年金はいくらもらえる?平均年金受給額や年収ごとの厚生年金額早見表、何年で元が取れるのかを解説

年金はいくらもらえる?平均年金受給額や年収ごとの厚生年金額早見表、何年で元が取れるのかを解説
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公開:
2025.11.19
更新:
2026.02.20
老後の生活設計を考えるうえで「自分はいくら年金を受け取れるのか」は誰もが避けて通れないテーマです。しかし平均額と自分の見込み額の違い、年代や年収による差、増やすための選択肢などは複雑で、誤解したまま判断すると資金計画が大きく狂う可能性があります。この記事では、国民年金・厚生年金の平均額、年代別・年収別・職業別モデル、受給額を増やす方法、公的・私的年金の活用、WPP理論まで体系的に整理し、老後資金の全体像を具体的に解説します。
目次
2026年度における年金額の例
厚生労働省の発表を参考に、2026年度における年金額の例を見てみましょう。
| 区分 | 内容 | 令和7年度(月額) | 令和8年度(月額) | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| 国民年金 | 老齢基礎年金(満額):1人分 | 69,308円 | 70,608円 | +1,300円 |
| 厚生年金 | 夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額 | 232,784円 | 237,279円 | +4,495円 |
| 経歴類型 | 性別 | 令和7年度(月額) | 令和8年度(月額) | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| 厚生年金期間中心(20年以上) | 男性 | 173,457円 | 176,793円 | +3,336円 |
| 国民年金(第1号)期間中心(20年以上) | 男性 | 62,344円 | 63,513円 | +1,169円 |
| 厚生年金期間中心(20年以上) | 女性 | 132,117円 | 134,640円 | +2,523円 |
| 国民年金(第1号)期間中心(20年以上) | 女性 | 60,636円 | 61,771円 | +1,135円 |
| 国民年金(第3号)期間中心(20年以上) | 女性 | 76,810円 | 78,249円 | +1,439円 |
公的年金額は、物価や賃金の変動に連動して毎年度見直されます。具体的には「物価変動率」と「名目手取り賃金変動率」を基準に改定率を決め、原則として現役世代の賃金動向も反映される仕組みです。
さらに少子高齢化で支え手が減る影響を織り込む「マクロ経済スライド」により、改定率が調整される(上昇幅が抑えられる/下落が加速する)場合があります。これらの要素が組み合わさり、年金額は毎年変動します。
【令和6年度版】年金の平均受給額
年金制度は3階建ての構造になっており、平均受給額は加入している年金制度や働き方によって異なります。

ここでは厚生労働省が公表している令和6年度の最新データをもとに、国民年金と厚生年金それぞれの平均受給額を詳しく見ていきましょう。
自分がどの程度の年金を受け取れるのかを把握することは、老後の生活設計を立てるうえで欠かせません。まずは全体像を理解し、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。
国民年金の平均受給額
国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額は、令和6年度時点で月額59,310円です。年額に換算すると約71.2万円となります。
なお、男女別の平均受給額は以下のようになっています。
国民年金の平均受給額
- 平均:月額59,310円/年額711,720円(約71.2万円)
- 男性:月額61,595円(年額739,140円≒約73.9万円)
- 女性:月額57,582円(年額690,984円≒約69.1万円)
出典:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
この金額は、自営業者や専業主婦など、厚生年金に加入していない方が受け取る年金の平均値です。令和7年度(2025年度)の満額は月額70,608円であるため、平均受給額は満額より約1万1,600円少ない計算になります。
- この差が生じる主な理由は、保険料の未納期間や免除・猶予期間がある方がいるためです。国民年金は20歳から60歳までの40年間(480か月)すべて保険料を納めることで、はじめて満額を受け取れます。
国民年金の受給額は、納付した月数に比例して決まります。たとえば20年間(240か月)しか納めていない場合、受給額は満額の半分になってしまうため注意が必要です。
厚生年金の平均受給額
厚生年金(老齢厚生年金)の平均受給額は、令和6年度時点で月額150,289円です。年額に換算すると約176万7,000円となります。
なお、男女別の平均受給額は以下のようになっています。
厚生年金の平均受給額
- 平均:月額150,289円/年額1,803,468円(約180.3万円)
- 男性:月額169,967円(年額2,039,604円≒約204.0万円)
- 女性:月額111,413円(年額1,336,956円≒約133.7万円)
出典:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
厚生年金は会社員や公務員が加入する制度であり、在職中の給与や賞与に応じた保険料を納めることで、老後により手厚い保障が受けられます。
厚生年金は国民年金に比べて平均で約9.1万円多く受け取れるため、老後の生活水準に大きな影響を与えます。
年代別の年金受給額
年金の受給額は、年代によっても異なります。これは繰上げ受給や繰下げ受給の影響、在職中の収入による調整などが関係しているためです。
