
アフラックの学資保険「夢みるこどもの学資保険」の特徴|メリットや返戻率のシミュレーションを紹介
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公開:
2025.08.24
更新:
2025.08.24
子どもの大学進学には、多額の費用が必要です。日本政策金融公庫の調査によると、高校入学から大学卒業までにかかる費用は942.5万円にものぼります。アフラック「夢みるこどもの学資保険」は、このような教育費を計画的に準備できる貯蓄型保険として多くの家庭に選ばれています。
本記事では、中立的な立場から同商品の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。専門家の視点で他社商品との比較も行い、あなたのご家庭に最適な教育資金準備方法を見つける方法を解説します。
サクッとわかる!簡単要約
この記事を読むと、アフラックの学資保険の特徴やメリットを理解できます。教育費の山に合わせて「高校で一時金、大学4年で年金」をどう活用するかが明確になり、返戻率の現実水準や元本割れリスクへの向き合い方が分かります。基準学資年金額100万円の例で「高校50万円+大学1年100万円+2〜4年各50万円=計300万円」を具体化し、向いている人・向いていない人の判断ポイントと設計留意点まで一気に把握できます。
目次
学資保険とは
学資保険は、子どもの教育費を準備するための保険商品です。毎月決まった保険料を支払い、子どもが高校や大学に進学する時期に合わせて、まとまったお金(満期保険金や祝い金)を受け取れる仕組みになっています。一般的には、子どもが0歳から6歳頃までに加入し、15年から22年程度かけて積み立てます。
学資保険の主なメリットは、銀行預金より利率が良い場合が多く、払い込んだ保険料より多くのお金を受け取れることがある点です。また、契約者である親に万が一のことがあった場合、以後の保険料支払いが免除されても保険金は予定通り受け取れる保障機能があります。さらに、強制的に積み立てができるため、教育費を確実に準備できるメリットもあります。
一方で、途中解約すると元本割れ、つまり払い込んだ保険料より少ない金額しか戻らないリスクがある点に注意が必要です。また、インフレに弱く、物価上昇時には実質的な価値が目減りする可能性もあります。教育費という明確な目標がある家庭にとって、計画的にお金を準備できる有効な手段の一つといえるでしょう。
学資保険の特徴やメリットなどは、以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
アフラック「夢みるこどもの学資保険」の基本特徴
アフラック「夢みるこどもの学資保険」は、高校・大学進学時期に合わせて教育資金を受け取れる貯蓄型保険です。
この商品の最大の特徴は、高校入学時に「学資一時金」、大学4年間にわたって「学資年金」を受け取れることです。これにより、最も費用がかかる大学進学期の資金を確実に準備できます。
商品概要
学資金の受取パターンは明確に設計されています。子どもが満14歳10カ月に達した日の直後の2月1日以降に、「学資一時金」として基準学資年金額の50%を受け取れます。その後、大学進学時期から4年間にわたって「学資年金」を受け取る仕組みです。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | こども保険〔2009〕 |
契約可能年齢(子ども) | 0歳~満7歳(払込期間により異なる) |
学資年金支払開始年齢 | 17歳または18歳から選択 |
保険料払込期間 | 10歳払済・17歳払済・18歳払済から選択 |
受取総額 | 120万円~1,500万円(60万円単位) |
基準学資年金額 | 40万円~500万円(20万円単位) |
第1回目の学資年金は基準学資年金額の満額、第2回から第4回までは各回50%ずつとなります。例えば基準学資年金額を100万円に設定した場合、学資一時金50万円、学資年金として1回目100万円・2〜4回目各50万円、合計300万円を受け取れます。
返戻率のシミュレーション
返戻率は契約条件によって105.2〜112.9%程度となっています(2025年4月現在の水準)。これは支払った保険料に対して受け取れる金額の割合を示しており、100%を超えると元本よりも多く受け取れることを意味します。
