30歳代が保有している貯金の中央値と平均値を教えてください。
30歳代が保有している貯金の中央値と平均値を教えてください。
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2025/10/20 09:04
男性
30代
30歳代の貯金額について気になっています。ニュースなどで「平均値」と「中央値」が大きく違うと聞きましたが、実際にはどれくらい差があるのでしょうか。自分や同世代の人がどのくらい貯金しているのかを知ることで、将来の資産形成や生活設計の参考にしたいと考えています。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
30歳代の貯金額については、J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査2024年」によると、二人以上世帯では平均約601万円、中央値約150万円、単身世帯では平均約594万円、中央値約100万円となっています。平均値よりも中央値の方が実感に近く、特に30代は一部の高額資産を持つ世帯が平均を大きく押し上げていることが特徴です。
この調査でいう「貯金」は、預貯金に加えて株式、投資信託、債券、個人年金などを含む「金融資産全体」を指します。そのため、単純に現金や普通預金の残高だけを比べると過大・過小評価になりがちです。また、全世帯の中央値は二人以上世帯で350万円、単身世帯で100万円程度となっており、中央値を基準に自分の位置を確認するのが現実的です。
資産形成を考える際は、まず自分の家計が単身か世帯かを整理し、総金融資産ベースで比較することが大切です。30代二人以上世帯で150万円を下回る場合は、生活防衛資金を優先的に確保し、その上で先取り貯蓄と積立投資を並行するのが効果的です。
中央値を超えていても教育費や老後資金の準備が不足していれば安心とはいえません。家計の固定費を見直し、目的別に資金を分け、リスク許容度に応じてインデックス投資を組み合わせることで、中央値から平均値に近づく堅実な資産形成が可能になります。
30代はライフイベントが重なる大切な時期です。結婚、出産、マイホーム購入など、お金が必要な場面が増えてきます。だからこそ、計画的な資産形成が欠かせません。
まだ20年以上の運用期間があるため、複利効果は十分に期待できます。月3万円を年利5%で25年間運用すれば約1,800万円になり、老後資金の大きな柱となります。
30代は収入も安定し始め、キャリアも見えてくる時期。投資に回せる金額も20代より増やしやすいでしょう。NISA制度やiDeCoを活用すれば、税制優遇を受けながら効率的に資産を増やせます。
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金融資産
金融資産とは、現金や預金、株式、債券、投資信託など、金融市場で取引可能な資産のことを指します。不動産や貴金属のような実物資産とは異なり、換金性が高く、運用によって価値が変動する特徴があります。個人の資産運用においては、金融資産を適切に分散し、リスクとリターンのバランスを取ることが重要とされます。企業の財務管理においても、金融資産の保有状況は流動性や資金繰りに影響を与えるため、戦略的な管理が求められます。
iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)
iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。
NISA
NISAとは、「少額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)」の略称で、日本に住む個人が一定額までの投資について、配当金や売却益などにかかる税金が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託などで得られる利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばその税金がかからず、効率的に資産形成を行うことができます。2024年からは新しいNISA制度が始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを併用できる仕組みとなり、非課税期間も無期限化されました。年間の投資枠や口座の開設先は決められており、原則として1人1口座しか持てません。NISAは投資初心者にも利用しやすい制度として広く普及しており、長期的な資産形成を支援する国の税制優遇措置のひとつです。
複利効果
複利効果とは、投資で得られた利益を元本に組み入れて再び運用することにより、利益が利益を生むという仕組みのことを指します。たとえば、最初に100万円を年利5%で運用した場合、1年後には105万円になりますが、その翌年は105万円に対して5%の利息がつくため、さらに増えた金額に利息が上乗せされていきます。このように、運用期間が長くなるほど利益が加速度的に増えていくのが複利効果の特徴です。特に配当再投資や自動積立投資との組み合わせによって、この効果はより強く現れます。短期間では実感しにくいかもしれませんが、10年、20年といった長期で見ると、元本だけで運用する単利に比べて、はるかに大きな資産形成が可能になります。複利効果は「時間を味方につける」資産運用の基本的な考え方として、投資初心者にとっても非常に重要です。
生活防衛資金
生活防衛資金とは、万が一の病気や失業、災害などで収入が途絶えた場合でも、一定期間は生活を維持できるように、あらかじめ確保しておく現金のことです。投資を始める前にまず準備しておくべきお金で、一般的には生活費の3か月から6か月分を目安にするとされています。 この資金は、株や投資信託のように価格が変動する商品ではなく、すぐに引き出せる預金などで保管するのが望ましいとされています。生活防衛資金がしっかりと確保されていれば、投資のリスクを過度に恐れずに冷静な判断がしやすくなり、精神的な安心感にもつながります。
インデックス投資(指数投資)
インデックス投資(指数投資)とは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して投資する方法のことを指します。たとえば、日経平均株価やS&P500といった市場全体の動きを示す指数に連動するように、同じ銘柄を同じ比率で組み入れることで、指数全体の成績を再現しようとする投資手法です。個別の銘柄を選ぶのではなく、幅広い銘柄に分散して投資するため、リスクが抑えられやすく、長期的な資産形成に向いているとされています。運用コストも比較的低く、初心者にも始めやすいのが特徴です。近年では、ETFやインデックスファンドを通じて指数投資を行う投資家が増えており、資産運用の基本的な選択肢の一つとなっています。




