投資の用語ナビ - か行 -
資産運用で使われる専門用語を、わかりやすく整理した用語集です。単なる定義ではなく、使われる場面や用語同士の関係まで解説し、判断の前提となる理解を整えます。
Terms
空売り
空売りとは、信用取引の1つで、株を借りて行う取引手法のこと。借りた株式を売却し、売却額より低い価格で買い戻すことにより利益を狙う手法である。 現物取引とは異なり、株価の下落局面で利益を狙うことができる。他にもすでに所有している現物株式のリスクヘッジになる点もメリットとして挙げられる。 デメリットとしては株価の上昇幅には上限がないことから損失が無限に膨らむ可能性がある、手数料をはじめとした費用がかかる点が挙げられる。
為替ヘッジ
為替ヘッジとは、為替取引をする際に、将来交換する為替レートをあらかじめ予約しておくことによって、為替変動のリスクを抑える仕組み。海外の株や債券に投資する際は、その株や債券の価値が下がるリスクだけでなく、為替の変動により円に換算した時の価値が下がるリスクも負うことになるので、後者のリスクを抑えるために為替ヘッジが行われる。
株主総会
株主総会は株式会社における最高意思決定機関である。 会社が定めた要件を満たす株主によって議決権が行使され、定款の変更や役員の選解任、配当金額の決定、計算書類の承認など、会社の基本方針や重要な事項を決定する。 株主総会には、決算期毎に開かれる定時株主総会と必要な際に開かれる臨時株主総会がある。一般的には、定時株主総会では、役員の選任や計算書類の承認などが行われることが多く、臨時株主総会では、株式・新株予約権の発行や組織再編に関する意思決定など、緊急性の高い案件が議題となることが多い。
株式交換
株式交換とは、親会社となる企業が自社の株式を対価として対象会社の発行済株式をすべて取得し、対象会社を支配することで、グループ企業を形成・再編する方法です。主に、M&Aの手段やホールディングス化を目指すために行われます。株式交換のメリットとしては親会社は自社株式を発行するだけでよいので買収資金が不要であることや、買収した後も対象企業は別法人という扱いになるので早急な経営統合を行う必要がないことなどがあります。 一方でデメリットとしては、自社株式を新規に発行するため、既存株主の持ち分が希薄化する可能性があります。また、親会社の1株当たりの利益が減少して市場評価が下がり株価が減少するリスクがあることや、親会社の株主構成が変化することなどが挙げられます。
貸株
貸株とは、投資家が保有している株式を証券会社に貸し出すこと。証券会社は貸し出しされた株式をまた別の投資家に貸し出す。投資家は証券会社から貸株金利を受け取ることができる。投資家は貸株中でも株式を自由に売買でき、長期保有している株式を有効利用できるというメリットがあるが、株主優待の継続保有特典は得ることができなくなり、貸株金利と配当相当額は雑所得扱いで総合課税の対象であり、場合によっては税が増額されたり控除を受けられなくなるというデメリットがある。また、NISA口座で保有している株式は貸株にできない。
株式分割
株式分割とは、1株をいくつかに分割し発行済みの株式数を増やすことである。増資をする訳ではなく無償で株式数を増やすため、「株式無償割り当て」とも呼ばれる。株式を分割するため、1株あたりの価値は小さくなるが、保有株の総価値自体は変わらない。 企業側のメリットとしては、株式の流動性が上がるという点がある。投資家側からすると、株式の最低購入金額が下がる、配当金を受け取る株数が増えるといったメリットがある。 一方、デメリットとしては株価変動の幅が大きくなることから、企業の信頼性の低下を招く恐れがある点が挙げられる。
確定申告
確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得を計算して翌年の2月16日から3月15日に申告し、納税する手続き。多くの会社では年末調整を経理部がしてくれるが、確定申告をすると年末調整では受けられない控除を受けることができる場合もある。確定申告をする必要がある人が確定申告をしないと加算税や延滞税が発生する。
確定給付年金
