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社債の引受とはどういう意味でしょうか?初心者にもわかりやすく教えてください

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2025/09/08 09:09


男性

60代

question

債券投資について勉強する中で、社債の引受という言葉を知りました。証券会社や銀行が社債を「引き受ける」とは、具体的にどのような行為を指すのでしょうか?また、投資家にとってどんな意味があるのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

社債の「引受」とは、企業が資金調達のために社債を発行する際に、証券会社や銀行といった金融機関がその社債を一旦すべて買い取り、投資家へ販売する仕組みを指します。発行企業と投資家の間に立ち、資金調達が確実に行われるよう保証する役割を果たしているのです。

企業が社債を発行しても、すぐに希望する金額分を投資家が購入してくれるとは限りません。その場合、引受人である金融機関があらかじめ全額を買い取ることで、企業は計画通りに資金を得ることができます。その後、金融機関が投資家に販売していきます。これを「買取引受」と呼びます。

一方で、金融機関が販売活動を行いながら、売れ残った分だけを買い取る形態もあります。これを「残額引受」といいます。いずれの方法でも、企業にとっては資金調達の確実性が高まる仕組みです。

投資家の立場から見ると、引受の存在によって発行体の信用力だけでなく、金融機関の審査や販売力も加わるため、安心感が増します。また、金融機関が引受を行うことで、市場に安定的に社債が供給され、個人投資家も購入しやすくなるというメリットがあります。

まとめると、社債の引受とは「企業が資金を確実に調達できるように金融機関が仲介し、投資家に販売する仕組み」であり、企業・投資家・金融機関のそれぞれにとって重要な意味を持つ行為なのです。

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関連する専門用語

社債

社債とは、企業が事業資金を調達するために発行する「借金の証書」のようなものです。投資家は社債を購入することで企業にお金を貸し、その見返りとして、あらかじめ決められた利息(クーポン)を一定期間ごとに受け取ることができます。満期が来れば、企業は投資家に元本を返済します。 銀行からの融資とは異なり、社債は不特定多数の投資家から直接資金を集める方法であり、企業にとっては柔軟かつ効率的な資金調達手段です。 投資家にとって社債の魅力は、株式に比べて価格の変動が小さく、定期的な利息収入が得られる点にあります。一方で、発行体である企業が経営破綻した場合、元本が戻らないリスクがあるため、信用格付けや業績などを十分に確認することが重要です。 安定的な収益を目指しつつ、リスク管理も重視する投資家にとって、社債はポートフォリオの中核を担いうる資産クラスのひとつです。

引受(アンダーライティング)

引受(アンダーライティング)とは、社債や株式などの有価証券を新たに発行する際に、証券会社などの金融機関が発行体から一旦買い取り、投資家に販売する仕組みを指します。発行体は確実に資金を調達でき、証券会社は販売を通じて手数料収入を得ることができます。英語では一般に「underwriting」と呼ばれ、実務では「bond underwriting」や「to underwrite securities」といった表現が用いられます。 引受の方式にはいくつかの形態があり、発行体と証券会社のリスク分担が異なります。証券会社が発行額を全額買い取る「買取引受(Firm Commitment Underwriting)」では、売れ残りリスクは証券会社が負います。投資家に販売して売れ残った分だけを引き受ける「残額引受(Standby Underwriting)」では、リスクを分担します。販売努力はするが売れ残りを引き受ける義務のない「ベストエフォート(Best Efforts Underwriting)」では、発行体がリスクを負うことになります。 引受(アンダーライティング)は、発行体にとっては資金調達を安定させる手段であり、証券会社にとっては収益源となる仕組みです。契約方式によってリスクとコストの分担が変わる点が特徴であり、資本市場の円滑な機能を支える重要な仕組みといえます。

買取引受

買取引受とは、証券会社が企業の発行する株式や社債をあらかじめ全額買い取り、その後に投資家へ販売する方式のことを指します。企業は新しい株や債券を発行して資金を調達する際、必ず投資家に売れるとは限らないため、証券会社が一旦すべてを引き受けることで、確実に資金を得られるようになります。証券会社にとっては、販売できなければ損失を抱えるリスクがある一方で、販売に成功すれば利益を得られる仕組みです。 資産運用の観点では、投資家は証券会社を通じて新規発行の株や債券を購入できるため、投資の入り口として重要な制度のひとつといえます。投資初心者にとっては、「証券会社がまとめて買い取ってから投資家に売る仕組み」と理解するとイメージしやすいでしょう。

残額引受

残額引受とは、企業が株式や社債を発行して資金を集める際に、投資家に売れ残った分だけを証券会社が引き受ける方式のことを指します。すべてを最初から買い取る「買取引受」とは異なり、証券会社が引き受けるのはあくまで売れ残った部分だけです。 そのため、企業にとっては必要な資金が全額集まらない可能性が残る一方で、証券会社のリスクは小さくなります。資産運用の観点では、投資家が新規発行の株や債券を直接購入する機会が大きく、証券会社は補助的な役割を果たす仕組みといえます。投資初心者にとっては、「投資家に売れなかった分だけを証券会社が引き受ける仕組み」と理解するとわかりやすいでしょう。

発行体

発行体とは、債券や株式などの金融商品を市場に出して資金を調達する側のことを指します。債券であれば、お金を借りる側であり、投資家から集めた資金を使って事業活動や設備投資などを行います。発行体には、国や地方自治体、企業、政府機関などさまざまな種類があります。投資家にとっては、発行体の信用力や財務状況がその金融商品の安全性や利回りに大きく影響するため、誰が発行しているのかをしっかりと確認することが重要です。信頼できる発行体であれば、安定した利息や元本の返済が期待できます。

資金調達

資金調達とは、企業が事業運営や成長のために必要な資金を集める活動を指します。方法としては、株式発行によるエクイティファイナンス、社債発行や銀行からの借入によるデットファイナンスがあります。それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、企業は資金コストや返済義務などを考慮して選択します。

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