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ロボアドバイザー(ロボアド)
ロボアドバイザーとは、投資家のリスク許容度や運用目的に応じて、自動的に資産配分や投資商品を提案・運用するサービスです。利用者は、いくつかの質問に答えるだけで最適なポートフォリオの提案を受けることができ、少額からでも投資を始められるのが特徴です。 ロボアドバイザーには、「提案型(アドバイス型)」と「運用型(投資一任型)」の2種類があります。提案型は、投資家に適したポートフォリオを提案するものの、実際の運用は投資家自身が行います。一方、運用型は、提案だけでなく資産運用もロボアドバイザーが自動で行い、定期的なリバランスも実施します。 主にインデックス運用を中心としたバランス型の商品が提供され、現代ポートフォリオ理論(MPT)を活用した分散投資が行われます。そのため、個別株の選定や細かい資産管理には向いていません。また、投資家の保有資産全体を考慮した包括的なアドバイスを受けることができない点に注意が必要です。 ロボアドバイザーのメリットとして、投資初心者でも簡単に分散投資ができること、感情に左右されない合理的な運用が可能であること、対面の投資アドバイザーと比較して低コストで運用できることが挙げられます。一方で、一定の手数料がかかること、投資家が細かくカスタマイズできないこと、相場急変時の柔軟な対応が難しいことがデメリットとして存在します。 それでも、投資初心者や手間をかけずに資産運用を始めたい人にとって、ロボアドバイザーは手軽に利用できるサービスとして人気を集めています。
インデックスファンド
インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して運用される投資信託のことです。たとえば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの市場全体の動きを示す指数に連動するように設計されています。この仕組みにより、個別の銘柄を選ぶ手間がなく、市場全体に分散投資ができるのが特徴です。また、運用の手間が少ないため、手数料が比較的安いことも魅力の一つです。投資初心者にとっては、安定した長期運用の第一歩として選びやすいファンドの一つです。
ETF(上場投資信託)
ETF(上場投資信託)とは、証券取引所で株式のように売買できる投資信託のことです。日経平均やS&P500といった株価指数、コモディティ(原油や金など)に連動するものが多く、1つのETFを買うだけで幅広い銘柄に分散投資できるのが特徴です。通常の投資信託に比べて手数料が低く、価格がリアルタイムで変動するため、売買のタイミングを柔軟に選べます。コストを抑えながら分散投資をしたい人や、長期運用を考えている投資家にとって便利な選択肢です。
投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。