確定給付年金(Defined Benefit)とは、受給者の給与や勤務年数などによってあらかじめもらえる金額が決まっている年金のこと。給付額が制度資産の利回りに依拠しないという特徴がある。確定給付企業年金を指す言葉として用いられることもある。受給者に対するメリットとしては、確定給付年金(DB)は確定拠出年金(DC)と比べて資産管理に気を使わなくてよく、老後の安定的な収入源になるが、償却負担が重い場合には給料に悪影響を及ぼす可能性があり、受給権がわかりにくいというデメリットがある。
確定給付企業年金 (DB)
確定給付型企業年金(DB)とは、企業が従業員の退職後に受け取る年金額を保証する企業年金制度です。あらかじめ決められた給付額が支払われるため、従業員にとっては将来の見通しが立てやすいのが特徴です。DBには規約型と基金型の2種類があります。規約型は、企業が生命保険会社や信託銀行などの受託機関と契約し、受託機関が年金資産の管理や給付を行う仕組みです。基金型は、企業が企業年金基金を設立し、その基金が資産を運用し、従業員に年金を給付する仕組みです。確定拠出年金(DC)との大きな違いは、DBでは企業が運用リスクを負担する点であり、運用成績にかかわらず従業員は決まった額の年金を受け取ることができます。一方、DCでは従業員自身が運用を行い、将来受け取る年金額は運用成績によって変動します。DBのメリットとして、従業員は退職後の給付額が確定しているため安心感があることが挙げられます。また、企業にとっては従業員の定着率向上につながる点も利点となります。しかし、企業側には年金資産の運用成績が悪化した場合に追加の負担が発生するリスクがあるため、財務的な影響を考慮する必要があります。
格付け(信用格付け)
格付け(信用格付け)とは、取引をする際に参考にされる基準の一つで、取引の相手側の信用度を確認するために支払い能力や財務状況、安全性などを総合的にランク付けしたものである。アルファベットや数字で表されるのが一般的である。 (例)格付投資情報センター(https://www.r-i.co.jp/index.html) による発行体格付の定義 AAA:信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。 AA:信用力は極めて高く、優れた要素がある。 A:信用力は高く、部分的に優れた要素がある。 BBB:信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。 BB:信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。 B:信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。 CCC:発行体の金融債務が不履行に陥る懸念が強い。 CC:発行体の金融債務が不履行に陥っているか、その懸念が極めて強い。 C:発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付。
カウンターパーティリスク
カウンターパーティリスクとは、取引における相手方の金融機関(カウンターパーティ)が経営破綻するなどして取引が完結しないという恐れのこと。これは直接相手と取引する相対取引(対義語:取引所取引)において生じるリスクであり、このリスクを管理するためにカウンターパーティの選別や担保の差し入れをカウンターパーティに求めることができる。
企業年金連合会
企業年金連合会とは、転職や退職によって企業年金の加入資格を失った人の年金資産を引き受け、将来の年金として支給するための公的法人です。複数の企業を移りながら働く場合でも、過去に積み立てた企業年金が失われたり不利になったりしないよう、一括して管理・記録する役割を担っています。 個人にとっては、在籍した企業ごとに積み立てられた年金を確実に受け取るための窓口となり、長期的な老後資金の確保に重要な仕組みです。住所変更などの手続きを行っておくことで、将来の受給時に漏れなく年金を受け取れるようになります。
金先物
金先物とは、将来の特定時点に金をあらかじめ決めた価格で売買することを約束する取引を指します。現物の金を受け取ることが目的ではなく、価格が上がるか下がるかを見通して差益を狙う投資手法として利用されます。 少ない証拠金で大きな取引ができる仕組みのため、値動きが利益につながりやすい一方で、損失も大きくなりやすい特徴があります。金価格は世界景気、金利、為替、地政学リスクなどの影響を受けやすく、金先物も市況に対して敏感に反応します。 初心者が利用する場合は、レバレッジの仕組みや証拠金の変動、損失拡大リスクを理解したうえで、適切なリスク管理を行うことが重要です。