ここでは厚生労働省のデータをもとに、年代別の平均受給額を詳しく見ていきましょう。ご自身の年代と照らし合わせることで、より具体的な老後のイメージを持つことができます。
60代の年金受給額
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、60代の年金受給額は以下のとおりでした。
| 年代 | 老齢基礎年金 | 老齢厚生年金 |
|---|---|---|
| 60~64歳 | 47,138円 | 82,267円 |
| 65~69歳 | 61,240円 | 151,753円 |
出典:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
60代前半の受給額が他の年代より少ない理由は、繰上げ受給を選択しているケースが多いためです。繰上げ受給とは、本来65歳から受け取る年金を60歳~64歳の間に前倒しで受け取る制度を指します。
繰上げ受給を選択すると、1か月あたり0.4%(令和4年4月以降に60歳到達の場合)ずつ年金額が減額されます。たとえば60歳から受給を開始すると、65歳から受け取る場合と比べて24%も減額される計算です。
- 65歳以降は原則どおりの年金を受け取る方が多いため、60歳前半よりも受給額が増加します。厚生年金の受給額は60代前半の約2倍になっており、老後の生活資金として十分に機能する水準といえるでしょう。
70代以降の年金受給額
70代以降の年金受給額は、65~69歳とほぼ同水準か、やや高い傾向にあります。これは繰下げ受給を選択している方が一定数いることや、過去の加入期間が長い世代であることが影響しています。
年代別の平均受給額は以下のとおりです。
| 年齢階級 | 国民年金(平均年金月額) | 厚生年金保険(第1号・平均年金月額) |
|---|---|---|
| 70~74歳 | 60,339円 | 147,730円 |
| 75~79歳 | 59,346円 | 151,377円 |
| 80~84歳 | 58,454円 | 157,689円 |
| 85~89歳 | 59,066円 | 165,486円 |
| 90歳以上 | 55,633円 | 164,027円 |
出典:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
令和4年4月からは繰下げの上限年齢が70歳から75歳に引き上げられました。75歳まで繰り下げると、年金額は65歳時点の1.84倍(84%増)になります。
- 長寿化が進む現代において、繰下げ受給は老後の生活をより豊かにする有効な選択肢といえるでしょう。ただし、繰下げ期間中の生活資金をどう確保するかが重要なポイントです。
年収別の厚生年金受給額の早見表
厚生年金の受給額は、現役時代の年収によって変わります。ここでは年収別の受給額を早見表でわかりやすく整理しました。
あなたの年収と照らし合わせることで、将来受け取れる年金額の目安がつかめるはずです。老後の生活設計を立てる際の参考にしてください。
年収300万円~500万円:13万~17万円程度
年収300万円から500万円の層は、日本の平均的な給与水準に該当します。国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、令和6年分の平均給与は478万円であり、多くの方がこの範囲に含まれるでしょう。
以下の表は、20歳から60歳まで40年間(480か月)厚生年金に加入し、平成15年4月以降の期間のみで計算した概算値です。
| 年収 | 標準報酬月額 | 厚生年金部分(月額) | 基礎年金(月額) | 合計(月額) |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 26万円 | 約65,552円 | 69,308円 | 約134,860円 |
| 350万円 | 30万円 | 約75,632円 | 69,308円 | 約144,940円 |
| 400万円 | 34万円 | 約85,722円 | 69,308円 | 約155,030円 |
| 450万円 | 38万円 | 約95,802円 | 69,308円 | 約165,110円 |
| 500万円 | 41万円 | 約103,372円 | 69,308円 | 約172,680円 |
年収300万円の場合、月額約13万5,000円の年金が受け取れます。年額にすると約161万8,000円です。単身世帯であれば最低限の生活は送れますが、ゆとりある暮らしには追加の資金準備が必要でしょう。
年収400万円になると月額約15万5,000円に増え、年収500万円では月額約17万3,000円となります。年収が100万円上がるごとに、月額約1万円ずつ年金額が増える計算です。
年収550万円~800万円:18万~23万円程度
年収500万円を超えると、厚生年金の受給額は月額17万円以上となり、老後の生活にある程度のゆとりが生まれます。年収800万円に達すると、月額23万円を超える年金が受け取れるでしょう。
| 年収 | 標準報酬月額 | 厚生年金部分(月額) | 基礎年金(月額) | 合計(月額) |
|---|---|---|---|---|
| 550万円 | 47万円 | 約118,492円 | 69,308円 | 約187,800円 |
| 600万円 | 50万円 | 約126,062円 | 69,308円 | 約195,370円 |
| 650万円 | 53万円 | 約133,622円 | 69,308円 | 約202,930円 |
| 700万円 | 59万円 | 約148,752円 | 69,308円 | 約218,060円 |
| 750万円 | 62万円 | 約156,312円 | 69,308円 | 約225,620円 |
| 800万円 | 65万円 | 約163,882円 | 69,308円 | 約233,190円 |
年収600万円の場合、月額約19万5,000円の年金が受け取れます。総務省の家計調査によると、高齢夫婦無職世帯の平均支出は月額約28万円程度です(消費支出と非消費支出の合計)。配偶者も国民年金を受給できれば、世帯で月額26万円程度となり、平均的な生活を送れる水準に達します。
