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パートの社会保険料はいくら?扶養・壁・育休免除・退職後まで状況別・年齢別に解説

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Social insurance costs for part-time workers

パートの社会保険料はいくら?扶養・壁・育休免除・退職後まで状況別・年齢別に解説

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執筆者:

公開:

2026.01.29

更新:

2026.09.28

# ライフイベント

パートの収入や勤務時間が増えると、社会保険への加入や扶養から外れることによって、手取りが変わる場合があります。「106万円・130万円の壁」という金額だけで判断すると、自分の加入条件や負担を見誤る可能性もあります。この記事では、パートの社会保険料について、加入条件と月額負担の目安、2026年の制度改正から、扶養・産休・育休・退職に伴う変化までを具体的に解説します。

サクッとわかる!簡単要約

この記事を読むことで、勤務先の社会保険に加入する条件と、家族の扶養から外れる基準の違いを理解し、自分の働き方に応じた保険料や手取りの変化を確認できるようになります。さらに、将来の年金や健康保険の給付、利用できる免除・軽減制度も把握できます。目先の負担だけでなく保障も含めて比較し、勤務先に確認すべき事項を整理したうえで、勤務時間や収入の目標を検討できるようになります。

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目次

社会保険料は「どの制度に加入するか」で変わる

パートの社会保険料はいくら?加入条件と2026年10月の変更点

パートが勤務先の社会保険に加入する条件

月給10万円のパートの保険料は月約1.4万円

掛け持ち・副業をしている場合

学生アルバイトの場合

社会保険料の壁とは?106万円・130万円の違いと2026年の変化

106万円の壁:勤務先の社会保険に加入するライン

130万円の壁:家族の扶養から外れるライン

税金の壁とは別物

壁を超えたときの負担を和らげる「保険料調整制度」

壁を超えるべきか?手取りと将来の保障で考える

扶養と社会保険料の関係

扶養家族が増えても会社員の保険料は増えない

扶養から外れたときに増える負担

子どもの就職・配偶者の扶養外れの手続き

育休・産休中の社会保険料免除

会社員の産休中:本人・会社の両方が免除

会社員の育休中:月末・14日ルールに注意

免除期間は「保険料を納めた期間」として扱われる

自営業・フリーランスの場合:国民年金の産前産後免除と育児免除

休職中・傷病手当金の受給中は免除されない

社会保険料は何歳まで払う?年齢別の節目

65歳以上の社会保険料

65歳以上の介護保険料は全国平均で月6,225円

75歳からの後期高齢者医療の保険料は全国平均で月7,989円

65歳以降も会社員として働く場合

退職後の社会保険料

退職月の保険料:月末退職は2カ月分引かれることがある

退職後の健康保険は3つの選択肢から選ぶ

退職後の年金は国民年金への切り替えが必要

転職時は空白期間に注意

社会保険料が高すぎると感じたら?状況別の見直しポイント

社会保険料が高く感じられる理由

状況別に見直せること

社会保険料は「どの制度に加入するか」で変わる

社会保険料の負担は、まず「どの制度に加入しているか」で決まります。同じ年収でも、勤務先の社会保険に入るのか、国民健康保険と国民年金に入るのか、家族の扶養に入るのかで、負担額はまったく異なるのです。

加入先主な対象者本人の保険料負担
勤務先の健康保険・厚生年金会社員・公務員、要件を満たすパート給与に応じた保険料を会社と折半で負担
国民健康保険・国民年金自営業・フリーランス、無職、扶養に入れない人国民健康保険料は所得や世帯人数で計算、国民年金は定額(令和8年度 月17,920円)で全額自己負担
家族の扶養(被扶養者・第3号被保険者)会社員の配偶者や子で、年収が基準未満の人本人の保険料負担はなし
加入先別に見た社会保険料の負担の違い

出典:日本年金機構「国民年金保険料」

働き方や家族の状況が変わると、この加入先が切り替わり、負担が増えたり減ったりします。以下では状況ごとの変化を見ていきましょう。なお、会社員の保険料の計算方法や標準報酬月額、料率の決まり方は、こちらの記事で詳しく取り上げています。