繰延節税商品
繰延節税商品とは、投資で得た利益にかかる税金の支払いを将来へ先送りできる金融商品のことを指します。課税を後に回せるため、その間は税金として差し引かれる分も含めて運用に回すことができ、複利効果を高めやすい点が特徴です。 最終的な課税がなくなるわけではありませんが、運用期間中により多くの資金を働かせられるため、長期の資産形成と相性の良い仕組みといえます。税金の発生タイミングが資産の増え方に影響することを理解するうえでも、重要な考え方となります。
固定資産
固定資産とは、企業や個人が長い期間にわたって使い続けることを前提に保有している資産のことを指します。すぐに売ったり現金化したりする目的ではなく、事業を続けるために必要な建物や機械、長期で保有する土地などが含まれます。短期間で使い切るものではなく、長く利用することで価値を発揮する点が特徴です。投資の場面では、企業の財務状態を理解する際に、どれだけの固定資産を持ち、適切に活用しているかを確認するための重要な指標になります。
関税
関税とは、外国から輸入される商品に対して国が課す税金のことを指します。この税金は国内産業を守る目的や国家の財源確保のために設けられており、商品価格に上乗せされることで、輸入品の値段が高くなる仕組みになっています。投資の観点では、関税の有無や変動が企業のコストや収益に影響を与えるため、株価や為替相場に影響を及ぼすことがある点が重要です。特に貿易摩擦が生じた際には関税が注目されやすく、市場全体の動きに影響を及ぼすことがあります。
株式
株式とは、企業が事業を行うための資金を集める目的で発行する証券のことで、これを購入した人はその企業の一部を所有することになります。株式を持つと、企業が利益を上げたときに配当金として受け取れたり、株価が上がることで売却益を得られたりする可能性があります。また、株主として企業の経営に関する意思決定に参加できる権利が与えられる場合もあります。ただし、株価は企業の業績や経済の状況によって変動するため、損をする可能性もある点を理解しておくことが大切です。
国民年金保険料
国民年金保険料とは、日本の公的年金制度において、20歳以上60歳未満のすべての人が加入する国民年金に支払う保険料のことです。この保険料を納めることで、将来の老齢基礎年金を受け取る権利が得られます。また、障害を負ったときや家族が遺されたときにも年金が支給されるため、将来への備えとして非常に重要な制度となっています。収入の状況によっては、保険料の免除や納付猶予を利用できる仕組みがあり、経済的な負担が大きい人でも必要な年金の権利を維持できるよう工夫されています。
現物型ETF
現物型ETF(Exchange Traded Fund)は、実際の株式や債券などの「現物資産」を保有するタイプのETFです。ETFとは、証券取引所に上場している投資信託のことで、株式のように売買できます。 例えば、日経平均株価に連動する現物型ETFの場合、運用会社は日経平均を構成する実際の銘柄を購入し、その価値に基づいてETFの価格が決まります。これにより、投資家はETFを1口買うだけで、多くの銘柄に分散投資できるメリットがあります。 また、先物を活用して運用するETFもありますが、現物型ETFは実際の資産を持つため、価格の透明性が高く、運用の仕組みがわかりやすいのが特徴です。初心者には、実際の株や債券を保有する現物型ETFが安心できる選択肢となるでしょう。
キャッシュフロー表
キャッシュフロー表とは、一定期間の収入と支出の動きを一覧にして、将来の資金残高を予測するための表のことです。 主に家計や企業の資金計画に使われ、毎年の収入や生活費、教育費、住宅ローンの返済、投資などを記録することで、お金の流れが見える化されます。 資産運用を考える際にも、いつどれだけのお金が必要になるかを把握するために欠かせないツールです。特に投資初心者の方にとっては、自分のお金の使い方や貯蓄・運用のバランスを把握する第一歩として活用されることが多いです。
キャッシュリッチ企業