- 年収700万円以上になると、単身でも月額20万円を超える年金が受け取れるため、老後の経済的不安は軽減されるでしょう。ただし、年金には税金や社会保険料がかかるため、手取り額はさらに少なくなる点に注意が必要です。
年金は雑所得として課税対象になるため、最終的な手取り額をベースに生活設計をしましょう。年金と税金の関係については、こちらの記事で解説しています。
加入年数別の厚生年金受給額の早見表(10年から40年まで)
厚生年金は、加入期間や加入年数に応じて受給額が計算されます。以下で、加入年数ごとの年金額の目安を確認しましょう。
シミュレーション条件
- 報酬比例部分のみ(経過的加算・加給年金・在職調整等は未反映)
- 加入期間はすべて平成15年4月以降として計算(乗率5.481/1000を使用)
- 年収から平均標準報酬月額を概算:年収÷12。ただし標準報酬月額の上限(初期値:65万円)を適用
- 賞与(標準賞与額)や給与の年次変動は無視(実際は月ごとの標準報酬・標準賞与の積み上げ)
| 年収(円)・加入年数 | 10年 | 15年 | 20年 | 25年 | 30年 | 35年 | 40年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1,000,000 | 54,810 | 82,215 | 109,620 | 137,025 | 164,430 | 191,835 | 219,240 |
| 2,000,000 | 109,620 | 164,430 | 219,240 | 274,050 | 328,860 | 383,670 | 438,480 |
| 3,000,000 | 164,430 | 246,645 | 328,860 | 411,075 | 493,290 | 575,505 | 657,720 |
| 4,000,000 | 219,240 | 328,860 | 438,480 | 548,100 | 657,720 | 767,340 | 876,960 |
| 5,000,000 | 274,050 | 411,075 | 548,100 | 685,125 | 822,150 | 959,175 | 1,096,200 |
| 6,000,000 | 328,860 | 493,290 | 657,720 | 822,150 | 986,580 | 1,151,010 | 1,315,440 |
| 7,000,000 | 383,670 | 575,505 | 767,340 | 959,175 | 1,151,010 | 1,342,845 | 1,534,680 |
| 8,000,000 | 427,518 | 641,277 | 855,036 | 1,068,795 | 1,282,554 | 1,496,313 | 1,710,072 |
| 9,000,000 | 427,518 | 641,277 | 855,036 | 1,068,795 | 1,282,554 | 1,496,313 | 1,710,072 |
| 10,000,000 | 427,518 | 641,277 | 855,036 | 1,068,795 | 1,282,554 | 1,496,313 | 1,710,072 |
この早見表は、会社員・公務員として厚生年金に加入している期間について、「平均年収」と「加入年数」から、老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給額を概算するためのものです。年金額は人によって条件が異なるため、まずは大まかな目安を把握する目的でご利用ください。
見方はシンプルです。まず、縦軸(左側)からご自身の「平均年収」に近い金額を選びます。次に、横軸(上側)から厚生年金の「加入年数」を選び、交差するマス目が受給額の目安です。表は年額(1年あたり)で示しているため、月額のイメージをつかみたい場合は「年額÷12」で概算できます。
- 平均年収500万円・加入30年の場合、早見表は厚生年金が約82.2万円/年(約6.9万円/月)の目安になります。なお、この早見表に含まれているのは、老齢厚生年金のうち給与に連動する「報酬比例部分」のみです。実際の老後の年金総額は、これに加えて老齢基礎年金(国民年金)の分が上乗せされます。
職業別の年金受給額シミュレーション
年金の受給額は、職業や働き方によって異なります。会社員と自営業者では加入する年金制度が違ううえ、専業主婦の場合は独自の仕組みがあるためです。
ここでは代表的な3つの職業パターンについて、具体的な受給額をシミュレーションしていきます。あなたやご家族の働き方と照らし合わせながら、将来受け取れる年金額をイメージしてみましょう。
サラリーマン(会社員・公務員)世帯の年金受給額
サラリーマンは厚生年金に加入しているため、国民年金(老齢基礎年金)に加えて老齢厚生年金を受け取れます。この2階建ての構造により、自営業者や専業主婦と比べて手厚い保障が受けられるのが特徴です。
厚生年金の受給額は、現役時代の給与(標準報酬月額)と加入期間によって決まります。標準報酬月額とは、社会保険料の計算基礎となる月収のことで、給与明細に記載されています。
平均的なサラリーマンの受給額モデル
年収400万円のサラリーマンが40年間厚生年金に加入した場合、受給額は以下のようになります。
- 老齢基礎年金:月額約69,308円(満額)
- 老齢厚生年金:月額約72,000円
- 合計:月額約141,000円
年収が高いほど厚生年金部分が増えるため、年収600万円なら合計で月額約19万5,000円、年収800万円なら月額約23万3,000円となります。ただし、これはあくまで概算であり、実際の受給額は加入期間や賞与の有無によっても変動します。
夫婦共働きの受給額モデル
共働き世帯では、夫婦それぞれが厚生年金を受け取れるため、世帯全体の年金額は大幅に増えます。
たとえば夫の年収が550万円、妻の年収が350万円で、ともに40年間厚生年金に加入した場合を見てみましょう。