払込期間 | 払込方法 | 基準学資年金額 | 月額保険料 | 払込保険料総額 | 受取総額 | 返戻率 |
---|---|---|---|---|---|---|
10歳払済 | 月払 | 100万円 | 約26,500円 | 約318万円 | 300万円 | 約94.3% |
10歳払済 | 年払 | 100万円 | 約31.2万円 | 約312万円 | 300万円 | 約96.2% |
17歳払済 | 月払 | 100万円 | 約14,200円 | 約290万円 | 300万円 | 約103.4% |
17歳払済 | 年払 | 100万円 | 約16.8万円 | 約285万円 | 300万円 | 約105.3% |
18歳払済 | 月払 | 100万円 | 約13,300円 | 約287万円 | 300万円 | 約104.5% |
18歳払済 | 年払 | 100万円 | 約15.8万円 | 約284万円 | 300万円 | 約105.6% |
他の学資保険商品と比較しても、突出して高い水準ではありません。一方で、アフラックの安定した経営基盤による安心感は大きなメリットといえるでしょう。
加入可能年齢と保険料払込期間
契約可能年齢は、子どもが0歳から最大7歳まで(払込期間により異なる)となっています。契約者の年齢制限は、保険料払込免除特則を付加しない場合は制限なし、付加する場合は男性満16歳〜満50歳、女性満18歳〜満50歳です。
保険料払込期間は3つのパターンから選択できます。17歳払済・18歳払済の通常プランに加えて、10歳払済も選択可能です。10歳払済を選ぶと、教育費負担が本格化する前に保険料支払いを完了でき、家計管理の面でメリットがあります。
アフラック学資保険のメリット
アフラック「夢みるこどもの学資保険」には、教育資金準備において重要なメリットがあります。
高校・大学進学時の計画的な資金準備ができる
最大のメリットは、教育費が最も必要な時期に確実に資金を受け取れることです。高校入学時の学資一時金は、私立高校の入学金や制服代などの初期費用に活用できます。また、大学4年間の学資年金は授業料や生活費として段階的に受け取れるため、家計への負担を分散できます。
日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査結果」によると、大学入学費用は平均81.1万円、年間の在学費用は149.9万円となっています。アフラックの学資保険なら、これらの費用に対応した資金準備が可能です。
保険料払込免除特則の安心がある
契約者が万一の場合に備える「保険料払込免除特則」を付加できます。契約者が死亡・高度障害状態・不慮の事故による身体障害状態のいずれかに該当した場合、以降の保険料支払いが免除され、学資金は予定通り受け取れます。
この特則により、家計の主要収入源に万一があっても、子どもの教育資金は確保されます。特に共働き世帯や単身世帯において、リスク回避の観点から重要な保障といえるでしょう。
一時払いと平準払いの違い
保険料の支払方法には月払・半年払・年払・一括払(全期前納)があります。一括払を選択すると返戻率が向上し、より多くの学資金を受け取れます。一方、月払などの平準払いは家計への負担を分散でき、無理のない範囲で継続しやすいメリットがあります。
一括払は手元資金に余裕がある場合に適しており、平準払は計画的な積立を重視する場合に適しています。どちらを選ぶかは、各家庭の資金状況や価値観によって判断すべきでしょう。
アフラックブランドの信頼性
アフラックは1974年の日本進出以来50年の実績を持ち、累計契約件数は2,300万件を突破しています。がん保険のパイオニアとして培った保険業界での信頼性は、学資保険選びにおいても重要な要素です。
顧客満足度調査でも上位にランクインしており、保険金支払いや顧客対応の質の高さが評価されています。長期にわたる契約となる学資保険において、保険会社の安定性は見過ごせないポイントです。
アフラック学資保険の3つのデメリット・注意点
どの金融商品にもメリットとデメリットがあります。アフラック学資保険も例外ではなく、検討前に把握すべき注意点があります。
