個人向け国債を1000万円購入すると、毎年どれくらいの利息を得られますか?
個人向け国債を1000万円購入すると、毎年どれくらいの利息を得られますか?
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2025/10/30 09:14
女性
30代
個人向け国債を購入すると元本が保証されていると聞きましたが、実際にどの程度の利息が得られるのか具体的に知りたいです。仮に1000万円を購入した場合、毎年どれくらいの利息が受け取れるのでしょうか。固定金利型と変動金利型のどちらを選ぶかによっても違いがあると思いますが、現在の金利水準を踏まえて、実際の受取額の目安を教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
個人向け国債を購入すると元本が国によって保証されており、満期まで保有すれば確実に元本が戻る安全性の高い商品です。2025年10月募集分(発行は11月17日予定)の金利水準では、年1%前後の利息が設定されています。仮に1000万円を購入した場合、変動10年型で年1.08%、固定5年型で年1.22%、固定3年型で年1.01%となり、それぞれ年10.8万円、12.2万円、10.1万円の利息を受け取る計算になります。税引後では約8.6万円、9.7万円、8.0万円が手取りの目安です。
変動10年型は半年ごとに利率が見直されるタイプで、初回利率1.08%からスタートします。今後金利が上昇すれば利息も増えますが、金利が下がれば受取額も減ります。
一方で、最低0.05%の下限が保証されているため、極端なマイナス金利環境でも利息がゼロになることはありません。固定3年型と固定5年型は満期まで利率が変わらず、購入時点の金利がそのまま適用されます。したがって、現在の利率を確定させたい人は固定金利型を選ぶのが無難です。
利息は年2回、代表的には5月と11月に自動的に口座へ入金されます。税金は20.315%(所得税+復興特別所得税+住民税)が源泉徴収され、申告は不要です。なお、個人向け国債は新NISAの対象外であり、NISA口座では購入できません。
また発行から1年以上経てば中途換金が可能ですが、直前2回分の利息相当額の一部が差し引かれるため、短期間で解約すると実質利回りが低下します。
固定金利型と変動金利型の選択は、今後の金利動向の見通しによって異なります。金利が今後上昇する可能性を重視するなら変動10年型、現時点の利回りを確定したいなら固定5年型が有利です。
短期での運用や資金の流動性を重視するなら固定3年型も選択肢になります。いずれも最低金利保証と元本保証があるため、安全資産としてポートフォリオの一部に組み入れることができます。
個人向け国債は、リスクを取らず安定した利息を得たい人に適した金融商品です。大きなリターンは期待できませんが、預金より高い金利を得ながら国の信用で守られる点が最大の魅力です。
金利が上昇局面にある現在は、固定型で利率を確定させるか、変動型で将来の上振れを狙うか、自身の資金計画に合わせて選ぶのが良いでしょう。
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個人向け国債
個人向け国債とは、日本政府が個人投資家向けに発行する債券で、安全性が高く元本保証が特徴です。最低1万円から購入可能で、3年・5年の固定金利型と10年の変動金利型があります。変動金利型は半年ごとに金利が見直され、市場金利の上昇に伴い受取利息が増加するメリットがあります。 一方、株式投資ほどの高いリターンは期待できず、インフレ時には実質的な資産価値が目減りする可能性があります。また、購入後1年間は中途換金ができず、その後の換金時には直前2回分の利子相当額が差し引かれる点に注意が必要です。銀行預金より高い金利を求めるが、リスクを避けたい投資初心者や安全資産を確保したい方に適した商品です。
源泉徴収
源泉徴収とは、給与や報酬、利子、配当などの支払いを受ける人に代わって、支払者があらかじめ所得税を差し引き、税務署に納付する制度です。特に給与所得者の場合、会社が毎月の給与から所得税を控除し、年末調整で過不足を精算します。 この制度の目的は、税金の徴収を確実に行い、納税者の負担を軽減することです。例えば、会社員は確定申告を行わずに納税が完了するケースが多くなります。ただし、個人事業主や一定の副収入がある人は、源泉徴収された金額を基に確定申告が必要になることがあります。 また、配当金や利子の源泉徴収税率は原則20.315%(所得税15.315%+住民税5%)ですが、金融商品によって異なる場合があるため、事前に確認が必要です。
新NISA
新NISAとは、2024年からスタートした日本の新しい少額投資非課税制度のことで、従来のNISA制度を見直して、より長期的で柔軟な資産形成を支援する目的で導入されました。この制度では、投資で得られた利益(配当や売却益)が一定の条件のもとで非課税になるため、税負担を気にせずに投資ができます。新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が用意されており、年間の投資可能額や総額の上限も大幅に引き上げられました。 また、非課税期間が無期限となったことで、より長期的な運用が可能となっています。投資初心者にも利用しやすい仕組みとなっており、老後資金や将来の資産形成の手段として注目されています。
安全資産
安全資産とは、価格変動が少なく、元本の減少リスクが低い資産のことを指す。代表的なものとして、銀行預金、国債、定期預金、MMF(マネーマーケットファンド)などがある。 これらの資産はリスクが低いため、資産の一部を安全資産に振り分けることで、ポートフォリオ全体のリスクを抑える役割を果たす。特に、短期間で使用する予定の資金や、生活費の予備資金として適している。 インフレの影響を受けるため、長期的に資産を増やす目的ではリスク資産と併用することが一般的である。
中途換金
中途換金とは、満期を迎える前に金融商品を解約して現金化することを指します。主に定期預金、投資信託、債券などの運用商品に対して使われる言葉です。たとえば、定期預金を満期前に解約する場合は、中途換金となり、当初約束されていた利息よりも低い利率で再計算されたり、場合によっては手数料が発生したりします。投資信託や債券でも、市場の状況によっては元本割れとなることがあり、中途換金にはリスクが伴います。 そのため、資産運用を行う際は、資金をいつ使う予定なのかを事前に考え、無理のない期間で運用することが大切です。中途換金は「お金を引き出す自由度」と「運用効率」のバランスを考える上で重要な概念です。




