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高齢者雇用継続給付金に上限はありますか?
回答済み
1
2025/10/30 09:14
男性
40代
高年齢雇用継続給付金には支給額の上限があると聞きました。実際にどのような基準で上限が決まるのか、賃金や在職老齢年金との関係で減額されるケースがあるのか知りたいです。具体的な支給率や計算方法についても教えてください。
回答をひとことでまとめると...
高年齢雇用継続給付には上限があります。支給限度額は月約38.7万円、給付率の上限は最大10%で、賃金と合計して超える場合は減額されます。
佐々木 辰
38歳
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
高年齢雇用継続給付には上限があります。支給額には「月ごとの支給限度額」と「最低限度額」が設定されており、さらに計算の基礎となる「60歳到達時の賃金月額の上限・下限」も定められています。
これらは毎年8月に見直され、2025年8月以降では支給限度額が月386,922円、最低限度額が2,411円、60歳時の賃金月額の上限が508,200円、下限が90,420円となっています。賃金が支給限度額を超える月は給付されず、賃金と給付額の合計が上限を超える場合には、その差額分だけ給付額が減額されます。
なお、賃金と給付金の合計が38万6,922円を超えるときは「38万6,922円 − 支給対象月の賃金額」が支給額になります。
さらに、給付の計算には「給付率の上限」もあります。これは賃金の低下率に応じて支給される割合の上限を定めたもので、最大でも60歳到達時期によって異なります。2025年3月31日以前に60歳に達した人は最大15%、2025年4月1日以降に60歳になる人は最大10%が上限です。
また、支給の可否や金額は「賃金の低下率」に基づいて決まります。60歳到達時の賃金に対して75%未満に下がった場合が給付の対象となり、低下率が低いほど給付率が高くなります。ただし、前述した「給付率の上限」と「支給限度額」により、実際の支給額が制限されます。
たとえば、ある月の賃金が35万円で給付額が4万円と算出された場合、合計39万円は限度額386,922円を上回るため、支給額は差額分の36,922円に調整されます。
賃金が限度額を超える月は給付されません。このように制度は「率」と「金額」の両面から上限が設けられており、毎年の見直しによって金額が更新されます。
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“高年齢雇用継続給付金は65歳以上になるとどうなりますか?”
A. 高年齢雇用継続給付金は65歳の誕生月で支給が終了します。翌月以降は対象外となり、以後は老齢年金や高年齢求職者給付金の制度が適用されます。
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“在職老齢年金の支給停止基準額は、なぜ見直しがされるのですか?”
A. 高齢者の就労意欲を高め、年金と賃金の両立を支援するためです。企業の人手不足を緩和する目的もあり、支給停止基準額は段階的に引き上げられ、制度の実質的な緩和が進められています。
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“在職老齢年金制度の廃止はいつからですか?”
A. 在職老齢年金制度は直ちに廃止される予定はなく、段階的に支給停止基準額を引き上げる方向で見直しが進められています。
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“在職老齢年金は、70歳以上の人にも関係ありますか?”
A. 在職老齢年金は70歳以上でも関係があります。70歳を超えても厚生年金の適用事業所で働き、給与を受け取る場合、その金額によって老齢厚生年金が一部または全額支給停止されることがあります。
2026.02.04
“通勤手当(交通費)は社会保険料を計算する際の標準報酬月額に含まれますか?”