現在の金融環境や他の投資選択肢と比較した場合の課題を中心に、客観的な視点でデメリットを解説します。これらの情報を踏まえたうえで、ご家庭に最適な教育資金準備方法を選択することが重要です。
現在の返戻率水準の課題
最大のデメリットは、現在の低金利環境下での返戻率の低さです。他社には120%を超える商品もありますが、アフラックは105〜113%程度にとどまっています。銀行預金と比較すれば有利ですが、投資信託などのリスク商品と比べると収益性は見劣りします。
特に、インフレが進行した場合、実質的な購買力が目減りするリスクがあります。現在の日本では年2%程度のインフレ目標が設定されており、長期的には物価上昇により学資金の価値が相対的に低下する可能性は否定できません。
早期解約時のリスク
学資年金支払開始日前に解約すると、多くの場合払込保険料の全額は戻りません。特に契約後短期間での解約では、解約払戻金がないか、あってもごくわずかとなります。
これは生命保険の特徴でもありますが、家計状況の変化により継続が困難になった場合の損失は大きくなります。契約前に長期間の支払いが可能かどうか、慎重な検討が必要です。
他の教育資金準備方法との比較劣位
新NISA制度を活用した投資信託の積立投資と比較すると、期待収益率の面で見劣りします。年率3〜5%程度のリターンを期待できる投資信託に対し、学資保険の実質利回りは1%程度です。
また、途中で金額変更や一時停止ができる柔軟性も、投資信託の方が優れています。学資保険は契約後の変更が制限されるため、家計状況の変化に対応しにくい面があります。
学資保険以外の方法で教育資金を用意する方法は、こちらのQ&Aで解説しています。
商品設計の制約
学資年金の受取時期や金額は契約時に固定され、後から変更できません。また、保険金額の増額も原則不可能で、教育費の増加に対応するには新たな契約が必要です。
さらに、学資年金支払開始年齢を18歳に設定した場合、子どもの誕生月と契約月の関係によっては大学入学後の受取となり、入学手続きに間に合わない可能性があります。この点は契約前に十分確認すべき重要なポイントです。
アフラック学資保険が向いている人の特徴
学資保険は万人に適した商品ではありません。価値観や家計状況により、向き不向きが明確に分かれる金融商品です。
ここでは、アフラック学資保険が特に効果を発揮する家庭の特徴を3つのカテゴリーに分けて解説します。あなたのご家庭がこれらの特徴に当てはまるかどうか、チェックしてみてください。
計画的な教育資金準備を重視する家庭
確実性を重視し、元本割れのリスクを避けたい方に適しています。投資経験がない、またはリスクを取りたくない方にとって、学資保険の安定性は大きなメリットです。
また、自分で積立を継続する自信がない方にも向いています。保険料の自動引き落としにより、強制的に教育資金を準備できるため、計画的な貯蓄が苦手な方でも確実に資金を積み立てられます。
万一の保障も重視したい契約者
家計の主要収入源である方や、他に十分な生命保険に加入していない方には、保険料払込免除特則が大きな安心材料となります。教育資金準備と生命保険の機能を一つの商品で備えられるのは効率的です。
特に自営業者や中小企業勤務で退職金制度が充実していない方、住宅ローンを抱えている方などは、万一の際の保障として学資保険の価値が高くなります。
アフラック学資保険が向いていない人の特徴
一方で、アフラック学資保険よりも他の方法が適している家庭もあります。特に投資経験がある方や、より高い収益性を求める方には不向きな場合があります。
以下の特徴に当てはまる場合は、つみたてNISAや他の投資商品を検討した方が良い結果を得られる可能性があります。自分の投資スタイルや価値観と照らし合わせて判断してください。
高い運用リターンを求める人
年率3%以上のリターンを期待する方には、学資保険は物足りない選択肢です。新NISA制度を活用した投資信託での積立投資の方が、長期的には高いリターンを期待できます。
投資経験があり、一定のリスクを受け入れられる方なら、NISAでインデックスファンドに積立投資する方が効率的でしょう。過去20年間の実績では、年率4〜6%程度のリターンを実現している商品もあります。
新NISAで投資信託やETFに投資する方法については、こちらの記事をご覧ください。
資金流動性を重視する人
