
PayPay資産運用は「やばい」と言われる理由とメリット・デメリットを徹底解説
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公開:
2025.07.08
更新:
2025.07.08
キャッシュレス決済の代表格「PayPay」が提供する「PayPay資産運用」は、2023年の大幅リニューアルで、ポイント運用から現金による本格投資サービスへと進化しました。しかし、「やばい」「損する」という声も多く、その理由には、取引時に生じる0.5%前後の割高なスプレッド手数料や約650銘柄という取扱商品の制限があります。この記事では、メリットとデメリットを専門的視点から整理し、自分に合った運用方法かどうかを判断するポイントを解説します。
サクッとわかる!簡単要約
この記事を読むと、「PayPay資産運用」の「手軽さ」と「隠れたコスト」を冷静に見極められます。PayPayポイントや現金を使い、100円から気軽に約650銘柄へ投資可能な一方で、取引ごとに0.5%前後のスプレッド手数料が発生するなど、初心者が見落としやすい注意点も存在します。また、ポイント還元や未成年利用といった独自のメリットと、移管や指値注文不可などの制限についても理解できるため、他サービスと比較して自分に最適な投資方法を判断できます。
目次
PayPay資産運用とは?口座不要の「ポイント運用」と本格的な「ポイント投資」の2種類を使い分けるサービス
PayPay資産運用が「やばい・やめとけ」と言われる5つのデメリットと真相
デメリット① 手数料が割高|少額取引なら許容範囲だが、本格投資には不向き
デメリット② 取扱商品が少ない|有名銘柄は揃うが、こだわり派には物足りない
デメリット③ 現金化に手間がかかる|PayPay決済メインなら問題なし
デメリット④ 細かい注文ができない|成行注文のみで、短期売買には向かない
デメリット⑤ 資産の移管が不可|将来の乗り換えは「売却して現金化」が必須
デメリットだけじゃない!PayPay資産運用を初心者が始めるべき5つのメリット
メリット① とにかく手軽|PayPayアプリ1つで、思い立ったらすぐ始められる
メリット② 100円から投資可能|失敗しても痛くない金額で経験が積める
メリット③ ポイントで投資できる|現金を使わないから、心理的なハードルが低い
メリット④ ポイント還元がお得|「クレジットつみたて」で実質コストを下げられる
メリット⑤ 金融教育に最適|未成年でも利用でき、親子でお金の勉強ができる
PayPay資産運用はどんな人におすすめ?向き不向きをチェック
PayPay資産運用とは?口座不要の「ポイント運用」と本格的な「ポイント投資」の2種類を使い分けるサービス
PayPay資産運用は、スマホ決済アプリ「PayPay」上で、誰でも少額から手軽に投資を体験できるサービスです。2020年に始まった「ボーナス運用」が前身で、2023年のリニューアルによりPayPayマネーやポイントでも本格的な投資が可能になりました。
キャッシュレス決済と資産運用がアプリ内でシームレスに繋がり、初心者でも始めやすい手軽さから利用者が急増しています。
ポイント運用|口座不要で投資を「疑似体験」する機能
証券口座を開設することなく、手持ちのPayPayポイントを使って投資を疑似体験できるサービスです。
あらかじめ用意された複数の運用コースから好きなものを選びポイントを追加すると、コースが連動する金融商品の価格変動に応じてポイントが増減します。代表的なコースには以下のようなものがあります。
スタンダードコース
米国の代表的な企業500社の株価指数「S&P500」に連動します。米国経済全体に分散投資するイメージで、安定した成長が期待できるため、初心者の方に最も人気があります。
S&P500への投資については以下の記事で解説しています。
チャレンジコース
スタンダードコースと同じ「S&P500」に連動しますが、その値動きの3倍を目指すように設計されています。相場が上昇すれば利益は3倍になる一方、下落すれば損失も3倍になるハイリスク・ハイリターンなコースです。
テクノロジーコース
Apple、Microsoft、NVIDIAといったハイテク企業が多く含まれる「NASDAQ100」指数に連動します。大きな成長が期待できる一方、景気の動向に左右されやすい特徴があります。
NASDAQ100とS&P500の違いについてはこちらのQ&Aもご参照ください。