- 夫:月額約187,800円(基礎年金69,308円+厚生年金118,492円)
- 妻:月額約144,940円(基礎年金69,308円+厚生年金75,632円)
- 世帯合計:月額約332,740円
世帯で月額30万円を超える年金が受け取れれば、ゆとりある老後生活も十分に視野に入ります。共働きは現役時代の収入が増えるだけでなく、老後の年金額も改善する効果があるのです。
- 配偶者の扶養内で働いている方も、社会保険に加入することで将来の年金額を増やせる可能性があるため、働き方の見直しを検討する価値があるでしょう。
自営業者の年金受給額
自営業者やフリーランスは厚生年金に加入していないため、受け取れるのは国民年金(老齢基礎年金)のみです。会社員と比べると年金額が少なくなるため、老後資金を別途準備する必要があります。
20歳から60歳までの40年間、国民年金保険料を満額納めた場合、受給額は以下のとおりです。
- 老齢基礎年金:月額69,308円(令和7年度)
- 年額:約83万2,000円
- 会社員の平均受給額(月額約14万円)と比べると、半分以下の水準です。夫婦ともに満額の国民年金を受け取れる場合でも、世帯で月額約13万8,000円程度にしかならず、老後の生活費としては不十分といえるでしょう。
専業主婦(夫)の年金受給額
専業主婦(主夫)は、配偶者が会社員や公務員の場合、国民年金の第3号被保険者となります。この制度により、自分で保険料を納めなくても国民年金に加入している扱いになります。
第3号被保険者になるための条件
- 配偶者が厚生年金に加入している
- 年収が130万円未満(障害者の場合は180万円未満)
- 配偶者の扶養に入っている
この条件を満たせば、保険料を納めずに国民年金に加入でき、将来は老齢基礎年金を受け取れます。ただし、受け取れるのは国民年金のみで、厚生年金は対象外です。
専業主婦が40年間第3号被保険者だった場合の受給額は、自営業者と同じく月額69,308円(満額)となります。
夫が会社員(年収550万円、40年間加入)、妻が専業主婦(40年間第3号被保険者)の世帯を想定してみましょう。
- 夫:月額約187,800円(基礎年金+厚生年金)
- 妻:月額約69,308円(基礎年金のみ)
- 世帯合計:月額約257,108円
夫婦で月額約25万7,000円の年金が受け取れれば、平均的な生活を送ることは可能です。ただし、共働き世帯(月額約33万円)と比べると、約7万円の差があります。
老後の生活水準を高めたい場合は、専業主婦であってもパートなどで厚生年金に加入することを検討する価値があるでしょう。
なお、年収の壁に関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
国民年金・厚生年金は何年で元が取れるのか
「年金を払い続けても、本当に元が取れるの?」という疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
国民年金・厚生年金ともに、65歳から受給を開始した場合、約10年(75歳頃まで)受け取ると元が取れます。日本人の平均寿命は男性約81歳、女性約87歳ですので、多くの方が「元を取る」ことができる計算になります。
| 年金の種類 | 元が取れる年数 | 元が取れる年齢 |
|---|---|---|
| 国民年金のみ | 約10年 | 約75歳 |
| 厚生年金(本人のみ) | 約9〜10年 | 約74〜75歳 |
| 厚生年金(扶養配偶者あり) | 約6年 | 約71歳 |
国民年金と厚生年金それぞれについて、何年受給すれば支払った保険料の元が取れるのかを具体的な数字でわかりやすく解説します。
国民年金(老齢基礎年金)の場合
国民年金は、自営業者やフリーランス、学生などの第1号被保険者が加入する年金です。20歳から60歳までの40年間(480カ月)保険料を納めることで、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取ることができます。
国民年金(老齢基礎年金)の場合
- 支払う保険料総額:月額17,510円×480カ月=約840万円(保険料は毎年変動します)
- 受け取る年金額:年額約83万円(満額の場合)
- 元が取れる年数:840万円÷83万円=約10年
つまり、65歳から受給を開始すると75歳頃には元が取れ、それ以降は「払った以上にもらえる」状態になります。仮に90歳まで生きた場合、受け取る年金総額は約2,075万円となり、支払った保険料の約2.5倍を受け取れる計算です。
厚生年金の場合
会社員や公務員が加入する厚生年金は、国民年金(基礎年金)に上乗せされる形で支給されます。保険料は給与に応じて決まり、会社と本人で折半して負担します。
標準報酬月額35万円(年収420万円程度)で40年間働いた場合を例に見てみましょう。
厚生年金の場合
- 支払う保険料総額(本人負担分):約1,540万円
- 受け取る年金額:老齢厚生年金+老齢基礎年金=年額約170万円
- 元が取れる年数:約9年(74歳頃)
厚生年金は保険料の半分を会社が負担しているため、実質的な自己負担で見ると、国民年金よりも有利になっています。
ただし、会社が納めた分も含めて考えると総保険料が倍になるため、回収期間は約2倍の16〜20年程度に延びます。会社負担分も含めて計算すべきか、あなたが納めた分だけを考慮して計算すべきかは、議論が分かれるところです。
年金受給額を増やす6つの方法
将来受け取れる年金額に不安を感じている方は、今からでも受給額を増やす対策ができます。年金制度にはさまざまな仕組みが用意されており、ご自身の状況に応じて活用することが可能です。
ここでは、年金受給額を増やすための具体的な方法を6つご紹介します。それぞれのメリットや注意点を理解し、できることから始めてみましょう。
国民年金の追納制度を活用する
国民年金保険料の納付を免除または猶予されていた期間がある場合、後から保険料を納めることで、将来の年金額を増やせます。これを追納制度といいます。