A. 通勤手当は社会保険上「報酬」に含まれ、標準報酬月額に算入されます。税で非課税でも保険料計算には反映される点に注意が必要です。
関連する専門用語
在職老齢年金
在職老齢年金(ざいしょくろうれいねんきん)とは、年金を受け取りながら働く人の年金額を、賃金とのバランスをとるために一時的に減額または支給停止する制度です。高齢期の就労を促進しつつ、年金財政の公平性を保つことを目的としています。 対象となるのは、老齢厚生年金の受給権があり、厚生年金保険の適用事業所で報酬を受け取っている人です。具体的には、60歳以上で老齢厚生年金を受け取っている人が勤務を続けている場合に適用されます。70歳を超えると厚生年金保険料の支払い義務はなくなりますが、報酬を得ている限り、この在職老齢年金の支給停止の仕組みは引き続き適用されます。 支給停止の判定は、年金(月額)と給与・賞与の合計額が一定の基準を超えるかどうかで行われます。年金の支給額を算定する際に用いられる「基本月額」と、給与や賞与から算出される「総報酬月額相当額」を合計し、基準額(支給停止調整開始額)を上回る場合、超過分の2分の1が年金から差し引かれます。たとえば、年金10万円、給与50万円で合計60万円の場合、基準額51万円を9万円超えるため、その半分の4.5万円が支給停止となり、受け取れる年金は5.5万円になります。 基準額は制度改正により段階的に引き上げられています。2024年度までは47万円でしたが、2025年度(令和7年度)からは51万円に引き上げられました。さらに、2026年4月(令和8年4月)からは62万円に引き上げられる予定です。これにより、高齢になっても働き続ける人がより多くの年金を受け取れるようになります。 在職老齢年金には、60〜64歳を対象とする「低在老」と、65歳以上を対象とする「高在老」があります。60〜64歳の場合の基準額は28万円と低く設定されていますが、65歳以上は51万円(現行)と緩やかです。なお、雇用保険の高年齢雇用継続給付を受けている場合などは、年金額が追加で調整されることもあります。 在職老齢年金は「働く高齢者の所得と年金の調整」という考え方に基づく仕組みであり、年金制度の公平性と持続可能性を保ちながら、就労意欲を支える制度として位置づけられています。今後も高齢者の就労促進と制度の簡素化を目的とした見直しが進む見通しです。
高年齢雇用継続給付
高年齢雇用継続給付とは、60歳以降も働き続ける人が、60歳以降に賃金が下がった場合に、その減少分の一部を補うために支給される給付金です。これは雇用保険の制度のひとつで、60歳から65歳までの間に、現役時代よりも賃金が大幅に減少した場合に、一定の条件を満たすと、国から「賃金の補填」として毎月支給されます。 給付の対象となるには、雇用保険に継続して加入していることや、支給対象月に一定の勤務実績があることなどが必要です。年金とは別の制度ですが、老齢厚生年金との関係も深く、受給状況によっては調整が入る場合もあります。高年齢者の就業を支援することで、安心して長く働ける環境をつくるための重要な制度です。
60歳到達時賃金
60歳到達時賃金とは、高年齢雇用継続給付の支給対象となるかどうかを判断するための基準となる、60歳に到達した時点での月給のことです。この賃金は、60歳以降に働き続ける場合、その後の賃金と比較して減少しているかどうかを見るために使われます。 具体的には、60歳時点の賃金と比較して、賃金が75%未満に減少していれば、減少分の一部が高年齢雇用継続給付として支給される可能性があります。この制度は、高年齢者が賃金が下がっても働き続けられるように支援するものですが、その際の「スタート地点」となるのが、この60歳到達時賃金です。 そのため、この金額の算定方法や確認資料は非常に重要であり、企業によっては賃金改定や再雇用契約の際に慎重に取り扱われます。
源泉徴収
源泉徴収とは、給与や報酬、利子、配当などの支払いを受ける人に代わって、支払者があらかじめ所得税を差し引き、税務署に納付する制度です。特に給与所得者の場合、会社が毎月の給与から所得税を控除し、年末調整で過不足を精算します。 この制度の目的は、税金の徴収を確実に行い、納税者の負担を軽減することです。例えば、会社員は確定申告を行わずに納税が完了するケースが多くなります。ただし、個人事業主や一定の副収入がある人は、源泉徴収された金額を基に確定申告が必要になることがあります。 また、配当金や利子の源泉徴収税率は原則20.315%(所得税15.315%+住民税5%)ですが、金融商品によって異なる場合があるため、事前に確認が必要です。
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