ゴールドコース
金(ゴールド)の価格に連動するコースです。金は株価と逆の値動きをすることがあり、「守りの資産」と言われます。リスク分散の一つとして活用できます。
ポイント投資|ポイントや現金で「本物の株」が買える機能
ポイント投資はPayPay証券の証券口座を開設し、PayPayアプリの「資産運用」ミニアプリを通じて実際に株式や投資信託を購入するサービスです。口座開設はアプリ内から簡単に行え、本人確認書類をスマホで提出すれば、数日後には取引を始められます。
口座を連携させることで、PayPayマネーや貯まったポイントを使い、最低100円から株式・ETF・投資信託などに投資できます。実際の証券取引のため、配当金や分配金を受け取ることも可能です。売却代金はPayPayマネーとしてチャージされ、必要に応じて銀行口座へ出金できます。
取扱銘柄数は2025年時点で約650銘柄と大手ネット証券よりは少ないものの、投資のプロが厳選した有名企業の株や人気の投資信託が中心のため、初心者にとっては迷わず選びやすいラインナップとなっています。
PayPay資産運用が「やばい・やめとけ」と言われる5つのデメリットと真相
「PayPay資産運用はやばい」「ポイント運用はやめとけ」といった声を目にし、不安に感じている方もいるかもしれません。結論から言えば、PayPay資産運用が「やばい」と言われる理由には、サービスの手軽さと裏腹の「本格投資における懸念点」と、その手軽さ自体が「良い意味でやばい」と驚かれる点の両方があります。
デメリット① 手数料が割高|少額取引なら許容範囲だが、本格投資には不向き
PayPay資産運用では、株式等を売買する際に「手数料」ではなく、売買価格に上乗せされた「スプレッド」が実質的な取引コストとなります。具体的には、日本株では基準価格の0.5%、米国株では取引時間によって基準価格の0.5%〜0.7%が上乗せされます。
スプレッドとは、株式などの買値と売値の差額のことです。スプレッドにより、他のネット証券と比較すると割高になる場合があります。
例えば、SBI証券や楽天証券といった大手ネット証券では、米国株の取引手数料は「約定代金×0.495%(税込)」が主流です。
新NISAの口座選びについては以下の記事で詳しく解説しています。
デメリット② 取扱商品が少ない|有名銘柄は揃うが、こだわり派には物足りない
選べる銘柄の種類が少ないことも「やばい」と言われる理由の一つです。PayPay資産運用で現在取り扱えるのは約650銘柄程度であり、数千〜数万銘柄を扱う主要ネット証券と比べると選択肢は限られます。
もっとも、裏を返せば銘柄数が厳選されている分、初心者でも迷いにくいとも言えます。何を買えばよいか分からない初心者にとっては、数多くの中から自分で選ぶよりも、ある程度ラインナップが絞られている方が取り組みやすい面もあります。
デメリット③ 現金化に手間がかかる|PayPay決済メインなら問題なし
運用益を現金化しにくい点も、PayPay資産運用が「やばい」と言われる理由です。ポイント運用の場合は言うまでもなく利益も含めすべてポイントで戻るため現金化はできませんが、証券口座を利用したポイント投資の場合でも、売却代金や配当金は一旦PayPayマネー残高で受け取る形になります。
そのお金を日常のPayPay決済に充当する分には非常に便利ですが、銀行口座に移して現金として引き出すには別途振込の手続きが必要です。具体的には、PayPayアプリ上で「出金」操作を行い、自身の銀行口座へ振り込みます。PayPay銀行口座への出金は無料ですが、それ以外の銀行への振込には1回100円の手数料がかかります。
デメリット④ 細かい注文ができない|成行注文のみで、短期売買には向かない
PayPay資産運用では株式取引の注文方法が、価格を指定しない成行注文のみに限定されています。
これは、初心者が「いくらで注文すればいいか分からない」と悩むことなく、確実に取引を成立させられるように、あえて機能をシンプルにしているためです。しかし、価格を指定して「この値段になったら買いたい/売りたい」と発注する指値注文が使えないため、細かな価格コントロールはできません。
特に、経済指標の発表時など、価格変動が激しい銘柄を取引する際、成行注文では「スリッページ」という現象が起き、注文した瞬間の価格と実際に約定した価格がズレてしまうリスクがあります。