教育資金以外にも住宅購入や車の買い替えなど、大きな支出予定がある方には学資保険は不向きです。途中解約による元本割れリスクがあるため、他の目的での資金利用が制限されます。
また、収入が不安定な職業の方や、将来の家計状況が予測しにくい方も注意が必要です。保険料の支払いが困難になった場合の損失が大きいため、より柔軟な積立方法を検討すべきでしょう。
「学資保険はいらない」と考えている方は、こちらもQ&Aも参考にしてみてください。
専門家が教える学資保険選びのポイント
学資保険選びでは、返戻率の数値だけに注目してはいけません。長期契約となる学資保険では、保険会社の安定性や商品の柔軟性など、複数の要素を総合的に評価することが重要です。
返戻率以外の重要な比較軸
返戻率の数値だけでなく、保険会社の財務健全性も重要な判断材料です。ソルベンシー・マージン比率や格付会社による評価を確認し、長期的な安定性を見極めましょう。
また、顧客サービスの質も見逃せません。給付金請求時の対応速度や、契約者向けWebサービスの充実度なども、長期契約における利便性に影響します。口コミサイトでの評判も参考にしてください。
家計に占める適正な保険料割合
教育費の総額を試算したうえで、学資保険でカバーすべき範囲を決めましょう。一般的に、家計収入の5〜10%程度を教育資金準備に充てるのが適切とされています。
他の保険料や住宅ローンなどの固定費も考慮し、無理のない範囲で設定することが継続の秘訣です。家計の年間収支を詳細に把握し、長期的な支払い能力を慎重に検討してください。
学資保険を途中で解約した際のデメリットに関しては、こちらのQ&Aも参考にしてみてください。
学資保険と他の教育資金準備の組み合わせ
教育資金のすべてを、学資保険で賄う必要はありません。安全性重視の部分は学資保険、収益性重視の部分は投資信託といったポートフォリオ的な考え方が効果的です。
例えば、大学入学時の確実な資金として学資保険で200万円、追加の教育費や大学院進学費用としてNISAで月3万円積立などの組み合わせが考えられます。リスク分散により、バランスの取れた教育資金準備が可能になります。
アフラック学資保険の申込から受け取り方
実際にアフラック学資保険への加入を検討する場合、申込手続きから学資金受取までの全体的な流れを把握しておくことが大切です。
必要書類の準備から、契約後の管理方法、そして肝心の学資金受取手続きまで、時系列に沿って詳しく解説します。スムーズな手続きのために、事前に確認しておきましょう。
加入手続きの詳細
申込みには、契約者と被保険者(子ども)の本人確認書類が必要です。保険料払込免除特則を付加する場合は、契約者の健康状態に関する告知書の記入も必要になります。ただし、医師による診査は不要です。
契約者と子どもとの続柄は、父・母・祖父・祖母に限定されています。契約から保険証券発送まで通常2〜3週間程度かかるため、早めの手続きをおすすめします。
保険料支払い方法と管理
支払方法は口座振替が基本で、月払の場合は毎月27日(金融機関休業日は翌営業日)に引き落とされます。半年払・年払も選択でき、一括払(全期前納)の場合はアフラック指定口座への振込となります。
契約後は「アフラック よりそうネット」で契約内容の確認や各種手続きが可能です。住所変更や受取人変更なども、オンラインで簡単に行えます。
学資金受取手続き
学資一時金・学資年金の支払時期が近づくと、アフラックから案内が届きます。所定の手続きを行うことで、指定口座に給付金が振り込まれる流れです。手続きをしない場合は、自動的に据え置かれ所定の利率で運用されます。
アフラックの学資保険加入者の評判と口コミ
投資のコンシェルジュでは、アフラックの学資保険に加入している方から、独自に評判と口コミを集めました
良い評判
高校で一時金、大学4年間で年金形式で受け取れるので、入学時だけでなく在学時にも厚く備えられて実用的でした。(40代 女性)
払込期間を「10歳・17歳・18歳払済」から選べ、支払い方法も月・半年・年払いに加えて一括前納まで対応。家計のキャッシュフローに合わせやすい点が助かります。(40代 男性)
アフラックの学資保険は、「高校で一時金+大学4年で年金」という設計です。開始年齢を17歳または18歳から選べるため、入学費用の山に合わせて現金化しやすい点が好評を得ています。