パートの社会保険料はいくら?加入条件と2026年10月の変更点

パートやアルバイトでも、一定の条件を満たせば勤務先の健康保険・厚生年金の加入対象です。ここでは加入の条件と、実際の保険料の目安を確認します。

パートが勤務先の社会保険に加入する条件

週の所定労働時間と月の所定労働日数がフルタイムの4分の3以上なら、パートでも社会保険に加入することになります。4分の3未満の人でも、次の条件をすべて満たすと「短時間労働者」として加入対象です。

条件内容今後の変更
週の所定労働時間20時間以上―
所定内賃金月額8.8万円以上2026年10月に撤廃予定
雇用の見込み2カ月を超えて雇用される見込み―
学生でないこと昼間の学生は対象外(夜間・通信制・休学中などは対象)―
勤務先の規模厚生年金の被保険者数51人以上2027年10月36人以上→2029年10月21人以上→2032年10月11人以上→2035年10月に撤廃
短時間労働者(パート・アルバイト)が社会保険に加入する条件

出典:日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」、厚生労働省「社会保険加入の要件」

賃金要件は、最低賃金以上で週20時間以上働けば満たす水準になったため、2026年10月に撤廃される予定です。撤廃後は、収入額ではなく「週20時間以上働くかどうか」が加入の分かれ目になります。

月給10万円のパートの保険料は月約1.4万円

社会保険に加入すると、どのくらいの保険料がかかるのでしょうか。月給10万円のパートが協会けんぽ(全国平均の料率)に加入した場合を試算しました。

保険料の種類本人負担(月額)
健康保険料(料率9.9%の半分)約4,851円
子ども・子育て支援金(0.23%の半分)約113円
厚生年金保険料(18.3%の半分)約8,967円
雇用保険料(0.5%)500円
合計約14,431円(年間約17.3万円)
月給10万円のパートが社会保険に加入した場合の本人負担(編集部試算)

※標準報酬月額9.8万円、協会けんぽの全国平均保険料率(2026年4月時点)で計算。40歳以上は介護保険料が加わります。

シミュレーションでは、月給のおよそ14%が保険料として差し引かれる計算です。一方で、厚生年金に1年加入すると、この例では将来の老齢厚生年金が年約6,400円増え(編集部試算)、その増額は一生続きます。病気やけがで休んだときの傷病手当金、出産時の出産手当金も受け取れるようになる点もメリットです。

なお、傷病手当金や出産手当金については、こちらの記事で詳しく解説しています。

出典:厚生労働省「手取り額の変化について」

掛け持ち・副業をしている場合

パートを掛け持ちしている場合、加入条件は勤務先ごとに判定します。2か所の労働時間を合計して週20時間以上になっても、それぞれの勤務先で条件を満たさなければ加入しません。

2か所以上の勤務先でそれぞれ加入条件を満たした場合は、本人が「健康保険・厚生年金保険 所属選択・二以上事業所勤務届」を提出し、両方の報酬を合算して保険料を計算します。副業がフリーランスなどの事業所得であれば、その収入は社会保険料の計算には含まれません。

ダブルワークする場合の社会保険や社会保険料については、こちらのFAQも参考にしてみてください。

学生アルバイトの場合

昼間の学生は、週20時間以上働いても短時間労働者としての加入対象にはなりません。一方、親の扶養(被扶養者)でいられるかどうかは年収で判定され、19歳以上23歳未満の人は2025年10月から年収150万円未満に基準が引き上げられています。

扶養に入るための要件については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

社会保険料の壁とは?106万円・130万円の違いと2026年の変化

「社会保険料の壁」とは、年収がある水準を超えると社会保険料の負担が生じ、手取りが減ってしまう境目のことです。代表的なのが106万円と130万円の2つで、意味がまったく異なります。

項目106万円の壁130万円の壁
意味勤務先の社会保険に加入するライン家族の扶養から外れるライン
対象従業員51人以上などの企業で週20時間以上働くパート会社員の扶養に入っている配偶者・子など
超えた後の加入先勤務先の健康保険・厚生年金勤務先の社会保険、または国民健康保険・国民年金
今後の変化2026年10月に賃金要件が撤廃予定(労働時間で判定へ)60歳以上・障害者は180万円、19〜23歳は150万円
社会保険料の2つの壁の違い