さらに、PayPay資産運用での取引はリアルタイムではなく、1日に数回設定される基準価格(締め時間)に基づいて行われます。そのため、デイトレードのように数分・数時間単位での価格変動を捉えて利益を出すことは構造上不可能です。
デメリット⑤ 資産の移管が不可|将来の乗り換えは「売却して現金化」が必須
PayPay資産運用で購入・保有した株式や投資信託を、SBI証券や楽天証券といった他社の証券口座へ、資産のまま引っ越しさせることができません。これを「移管(いかん)」と呼びますが、PayPay証券はこの制度に非対応です。
そのため、将来的に「もっと手数料が安い証券会社に資産をまとめたい」「もっと多くの商品に投資したい」と考えても、一度PayPay資産運用内の資産をすべて売却し、現金化した上で、新しい証券会社で買い直すという手間とコストが発生します。
デメリットだけじゃない!PayPay資産運用を初心者が始めるべき5つのメリット
「やばい」と言われる理由を見てきましたが、裏を返せばPayPay資産運用には初心者にとって魅力的なメリットも多く存在します。「良い方向でやばい」という評判が出るゆえんでもある、その主なメリットを整理します。
メリット① とにかく手軽|PayPayアプリ1つで、思い立ったらすぐ始められる
PayPay資産運用最大のメリットは、普段使い慣れたPayPayアプリ内で、口座開設から取引まですべてが完結する点です。新たなアプリをインストールしたり、難しいウェブサイトにログインしたりする必要はありません。
実際の操作もホーム画面から「資産運用」ボタンを数回タップして金額を入力するだけという直感的なデザインで、煩雑な書類記入や対面手続きとは無縁です。画面デザインも資産の増減がグラフで視覚的に分かりやすく、初心者が抵抗感なく使えるよう工夫されています。
メリット② 100円から投資可能|失敗しても痛くない金額で経験が積める
最低100円から、1円単位で投資できるという点も、初心者にとって非常に大きなメリットです。これは、PayPay証券が1株に満たない「単元未満株(小数点以下取引)」の売買を可能にしているためです。通常、株式は100株単位(1単元)での取引が基本で、数十万円の資金が必要になることも珍しくありませんが、そのハードルが劇的に下がっています。
この少額投資は、毎月コツコツ一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」という投資手法と非常に相性が良いです。この手法では、価格が高い時には少なく、安い時には多く購入することになるため、長期的に見ると平均購入単価を抑える効果が期待できます。リスクを抑えながら資産形成を目指す上で、非常に有効な戦略です。
ドルコスト平均法については以下の記事で詳しく説明しています。
メリット③ ポイントで投資できる|現金を使わないから、心理的なハードルが低い
現金を使わずに、日常の買い物で貯まったPayPayポイントで投資できる点も、心理的なハードルを大きく下げてくれます。手元の現金を減らさずに運用を始められるため、「損をするのが怖い」と感じる初心者でもゲーム感覚でスタートできます。
これは楽天やdポイントなど他社のポイント運用サービスでも見られる利点ですが、PayPay資産運用のポイント投資がユニークなのは「ポイントで株式や投資信託などすべての銘柄に投資可能」な点です。一般的なポイント運用サービスは投資先が限定的なコースのみですが、PayPayでは現金と同じように、豊富な銘柄の中から好きなものを選んで投資できます。
メリット④ ポイント還元がお得|「クレジットつみたて」で実質コストを下げられる
PayPay資産運用には、「クレジットつみたて」というお得なプログラムがあります。これは、PayPayカードを使って投資信託の積立を行うと、決済額の最大0.7%がPayPayポイントとして還元される特典です。
また、PayPayカードやPayPay銀行の利用状況に応じてポイント還元率がアップする「PayPayステップ」など、PayPay経済圏全体での連携も強みです。普段の生活でPayPayを使えば使うほど、投資の原資となるポイントが効率よく貯まっていく仕組みが構築されています。
メリット⑤ 金融教育に最適|未成年でも利用でき、親子でお金の勉強ができる
PayPay資産運用は、親権者の同意があれば15歳から17歳の未成年でも利用可能です。これは、若いうちから金融や経済に触れる「金融教育」のツールとして非常に優れています。
