個人向け国債の金利は今後どう推移する見通しですか?
個人向け国債の金利は今後どう推移する見通しですか?
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2025/10/23 09:14
男性
30代
最近、ニュースで金利が上がっているという話を聞きました。個人向け国債の金利も今後上昇するのでしょうか。それとも今の水準でしばらく続くのでしょうか。今後の金利動向によって購入のタイミングを考えたいので、今後の見通しをわかりやすく教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
個人向け国債の金利は、当面は「ゆるやかな上昇から横ばい」が見込まれます。日銀がマイナス金利を解除して以降、長期金利はおおむね1.6%前後で推移しており、変動10年型の利率はその約3分の2を基準とする仕組みのため、現状では年1%前後が目安です。日銀が追加利上げを行えば、変動金利型の利率も段階的に上昇する余地があります。
日銀は2024年にマイナス金利を解除し、政策金利を0.5%まで引き上げました。今後は物価上昇率や賃金動向を見ながら、さらに引き上げるかどうかを慎重に判断する方針です。
もしインフレが長引き、為替の円安が続くようであれば、追加の利上げが行われ、長期金利も上昇する可能性があります。一方で、景気が減速したり海外経済が弱まれば、利上げは見送られ、金利は横ばいまたは低下に転じることも考えられます。
変動10年型の金利は半年ごとに見直され、10年国債利回りに連動して動きます。長期金利が上がれば利率も上昇し、下がれば利率も低下しますが、年0.05%の下限保証があるため、金利が極端に下がってもゼロ近くまで落ちることはありません。
固定3年・5年型は発行時に金利が確定するため、今の金利水準を確保したい人には向いています。一方、将来的な金利上昇を期待する人は変動10年を選ぶとよいでしょう。
まとめると、個人向け国債の金利は今後も日銀の政策と物価動向に左右されます。基本的には緩やかな上昇基調を維持しつつも、景気やインフレの動向次第で上下する可能性があります。投資を検討する際は、財務省の最新募集条件と日銀会合後の金利動向を確認し、自分の資金運用方針に合った期間とタイプを選ぶことが大切です。
資産運用の方針に迷われた際には、投資のコンシェルジュの無料相談をご検討ください。資産状況や経済状況を総合的に分析し、中立的な立場から最適なアドバイスをお伝えします。
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長期金利
長期金利とは、返済までの期間が10年以上にわたる金融商品(たとえば10年国債など)に適用される金利のことです。これは、将来の経済成長率や物価(インフレ)などの見通しを反映して決まるため、景気の動向や中央銀行の政策、世界的な資金の流れなどが影響します。 長期金利が上がると、住宅ローンや企業の設備投資にかかる資金調達コストが増えるため、景気を冷やす効果があります。逆に、長期金利が下がるとお金を借りやすくなるため、経済が活性化しやすくなります。資産運用においては、債券の価格や株式市場にも影響を与えるため、非常に重要な指標のひとつです。特に債券投資を考える際には、長期金利の動きが利回りや価格に直結するため、注視する必要があります。
政策金利
政策金利とは、中央銀行が民間の金融機関に資金を貸し出す際の基準となる金利のことで、金融政策の中核をなすツールです。 中央銀行はこの金利を操作することで、経済全体の金利水準や通貨の流れを調整し、景気や物価の安定を図ります。たとえば、景気が冷え込んでいるときには政策金利を引き下げて(利下げ)お金を借りやすくし、消費や投資を促進します。逆に、インフレが進みすぎているときには政策金利を引き上げて(利上げ)需要を抑え、物価の上昇をコントロールしようとします。 政策金利の変更は、住宅ローンや企業の融資金利、預金金利など、私たちの生活に関わる金利にも波及します。また、株式市場・債券市場・為替市場にも大きな影響を与えるため、投資家にとっては極めて重要な経済指標です。 たとえば、中央銀行が予想以上に利上げを行った場合は、株式市場が下落し、通貨が上昇する可能性があります。逆に利下げが行われれば、株高・通貨安につながることが一般的です。 各国の中央銀行(例:日本銀行、FRB、ECBなど)は、定期的に会合を開き、経済情勢や物価の動向を見ながら政策金利を調整しています。
利上げ
利上げとは、中央銀行が政策金利を引き上げることを指します。 政策金利が上がると、銀行が企業や個人にお金を貸す際の金利も高くなり、住宅ローンや企業の借り入れコストが上昇します。その結果、消費や投資が抑えられ、経済の過熱を冷ます効果が期待されます。 一般的に、物価上昇(インフレ)が加速しているときや、景気が過熱気味と判断されたときに、インフレを抑制する目的で利上げが行われます。 利上げは金融市場にも大きな影響を与えます。金利が上がることで、預金や債券の利回りが高まり、相対的に株式の魅力が薄れるため、株価が下落する要因となることがあります。また、高金利はその国の通貨の魅力を高めるため、為替市場では通貨高の要因になることが一般的です。 ただし、利上げを急激に行いすぎると、企業や個人の資金繰りが悪化し、景気後退を招くリスクもあります。そのため、中央銀行は物価と景気のバランスを見ながら、段階的かつ慎重に利上げを判断します。
インフレ(インフレーション)
インフレーションとは、物価全体が持続的に上昇し、その結果、通貨の購買力が低下する現象です。経済活動が活発になり、需要が供給を上回ると価格が上昇しやすくなります。また、生産に必要な原材料費や人件費の上昇が企業のコストに転嫁されることで、さらに物価が上昇することがあります。適度なインフレーションは経済成長の一側面とされる一方、過度な物価上昇は家計の負担を増大させ、経済全体の安定性を損なうリスクがあるため、中央銀行は金利操作などの金融政策を通じてインフレーションの抑制に努めています。
円安
円安とは、ほかの国の通貨と比べて相対的に日本の円の価値が低くなること。海外から商品を購入すること(輸入)が不利で、海外に商品を販売すること(輸出)が有利になる。 (例) 1ドル=100円が1ドル=150円になる →以前よりもたくさんの円がないと1ドルを得られなくなっており、円の価値が低くなっているので、円安である。
変動金利
変動金利とは、市場の金利動向に応じて一定の期間ごとに金利が見直される仕組みのことを指します。住宅ローンや投資信託の分野でよく使われ、金利が低下すれば支払い負担が軽くなる一方で、金利上昇時には支払額が増加するリスクがあります。短期的な金利低下が見込まれる場合に有利ですが、将来的な金利上昇に備えた資金計画が重要です。




