ユニット・リンクの利回りや運用実績はどの程度ですか?
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2025/09/10 09:20
女性
30代
ユニット・リンクの利回りや運用実績について、具体的な水準がどの程度なのか知りたいです。保険会社の資料には「市場連動」や「長期的な資産形成に向く」といった説明が書かれていますが、実際にどのくらいの成果が期待できるのかがよくわからないため、教えて下さい。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ユニット・リンクの利回りや運用実績は、一概に「〇%程度」と断定できるものではありません。なぜなら、運用成果は選択する投資対象(株式型、債券型、バランス型など)や市場環境によって大きく変動するからです。
例えば株式中心のファンドを選べば、景気拡大期には5〜10%程度のリターンが期待できる場合もありますが、不況期には元本割れのリスクも十分にあります。一方、債券中心のファンドは比較的安定した運用が見込めますが、その分リターンは年率1〜3%程度と抑えられる傾向にあります。
また、ユニット・リンクは「保険」と「投資」を組み合わせた商品であるため、保険部分のコスト(死亡保障や事務手数料など)が差し引かれる点にも注意が必要です。これらのコストによって、同じ投資信託を直接購入する場合に比べると、実際の利回りは低くなるケースもあります。そのため、運用実績を判断する際には、単純なリターンだけでなく「保険機能込みでどの程度の価値があるか」を総合的に検討することが大切です。
初心者の方は、まず各保険会社が公表している過去の運用実績やモデルケースを確認しつつ、株式や投資信託と比較検討するのがおすすめです。特に、「保障が必要だからユニット・リンクを選ぶのか」「純粋に資産形成が目的であれば投資信託やNISAを利用するのか」という目的の整理が重要です。
運用利回りだけに注目するのではなく、自分のライフプランに照らして活用の適否を判断することが、ユニット・リンクを検討する際のポイントです。
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関連する専門用語
利回り
利回りとは、投資で得られた収益を投下元本に対する割合で示し、異なる商品や期間を比較するときの共通尺度になります。 計算式は「(期末評価額+分配金等-期首元本)÷期首元本」で、原則として年率に換算して示します。この“年率”をどの期間で切り取るかによって、利回りは年間リターンとトータルリターンの二つに大別されます。 年間リターンは「ある1年間だけの利回り」を示す瞬間値で、直近の運用成績や市場の勢いを把握するのに適しています。トータルリターンは「保有開始から売却・償還までの累積リターン」を示し、長期投資の成果を測る指標です。保有期間が異なる商品どうしを比べるときは、トータルリターンを年平均成長率(CAGR)に換算して年率をそろすことで、複利効果を含めた公平な比較ができます。 債券なら市場価格を反映した現在利回りや償還までの総収益を年率化した最終利回り(YTM)、株式なら株価に対する年間配当の割合である配当利回り、不動産投資なら純賃料収入を物件価格で割ったネット利回りと、対象資産ごとに計算対象は変わります。 また、名目利回りだけでは購買力の変化や税・手数料の影響を見落としやすいため、インフレ調整後や税控除後のネット利回りも確認することが重要です。複利運用では得た収益を再投資することでリターンが雪だるま式に増えますから、年間リターンとトータルリターンを意識しながら、複利効果・インフレ・コストを総合的に考慮すると、より適切なリスクとリターンのバランスを見極められます。
運用実績
運用実績とは、資産をどのように運用してきたかを示す過去の成果のことで、具体的には投資元本がどれだけ増減したかを数値で確認できる記録を指します。 投資信託や年金基金などが公表する運用報告書には、設定以来や直近一定期間の利回り、累積リターンなどが掲載され、投資家はこれを手がかりに運用者の実力や方針が自分の目標に合っているかを判断します。 運用実績は将来の成果を保証するものではありませんが、運用期間や市場環境を踏まえて比較すると、その運用が一貫しているか、過度なリスクを取らずにリターンを上げているかといった傾向を読み取る手がかりになります。
元本割れ
元本割れとは、投資で使ったお金、つまり元本(がんぽん)よりも、最終的に戻ってきた金額が少なくなることをいいます。たとえば、100万円で投資信託を購入したのに、解約時に戻ってきたのが90万円だった場合、この差額10万円が損失であり、「元本割れした」という状態です。 特に、価格が変動する商品、たとえば株式や投資信託、債券などでは、将来の価格や分配金が保証されているわけではないため、元本割れのリスクがあります。「絶対に損をしたくない」と考える方にとっては、このリスクを正しく理解することがとても重要です。金融商品を選ぶときには、利回りだけでなく元本割れの可能性も十分に考慮しましょう。
債券ファンド(社債ファンド)
債券ファンドとは、投資家から集めた資金を国債や社債などの債券に投資し、利息収入や価格変動による収益を目的とする投資信託の一種である。比較的安定した収益を期待できるため、リスクを抑えながら資産運用を行いたい投資家に適している。ファンドの種類によっては、短期債中心のものや高利回りを狙ったハイイールド債ファンド、物価上昇に対応するインフレ連動債ファンドなどがある。 一般的に「債券ファンド」という場合、非上場の債券投資信託を指すことが多いが、債券を対象としたETF(上場投資信託)も存在し、特に社債ETF(Corporate Bond ETF)と呼ばれる。ETFは市場でリアルタイムに売買できる流動性の高さが特徴であるのに対し、投資信託は基準価額で取引されるため、売買の自由度が異なる。債券ファンドを選択する際は、運用形態やコスト、金利変動リスクを考慮しながら適切に選ぶことが重要である。
ライフプラン
ライフプランとは、人生のさまざまな出来事や目標を見据えて立てる長期的な生活設計のことを指します。結婚、出産、住宅購入、子どもの教育、老後の生活など、将来のライフイベントにかかる費用や時期を見積もり、それに向けた貯蓄や投資の計画を立てることがライフプランの基本です。 ライフプランを立てることで、お金に対する不安を減らし、将来の備えを具体的に考えることができます。そして資産運用は、このライフプランに沿って行うことで、無理のない範囲でお金を増やし、将来の安心につなげることができます。たとえば、子どもの教育資金には中期の積立型投資信託、老後資金にはiDeCoやNISAを活用するなど、目的に応じた運用が可能になります。 自分や家族のライフイベントに合わせて計画的に資産を増やすことが、将来の安心と豊かさにつながります。