学資保険を満期で受け取る場合の税金はどうなりますか?確定申告や年末調整の必要性について教えて下さい
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2025/09/08 09:09
女性
30代
学資保険を契約した場合、満期になって受け取るお金には税金がかかるのでしょうか?また、その際に確定申告や年末調整での手続きは必要なのでしょうか?使える控除もあれば教えて下さい。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
学資保険の満期保険金を受け取るときの税金は、契約者や受取人の関係、受け取り方法によって変わります。まず基本となるのは「契約者=保険料を払った人」と「受取人」が誰かです。
契約者と受取人が同じ場合、受け取った満期保険金は「一時所得」として扱われます。一時所得は、〔受取額-払込保険料-特別控除50万円〕÷2 という計算式で課税されます。払込総額との差額が小さいと、50万円の控除によって課税されないケースも多いです。
受け取り方法によっても違いがあります。一括で受け取る場合は「一時所得」ですが、年金のように分割で受け取る場合は「雑所得」となり、毎年の受取額から払込保険料の按分額を差し引いて課税所得が計算されます。
もし契約者と受取人が異なる場合には、贈与税や相続税がかかる可能性があります。そのため、契約内容を確認しておくことが大切です。
確定申告については、会社員の方でも満期保険金によって課税所得が発生する場合は申告が必要です。一方、年末調整は給与所得に関する手続きなので、満期保険金には関係しません。
なお、契約期間中に支払った保険料は生命保険料控除の対象になりますが、満期で受け取った保険金そのものには控除はありません。
まとめると、学資保険の税金は「契約者と受取人の関係」「受け取り方法」「払込総額との差額」の3つがポイントです。満期を迎える前にシミュレーションしておくと安心です。
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学資保険
学資保険とは、子どもの教育資金を計画的に準備するための保険商品で、一定期間保険料を支払うことで、子どもの進学時期(中学・高校・大学入学など)に合わせて祝い金や満期保険金が受け取れる仕組みになっています。保険であるため、契約者(通常は親)に万が一のことがあった場合でも、以後の保険料の支払いが免除され、満期時には予定どおりの給付金が支払われる点が大きな特徴です。 貯蓄機能と保障機能が組み合わさっており、「教育費を積み立てながら万一に備えたい」と考える家庭に人気があります。ただし、途中解約すると元本割れするリスクがあるため、長期的な資金計画としての活用が前提となります。初心者の方にとっては、預貯金とは違う形で将来の教育資金を準備できる手段のひとつとして、選択肢に入れて検討する価値があります。
満期保険金
満期保険金とは、保険契約で定められた期間が終了したときに、契約者や被保険者に支払われるお金のことをいいます。たとえば、10年や20年などの一定期間保険料を払い続け、満期になったときにその保険が「満了」すると、あらかじめ決められた金額が支払われます。 このお金は、死亡や病気などのリスクに備えるだけでなく、貯蓄のように将来の資金づくりにも役立つという特徴があります。特に学資保険や養老保険などでよく使われる仕組みです。
一時所得
一時所得とは、継続的な収入ではなく、偶発的または一時的に得た所得のことを指す。例えば、懸賞の賞金、生命保険の満期返戻金、競馬の払戻金などが該当する。50万円の特別控除が適用され、課税対象額は控除後の金額の1/2となる。
雑所得
雑所得(ざつしょとく)とは、所得税法において定められた10種類の所得のうち、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のいずれにも該当しない所得を指します。具体的には、公的年金や副業による収入、仮想通貨の売却益、FXの利益、非営業用貸金の利子などが該当します。 経費を差し引いた金額が課税対象となり、総合課税の対象となります。また、雑所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になります。
贈与税
贈与税とは、個人が他の個人から金銭・不動産・株式などの財産を無償で受け取った際に、その受け取った側(受贈者)に課される税金です。通常、年間110万円の基礎控除を超える贈与に対して課税され、超過分に応じた累進税率が適用されます。 この制度は、資産の無税移転を防ぎ、相続税との整合性を保つことを目的として設けられています。特に、親から子へ計画的に資産を移転する際には活用されることが多く、教育資金や住宅取得資金などに関しては、一定の条件を満たすことで非課税となる特例もあります。 なお、現在は「暦年課税」と「相続時精算課税」の2制度が併存していますが、政府は近年、相続税と贈与税の一体化を含めた制度改正を検討しており、将来的に制度の選択肢や非課税枠、課税タイミングが見直される可能性があります。 こうした背景からも、贈与税は単なる一時的な贈与の問題にとどまらず、長期的な資産承継や相続対策の設計に深く関わる重要な制度です。税制の動向を踏まえた上で、専門家と連携しながら最適な活用方法を検討することが求められます。
生命保険料控除
生命保険料控除とは、個人が支払った生命保険料に応じて、所得税や住民税の課税所得額を一定金額まで減らすことができる税制上の優遇制度です。この控除によって、納める税金が軽減されるため、実質的に保険料の一部が戻ってくる効果があります。 対象となる保険は、「一般生命保険」「介護医療保険」「個人年金保険」の3つの区分に分かれており、それぞれに控除限度額が設けられています。控除を受けるには、保険会社から発行される控除証明書を年末調整や確定申告の際に提出する必要があります。保険による万一への備えと、節税効果の両方を得られる制度として、多くの人に活用されています。初心者にとっても、生命保険を契約する際にはこの控除制度の存在を知っておくことで、より効果的な保険選びや家計管理につなげることができます。