ヘッジファンドの戦略にはどんな種類がありますか?
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2025/07/28 08:00
男性
30代
投資に興味を持ち始め、雑誌やインターネットを見ていると「ヘッジファンド」という言葉をよく目にします。なんとなく高度で複雑な投資戦略を使っている印象を受けますが、実際にはどのような種類の戦略があるのでしょうか?また、それぞれの戦略にはどんな違いや特徴があるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ヘッジファンドの主な戦略は、以下の6種類に分類できます。
① 株式ロング・ショート
割安株を買い(ロング)、割高株を空売り(ショート)することで、市場全体の変動リスクを抑えて個別銘柄の収益機会を狙います。
② イベント・ドリブン
企業のM&Aや破綻、再編など特定イベントが生じた際に発生する価格の歪みを利用し、収益を狙います。
③ 相対価値(Relative Value)
価値が近い2つの資産の価格差が縮小することに賭け、安定的な収益を目指しますが、レバレッジが高くなる場合があります。
④ グローバル・マクロ
世界の経済指標や金利・為替・コモディティ市場の大きな動きを予測し、先物やオプションを通じて利益を狙います。
⑤ CTA/マネージド・フューチャーズ
トレンドフォロー型のシステム運用で先物市場に分散投資し、市場が下落する局面でヘッジ(保険)的な役割を果たします。
⑥ マルチストラテジー
複数の戦略を組み合わせ、柔軟に資金配分を調整し、リスクとリターンの最適化を目指します。
実務的には、各戦略の相関やリスク特性、資金の拘束期間(ロックアップ)を確認し、運用成果報酬の仕組みも理解したうえで、自身のリスク許容度に応じたポートフォリオを構築することが重要です。
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ヘッジファンド
ヘッジファンドは、私募形式の投資信託です。富裕層や機関投資家向けに設計された投資ファンドで、高いリターンを追求するために多様な戦略を活用します。短期売買や空売り、デリバティブ(金融派生商品)などを駆使し、市場平均を上回る成果を目指します。 伝統的なファンドに比べて規制が比較的緩やかであるため、運用の柔軟性が高い一方で、情報開示の水準が異なり、ファンドによっては透明性が低い場合があります。また、成功報酬を含む手数料体系は一般的な投資信託よりも高く設定される傾向があり、一定の資金拘束期間が設けられることが多いため、流動性が低い点にも留意が必要です。 投資家は、これらの特性を理解した上で、自身のリスク許容度に合った選択をすることが重要です。
ロング
ロングとは、将来的に資産の価格が上がると予想して、その資産を買い保有する投資行動やポジションのことを指します。たとえば、株式や通貨、商品などを買って値上がりを待つのが「ロングポジションを取る」行為にあたります。 利益は、購入価格よりも高い価格で売却できたときに得られます。ロングは投資の基本的なスタイルで、上昇相場(ブル相場)で利益を狙う戦略として広く使われるため、個人投資家から機関投資家まで幅広く利用されています。また、「買い持ち」や「買い建て」とも呼ばれ、信用取引や先物取引でも同様の意味で使われます。なお、ロングの反対は「ショート」で、価格が下がることを見越して売りから入る戦略です。値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う際の基本的な投資姿勢として、理解しておくことが重要です。
ショート
ショートとは、将来的に資産の価格が下がると予想して、保有していない資産を先に売ることで利益を得ようとする投資行動やポジションのことです。たとえば、株式を証券会社から借りて先に売り、市場価格が下がったところで買い戻して返却するという仕組みが典型的なショート取引(空売り)です。 この取引により、売却価格と買い戻し価格の差額が利益になります。下落相場で利益を得る戦略として、ロング(買い)とは逆方向の取引になります。信用取引や先物取引、オプション取引などで使われることが多く、ヘッジ目的(保有資産のリスク回避)としても活用されます。ただし、価格が予想に反して上昇すると、損失が無限大に拡大するリスクがあるため、リスク管理が非常に重要な戦略でもあります。
裁定取引
裁定取引とは、同じものが違う市場や形で異なる価格で取引されているときに、その価格差を利用して利益を得る取引のことです。たとえば、ある株が東京市場では1000円で、ニューヨーク市場では1100円で売られていた場合、安い市場で買って高い市場で売ることで差額の100円を利益として得ることができます。 このように、価格差が生じた瞬間にすばやく売買を行うことで、ほぼリスクなしに利益を得るのが裁定取引の特徴です。一般の投資家が行うのは難しいことが多いですが、機関投資家などがコンピューターを使って自動的に行うこともあります。
イベント・ドリブン
イベント・ドリブンとは、企業の合併・買収、再編、破綻、株式の入れ替えなど、特定の「イベント(出来事)」が起きることで生じる価格の歪みや市場の反応を狙って収益を上げる投資戦略です。これらのイベントは一時的に株価や資産価格に大きな影響を与えることがあるため、情報の早期取得や分析力、タイミングの見極めが重要になります。市場全体の動きとは異なる要因に基づいて利益を狙うため、分散投資の一環として組み入れられることもありますが、予測が外れた際のリスクもあるため注意が必要です。
グローバル・マクロ
グローバル・マクロとは、世界各国の経済や政治、金融政策、金利、為替などのマクロ(大局的)な要因を分析し、それに基づいて様々な資産クラスに投資を行う戦略です。特定の国や地域に限定せず、株式、債券、通貨、コモディティといった多様な市場にポジションを取ることで、大きな経済トレンドや政策転換による価格変動を捉えることを目的としています。柔軟な運用が可能である一方、市場予測の精度が求められるため、高度な分析力と判断力が必要とされる運用手法です。