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55歳からの資産運用で失敗しないために注意するべきポイントはありますか?

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2025/10/02 09:08

ライフイベント相談実践編
ライフイベント相談実践編

男性

50代

question

55歳からの資産運用を考えていますが、老後の生活費や年金とのバランスをどう取ればよいか悩んでいます。退職金や貯蓄をどの程度投資に回すべきか、またリスクを抑えつつ資産を減らさない運用方法について具体的な注意点を知りたいです。これからでも失敗せずに始められる投資の考え方を教えてください。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

55歳からの資産運用で失敗しないために最も大切なのは、生活費と年金のギャップを把握し、まずは数年分を安全資産で確保することです。そのうえで残りを低コストの分散投資に回し、無理に高利回りを狙わない姿勢が欠かせません。

最初にやるべきことは現状整理です。生活費を固定費と変動費に分け、年金見込み額を確認します。さらに退職金や企業年金の受取方法、住宅ローンや教育費の残り、働き方の見通しを加味して、どれくらいの不足額が毎年発生するかを明確にします。

次に、生活防衛資金として1年分の生活費と突発的な出費に備える資金を用意します。そのうえで年金開始までの不足分を3〜5年分、現金や短期債で固めます。これにより相場が悪い時期に資産を取り崩してしまう失敗を避けられます。

投資の目標利回りは、不足額を投資資産で補う水準に設定し、物価上昇も見込んで無理のない範囲に抑えます。たとえば年間120万円の不足に対して資産3000万円がある場合、年3%の取り崩しで90万円をまかない、残り30万円は節約や就労で補うなど現実的な方法を選びます。

資産配分は時間軸で分けるのが効果的です。5年以内に使う資金は現金や短期債、5〜10年先は債券や安定株式、10年以上先は全世界株などで成長を狙います。円を軸にしながら、一部は為替リスクを受け入れることでインフレに備えます。

商品は低コストのインデックスファンドやETFを中心に選び、債券は為替ヘッジを基本とします。新NISAを積極的に活用し、課税口座は特定口座で管理を簡単にします。一方で、毎月分配型投信や外貨建て保険、仕組債など高コストで複雑な商品は避けるべきです。

退職金や一時金は一括で投資に入れず、1〜2年かけて段階的に分散投資します。まずは現金や短期債に必要分を確保し、そのうえでリスク資産に回す順番を守ります。

資産を取り崩す際は、年間2〜3%を目安に、相場状況に応じて増減を調整します。取り崩しは現金から順に行い、債券、株式と移ることで自然にリバランスができます。

税制面では新NISAの非課税を最大限活用し、iDeCoは60歳まで引き出せないため流動性に注意します。課税口座では損益通算や繰越控除を活用できるよう整理します。

また、医療や介護に備えた資金も別枠で準備しておきます。不要な保険は見直し、既存の医療やがん保険を棚卸しします。さらに遺言や相続の準備を整え、家族がスムーズに対応できる体制をつくることも重要です。

最後に、年に一度は資産配分や支出を点検し、必要に応じて修正します。年齢や健康、家族状況が変われば設計も見直す必要があります。

まとめると、55歳からの運用は「減らさない仕組み」を先に作り、「増やす投資」はその後に重ねることが失敗を避ける鍵です。ギャップを数値化し、安全資産で数年分を守りながら低コスト分散投資を時間をかけて導入し、年に一度見直しを行うことが安心につながります。

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