- たとえば学生納付特例制度を利用していた場合、その期間は年金の受給資格期間には算入されますが、年金額には反映されません。追納をすると、免除・猶予されていた期間が「保険料納付済期間」として扱われるため、年金額が満額に近づきます。
国民年金の追納については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
任意加入制度を活用する
60歳になると国民年金への加入義務はなくなりますが、年金額が満額に達していない場合は、60歳以降も任意で加入し続けることができます。これを任意加入制度といいます。
任意加入制度を利用できるのは、以下の条件を満たす方です。
- 60歳以上65歳未満で、年金の受給資格期間(10年)を満たしている
- 老齢基礎年金を受給していない
- 厚生年金保険に加入していない
- 日本国内に住所がある
この制度を利用すれば、最大5年間(60歳から65歳まで)保険料を納めることで、年金額を増やせます。
たとえば35年間(420か月)しか保険料を納めていない場合、60歳時点での年金額は月額約60,600円です。これを任意加入で5年間納めれば、満額の月額69,308円まで引き上げることができます。
できるだけ長く厚生年金に加入する
厚生年金は70歳まで加入できるため、長く働き続けることで年金額を増やせます。近年は高齢者雇用が推進されており、60歳以降も働きやすい環境が整ってきました。
厚生年金の加入期間が延びれば、その分だけ年金額が増えます。しかも厚生年金には加入期間の上限がないため、40年を超えて加入しても年金額に反映されます。
たとえば年収400万円で60歳から70歳まで10年間働き続けた場合、月額約2万円の年金増額が見込めます。65歳から95歳まで30年間受給すると仮定すると、総額で約720万円も多く受け取れる計算です。
- また、60歳以降も働くことで老後資金の準備期間が延び、取り崩し期間が短くなります。これにより、必要な貯蓄額を大幅に減らせる効果もあるのです。
健康で働ける限りは、できるだけ長く厚生年金に加入し続けることが、将来の安心につながるでしょう。
繰下げ受給を活用する
年金の受給開始年齢を遅らせることで、受給額を増やせます。これを繰下げ受給といいます。令和4年4月からは、繰下げの上限年齢が75歳まで延長されました。繰下げ受給の増額率は、1か月あたり0.7%です。計算式は以下のとおりです。
繰下げ受給の計算方法
- 増額率(%)=0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数
75歳まで10年間(120か月)繰り下げれば、増額率は84%となり、年金額は1.84倍になります。
具体例を見てみましょう。65歳時点の年金額が月額15万円の場合、繰下げによる受給額は以下のようになります。
| 受給開始年齢 | 増額率 | 月額受給額 |
|---|---|---|
| 65歳(通常) | 0% | 15万円 |
| 70歳 | 42% | 21万3,000円 |
| 75歳 | 84% | 27万6,000円 |
75歳まで繰り下げれば、月額で12万6,000円も増えます。これは大きなメリットといえるでしょう。
なお、繰上げ受給と繰下げ受給には正解がありません。詳しくは、こちらのQ&Aも参考にしてみてください。
付加年金への加入
国民年金の第1号被保険者(自営業者など)は、月額400円の付加保険料を追加で納めることで、将来の年金額を増やせます。これを付加年金といいます。
付加年金額(年額)は「200円×付加保険料納付月数」です。たとえば20年間(240か月)納めた場合、年額4万8,000円の年金が上乗せされます。月額に換算すると4,000円の増額です。
付加年金については、こちらの記事で解説しています。あわせて参考にしてみてください。
国民年金基金を活用する
国民年金基金は、自営業者やフリーランスが厚生年金に相当する年金を準備できる制度です。付加年金よりも大きな金額を積み立てられるため、より手厚い保障が必要な方に適しています。
国民年金基金のメリットは、掛金が全額社会保険料控除の対象になることです。これにより、所得税や住民税が軽減されます。
- また、国民年金基金は確定給付型のため、将来受け取れる年金額が事前に確定しています。老後の生活設計が立てやすく、安心感があります。
国民年金基金について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
自助努力で老後資金を準備する方法
公的年金だけでは老後の生活に不安がある場合、私的年金を活用することで不足分を補えます。私的年金とは、公的年金に上乗せして受け取れる年金のことで、企業や個人が任意で加入する制度です。
税制優遇が受けられる制度も多いため、効率的に老後資金を準備できます。ここでは代表的な4つの私的年金制度について、仕組みやメリット・デメリットを詳しく解説します。
iDeCo(個人型確定拠出年金):税制優遇が豊富
iDeCo(イデコ)は、個人型確定拠出年金の愛称で、自分で掛金を拠出し、運用方法を選んで資産を形成する制度です。公的年金に上乗せできる私的年金として、多くの方に利用されています。
iDeCoの特徴は、3つの段階で税制優遇が受けられることです。
| 段階 | 税制優遇の内容 | 具体例・補足 |
|---|---|---|
| 第一段階 掛金拠出時 | 掛金が全額所得控除の対象 | 年収500万円の会社員が月額2万円を拠出した場合、所得税と住民税を合わせて年間約7万2,000円の節税効果 |
| 第二段階 運用時 | 運用益が非課税 | 通常の投資信託では利益に約20%の税金がかかるが、iDeCoでは非課税。長期運用するほど効果大 |
| 第三段階 受取時 | 受取方法に応じた控除が適用 | ・一時金受取:退職所得控除 ・年金受取:公的年金等控除 いずれも税負担が軽減 |
運用商品は、定期預金や保険商品などの元本確保型と、投資信託などの価格変動型から選べます。リスク許容度に応じて、自由に組み合わせることが可能です。