保険金は初年度を厚く、以降と一時金は半額にするため、初年度負担が大きい大学入学時に効果的です。契約者の万一時の払込免除や、診査不要・出生前申込可といった実務面の使い勝手の良さも評価できます。
悪い評判
18歳開始を選ぶと、契約日によっては初回の学資年金が大学の入学手続き後になる場合がある点は要注意。(50代 男性)
やむを得ず解約したため、元本割れしてしまった(40代 男性)
開始年齢で18歳を選ぶと、契約日次第で初回受取が入学手続きより後になる場合もあり、時期設計はきちんと検討しなければなりません。また預金ではないため元本保証はなく、受取総額が払込総額を下回る可能性があります。
この記事のまとめ
アフラック生命の「夢みるこどもの学資保険」は、安定性と確実性を重視する家庭に適した商品です。高校・大学進学時期に合わせた受取設計や、万一の際の保険料払込免除特則により、確実な教育資金準備が可能です。
一方で、現在の低金利環境下では返戻率が限定的で、投資信託などと比較すると収益性は見劣りします。また、途中解約時の元本割れリスクや、契約後の変更制限なども考慮すべきデメリットです。
学資保険はその選択肢の一つとして位置づけ、他の方法と比較検討したうえで、ご家庭に最適な教育資金準備戦略を構築することをおすすめします。専門家のアドバイスも活用し、長期的な視点で計画を立てましょう。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
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関連する専門用語
学資保険
学資保険とは、子どもの教育資金を計画的に準備するための保険商品で、一定期間保険料を支払うことで、子どもの進学時期(中学・高校・大学入学など)に合わせて祝い金や満期保険金が受け取れる仕組みになっています。保険であるため、契約者(通常は親)に万が一のことがあった場合でも、以後の保険料の支払いが免除され、満期時には予定どおりの給付金が支払われる点が大きな特徴です。 貯蓄機能と保障機能が組み合わさっており、「教育費を積み立てながら万一に備えたい」と考える家庭に人気があります。ただし、途中解約すると元本割れするリスクがあるため、長期的な資金計画としての活用が前提となります。初心者の方にとっては、預貯金とは違う形で将来の教育資金を準備できる手段のひとつとして、選択肢に入れて検討する価値があります。
満期保険金
満期保険金とは、保険契約で定められた期間が終了したときに、契約者や被保険者に支払われるお金のことをいいます。たとえば、10年や20年などの一定期間保険料を払い続け、満期になったときにその保険が「満了」すると、あらかじめ決められた金額が支払われます。 このお金は、死亡や病気などのリスクに備えるだけでなく、貯蓄のように将来の資金づくりにも役立つという特徴があります。特に学資保険や養老保険などでよく使われる仕組みです。
返戻率
返戻率とは、生命保険や学資保険などの貯蓄型保険において、支払った保険料の総額に対して、満期や解約時に受け取れる金額(解約返戻金や満期保険金)がどのくらいの割合で戻ってくるかを示す指標です。たとえば、200万円の保険料を支払って、満期時に220万円を受け取れる場合、返戻率は110%となります。 この数値が100%を上回れば「支払った保険料より多く戻る」、下回れば「元本割れ」ということになります。返戻率は商品選びの際の比較指標としてよく使われ、特に学資保険や個人年金保険など、将来の資金準備を目的とした保険において注目されます。 ただし、返戻率が高い商品は契約条件が厳しかったり、途中解約に弱かったりする場合もあるため、利率だけでなくライフプラン全体を見据えて判断することが大切です。保険を「貯蓄」としても考える初心者にとって、返戻率は理解しておくべき基本的な指標です。
払込免除
払込免除とは、生命保険や医療保険などの契約において、契約者や被保険者が高度障害状態になったり、所定の重い病気にかかったりした場合に、それ以降の保険料の支払いが免除される制度のことを指します。免除されたあとも、保険契約は有効に継続され、保障内容はそのまま維持されるのが特徴です。 たとえば、がんなどの重病を患い、働くことが困難になった場合でも、保障を失うことなく保険を続けられる仕組みとして、多くの保険商品に組み込まれています。払込免除はあくまで保険料の支払い義務を免除する制度であり、解約や満期金の支払いとは異なります。契約時にこの特約が付いているかどうか、また発動条件がどうなっているかを確認しておくことが大切です。経済的な負担が大きくなる場面で、保険契約の継続を支える安心の仕組みです。