キャッシュリッチ企業とは、手元資金を豊富に持つ企業のことを指します。これらの企業は、銀行預金や短期投資などの流動資産が多く、財務的に安定しているのが特徴です。潤沢な資金を保有しているため、借入に頼らずに事業運営を行うことができ、景気の悪化時でも資金繰りに困るリスクが低くなります。また、新規事業への投資やM&A(企業の合併・買収)を積極的に行うことが可能であり、成長のための戦略を柔軟に進めることができます。 代表的なキャッシュリッチ企業としては、AppleやGoogleなどの大手IT企業が挙げられます。日本ではトヨタや任天堂などがその代表例で、これらの企業は収益性が高く、得た利益を内部留保することで財務の安定性を保っています。キャッシュリッチ企業は、企業経営において強い競争力を持ち、長期的な成長を見据えた戦略を打ち出しやすいというメリットがあります。 一方で、資金を持ちすぎることで投資機会を逃したり、株主からの配当増加の要求が高まるといった課題もあります。そのため、キャッシュリッチ企業は資金の有効活用と財務のバランスを考えながら、持続的な成長を目指す必要があります。
繰上償還(投資信託)
繰上償還とは、投資信託や債権などにおいて、運用資産が少なくなり一定規模を下回った場合に運用会社が効率的な運用をすることが難しくなったと判断して、償還期日(あらかじめ設定されていた期限)を繰り上げて、償還期日よりも前に償還することをいう。投資目的を早期に達成した場合にも行われることがある。
為替差損益
為替差損益とは、外貨建ての資産を日本円に換算する際に生じる為替レートの変動による損益を指します。たとえば、1ドル=130円のときに米ドルで資産を購入し、売却時に1ドル=140円で円に戻した場合、為替差によって10円分の為替差益が発生します。逆に、売却時に円高が進行し1ドル=120円になっていれば、10円分の差損が発生することになります。この為替差損益は、外国株式、外貨建て投資信託、外債、外貨預金など、外貨を用いた資産運用において常に発生し得る重要なリスク要因です。 資産の値動きが堅調であっても、為替相場の変動によって最終的な円ベースのリターンが目減りすることがあるため、投資判断の際には為替リスクも含めて総合的に考慮する必要があります。たとえば、円安が進行すれば円換算での評価額は増えますが、円高になれば逆に資産価値は減少します。為替差損益は、こうした為替変動を通じて投資成果に直接的な影響を与える存在であり、為替動向の把握や資産配分の調整、ヘッジ戦略の活用などが求められます。 NISA口座での運用においても為替差損益は無視できません。NISAでは、外国株式や外貨建て投資信託の売却益が非課税となるため、為替差益も含めた全体の売却益が非課税対象となります。つまり、為替差によるプラスのリターンも税金がかからずそのまま受け取れるというメリットがあります。ただし、逆に為替差損が発生しても、それを他の利益と損益通算したり、繰り越して控除することはできません。NISAでは損失の税務活用ができないため、為替リスクを取る際は慎重な判断が必要です。 税務や会計上では、為替差損益には「実現損益」と「評価損益」があります。実現損益とは、外貨建て資産を実際に売却し円に換えた際に確定する損益であり、通常の課税対象となります。一方、評価損益とは、保有中の外貨建て資産を期末などに円換算した際に一時的に生じる為替差損益であり、個人投資家の場合、課税対象にはなりません。法人ではこの評価損益を会計上反映させるケースもありますが、個人の確定申告ではあくまで実現ベースでの損益が対象です。 このように、為替差損益は資産運用における見落としがちなリスク要素でありながら、運用成果に与えるインパクトは決して小さくありません。為替相場の予測は困難であるため、為替ヘッジ付き商品の活用や、複数通貨への分散投資、円建て資産とのバランス調整などを通じて、想定外の為替変動にも対応できる設計が望まれます。投資判断を行う際には、表面的なリターンだけでなく、その背後にある通貨変動の影響にも目を向けることが重要です。
契約社員
契約社員とは、企業と有期の労働契約を結んで働く社員のことを指します。正社員と比べると契約期間があらかじめ定められており、更新の有無によって雇用の継続が決まります。仕事内容や労働条件は正社員と同じ場合もありますが、賞与や退職金など待遇面で差があるケースもあります。資産運用やライフプランの観点では、雇用が不安定になりやすいことから、収入の見通しを慎重に立てたり、保険や貯蓄でリスクに備えたりすることが重要です。また、労働契約法に基づき、一定の期間を超えて働くと無期雇用に転換できる仕組みも整えられているため、キャリア設計の上でも理解しておく必要があります。