出典:日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」

106万円の壁:勤務先の社会保険に加入するライン

106万円は、月8.8万円の賃金要件を年額にした目安です。2026年10月に賃金要件が撤廃されると、年収に関係なく「週20時間以上」などの条件で加入が決まるため、106万円という金額の壁は事実上なくなります。

  1. 企業規模要件の縮小により、2027年10月以降は中小企業で働くパートも段階的に加入対象になります。今は加入していない人でも、勤務先の規模によっては数年以内に対象になるかもしれません。

130万円の壁:家族の扶養から外れるライン

会社員の扶養に入っている人は、年収が130万円以上になると扶養から外れ、自分で保険料を負担する必要があります。60歳以上や障害のある人は180万円、19歳以上23歳未満(配偶者を除く)は150万円が基準です。

  1. 年収は、過去の実績ではなく今後1年間の見込みで判定します。2026年4月からは、給与収入のみの場合、労働条件通知書など労働契約の内容に基づいて年収を判定する取り扱いになりました。残業代などで一時的に収入が増えても、契約上の年収が基準未満なら扶養にとどまれます。

税金の壁とは別物

社会保険料の壁と混同しやすいのが、所得税や配偶者控除などの税金の壁です。税金の壁は、令和7年度・8年度の税制改正で見直され、令和8年分・9年分は基礎控除104万円と給与所得控除の最低額74万円を合わせた給与収入178万円以下なら、本人に所得税がかかりません。

社会保険の扶養の130万円とは判定の仕組みも金額も別なので、分けて考えましょう。税金や社会保険に関する年収の壁については、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

出典:国税庁「No.1199 基礎控除」、国税庁「No.1410 給与所得控除」

壁を超えたときの負担を和らげる「保険料調整制度」

2026年10月からは「保険料調整制度」が始まります。対象は、2026年10月以降に任意で適用拡大に加わった事業所(任意特定適用事業所)と、2027年10月以降の企業規模要件の縮小で新たに対象となった事業所です。事業主が従業員の保険料の一部を一時的に肩代わりし、従業員の負担を通算3年間軽減できる仕組みになっています。

軽減を受けられるのは、週20時間以上働き、標準報酬月額が12.6万円以下(月収13万円未満)の学生でない短時間労働者です。従業員の負担割合は標準報酬月額に応じて1〜2年目が25〜48%、3年目はその軽減幅が半減します。

軽減された場合でも、将来の年金額は減りません。利用するかどうかは事業主の判断になるため、勤務先に確認してみましょう。

出典:日本年金機構「保険料調整制度とは」、厚生労働省「支援制度について(社会保険適用拡大特設サイト)」

壁を超えるべきか?手取りと将来の保障で考える

壁を少し超えただけでは、保険料の負担で手取りが減る「働き損」になりやすいのは事実です。ただし、勤務先の社会保険に加入すれば、老齢厚生年金が上乗せされ、傷病手当金や出産手当金も受け取れるようになります。

  1. 判断のポイントは、壁を超えて働く時間をどこまで増やせるかです。手取りの逆転は、年収が壁を少し超えた水準で起こりやすく、そこから収入を増やせば解消していきます。目先の手取りだけでなく、将来の年金や保障も含めて考えることが大切です。

扶養と社会保険料の関係

家族の扶養に入るかどうかは、社会保険料の負担に大きく影響します。扶養の人数による違いと、扶養から外れたときの変化を整理しておきましょう。

扶養家族が増えても会社員の保険料は増えない

会社員の健康保険や厚生年金の保険料は、本人の給与(標準報酬月額)で決まります。配偶者や子どもを扶養に入れても、会社員本人の保険料は変わりません。扶養家族の分の保険料を追加で払う必要もありません。

一方、国民健康保険は、加入者一人ひとりに「均等割」がかかるため、世帯の人数が増えるほど保険料も増えます。自営業者の家庭では、扶養という考え方自体がない点に注意しましょう。