お小遣いの中から数百円を使って、応援している企業の株を買ってみる。なぜ株価が上がるのか、下がるのかをニュースを見ながら親子で話し合う。こうした体験は、お金の価値や社会の仕組みを学ぶ絶好の機会となります。ポイント運用であれば、万が一価値が下がっても現金が減るわけではないため、安心して挑戦させることができます。
PayPay資産運用はどんな人におすすめ?向き不向きをチェック
ここまでの解説を踏まえ、PayPay資産運用がどんな人に向いているのか、また向かないのはどんな人かを整理します。具体的な人物像をイメージしながら、自分が当てはまるか確認してみてください。
こんな人におすすめ!|投資デビューしたいPayPayユーザー
PayPay資産運用は、特にPayPayを普段使いしている投資初心者に最適です。貯まったポイントを有効活用したい、まずは失敗しても痛くない少額から試したい、難しい操作なしで直感的に始めたい、といったニーズに応えるサービス設計になっています。
日々の支払いでPayPayポイントが貯まっている、または日常的にPayPayで決済する人
普段のランチやコンビニでの支払いをPayPayで行い、毎月数百ポイントが自然に貯まるような方。貯まったポイントの使い道に困っていたり、有効活用したいと考えている方にとって、それをそのまま投資に回せるPayPay資産運用は最適なサービスです。
まずは数千円からお試しで投資を体験したい人
投資に興味はあるものの、いきなり大金を投じるのは怖いと感じている方。副業や節約で生まれた毎月数千円〜1万円程度の余剰資金を、無理のない範囲でコツコツ投資に回したいと考えている慎重派の方のニーズに、100円から始められるPayPay資産運用はぴったりです。
難しい操作なしで、直感的に始めたい人
投資と聞くと、専門用語が並ぶ難しいサイトや複雑なチャートを想像してしまい、二の足を踏んでいた方。普段から使い慣れたPayPayアプリのシンプルな画面で、ゲーム感覚で始められる手軽さは、そうした方の最初の一歩を力強く後押しします。
こんな人には不向き!|本格的な資産運用をしたい人
一方で、すでに投資経験がある方や、本格的な資産運用を目指す方には不向きな面もあります。手数料の安さ、豊富な商品数、高度な取引機能を重視するなら、PayPay資産運用のシンプルな設計では物足りなさを感じるでしょう。
手数料コストを1円でも安く抑えたい人
退職金の一部である数百万円など、まとまった資金を本格的に運用したいと考えている方。取引額が大きくなるほど手数料の差が資産全体に与える影響も大きくなるため、より低コストな大手ネット証券(SBI証券、楽天証券など)をメインに検討するべきです。
幅広い金融商品から自分で選びたい人
すでに株式や投資信託の経験が豊富で、これからは新興国ETFや個別REIT(不動産投資信託)など、よりニッチな商品にも挑戦してポートフォリオを多様化させたいと考えている投資中級者以上の方。取扱商品が厳選されているPayPay資産運用では、そのニーズを満たすことは難しいでしょう。
デイトレードや指値注文で積極的に売買したい人
企業の業績やチャートを細かく分析し、日々の値動きを追って短期的な売買で積極的に利益を狙いたい方。指値注文が使えず、高度な分析ツールも提供されていないPayPy資産運用では、その投資戦略を実行することは困難です。
よくある質問(FAQ)
この記事のまとめ
PayPay資産運用は、PayPayポイントを活用して気軽に少額投資を試してみたい初心者にとって、有効な入り口になります。ただし、取引ごとに0.5%前後のスプレッド手数料がかかり、銘柄が限定されることや、他社への移管ができない点には注意が必要です。まずはポイントや100円単位の少額からスタートし、実際の使い勝手を確かめましょう。本格的に資産形成を考える段階になったら、より低コストで自由度の高いネット証券との併用を検討するのがおすすめです。

MONO Investment
投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。
投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。
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ポイント投資