運用商品は途中で変更できるため、年齢や相場環境に応じて柔軟に調整することが可能です。ただし、頻繁な売買は手数料がかさむため、基本的には長期保有を前提に考えるべきでしょう。
iDeCoに関して詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
NISA(少額投資非課税制度):流動性が高く使い勝手が良い
NISAは投資で得た利益が非課税になるため、効率的に資産形成ができます。
2024年に新しくなったNISA制度には「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあり、併用も可能です。つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した投資信託が対象で、年間120万円まで投資できます。
つみたて投資枠の対象商品は、金融庁が定めた基準を満たした投資信託に限られています。販売手数料が無料で、信託報酬も低水準に抑えられているため、初心者でも安心して始められるでしょう。
成長投資枠は、年間240万円まで投資でき、個別株式やアクティブファンドなど、幅広い商品が対象となります。つみたて投資枠と併用すれば、年間最大360万円まで非課税で投資できます。
- 成長投資枠は、よりリターンを狙いたい方や、個別株式に投資したい方に適しています。ただし、個別株式は値動きが大きく、元本割れのリスクも高いため、投資経験がある方向けといえるでしょう。
NISAについては、こちらの記事で解説しています。あわせて参考にしてみてください。
企業型確定拠出年金(企業型DC):頼れる福利厚生制度
企業型確定拠出年金(企業型DC)は、会社が制度を導入している場合に加入できる年金制度です。会社が掛金を拠出し、従業員が運用方法を選んで資産を形成します。
勤務先の制度次第では、「マッチング拠出」が可能です。マッチング拠出とは、会社が拠出する掛金に加えて、従業員が自分でも掛金を上乗せできる制度です。すべての企業型DCで導入されているわけではありませんが、制度がある場合は積極的に活用すべきでしょう。
- マッチング拠出の掛金は、全額所得控除の対象となります。iDeCoと同様に、拠出時・運用時・受取時の3段階で税制優遇が受けられるため、非常に効率的な資産形成手段です。
企業年金制度については、こちらの記事でも解説しています。あわせて参考にしてみてください。
個人年金保険:優先度は低め
個人年金保険は、保険会社が提供する私的年金商品です。契約時に将来受け取れる年金額が確定しているため、計画的に老後資金を準備できます。
円建て年金保険は、日本円で保険料を払い込み、円で年金を受け取る商品です。予定利率は低めですが、元本割れのリスクがなく、安全性を重視する方に適しています。
外貨建て年金保険は、米ドルや豪ドルなどの外貨で運用する商品です。予定利率が円建てより高く設定されているため、高いリターンが期待できます。ただし、為替リスクがあり、円高になると受取額が減少する可能性があります。
変額年金保険は、保険料を投資信託などで運用し、運用成績に応じて年金額が変動する商品です。運用がうまくいけば年金額が増えますが、元本割れのリスクもあります。
- ただし、NISAやiDeCoと比較すると個人年金保険の優先度は低いです。NISAやiDeCoを優先して行い、それでもまだ余力がある場合に個人年金保険を検討するとよいでしょう。
個人年金保険について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
自分の年金額を確認する方法
老後生活を設計するうえで重要なのは「自分が実際にいくら年金を受け取れるのか」を正確に把握することです。
年金記録は個人によって異なるため、未納期間や転職歴、配偶者の有無などによって受給額は変わります。ここでは、ご自身の年金額を確認する3つの方法を詳しく解説します。
ねんきんネットで現在の状況を確認する
ねんきんネットは、日本年金機構が提供するオンラインサービスです。パソコンやスマートフォンから24時間いつでも、あなたの年金記録や将来の受給額を確認できます。
ねんきんネットでは、将来の年金額を詳細にシミュレーションすることも可能です。たとえば「65歳から受給した場合」と「70歳まで繰り下げた場合」を比較すれば、どちらが自分に適しているか判断材料になります。
また、転職や独立を考えている方は、働き方が変わった場合の年金額をシミュレーションすることで、将来設計に役立てられるでしょう。
ねんきんネットに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ねんきん定期便で将来受け取れる年金見込額を確認する
ねんきん定期便は、毎年誕生月に日本年金機構から送られてくる書類です。これまでの年金加入記録や、将来受け取れる年金見込額が記載されています。
ねんきん定期便には、以下の情報が記載されています。
- 基礎年金番号
- これまでの保険料納付額
- 年金加入期間
- 現時点での年金見込額
- 直近1年間の納付状況
特に重要なのは「年金見込額」の欄です。ここに記載されている金額が、将来受け取れる年金額の目安となります。
ただし、50歳未満の方と50歳以上の方では、年金見込額の計算方法が異なります。
50歳未満の方の場合、記載されているのは「これまで納めた保険料に基づく年金額」です。つまり、加入実績に応じた見込であり、実際に受け取れる金額ではありません。
50歳以上の方の場合、記載されているのは「60歳まで現在の条件で加入し続けた場合の年金額」です。こちらのほうが、実際の受給額に近い数字といえるでしょう。
年金事務所で相談する
ねんきんネットやねんきん定期便で疑問点が解消できない場合は、年金事務所で直接相談することをおすすめします。専門の相談員が、ご自身の年金記録をもとに詳しく説明してくれます。
年金事務所では、以下のような相談ができます。
- 将来の年金見込額の詳細な計算
- 繰上げ・繰下げ受給のシミュレーション
- 年金記録の訂正や照会
- 保険料の追納に関する相談