平準払
平準払とは、保険や年金などの金融商品で一定期間にわたり毎回同じ金額を支払う方法を指します。支払額が一定なので、家計の見通しを立てやすく、長期的にゆとりをもって資金計画を組みやすい点が特徴です。 特に保険では、契約期間中ずっと同額の保険料を支払うため、初期負担が抑えられ、将来的に保険料が急増するリスクもありません。結果として、安定したキャッシュフローを確保しつつ長期の保障や資産形成を無理なく続けられるメリットがあります。
解約返戻金
解約返戻金とは、生命保険などの保険契約を途中で解約したときに、契約者が受け取ることができる払い戻し金のことをいいます。これは、これまでに支払ってきた保険料の一部が積み立てられていたものから、保険会社の手数料や運用実績などを差し引いた金額です。 契約からの経過年数が短いうちに解約すると、解約返戻金が少なかったり、まったく戻らなかったりすることもあるため、注意が必要です。一方で、長期間契約を続けた場合には、返戻金が支払った保険料を上回ることもあり、貯蓄性のある保険商品として活用されることもあります。資産運用やライフプランを考えるうえで、保険の解約によって現金化できる金額がいくらになるかを把握しておくことはとても大切です。
生命保険料控除
生命保険料控除とは、個人が支払った生命保険料に応じて、所得税や住民税の課税所得額を一定金額まで減らすことができる税制上の優遇制度です。この控除によって、納める税金が軽減されるため、実質的に保険料の一部が戻ってくる効果があります。 対象となる保険は、「一般生命保険」「介護医療保険」「個人年金保険」の3つの区分に分かれており、それぞれに控除限度額が設けられています。控除を受けるには、保険会社から発行される控除証明書を年末調整や確定申告の際に提出する必要があります。保険による万一への備えと、節税効果の両方を得られる制度として、多くの人に活用されています。初心者にとっても、生命保険を契約する際にはこの控除制度の存在を知っておくことで、より効果的な保険選びや家計管理につなげることができます。
元本割れ
元本割れとは、投資で使ったお金、つまり元本(がんぽん)よりも、最終的に戻ってきた金額が少なくなることをいいます。たとえば、100万円で投資信託を購入したのに、解約時に戻ってきたのが90万円だった場合、この差額10万円が損失であり、「元本割れした」という状態です。 特に、価格が変動する商品、たとえば株式や投資信託、債券などでは、将来の価格や分配金が保証されているわけではないため、元本割れのリスクがあります。「絶対に損をしたくない」と考える方にとっては、このリスクを正しく理解することがとても重要です。金融商品を選ぶときには、利回りだけでなく元本割れの可能性も十分に考慮しましょう。
一時払
一時払とは、保険契約や年金商品などで、将来の保険料や掛金をすべて契約時にまとめて一括で支払う方式を指します。 支払いが一度で完了するため、以後の保険料負担や支払忘れのリスクがなく、長期的な保障や運用効果を早期に確定させられる点が特徴です。 利息や割引が適用されて総支払額が平準払より少なくなる場合もありますが、契約時に多額の資金を準備する必要があり、資金流動性が低下することや一括投資ゆえのタイミングリスクが生じる点には留意が必要です。
短期払
短期払とは、保険や年金などの契約で、保障や運用が長く続く一方、保険料の支払いを数年から十数年程度の比較的短い期間で完了させる方式を指します。 契約時点では平準払より毎回の負担が大きくなりますが、払込期間が終われば以後の保険料が不要になるため、現役時代に支払いを済ませて老後の固定費を抑えたい人や、収入が多い時期に前倒しで支払って税金控除を利用したい人に向いています。 また、払込完了後は保障が続くため、将来の保険料上昇リスクや支払忘れの心配を減らせる点もメリットです。ただし、早期に大きな資金を拠出するため、家計の流動性や他の資産運用とのバランスを慎重に検討する必要があります。
ソルベンシー・マージン比率
