住宅ローンの団信に入れない人とはどんな人ですか?
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2025/09/22 09:25
男性
50代
住宅ローンを組む際に加入が求められる団体信用生命保険ですが、健康状態によっては加入できない場合があると聞きました。持病や過去の病歴がどの程度影響するのか、また加入できない場合に住宅ローンを利用する方法はあるのかなど、初心者にも分かるように教えていただけますか。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
住宅ローンの団体信用生命保険は、通常ローン実行の条件として加入が求められます。加入できない主な理由は、現在治療中であること、重い病歴があること、健康状態が不安定なこと、精神疾患で治療中であること、年齢や契約条件の上限を超えること、あるいは告知に不備がある場合です。特にがんや心疾患、脳卒中などの重大な既往症、合併症を伴う糖尿病などは審査が厳しくなります。ただし病名そのものよりも、治療の経過やコントロールの状態、完治からの経過年数などが重視されます。
団信に入れない場合でもいくつかの選択肢があります。健康に不安がある人でも通りやすいワイド団信を利用したり、フラット35のように団信が任意の商品を選び、民間の定期保険や収入保障保険で代替する方法があります。また、治療が安定した後に再申込することで審査に通るケースもあります。さらに、夫婦や家族で連帯債務やペアローンを組み、加入できる人に保障を寄せる設計をとる方法もあります。
重要なのは告知の正確さです。直近の診療や検査の結果、服薬状況などを正確に申告し、虚偽や漏れを避けることが不可欠です。虚偽告知は万一の際に保険金が支払われないリスクを招きます。健康診断や主治医の診断書を添えることで、審査が有利になる場合もあります。
結論として、団信に入れない人は一定の健康状態や条件に該当する場合ですが、それでもローンを組むための方法は複数あります。大切なのは、選択肢を比較しながら家計全体のリスクに備え、住宅ローンと保障を総合的に最適化することです。
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ワイド団信
ワイド団信とは、住宅ローンを組む際に加入する団体信用生命保険(団信)の一種で、持病や過去の病歴がある人でも比較的加入しやすく設計された保険です。通常の団信では健康状態に関する審査が厳しく、条件に合わないと住宅ローンが借りられないことがありますが、ワイド団信では告知内容のハードルが低めに設定されており、より多くの人が住宅ローンを利用できるように配慮されています。 その分、保険料が高くなる傾向がありますが、住宅を購入したいという希望を持ちながら、健康面の不安がある人にとって大きな助けとなります。資産運用の観点では、住宅ローンは長期的な家計の支出と密接に関係するため、こうした保障内容を理解しておくことは重要です。
団体信用生命保険(団信)
団体信用生命保険とは、住宅ローンを組んだ人が亡くなったり高度障害になったりした場合に、その時点のローン残高が保険金で返済される保険です。多くの場合、住宅ローンを借りる際に金融機関が加入を条件とすることがあり、略して「団信(だんしん)」とも呼ばれます。 この保険に加入しておけば、万が一のことがあった際に遺族がローンを引き継ぐ必要がなくなり、家に住み続けることができるため、大きな安心材料になります。保障の範囲は、死亡や高度障害に限らず、がんや三大疾病、就業不能までカバーするタイプもあり、ライフスタイルに応じて選ぶことができます。
フラット35
フラット35とは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する、最長35年間の全期間固定金利型の住宅ローンです。最大の特徴は、借入時に決まった金利が返済終了まで変わらない点にあります。これにより、将来の金利上昇による返済額の増加リスクを回避することができ、長期の資金計画を立てやすくなるメリットがあります。 主にマイホームの新築・購入・リフォームに利用され、一定の技術基準や住宅性能(例:省エネ性、耐震性)を満たす住宅が対象です。また、所得制限がなく、自営業者やフリーランスの方にも利用しやすいローンとして知られています。金融機関ごとに取り扱い条件や金利は異なりますが、公的性格を持つ制度として、住宅取得支援の重要な選択肢となっています。
定期保険
定期保険とは、あらかじめ決められた一定の期間だけ保障が受けられる生命保険のことです。たとえば10年や20年といった契約期間のあいだに万が一のことがあれば、保険金が支払われますが、その期間を過ぎると保障はなくなります。保障期間が限定されているため、保険料は比較的安く設定されています。特に子育て世代や住宅ローンを抱えている方など、特定の期間だけ万が一の保障を重視したい場合に適しています。貯蓄性はなく、純粋に「保障のための保険」である点が特徴です。
収入保障保険
収入保障保険とは、契約者が死亡または高度障害になった場合に、遺された家族が毎月一定額の保険金を受け取れる生命保険の一種です保険金は一括ではなく、年金のように月々の定額支給という形で受け取るため、日々の生活費や教育費など、継続的な支出に備えるのに適した保険です。 この保険の特徴は、契約期間が経過するごとに受け取れる総額(=支給期間)が短くなるため、保険料が比較的割安に設定されていることです。必要な保障額を効率よく確保できることから、特に子育て中の家庭や、一家の収入を支える人に万が一があった場合のリスクに備えたい方に人気があります。
ペアローン
ペアローンとは、夫婦やカップルなどが、それぞれ個別に住宅ローンを組んで、同じ物件を共同で購入するために利用するローンの仕組みです。2人がそれぞれローン契約を結ぶため、借入可能額が大きくなり、希望する物件を購入しやすくなるというメリットがあります。 また、それぞれが住宅ローン控除を受けられる可能性があるため、節税面でも有利になることがあります。ただし、ローンの契約は個別に行われるため、どちらか一方が返済できなくなった場合には、もう一方に大きな負担がかかることがあります。ペアローンを利用する際は、将来のライフプランやリスクも含めて十分な話し合いが必要です。