- 年金受給手続きの案内
- 離婚時の年金分割について
特に、繰上げ・繰下げ受給の判断や、年金記録に誤りがある場合は、専門家に相談したほうが確実です。複雑なケースでは、ねんきんネットだけでは正確な金額を把握できない場合もあります。
また、年金受給開始の直前には、手続きに関する具体的な案内が必要になります。提出書類や期限について、事前に確認しておくとスムーズでしょう。
WPP理論で実現する安心の老後生活設計
近年、老後の生活設計において注目を集めているのが「WPP理論」です。これは人生100年時代に対応した新しい年金受給戦略で、厚生労働省の審議会でも紹介されています。
WPPとは、「Work longer(就労延長)」「Private pensions(私的年金)」「Public pensions(公的年金)」の頭文字を取った造語です。この3つの要素を組み合わせることで、安心できる老後生活を実現しようという考え方になります。
Work longer(就労延長)の意味
最初のWは「Work longer(就労延長)」を意味します。働けるうちはできるだけ長く働き続けることで、老後資金の準備期間を延ばし、年金に頼る期間を短くする考え方です。
令和3年4月からは、70歳までの就業機会確保が企業の努力義務となりました。内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、60代後半の就業率は年々上昇しており、令和4年には65~69歳の就業率が53.5%に達しています。
- 就労延長には、老後の家計収支を二重に改善する効果があります。第一に、働いている間は収入があるため、貯蓄の取り崩しを遅らせられます。第二に、厚生年金に長く加入することで、将来の年金額も増やせます。
Private pensions(私的年金)の役割
2つ目のPは「Private pensions(私的年金)」です。就労を引退してから公的年金の受給を開始するまでの期間を、私的年金でつなぐという考え方になります。
私的年金には、企業年金・退職金・iDeCo・個人年金保険など、さまざまな種類があります。これらを組み合わせて、公的年金を受給するまでの生活資金を確保します。
- 従来は「私的年金で一生涯の保障を得る」という考え方が主流でした。しかしWPP理論では、私的年金の役割を「つなぎ」に限定することで、より現実的で効率的な設計が可能になります。
Public pensions(公的年金)の活用法
3つ目のPは「Public pensions(公的年金)」です。公的年金を繰り下げて受給額を増やし、終身で受け取ることで、長生きリスクに備えるという考え方になります。
公的年金の最大の強みは、生きている限り一生涯受け取れることです。75歳まで繰り下げれば受給額は1.84倍に増え、その金額を死ぬまで受け取り続けられます。これは民間の金融商品では実現が難しい、貴重な特徴といえます。
- 民間の終身年金は、低金利環境や長寿化により、提供が困難になっています。公的年金こそが、長生きリスクに最も効率的に対応できる手段といえるでしょう。
なお、公的年金の繰上げ受給や繰下げ受給に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。
WPP理論の具体的なシミュレーション
WPP理論を実際にどう活用するかは、個人の状況によって異なります。ここでは4つの代表的なパターンを紹介し、それぞれのメリットを解説します。
パターン①:70歳まで働き、私的年金でつなぐ
最も標準的なWPPのパターンです。60歳以降も働き続け、70歳で引退します。その後は企業年金や退職金で生活し、75歳から増額した公的年金を受給するモデルです。
【具体例】
- 60~70歳:再雇用で年収300万円で働く(厚生年金に加入)
- 70~75歳:企業型DCを5年確定年金(月額10万円)で受給
- 75歳~:公的年金を84%増額して受給(月額27万円)
このパターンのメリットは、70歳まで働くことで厚生年金の加入期間が延び、年金額がさらに増えることです。また、70歳までの10年間で老後資金を追加で準備できるため、貯蓄の余裕も生まれます。
70~75歳の5年間は企業型DCでつなぐため、貯蓄を取り崩す必要がありません。75歳以降は増額された公的年金で安心して暮らせます。
このモデルでは、65歳時点で必要な貯蓄額を大幅に削減できます。従来の「老後2,000万円」が、WPP理論では600万円程度で済む計算になります。
公的年金だけでなく、私的年金を有効活用して老後に備えましょう。年金の種類に関しては、こちらの記事も参考にしてみてください。
パターン②:就労と貯蓄で生活費をまかなう
企業年金や退職金が少ない場合や、私的年金の準備が十分でない場合のパターンです。67歳まで働き、その後は貯蓄を取り崩しながら70歳から公的年金を受給します。
【具体例】
- 60~67歳:パートで年収180万円で働く
- 67~70歳:貯蓄を取り崩して生活(月額5万円程度)
- 70歳~:公的年金を42%増額して受給(月額21万円)
このパターンは、私的年金が充実していなくても実践できる点がメリットです。67歳までパートで働けば、貯蓄の取崩しを最小限に抑えられます。
70歳から受給する公的年金は42%増額されているため、単身であれば十分に生活できる水準です。配偶者の年金と合わせれば、世帯で月額30万円程度になるでしょう。
このモデルでは、67歳時点で約200万円程度の貯蓄があれば対応できます。現役時代に十分な貯蓄ができなかった方でも、就労延長と繰下げ受給を組み合わせることで、老後の安心を確保できます。
よくある質問(FAQ)
2026.02.13
男性50代
“年金定期便のどこを見ると毎月いくらもらえるかわかりますか?見方を教えて下さい”
A. ねんきん定期便で将来の月額を把握するには、50歳未満は加入実績確認とねんきんネットで試算、50歳以上は年金見込額(年額)を12で割って確認しましょう。
2024.08.08
男性
“企業DCは個人にとって節税にならないので、iDeCoの方がいいのでしょうか”