ポイント投資とは、日常の買い物などで貯まったポイントを使って、株式や投資信託などの金融商品に投資する方法です。現金を使わずに、手軽に投資を始められる点が魅力で、初心者の方でもリスクを抑えて投資の仕組みを体験することができます。 例えば、クレジットカードや通販サイト、共通ポイントなどのサービスで得られたポイントを、そのまま証券会社や提携の投資サービスで運用に回すことができます。少額からスタートできるため、資産運用に対する心理的なハードルを下げる入り口として注目されています。
クレジットつみたて
クレジットつみたてとは、毎月決まった金額の投資信託などを、クレジットカードで自動的に購入していく仕組みです。銀行引き落としではなく、クレジットカードを使うことで、通常の買い物と同じようにポイントが貯まるのが特徴です。 このため、投資による資産形成をしながら、クレジットカードのポイントも獲得できるという二重のメリットがあります。積立のタイミングは月に一度で、少額からでも始められるため、投資初心者でも無理なく続けられる方法として人気があります。主にネット証券などがこのサービスを提供しており、対応するクレジットカードも限られています。
単元未満株
単元未満株(odd lot)とは、証券取引所が定める売買単位より少ない株数で保有・売買できる株式を指します。たとえば、売買単位が100株の銘柄でも、単元未満株であれば1株から購入できますので、まとまった資金を用意せずに個別株投資を始めやすい仕組みです。また、1株単位で複数銘柄を組み合わせることで、少額でも分散投資を実現しやすい点が大きなメリットとなります。 ただし、単元未満株には株主総会での議決権が付与されません。株主優待についても、企業の基準によっては対象外となる場合があります。取引方法も通常の単元株とは異なり、多くの証券会社では一日に数回まとめて市場へ発注する「取次ぎ約定」が採用されています。このためリアルタイムで売買しづらく、手数料やスプレッドが単元株取引より割高になりやすい点に注意が必要です。 配当金は保有株数に応じて自動で入金されますので、端数資金を再投資したい方や、高額な銘柄に少額でエントリーしたい方にとっては有効な選択肢です。なお、単元未満株を買い増して100株に達すると自動的に単元株へ移行し、議決権や優待など通常株主と同等の権利を得られます。 まとめると、単元未満株は「小口から段階的に買い増したい」「高価格銘柄を少額で保有したい」といった目的に適した手段です。ただし、取引コストや権利面での制限を十分に理解したうえで活用することが望ましいです。
ETF(上場投資信託)
ETF(上場投資信託)とは、証券取引所で株式のように売買できる投資信託のことです。日経平均やS&P500といった株価指数、コモディティ(原油や金など)に連動するものが多く、1つのETFを買うだけで幅広い銘柄に分散投資できるのが特徴です。通常の投資信託に比べて手数料が低く、価格がリアルタイムで変動するため、売買のタイミングを柔軟に選べます。コストを抑えながら分散投資をしたい人や、長期運用を考えている投資家にとって便利な選択肢です。
投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。
S&P500指数
S&P500指数とは、アメリカの代表的な株価指数の一つで、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出しています。米国を代表する主要企業500社の株価をもとに構成されており、テクノロジー、金融、ヘルスケアなど幅広い業種が含まれるのが特徴です。 この指数は、米国株式市場全体の動向を示す指標として世界中の投資家に注目されており、投資信託やETF(上場投資信託)のベンチマークとしても広く活用されています。「アメリカ経済の健康状態を測る体温計」とも言われる、非常に重要な指標です。
ナスダック100指数(NASDAQ100)
ナスダック100指数とは、アメリカの株式市場「NASDAQ(ナスダック)」に上場している企業のうち、金融業を除いた時価総額上位100社で構成される株価指数です。アップル、マイクロソフト、アマゾン、メタ(旧フェイスブック)、エヌビディアなど、世界を代表するテクノロジー企業や成長企業が多く含まれており、ハイテク分野を中心としたアメリカ経済の先端的な動きを示す指標として高い注目を集めています。 この指数は時価総額加重平均型で、企業の規模が大きいほど指数に与える影響も大きくなります。また、ナスダック総合指数よりも選定銘柄が絞られているため、より「成長株」にフォーカスした性格が強いのが特徴です。初心者の方には、「アメリカのハイテク大手を集めた“代表選手”のような指数」と捉えるとわかりやすいでしょう。ハイテク市場の動向をつかむうえで欠かせない指標のひとつです。
