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年金の学生特例は追納しないほうが良いと聞きましたが本当でしょうか?

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2025/10/10 09:59

公的年金
公的年金

男性

30代

question

学生特例を利用して年金保険料を免除してもらいましたが、追納した方がいいのか迷っています。将来の年金額にどの程度影響するのか、また追納するときのメリット・デメリットを知りたいです。物価や収入が上がっている中で、今追納することが本当に得になるのかも気になります。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

学生納付特例で猶予した国民年金保険料は、将来の老齢基礎年金を増やすために追納したほうが有利です。学生特例期間は受給資格には含まれますが、追納しない限り年金額には反映されません。1年分を追納すると老齢基礎年金が年およそ2万円増えるとされ、現行制度ではおよそ10年で元が取れる計算になります。

ただし、この「2万円増」という数字は2024年度時点の年金水準(満額約81.6万円/480月)をもとにした目安であり、将来も固定されるわけではありません。老齢基礎年金は物価や賃金の動きに応じて毎年改定されるため、インフレや制度調整によって金額が増減する可能性があります。また、少子高齢化などを背景に算定方式が変更されることもあり得ます。したがって、「必ず2万円増える」とは限りませんが、追納によって将来の年金額が増える仕組み自体は今後も維持される見込みです。

学生特例は免除ではなく猶予であり、承認された期間の保険料を10年以内なら後から納めることができます。3年度目以降に追納する場合は加算金(利息のような上乗せ)が発生するため、できるだけ早めに支払うのが有利です。さらに、追納した保険料は社会保険料控除の対象になるため、所得税や住民税が軽くなり、実質的な負担は小さくなります。

老齢基礎年金の満額は2024年度で年約81.6万円。追納による上乗せ分は生涯にわたって継続し、70歳まで繰り下げ受給を選ぶ場合には増額率(最大42%)が加わるため、追納の効果はさらに高まります。

一方で、すべての人に追納が最適というわけではありません。生活費に余裕がない場合や高金利の借入を抱えている場合、健康上の理由で受給期間が短くなる見込みがある場合は、無理に追納せず、まずは日々の生活に必要なお金の余裕を確保することを優先すべきです。追納をするなら、所得がある年に古い年度分から順に進めるのが理想的です。

手続きは「ねんきんネット」で学生特例の対象期間を確認し、3年度目に入る前を目安に早めの追納を検討しましょう。あわせて、年末調整や確定申告で社会保険料控除を申請すれば、税金面のメリットも得られます。

まとめると、追納は制度改正による金額変動リスクはあるものの、長期的には有利で再現性の高い方法といえます。生活にゆとりを持ちながら計画的に進めることで、将来の年金受給額を安定的に増やすことができます。

将来の制度改定リスクや、自分の家計状況に合わせた最適な追納タイミングを知りたい方は、投資のコンシェルジュの無料相談をご利用ください。年金、税制、資産形成を総合的に分析し、中立的な立場から最適なアドバイスをお伝えします。

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学生納付特例制度

学生納付特例制度とは、20歳以上の学生が国民年金の保険料を納めることが経済的に難しい場合に、申請することで在学中の保険料納付が猶予される制度です。この制度を利用すると、納付していない期間も年金の受給資格期間としてカウントされるため、将来の年金受給に不利にならず、卒業後に収入を得てから追納することも可能です。 対象となるのは、大学・大学院・短大・専門学校・高等専門学校などに在学している学生で、一定の所得以下であることが条件です。資産運用やライフプランの面では、学生時代から年金制度に関わる意識を持ち、将来の備えとして制度のしくみを理解しておくことが大切です。

追納

追納とは、過去に国民年金保険料の免除や納付猶予を受けた期間について、後からさかのぼって保険料を納めることをいいます。この制度を利用することで、将来受け取る老齢基礎年金の受給額を増やすことができ、年金の受給資格期間にも有利に働きます。 ただし、追納できるのは原則として免除・猶予を受けた期間に限られ、単なる未納期間には適用されません。また、追納には期限があり、原則として免除・猶予された年度の翌年度から起算して10年以内となっています。 追納することで本来の保険料負担に戻る形になりますが、2年以上前の期間については加算金が上乗せされることがあります。経済的に余裕があるときに計画的に追納を行うことで、将来の年金額をしっかり確保することができます。

老齢基礎年金

老齢基礎年金とは、日本の公的年金制度の一つで、老後の最低限の生活を支えることを目的とした年金です。一定の加入期間を満たした人が、原則として65歳から受給できます。 受給資格を得るためには、国民年金の保険料納付済期間、免除期間、合算対象期間(カラ期間)を合計して10年以上の加入期間が必要です。年金額は、20歳から60歳までの40年間(480月)にわたる国民年金の加入期間に応じて決まり、満額受給には480月分の保険料納付が必要です。納付期間が不足すると、その分減額されます。 また、年金額は毎年の物価や賃金水準に応じて見直しされます。繰上げ受給(60~64歳)を選択すると減額され、繰下げ受給(66~75歳)を選択すると増額される仕組みになっています。 老齢基礎年金は、自営業者、フリーランス、会社員、公務員を問わず、日本国内に住むすべての人が加入する仕組みとなっており、老後の基本的な生活を支える重要な制度の一つです。

加算金

加算金とは、金融商品や保険商品などで、通常の利息や配当などに上乗せされる追加的な金銭のことを指します。主に定期預金や債券、保険契約などで、一定の条件を満たした場合に支払われることがあります。例えば、特定の期間まで解約しなかった場合や、特定のキャンペーン中に契約をした場合などに、通常より高い利率が適用されることがあります。投資家にとっては、利回りを高めるための一つの要素となりますが、加算金が適用される条件をよく確認しないと、思ったよりも受け取れないケースもあるため注意が必要です。

繰下げ受給

繰下げ受給とは、本来65歳から支給される公的年金(老齢基礎年金や老齢厚生年金など)の受け取り開始を自分の希望で後ろ倒しにする制度です。66歳以降、最大75歳まで1か月単位で繰り下げることができ、遅らせた月数に応じて年金額が恒久的に増えます。 増額率は1か月当たり0.7%で、10年(120か月)繰り下げた場合にはおよそ84%の上乗せとなるため、長生きするほどトータルの受取額が増えやすい仕組みです。ただし、繰下げた期間中は年金を受け取れないため、その間の生活資金や健康状態、就労収入の見通しを踏まえて慎重に検討することが大切です。

社会保険料控除

社会保険料控除とは、健康保険、厚生年金、介護保険、雇用保険などの社会保険料を支払った場合に、その金額を所得から差し引くことができる所得控除の一種です。これは、納税者の生活を守る公的制度に協力しているという前提で、税負担を軽くするための仕組みです。 本人が支払った分だけでなく、配偶者や親族の保険料を本人が負担している場合にも控除の対象になります。会社員であれば給与から自動的に天引きされた社会保険料も対象となっており、年末調整や確定申告の際に自動的に反映されるケースが多いです。税額を計算する際の重要な調整要素となるため、税制の基本知識として知っておくと役立ちます。

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