扶養から外れたときに増える負担

年収が130万円を超えて扶養から外れると、本人が保険料を負担することになります。加入先による負担の違いは、次のとおりです。

扶養を外れた後の加入先本人負担の目安特徴
勤務先の社会保険給与の約14〜15%(会社と折半)厚生年金が上乗せされ、傷病手当金などもある
国民健康保険・国民年金国民年金 月17,920円+国民健康保険料(所得・自治体による)全額自己負担。将来の年金は基礎年金のみ
扶養から外れた後の加入先と本人負担の目安

勤務先の社会保険に入れる働き方なら、保険料は会社と折半になり、将来の保障も手厚くなります。国民健康保険・国民年金に加入する場合は負担が重くなりやすいため、扶養を外れる前に、勤務先で社会保険に加入できる条件かどうかを確認しておきましょう。

子どもの就職・配偶者の扶養外れの手続き

子どもが就職して勤務先の社会保険に加入した場合や、配偶者の収入が増えて扶養の基準を超えた場合は、扶養している会社員が勤務先を通じて「被扶養者異動届」を提出します。届出が遅れると、後から扶養の取り消しと医療費の返還を求められることがあるため、状況が変わったら早めに手続きしましょう。

育休・産休中の社会保険料免除

育児休業や産前産後休業の期間は、社会保険料が免除されます。免除の条件は、会社員と自営業・フリーランスで大きく異なるので注意しましょう。

会社員の産休中:本人・会社の両方が免除

産前産後休業期間(出産日以前42日、多胎妊娠は98日から、出産日後56日まで)のうち、妊娠・出産を理由に働かなかった期間は、健康保険・厚生年金の保険料が本人負担分・事業主負担分ともに免除されます。適用には、事業主による「産前産後休業取得者申出書」の提出が必要です。

会社員の育休中:月末・14日ルールに注意

3歳未満の子を養育するための育児休業等の期間も、事業主の申し出により、本人負担分・事業主負担分ともに保険料が免除されます。免除される月の判定ルールは、次のとおりです。

対象免除される条件
月額保険料(原則)育休を開始した日の属する月から、終了日の翌日が属する月の前月まで
月額保険料(短期の育休)育休開始月内に14日以上の育休を取得した場合も、その月は免除(2022年10月〜)
賞与の保険料賞与を支払った月の末日を含む、連続した1カ月を超える育休を取得した場合に免除
育児休業等の期間中に保険料が免除される条件

出典:日本年金機構「育児休業等期間中の社会保険料免除要件が見直されます」

たとえば、10月1日から10月20日まで育休を取った場合、月末をまたいでいなくても10月内に14日以上取得しているため、10月分の保険料が免除されます。賞与の保険料は、短期間の育休では免除されない点に注意しましょう。

免除期間は「保険料を納めた期間」として扱われる

産休・育休中に免除された期間は、将来の年金額を計算する際に保険料を納めた期間として扱われます。保険料を払っていなくても、年金額が減ることはありません。

育児休業給付金については以、こちらの記事で詳しく解説しています。

出典:日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」

自営業・フリーランスの場合:国民年金の産前産後免除と育児免除

国民年金第1号被保険者(自営業・フリーランスなど)が出産した場合、出産予定日(または出産日)が属する月の前月から4カ月間(多胎妊娠は3カ月前から6カ月間)の国民年金保険料が免除されます。届出先は市区町村です。国民健康保険でも、同じ期間の保険料が免除される仕組みがあります。

さらに2026年10月からは、国民年金第1号被保険者の父母を対象に「育児免除制度」が始まります。子が1歳になるまでの期間の国民年金保険料が、所得に関係なく免除される制度です。

  1. 実母は産前産後免除期間に続く9カ月間、実父や養父母は子を養育することになった月から最大12カ月間が対象で、免除期間は保険料を納めたものとして年金額に反映されます。

出典:厚生労働省「国民年金の産前産後期間の保険料免除制度について」

出典:日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度」

休職中・傷病手当金の受給中は免除されない

病気やけがによる休職中は、給与が出なくても社会保険料は免除されません。傷病手当金から保険料は天引きされないため、会社に振り込むか、復職後の給与からまとめて差し引くなど、支払い方法を事前に確認しておきましょう。

注意すべきは、傷病手当金は健康保険組合等から直接(または会社経由で)支給されるものであり、そこから社会保険料が天引きされる仕組みにはなっていない点です。手当金は満額振り込まれますが、別途保険料を会社へ支払う必要があります。

