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エンディングノートは若い人向けにもおすすめと言われました。なぜでしょうか?

エンディングノートは若い人向けにもおすすめと言われました。なぜでしょうか?

回答受付中

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2025/08/17 09:33


男性

30代

question

老後の話だと思っていたエンディングノートが、最近では若い世代にも有効だと聞きました。まだ独身で資産も多くありませんが、それでも書くメリットがあるのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

エンディングノートは「高齢者のもの」というイメージがありますが、実は若い人にとっても非常に有効なツールです。その理由は大きく4つあります。緊急時対応の整備、デジタル資産や契約の可視化、医療や連絡体制の意思共有、そしてライフプランの整理に役立つ点です。若年層でも事故や急病、災害に遭う可能性はあり、いざというときに自分の意思や重要な情報を他人に伝えられる手段として、若い世代にこそ必要性が高まっています。

まず重要なのが、緊急時の連絡と医療に関する情報の整理です。優先的に連絡してほしい家族や友人、会社関係者などの連絡先を明示し、血液型や持病、服薬中の薬、保険証や保険会社の連絡先をまとめておくことで、救急対応の初動をスムーズにできます。また、延命治療や臓器提供の希望、医療判断を任せたい人を記載しておくと、いざというときの家族の負担を大きく減らせます。これらは法的効力はありませんが、本人の意思として強く尊重される資料になります。

次に、契約情報の一覧化も若い世代には大きなメリットです。銀行口座や証券、iDeCoや保険、クレジットカード、家賃、公共料金、サブスクリプションなど、本人が把握している情報も、家族には見えづらいのが実情です。これらを用途や解約手順とともにまとめておくことで、本人が動けなくなった場合の金銭的損失や契約トラブルを防ぐことができます。

デジタル資産についても同様です。主要なメールアドレスやクラウドサービス、SNSアカウント、スマホやPCのロック解除方法、パスワード管理アプリの利用状況など、日常的に使っているデジタルサービスへのアクセス方法を明記しておくことが重要です。実際のパスワードは書かなくても、どこに保管しているか、信頼できる人にどう伝えるかを決めておくだけでも十分です。

また、家族関係や生活スタイルが多様化している現代では、事実婚や同棲、ペットの飼育、副業やフリーランス活動など、「万一」のときに備えておくべき情報が若い人でも増えています。例えばペットの世話を誰に頼むか、フリーランスで進行中の仕事や未請求の報酬の管理方法、会計や契約の状況なども、家族や第三者にはわかりにくいため、エンディングノートにまとめておくことが有効です。

最初から完璧なものを作る必要はありません。A4で2〜3枚の簡易的なものでも構いません。緊急連絡先、医療情報、主要な契約一覧、パスワードの取り扱い方など、重要なポイントから書き始め、定期的に更新していくことが大切です。保管方法は、紙なら耐火・防水の保管庫、デジタルなら暗号化やアクセス制限を設けるなど、セキュリティにも配慮しましょう。全文を共有する必要はなく、「ここを見れば分かる」という場所だけでも信頼できる人に伝えておくと安心です。

なお、エンディングノートには法的効力がないため、財産の配分や親権の指定など、法的効果を期待する部分は別途、遺言書や信託、後見契約などと併用するのが望ましいです。エンディングノートはあくまで「意思表示の補完」として活用し、自分の考えや背景、家族へのメッセージを記録する役割が中心です。

そして最大のメリットは、自分の価値観や優先順位が明確になることです。エンディングノートを書く過程で、自分にとって必要な保険や資産管理の方針が整理され、ライフプラン全体を見直すきっかけにもなります。転職や転居、結婚・離婚といったライフイベントの前後に更新すれば、生活の「バックアッププラン」としても機能します。ほとんどコストをかけずに始められ、継続も簡単なエンディングノートは、若い世代こそ活用すべきツールと言えるでしょう。

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エンディングノート

エンディングノートとは、自分の人生の終わりに備えて、大切な情報や希望、思いを家族や関係者に伝えるために記しておくノートのことです。遺言書のような法的効力はありませんが、自分の資産の内容、介護や医療に関する希望、葬儀の方法、相続に関する意向、SNSや口座の管理などについて、あらかじめ整理しておくことで、家族の負担を減らし、トラブルを防ぐ手助けになります。 資産運用の観点でも、保有している金融資産や保険、不動産などの情報を明確にしておくことで、相続人がスムーズに把握・管理できるようになります。エンディングノートは「人生の整理帳」とも言える存在であり、自分の意思を形にする大切な準備の一つです。

デジタル資産

デジタル資産とは、インターネット上で存在し、価値を持つデータやコンテンツのことを指します。代表的な例としては、暗号資産(仮想通貨)、NFT(非代替性トークン)、デジタル証券などが挙げられます。これらは紙や物理的な形を持たず、ブロックチェーンなどのデジタル技術によって所有権や取引履歴が管理されています。デジタル資産は、投資や取引の対象となるだけでなく、音楽やアートなどのデジタルコンテンツ、企業が保有する顧客データや知的財産なども含まれる広い概念です。 近年は金融商品としての扱いが整備されつつあり、資産運用の選択肢として注目を集めています。

医療意思表示

医療意思表示とは、自分が将来、病気や事故などで意思を伝えられなくなった場合に備えて、受けたい医療や受けたくない医療について事前に明確に示しておくことをいいます。 たとえば、延命治療を希望するかどうか、人工呼吸器や心肺蘇生を受けるかどうかなどを、書面や口頭で家族や医療関係者に伝える形です。この意思表示は、患者本人の尊厳を守るだけでなく、家族や医療従事者が判断に迷う状況を減らす役割もあります。近年は高齢化の進行に伴い、終末期医療や尊厳死に関する議論が広がっており、医療意思表示は人生の備えとして重要視されています。

遺言書

遺言書とは、自分が亡くなったあとに財産をどのように分けてほしいかをあらかじめ書き残しておく文書のことです。生前に自分の意思を明確に示す手段であり、誰にどの財産を渡すか、あるいは誰には渡さないかなどを記載することができます。遺言書があることで、相続人同士のトラブルを防いだり、法定相続とは異なる分け方を実現したりすることが可能になります。法的に有効な遺言書にするためには、決められた形式に沿って作成する必要があります。代表的な形式には自筆証書遺言や公正証書遺言があります。資産運用においても、相続の計画を立てるうえで非常に重要な役割を果たします。

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