外貨積立にはなにかデメリットがありますか?
外貨積立にはなにかデメリットがありますか?
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2025/08/15 08:42
男性
30代
外貨積立は、毎月少額ずつ米ドルやユーロなどの外貨を購入していく方法だと聞きました。手軽に始められる一方で、為替手数料や金利、為替変動による元本割れなど、どのようなデメリットや注意点があるのでしょうか?円高・円安の局面による影響や、外貨預金との違いも含めて教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
外貨積立は、毎月一定額を外貨に換えて積み立てる方法で、為替レートの変動を平均化しながら外貨を保有できる点が魅力です。しかし、いくつかのデメリットがあります。
まず、為替変動による元本割れリスクです。円高が進むと、同じ外貨を円に戻したときの円換算額が減り、為替差損が生じる可能性があります。また、外貨積立には為替手数料がかかり、特に少額積立の場合、手数料負担が利息や運用益を上回ることもあります。
さらに、多くの外貨預金や外貨積立の金利は日本円より高めとはいえ、近年は米ドルを除けば低金利の通貨も多く、金利収入で為替損を補えないケースがあります。加えて、外貨を円に戻すタイミングによって受取額が大きく変わるため、資金を使う時期が決まっている場合は為替の動きに左右されやすい点にも注意が必要です。
外貨積立は長期分散に向く一方、短期的な為替の変動やコスト負担には弱いので、資金目的や期間を明確にして利用することが大切です。
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為替変動
為替変動とは、異なる通貨間の交換レートが時間とともに上昇・下落する動きを指します。外国株式や外貨建て債券に投資する際、現地通貨で値上がりしても円に換算すると損益が縮小する、あるいは逆に拡大することがあります。為替レートは各国の金利差、経済成長率、物価動向、地政学リスクなど多様な要因で変動し、短期的には市場心理や投機的な売買による影響も大きくなります。 長期投資では為替変動がリターンを押し上げる場合もあれば、思わぬ損失要因となることもあるため、為替ヘッジや通貨分散などのリスク管理策を検討し、運用成果を円換算で把握する姿勢が重要です。
元本割れ
元本割れとは、投資で使ったお金、つまり元本(がんぽん)よりも、最終的に戻ってきた金額が少なくなることをいいます。たとえば、100万円で投資信託を購入したのに、解約時に戻ってきたのが90万円だった場合、この差額10万円が損失であり、「元本割れした」という状態です。 特に、価格が変動する商品、たとえば株式や投資信託、債券などでは、将来の価格や分配金が保証されているわけではないため、元本割れのリスクがあります。「絶対に損をしたくない」と考える方にとっては、このリスクを正しく理解することがとても重要です。金融商品を選ぶときには、利回りだけでなく元本割れの可能性も十分に考慮しましょう。
為替差損益
為替差損益とは、外貨建ての資産を日本円に換算する際に生じる為替レートの変動による損益を指します。たとえば、1ドル=130円のときに米ドルで資産を購入し、売却時に1ドル=140円で円に戻した場合、為替差によって10円分の為替差益が発生します。逆に、売却時に円高が進行し1ドル=120円になっていれば、10円分の差損が発生することになります。この為替差損益は、外国株式、外貨建て投資信託、外債、外貨預金など、外貨を用いた資産運用において常に発生し得る重要なリスク要因です。 資産の値動きが堅調であっても、為替相場の変動によって最終的な円ベースのリターンが目減りすることがあるため、投資判断の際には為替リスクも含めて総合的に考慮する必要があります。たとえば、円安が進行すれば円換算での評価額は増えますが、円高になれば逆に資産価値は減少します。為替差損益は、こうした為替変動を通じて投資成果に直接的な影響を与える存在であり、為替動向の把握や資産配分の調整、ヘッジ戦略の活用などが求められます。 NISA口座での運用においても為替差損益は無視できません。NISAでは、外国株式や外貨建て投資信託の売却益が非課税となるため、為替差益も含めた全体の売却益が非課税対象となります。つまり、為替差によるプラスのリターンも税金がかからずそのまま受け取れるというメリットがあります。ただし、逆に為替差損が発生しても、それを他の利益と損益通算したり、繰り越して控除することはできません。NISAでは損失の税務活用ができないため、為替リスクを取る際は慎重な判断が必要です。 税務や会計上では、為替差損益には「実現損益」と「評価損益」があります。実現損益とは、外貨建て資産を実際に売却し円に換えた際に確定する損益であり、通常の課税対象となります。一方、評価損益とは、保有中の外貨建て資産を期末などに円換算した際に一時的に生じる為替差損益であり、個人投資家の場合、課税対象にはなりません。法人ではこの評価損益を会計上反映させるケースもありますが、個人の確定申告ではあくまで実現ベースでの損益が対象です。 このように、為替差損益は資産運用における見落としがちなリスク要素でありながら、運用成果に与えるインパクトは決して小さくありません。為替相場の予測は困難であるため、為替ヘッジ付き商品の活用や、複数通貨への分散投資、円建て資産とのバランス調整などを通じて、想定外の為替変動にも対応できる設計が望まれます。投資判断を行う際には、表面的なリターンだけでなく、その背後にある通貨変動の影響にも目を向けることが重要です。
為替手数料
為替手数料とは、日本円を米ドルやユーロなどの外国通貨に両替する際にかかる手数料のことです。これは、銀行や証券会社などの金融機関が設定しており、為替レートに一定の上乗せをする形で反映されます。たとえば、実際の市場の為替レートが1ドル=150円でも、手数料が1円加わると、151円で1ドルを買うことになります。この差額が為替手数料です。 外貨預金や外貨建ての投資商品を購入する場合、また海外旅行で両替する際などに発生します。金融機関ごとに手数料が異なるため、取引前に比較することが大切です。また、為替手数料は小さなコストに見えても、取引回数が多くなると運用成績に大きな影響を与えることがあるため、注意が必要です。
外貨預金
外貨預金とは、日本円ではなく米ドルやユーロなどの外国の通貨で預ける預金のことをいいます。通常の預金と同じように銀行にお金を預ける形式ですが、外貨で運用されるため、為替レートの変動によって元本や利息の受取額が増えたり減ったりします。 たとえば、円安になると、外貨を円に戻したときの受取額が増える一方で、円高になると損をすることもあります。また、外貨預金は日本の預金保険制度の対象外であり、元本保証がない点にも注意が必要です。利率が高めに設定されていることが多く、円預金よりも高い利回りを狙える反面、為替リスクという特有のリスクを伴うため、初心者の方には慎重な検討が求められる商品です。
円高
円高とは、ほかの国の通貨と比べて相対的に日本の円の価値が高くなること。海外から商品を購入すること(輸入)が有利で、海外に商品を販売すること(輸出)が不利になる。 (例) 1ドル=100円が1ドル=50円になる →以前よりも少ない円で1ドルを得ることができるので、円の価値が高くなっており、円高である。