社会保険料は何歳まで払う?年齢別の節目

社会保険料の種類によって、払い始める年齢と払い終える年齢は異なります。主な節目は次のとおりです。

年齢変わること
20歳国民年金に加入(会社員は厚生年金に加入していれば国民年金にも同時加入)
40歳介護保険料の負担が始まる(第2号被保険者。医療保険の保険料と一緒に納める)
60歳国民年金の加入義務が終了(40年に満たない人は65歳まで任意加入できる)
65歳介護保険料が市区町村に納める方式に変わる(第1号被保険者。原則年金から天引き)
70歳厚生年金の加入が終了(会社員として働いていても保険料はかからない)
75歳健康保険・国民健康保険から後期高齢者医療制度に移る
年齢別に見た社会保険料の主な節目

つまり、働き続けるかぎり年金の保険料は最長70歳まで、医療と介護の保険料は生涯払い続けることになります。雇用保険料は年齢に関係なく、雇用されて働いている間はかかる点も覚えておきましょう。

65歳以上の社会保険料

65歳を過ぎると、介護保険料の納め方が変わり、75歳からは医療保険も後期高齢者医療制度に移ります。年金生活でも一定の負担が続くため、あらかじめ水準を知っておきましょう。

65歳以上の介護保険料は全国平均で月6,225円

65歳以上の介護保険料(第1号保険料)は、住んでいる市区町村が3年ごとに決めます。2024〜2026年度(第9期)の基準額の全国平均は月6,225円で、第8期の6,014円から3.5%上がりました。

保険料は所得に応じて段階的に決まり、年金額が年18万円以上の人は原則として年金から天引きされます。2027年度からは第10期の保険料に改定される点にも注意しましょう。

公的な介護保険についてくわしく知りたい方は、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

出典:厚生労働省「第9期計画期間における介護保険の第1号保険料について」

75歳からの後期高齢者医療の保険料は全国平均で月7,989円

75歳になると、それまでの健康保険や国民健康保険から後期高齢者医療制度に移ります。令和8・9年度の保険料は、1人あたり全国平均で月7,989円の見込みで、令和6・7年度の7,411円から7.8%増えました。

さらに令和8年度からは、子ども・子育て支援金分として全国平均で月194円が加わります。保険料の額は、都道府県ごとの広域連合が定める均等割と所得割で決まる仕組みです。

出典:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」

65歳以降も会社員として働く場合

65歳以降も会社員として働くと、70歳になるまで厚生年金保険料を払い続けます。その分、65歳以上70歳未満で老齢厚生年金を受け取りながら働く人は、毎年9月1日時点の加入実績が反映され、10月分から年金額が増えます(在職定時改定)。

給与と年金の合計が一定額を超えると、年金の一部が支給停止になる在職老齢年金の仕組みもあります。支給停止の基準額は2026年4月から月65万円に引き上げられました。在職老齢年金制度については、こちらの記事で詳しく解説しています。

出典:日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」

退職後の社会保険料

会社を辞めると、勤務先の健康保険と厚生年金から外れ、自分で加入先を選んで保険料を払うことになります。退職月の注意点と、退職後の選択肢を確認しましょう。

退職月の保険料:月末退職は2カ月分引かれることがある

社会保険の資格を失うのは退職日の翌日です。保険料は資格を失った日が属する月の前月分までかかるため、月末に退職すると退職月の分まで保険料が発生します。

多くの会社は前月分の保険料を当月の給与から差し引くため、月末に退職すると、最後の給与から前月分と当月分の2カ月分がまとめて引かれることがあります。手取りが大きく減っても誤りではないため、あらかじめ確認しておきましょう。

退職後の健康保険は3つの選択肢から選ぶ

退職後の健康保険は、「任意継続」「国民健康保険」「家族の扶養」の3つから選びます。

選択肢保険料手続き
任意継続退職時の標準報酬月額をもとに全額自己負担(協会けんぽの上限は令和8年度32万円)資格喪失日から20日以内に申請、最長2年間
国民健康保険前年の所得と世帯人数で計算。倒産・解雇などで離職した人は軽減あり退職日の翌日から14日以内に市区町村へ
家族の扶養本人負担なし年収見込みが130万円未満(60歳以上は180万円未満)なら家族の勤務先を通じて届出
退職後の健康保険の選択肢