ソルベンシー・マージン比率とは、保険会社がどれだけ予想外のリスクに耐えられるかを示す指標のことです。たとえば、大地震や大事故のような予測できない大きな支払いが必要になった場合に、その保険会社がしっかりと対応できるかどうかを判断するために使われます。 この比率が高ければ高いほど、経営の安定性があり、万が一のときでも契約者に対する保険金の支払い能力があると見なされます。保険会社の健全性をチェックする上でとても重要な数字です。
新NISA
新NISAとは、2024年からスタートした日本の新しい少額投資非課税制度のことで、従来のNISA制度を見直して、より長期的で柔軟な資産形成を支援する目的で導入されました。この制度では、投資で得られた利益(配当や売却益)が一定の条件のもとで非課税になるため、税負担を気にせずに投資ができます。新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が用意されており、年間の投資可能額や総額の上限も大幅に引き上げられました。 また、非課税期間が無期限となったことで、より長期的な運用が可能となっています。投資初心者にも利用しやすい仕組みとなっており、老後資金や将来の資産形成の手段として注目されています。
生命保険料控除
生命保険料控除とは、個人が支払った生命保険料に応じて、所得税や住民税の課税所得額を一定金額まで減らすことができる税制上の優遇制度です。この控除によって、納める税金が軽減されるため、実質的に保険料の一部が戻ってくる効果があります。 対象となる保険は、「一般生命保険」「介護医療保険」「個人年金保険」の3つの区分に分かれており、それぞれに控除限度額が設けられています。控除を受けるには、保険会社から発行される控除証明書を年末調整や確定申告の際に提出する必要があります。保険による万一への備えと、節税効果の両方を得られる制度として、多くの人に活用されています。初心者にとっても、生命保険を契約する際にはこの控除制度の存在を知っておくことで、より効果的な保険選びや家計管理につなげることができます。
一時所得
一時所得とは、継続的な収入ではなく、偶発的または一時的に得た所得のことを指す。例えば、懸賞の賞金、生命保険の満期返戻金、競馬の払戻金などが該当する。50万円の特別控除が適用され、課税対象額は控除後の金額の1/2となる。
雑所得
雑所得(ざつしょとく)とは、所得税法において定められた10種類の所得のうち、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のいずれにも該当しない所得を指します。具体的には、公的年金や副業による収入、仮想通貨の売却益、FXの利益、非営業用貸金の利子などが該当します。 経費を差し引いた金額が課税対象となり、総合課税の対象となります。また、雑所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になります。
インフレ(インフレーション)
インフレーションとは、物価全体が持続的に上昇し、その結果、通貨の購買力が低下する現象です。経済活動が活発になり、需要が供給を上回ると価格が上昇しやすくなります。また、生産に必要な原材料費や人件費の上昇が企業のコストに転嫁されることで、さらに物価が上昇することがあります。適度なインフレーションは経済成長の一側面とされる一方、過度な物価上昇は家計の負担を増大させ、経済全体の安定性を損なうリスクがあるため、中央銀行は金利操作などの金融政策を通じてインフレーションの抑制に努めています。
投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。
学資年金
学資年金とは、子どもの教育資金を計画的に準備するための保険の一種です。親や保護者が保険料を一定期間支払い、あらかじめ決められた年齢になったときに、年金のように毎年または一時金として受け取ることができます。 たとえば高校入学や大学進学のタイミングで受け取れるように設計されており、大きな出費が予想される時期に備えることができます。契約者に万が一のことがあった場合には、それ以降の保険料の支払いが免除され、満額の学資年金が支払われるタイプも多く、保障機能も兼ね備えています。将来の教育費を確実に用意したいという方に向いている商品です。