国民年金保険料を追納するやり方を教えてください。
国民年金保険料を追納するやり方を教えてください。
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2025/10/23 09:14
男性
30代
学生時代に国民年金保険料の納付を猶予していた期間があり、将来の年金額を増やすために追納を検討しています。ただ、実際の手続き方法や必要書類、支払える期間の制限などがよく分かりません。具体的にどのような手順で追納を行えばよいか教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
学生時代に国民年金保険料の納付を猶予していた期間がある場合、将来の年金額を増やすためには「追納」が有効です。追納は申請制で、対象となるのは原則として10年以内の猶予・免除期間です。
申請後に日本年金機構から送られてくる納付書を使い、金融機関やコンビニで支払うことで、未納期間を納付済みとして扱うことができます。3年度目以降の追納には加算額が上乗せされるため、早めに手続きするほど負担が軽くなります。追納した期間は老齢基礎年金額に反映され、また支払額はその年の社会保険料控除の対象になります。
手続きは、まず自分が追納できる期間と月数、加算額の有無を確認することから始まります。日本年金機構の「ねんきんネット」に登録すると、未納や免除の履歴を確認でき、追納申込書も作成できます。電子申請ではないため、作成した書類を印刷し、住所地を管轄する年金事務所に提出します。不明な点がある場合は、直接年金事務所に相談すると、対象月の特定や概算額の案内を受けられます。
提出に必要な書類は、追納申込書のほか、基礎年金番号がわかるもの(基礎年金番号通知書や年金手帳など)と本人確認書類です。申請が承認されると、後日追納用の納付書が郵送されてきます。支払いは一括でも月ごとでも可能で、原則として古い月から順に納める仕組みになっています。10年の期限が迫る月がある場合は、余裕をもって申請しておくと安心です。
追納した分は将来の年金額に反映され、1か月あたり480分の1ずつ老齢基礎年金額が増えます。受給権を取得した後は追納できないため、退職後や受給開始前に余裕をもって支払うことが重要です。なお、支払った追納保険料は社会保険料控除の対象になるため、領収書を保管しておけば年末調整や確定申告で控除を受けることができます。
実務的には、ねんきんネットで追納可能な月を確認し、加算額が発生している古い年度分から順に申し込むのがおすすめです。支払いが複数年にわたる場合は、各年の控除に反映できるよう領収書を整理しておくとよいでしょう。10年を過ぎると追納ができなくなるため、早めの確認と申込みが最も大切です。
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老齢基礎年金とは、日本の公的年金制度の一つで、老後の最低限の生活を支えることを目的とした年金です。一定の加入期間を満たした人が、原則として65歳から受給できます。 受給資格を得るためには、国民年金の保険料納付済期間、免除期間、合算対象期間(カラ期間)を合計して10年以上の加入期間が必要です。年金額は、20歳から60歳までの40年間(480月)にわたる国民年金の加入期間に応じて決まり、満額受給には480月分の保険料納付が必要です。納付期間が不足すると、その分減額されます。 また、年金額は毎年の物価や賃金水準に応じて見直しされます。繰上げ受給(60~64歳)を選択すると減額され、繰下げ受給(66~75歳)を選択すると増額される仕組みになっています。 老齢基礎年金は、自営業者、フリーランス、会社員、公務員を問わず、日本国内に住むすべての人が加入する仕組みとなっており、老後の基本的な生活を支える重要な制度の一つです。
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日本年金機構とは、日本の公的年金制度の運営を担う独立行政法人で、厚生労働省の所管のもと、2010年に「社会保険庁」の業務を引き継いで設立されました。主な業務には、国民年金や厚生年金の保険料の徴収、年金の記録管理、受給資格の審査、年金の支給などがあり、日本全国の年金加入者に対して安定的かつ公平に制度を運営する役割を果たしています。個人に関する年金の記録や手続き、相談は、全国の年金事務所を通じて行うことができます。公的年金制度を適切に維持・管理するための中心的な機関として、国民の老後の生活を支える土台となっています。
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ねんきんネットとは、日本年金機構が提供しているオンラインサービスで、自分の年金に関する情報をインターネット上で確認できる仕組みです。年金の加入履歴や将来の年金受取見込み額、保険料の納付状況などを、自宅のパソコンやスマートフォンからいつでも確認できます。 ログインには基礎年金番号やマイナンバーが必要で、安全性にも配慮されています。紙の通知だけではわかりにくかった年金情報を自分で管理できるようになるため、資産運用や老後の生活設計を考えるうえで非常に便利なツールです。