任意継続は、在職中は会社が負担していた分も自分で払うため、保険料はおおむね在職中の2倍です。ただし上限があるため、給与が高かった人は国民健康保険より安くなることもあります。

倒産や解雇、雇い止めなどで離職した人(特定受給資格者・特定理由離職者)は、国民健康保険料を計算する際、前年の給与所得を100分の30とみなして計算する軽減制度があります。失業手当を受給する場合、日額3,612円以上だと家族の扶養に入れない点にも注意が必要です。

社会保険から国民健康保険への切り替え手続きや、制度の違いは以下記事で詳しく解説しています。

出典:協会けんぽ「令和8年度の任意継続被保険者の標準報酬月額の上限について」

出典:厚生労働省「非自発的失業者の国民健康保険料(税)軽減制度において軽減対象期間内に被用者保険の適用がある被保険者の取扱いについて」

退職後の年金は国民年金への切り替えが必要

60歳未満で退職し、すぐに次の会社に就職しない場合は、国民年金第1号被保険者への切り替えを市区町村で行い、国民年金保険料(令和8年度 月17,920円)を納めます。配偶者が会社員なら、配偶者の扶養(第3号被保険者)に入れる場合もあります。

失業などで保険料の納付が難しいときは、未納のまま放置せず、退職(失業)による特例免除を申請しましょう。免除が承認されれば、障害年金や遺族年金の受給資格を守りながら、後から追納することもできます。

国民年金保険料の追納についてくわしく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

転職時は空白期間に注意

退職日の翌日に次の会社へ入社すれば、社会保険は切れ目なく引き継がれ、国民健康保険や国民年金の手続きは不要です。退職と入社の間に1日でも空白がある場合は、その期間について国民健康保険・国民年金への加入手続きが必要になります。

社会保険料が高すぎると感じたら?状況別の見直しポイント

「社会保険料が高すぎる」と感じる人は少なくありません。まず、負担が重く感じられる理由を確認し、そのうえで自分の状況で見直せることを整理しましょう。

社会保険料が高く感じられる理由

会社員の場合、健康保険・厚生年金・雇用保険を合わせると、給与のおよそ15%前後が本人負担として差し引かれます。協会けんぽ東京支部(令和8年度の健康保険料率9.85%、介護保険料率1.62%)で標準報酬月額30万円の人の本人負担は、40歳未満で月約4.4万円です。介護保険料が加わる40歳以上では月約4.7万円になります(編集部試算)。

2026年4月分からは、子ども・子育て支援金(協会けんぽは0.23%を労使折半)の徴収も始まりました。さらに、扶養から外れたときや退職後に国民健康保険・国民年金へ切り替えたときは、会社の負担分がなくなるため、負担感が一気に強まります。

出典:協会けんぽ「令和8年度保険料率のお知らせ」

状況別に見直せること

社会保険料は法律で決まるため、自由に減らすことはできません。ただし、状況によっては使える制度や選択肢があります。

状況見直しポイント
パートで壁を超える勤務先が新たに適用拡大の対象になる事業所なら、保険料調整制度を使うか確認する。超えるなら週の労働時間を増やして手取りの逆転を解消する
出産・育児をする会社員は産休・育休の免除を事業主に申し出てもらう。自営業は国民年金の産前産後免除・育児免除を届け出る
退職する任意継続と国民健康保険の保険料を試算して比べる。非自発的失業なら国民健康保険料の軽減を申請する
収入が減って払えない国民年金の免除・納付猶予、国民健康保険の減免を市区町村に相談する
会社員として負担を抑えたい勤務先に選択制DC(企業型確定拠出年金)がある場合は活用を検討する(詳しくは下記の関連記事)
状況別の社会保険料の見直しポイント