A. 会社負担の企業型DCは社会保険料も減り節税効果が大きい。まずDC上限まで拠出し、不足分をiDeCoまたはマッチング拠出で補うのが合理的。
2025.06.18
男性50代
“公的な社会保険について、わかりやすく教えてください。”
A. 医療・年金・介護・失業・労災の五制度で大半の生活リスクを、公的に補えます。給付範囲と自己負担を把握すれば過剰な民間保険を避けられ、必要最小限の保障設計が可能です。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
関連する専門用語
老齢年金
老齢年金とは、一定の年齢に達した人が、現役時代に納めた年金保険料に基づいて受け取ることができる公的年金のことをいいます。基本的には、日本の年金制度における「老後の生活を支えるための給付」であり、国民年金から支給される老齢基礎年金と、厚生年金から支給される老齢厚生年金の2つがあります。 国民年金に加入していたすべての人が対象となるのが老齢基礎年金で、会社員や公務員など厚生年金に加入していた人は、基礎年金に加えて老齢厚生年金も受け取ることができます。原則として65歳から支給されますが、繰上げや繰下げ制度を利用することで、受け取り開始年齢を60歳から75歳まで調整することも可能です。老齢年金は、長年の働きと保険料の積み重ねに対して支払われる、生活設計の中心となる制度です。
在職老齢年金
在職老齢年金(ざいしょくろうれいねんきん)とは、年金を受け取りながら働く人の年金額を、賃金とのバランスをとるために一時的に減額または支給停止する制度です。高齢期の就労を促進しつつ、年金財政の公平性を保つことを目的としています。 対象となるのは、老齢厚生年金の受給権があり、厚生年金保険の適用事業所で報酬を受け取っている人です。具体的には、60歳以上で老齢厚生年金を受け取っている人が勤務を続けている場合に適用されます。70歳を超えると厚生年金保険料の支払い義務はなくなりますが、報酬を得ている限り、この在職老齢年金の支給停止の仕組みは引き続き適用されます。 支給停止の判定は、年金(月額)と給与・賞与の合計額が一定の基準を超えるかどうかで行われます。年金の支給額を算定する際に用いられる「基本月額」と、給与や賞与から算出される「総報酬月額相当額」を合計し、基準額(支給停止調整開始額)を上回る場合、超過分の2分の1が年金から差し引かれます。たとえば、年金10万円、給与50万円で合計60万円の場合、基準額51万円を9万円超えるため、その半分の4.5万円が支給停止となり、受け取れる年金は5.5万円になります。 基準額は制度改正により段階的に引き上げられています。2024年度までは47万円でしたが、2025年度(令和7年度)からは51万円に引き上げられました。さらに、2026年4月(令和8年4月)からは62万円に引き上げられる予定です。これにより、高齢になっても働き続ける人がより多くの年金を受け取れるようになります。 在職老齢年金には、60〜64歳を対象とする「低在老」と、65歳以上を対象とする「高在老」があります。60〜64歳の場合の基準額は28万円と低く設定されていますが、65歳以上は51万円(現行)と緩やかです。なお、雇用保険の高年齢雇用継続給付を受けている場合などは、年金額が追加で調整されることもあります。 在職老齢年金は「働く高齢者の所得と年金の調整」という考え方に基づく仕組みであり、年金制度の公平性と持続可能性を保ちながら、就労意欲を支える制度として位置づけられています。今後も高齢者の就労促進と制度の簡素化を目的とした見直しが進む見通しです。
繰下げ受給
繰下げ受給とは、本来65歳から支給される公的年金(老齢基礎年金や老齢厚生年金など)の受け取り開始を自分の希望で後ろ倒しにする制度です。66歳以降、最大75歳まで1か月単位で繰り下げることができ、遅らせた月数に応じて年金額が恒久的に増えます。 増額率は1か月当たり0.7%で、10年(120か月)繰り下げた場合にはおよそ84%の上乗せとなるため、長生きするほどトータルの受取額が増えやすい仕組みです。ただし、繰下げた期間中は年金を受け取れないため、その間の生活資金や健康状態、就労収入の見通しを踏まえて慎重に検討することが大切です。
老齢厚生年金
老齢厚生年金とは、会社員や公務員などが厚生年金保険に加入していた期間に応じて、原則65歳から受け取ることができる公的年金です。この年金は、基礎年金である「老齢基礎年金」に上乗せされる形で支給され、収入に比例して金額が決まる仕組みになっています。つまり、働いていたときの給与が高く、加入期間が長いほど受け取れる年金額も多くなります。また、一定の要件を満たせば、配偶者などに加算される「加給年金」も含まれることがあります。老後の生活をより安定させるための重要な柱となる年金です。
繰上げ受給
繰上げ受給とは、公的年金を本来の支給開始年齢より早く受け取り始める制度で、日本では原則65歳からの老齢基礎年金や老齢厚生年金を60歳から前倒しで請求できます。早く受け取る代わりに、受給額は繰上げた月数に応じて永久的に減額される仕組みになっており、減額率は請求月ごとに定められています。長く受給するメリットと生涯受取額が減るデメリットを比較し、健康状態や生活資金の必要度、就労の予定などを踏まえて選択することが大切です。また、一度繰上げを行うと原則として取り消しや遅らせることはできないため、将来のライフプランを十分検討したうえで判断する必要があります。
厚生年金
厚生年金とは、会社員や公務員などの給与所得者が加入する公的年金制度で、国民年金(基礎年金)に上乗せして支給される「2階建て構造」の年金制度の一部です。厚生年金に加入している人は、基礎年金に加えて、収入に応じた保険料を支払い、将来はその分に応じた年金額を受け取ることができます。 保険料は労使折半で、勤務先と本人がそれぞれ負担します。原則として70歳未満の従業員が対象で、加入・脱退や保険料の納付、記録管理は日本年金機構が行っています。老後の年金だけでなく、障害年金や遺族年金なども含む包括的な保障があり、給与収入がある人にとっては、生活保障の中心となる制度です。