ドルコスト平均法
ドルコスト平均法とは、一定の金額を定期的に投資する方法です。価格が高いときは少なく、価格が低いときは多く買えるため、購入価格が平均化され、リスクを分散できます。市場のタイミングを読む必要がないため、初心者に最適な方法とされています。長期投資で効果を発揮し、特に投資信託やETFで利用されることが多い手法です。
スプレッド(Spread)
スプレッド(Spread)とは、金融商品の売値(ビッド:Bid)と買値(アスク:Ask)の差のことをいいます。主に外国為替市場や債券市場、株式市場などで使われる用語です。 ビッド(Bid)は投資家がその商品を「売るときに受け取れる価格」、アスク(Ask)は「買うときに支払う価格」を指します。スプレッド(Spread)が広いほど、投資家にとっての取引コストが高くなるため、売買のタイミングには注意が必要です。 一般的に、流動性の低い市場や銘柄ではスプレッドが広がりやすく、反対に、取引が活発な市場ではスプレッドが狭くなる傾向があります。そのため、スプレッドの大きさは、市場の流動性や取引コストを判断する一つの指標となります。
成行注文
成行注文とは、価格を指定せずにその時点での市場価格で売買を行う注文方法のことです。注文を出すと、すぐに取引が成立しやすいという特徴があります。そのため、株価が大きく動いているときや、すぐに売りたい・買いたいというときに使われます。 ただし、価格を指定しないため、想定よりも高く買ってしまったり、安く売ってしまったりすることもあり、注意が必要です。スピード重視の取引には向いていますが、価格をコントロールしたいときには他の注文方法の方が適しています。
指値注文
指値注文とは、自分が売買したい価格をあらかじめ指定して出す注文方法のことをいいます。たとえば「この株を1,000円になったら買いたい」や「1,200円以上になったら売りたい」といったように、自分が希望する価格を指定して注文します。 指定した価格に達しない限り売買は成立しないため、思い通りの価格で取引できる一方で、注文が成立しないまま終わる可能性もあります。投資家が損失を抑えたり、利益をしっかり確保したりするために、計画的に使われる注文方法です。特に相場が急変したときに冷静に売買するための手段として、初心者にも役立つ仕組みです。
スリッページ
スリッページとは、株式や為替などの金融商品を売買するときに、自分が注文を出した価格と実際に取引が成立した価格にズレが生じることを指します。たとえば、100円で買いたいと注文を出したのに、実際には101円で約定してしまうような場合がスリッページです。 この現象は、市場の変動が激しいときや、取引量が少ないときに起こりやすくなります。投資家にとっては思ったよりも高い価格で買ったり、安い価格で売ったりしてしまうため、コストや損失の原因になることがあります。そのため、特に短期売買を行う場合は、スリッページのリスクにも注意が必要です。
配当(配当金)
配当とは、会社が得た利益の一部を株主に分配するお金のことをいいます。企業は利益を出したあと、その一部を将来の投資に使い、残った分を株主に還元することがあります。このときに支払われるお金が配当金です。株を持っていると、持ち株数に応じて定期的に配当金を受け取ることができます。多くの場合、年に1回または2回支払われ、企業によって金額や支払い時期は異なります。配当は企業からの「お礼」のようなもので、株を長く持ち続ける理由の一つになることがあります。
分配金
分配金とは、投資信託やREIT(不動産投資信託)などが運用によって得た収益の一部を、投資家に還元するお金のことです。これは株式でいう「配当金」に似ていますが、分配金には運用益だけでなく、元本の一部が含まれることもあります。そのため、分配金を受け取るたびに自分の投資元本が少しずつ減っている可能性もあるという点に注意が必要です。分配金の有無や頻度は投資信託の商品ごとに異なり、毎月、半年ごと、年に一度などさまざまです。投資初心者にとっては、「お金が戻ってくる」という安心感がありますが、長期的な資産形成を考えるうえでは、分配金の出し方やその内容をしっかり理解することが大切です。