社会保険料は負担である一方、将来の年金や病気・出産時の給付につながる保障でもあります。負担だけで判断せず、受けられる保障とあわせて考えることが大切です。

この記事のまとめ

社会保険料の負担は、年収だけでなく、勤務時間や勤務先の規模、加入する制度によって異なります。扶養を外れると手取りが減る場合がありますが、勤務先の社会保険への加入には、将来の年金や病気・出産時の保障が充実する面もあります。まずは労働条件通知書などで自分の契約内容を確認し、加入対象となる時期と保険料の見込みを勤務先に尋ねましょう。そのうえで、勤務時間を変えた場合の手取りと保障を比べ、家計に合う働き方を検討することが大切です。

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柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

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社会保険料はいくらになる?仕組みや計算方法・標準報酬・料率・抑える方法まで徹底解説

社会保険料はいくらになる?仕組みや計算方法・標準報酬・料率・抑える方法まで徹底解説

2026.09.28

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社会保険

社会保険とは、国民の生活を支えるために設けられた公的な保険制度の総称で、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、介護保険などが含まれます。労働者や事業主が保険料を負担し、病気や高齢による収入減少、失業時の経済的支援を受けることができます。社会全体でリスクを分担し、生活の安定を図る仕組みです。 また、社会保険は万が一の備えとして機能し、資産運用においては「公的保障の不足分をどのように補うか」を考える前提となる存在です。

健康保険

健康保険とは、病気やけが、出産などにかかった医療費の自己負担を軽減するための公的な保険制度です。日本では「国民皆保険制度」が採用されており、すべての人が何らかの健康保険に加入する仕組みになっています。 会社員や公務員などは、勤務先を通じて「被用者保険」に加入し、自営業者や無職の人は市区町村が運営する「国民健康保険」に加入します。保険料は収入などに応じて決まり、原則として医療費の自己負担は3割で済みます。また、扶養されている家族(被扶養者)も一定の条件を満たせば保険の対象となり、個別に保険料を支払わなくても医療サービスを受けられる仕組みになっています。健康保険は日常生活の安心を支える基本的な社会保障制度のひとつです。

厚生年金

厚生年金とは、会社員や公務員などの給与所得者が加入する公的年金制度で、国民年金(基礎年金)に上乗せして支給される「2階建て構造」の年金制度の一部です。厚生年金に加入している人は、基礎年金に加えて、収入に応じた保険料を支払い、将来はその分に応じた年金額を受け取ることができます。 保険料は労使折半で、勤務先と本人がそれぞれ負担します。原則として70歳未満の従業員が対象で、加入・脱退や保険料の納付、記録管理は日本年金機構が行っています。老後の年金だけでなく、障害年金や遺族年金なども含む包括的な保障があり、給与収入がある人にとっては、生活保障の中心となる制度です。

国民年金

国民年金とは、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入しなければならない、公的な年金制度です。自営業の人や学生、専業主婦(夫)などが主に対象となり、将来の老後の生活を支える「老齢基礎年金」だけでなく、障害を負ったときの「障害基礎年金」や、死亡した際の遺族のための「遺族基礎年金」なども含まれています。毎月一定の保険料を支払うことで、将来必要となる生活の土台を作る仕組みであり、日本の年金制度の基本となる重要な制度です。

国民健康保険

国民健康保険とは、自営業者やフリーランス、退職して会社の健康保険を脱退した人、年金生活者などが加入する公的医療保険制度です。日本ではすべての国民が何らかの健康保険に加入する「国民皆保険制度」が採用されており、会社員や公務員が加入する「被用者保険」に対して、それ以外の人が加入するのがこの国民健康保険です。 市区町村が運営主体となっており、加入・脱退の手続きや保険料の納付、医療費の給付などは、住民票のある自治体で行います。保険料は前年の所得や世帯の構成に応じて決まり、原則として医療機関では医療費の3割を自己負担すれば診療を受けられます。病気やけが、出産などの際に医療費の支援を受けるための基本的な仕組みであり、フリーランスや非正規労働者にとっては重要な生活保障となる制度です。

被保険者

被保険者とは、保険の保障対象となる人物。生命保険では被保険者の生存・死亡に関して保険金が支払われる。医療保険では被保険者の入院や手術に対して給付金が支払われる。損害保険では、被保険者は保険の対象物(自動車など)の所有者や使用者となる。被保険者の同意(被保険者同意)は、第三者を被保険者とする生命保険契約において不可欠な要素で、モラルリスク防止の観点から法律で義務付けられている。

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