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貯金3000万円を超えたらどうする?年代別のおすすめ投資・資産運用の手法とモデルポートフォリオを解説

貯金3000万円を超えたらどうする?年代別のおすすめ投資・資産運用の手法とモデルポートフォリオを解説ame

貯金3000万円を超えたらどうする?年代別のおすすめ投資・資産運用の手法とモデルポートフォリオを解説

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公開:

2025.12.06

更新:

2025.12.06

資産管理

貯金3,000万円は大きな安心材料である一方、「この先も貯金中心で良いのか」「老後生活に十分なのか」と不安を抱く人は少なくありません。金利環境や物価、税制が変化する中、資産の置き方を誤ると将来の購買力や受取額に影響が出る可能性があります。本記事では、貯金3,000万円到達後に直面しやすい課題を整理し、資産配分の考え方、リスクの捉え方、税制優遇の活用、将来シミュレーションまでを体系的に解説します。

サクッとわかる!簡単要約

この記事を読むことで、貯金3,000万円の持つ意味やリスクと向き合う視点、資産配分や税制優遇制度の基本、老後に必要な金額の見積もり方を体系的に理解できます。そのうえで、自身の資産状況を客観的に評価し、貯金だけに偏らない運用の組み立て方や、必要な見直しポイントを自力で判断できるようになります。

目次

保有資産3000万円は多い?少ない?

3000万円を投資するときの基本的な資産配分の考え方

現金・債券・株式がポートフォリオの軸

必要に応じてオルタナティブ資産を組み入れる

リスク許容度別のおすすめポートフォリオ

保守的な人:現金・預金・債券が中心

標準的な人:株式50%のポートフォリオ

積極的な人:株式80%のポートフォリオ

年代別に3000万円の資産運用戦略を解説

20・30代は高リターンを狙える資産を組み込む

40代は徐々に分散効果を高める

50代は安全資産の割合を徐々に高める

60代以降はインフレに負けない運用を心がける

資産3000万円に到達した投資経験者が意識すべきこと

リスク資産比率を段階的に引き上げる

税制優遇制度を最大限に活用する

コストの最適化を図る

資産3000万円に到達した投資未経験者が意識すべきこと

生活防衛資金を取り分ける

少額から始めて徐々にリスク資産を増やす

長期投資を前提とした商品を選ぶ

資産が3000万円に到達したときの具体的な金融商品選び

自分で個別に選択したい場合

手間をかけずに運用したい場合

リスク管理の方法と対策

暴落に備えて現金を用意しておく

年に1回程度はリバランスする

分散投資を意識する

資産3000万円でセミリタイアも可能

IFAを活用するメリット

そもそもIFAとは

相談前の準備

IFAに相談するメリット

保有資産3000万円は多い?少ない?

資産3000万円という金額は、日本の世帯における金融資産保有額の分布から見ると、上位層に位置します。金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」によると、二人以上世帯の金融資産保有額の中央値は約1,150万円となっており、3000万円を保有している世帯は全体の約20%程度にとどまります。

しかし、老後の生活費や将来の不安を考えると、3000万円という金額が十分かどうかは、世帯の状況や年齢によって異なるのが現実です。

たとえば、夫婦二人の世帯で65歳から90歳までの25年間を想定した場合、毎月の生活費が年金以外に25万円必要だとすると、年間300万円×25年=7,500万円が必要となります。公的年金だけでは不足する部分を補うためには、3000万円という資産も決して余裕のある金額とは言えません。

一方で、単身世帯や若い世代にとっては、3000万円は十分な資産額といえるでしょう。重要なのは、自分のライフプランに照らし合わせて、この資産をどのように活用していくかを検討することなのです。

3000万円を投資するときの基本的な資産配分の考え方

3000万円という資産を運用する際、重要なのは適切な資産配分(アセットアロケーション)を決めることです。すべての資金を一つの金融商品に集中させるのではなく、複数の資産クラスに分散投資することで、リスクを抑えながら安定したリターンを目指すことが可能になります。

また、ライフイベントに応じた流動性の確保も忘れてはいけません。結婚や住宅購入、子どもの教育費など、今後予定している大きな支出がある場合は、必要な時期に合わせて現金や短期の金融商品で準備しておく必要があるのです。

現金・債券・株式がポートフォリオの軸

資産運用の基本となるのは、現金(預貯金)、債券、株式の3つの資産クラスです。これらは「伝統的資産」と呼ばれ、ポートフォリオの中核を担います。それぞれの特徴を理解して、バランスよく組み合わせることが成功への第一歩となります。

現金(預貯金)は、元本が保証されており、いつでも引き出せる流動性の高さが特徴。生活防衛資金として、生活費の6ヶ月〜1年分程度は銀行預金として確保しておくことが基本です。ただし、現在の日本では金利がほぼゼロに近く、インフレによる実質的な価値の目減りには注意が必要となります。

債券は、国や企業が発行する借用証書のようなもので、満期まで保有すれば元本と利息が受け取れる比較的安全な資産。個人向け国債なら最低1万円から購入でき、変動10年型なら金利上昇にも対応できるため、安定運用を望む方に適しています。

株式は、企業の成長に伴う値上がり益(キャピタルゲイン)と配当金(インカムゲイン)が期待できる一方、価格変動リスクが大きい資産クラス。日本株だけでなく、米国株などの海外株式も組み入れることで、より効果的な分散投資が実現できるでしょう。

必要に応じてオルタナティブ資産を組み入れる

伝統的資産に加えて、オルタナティブ(代替)資産を組み入れることで、さらなる分散効果とリターンの向上が期待できます。代表的なオルタナティブ資産には、不動産、REIT(不動産投資信託)、コモディティ(金・原油など)、ヘッジファンドなどがあります。

金(ゴールド)は、インフレヘッジとして機能し、株式や債券と異なる値動きをします。ポートフォリオの安定性を高める効果がある一方で、配当や利息を生まないため、保有比率は全体の5〜10%程度に抑えることが一般的です。

また、インフレや各国の財政不安、地政学リスクの高まりなどもあり、2022年から2025年にかけて上昇しています。

これらのオルタナティブ資産は、資産全体の10〜30%程度を目安に組み入れることで、リスクとリターンのバランスを改善できます。ただし、商品によっては手数料が高額になることもあるため、コスト面での検討も忘れずに行いましょう。

「オルタナティブ投資って、どんな投資?」と感じた方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

リスク許容度別のおすすめポートフォリオ

リスク許容度は、年齢や収入、家族構成だけでなく、投資経験や精神的な余裕、将来の目標によっても変わってきます。

ここでは、保守的・標準的・積極的という3つのタイプ別に、具体的な資産配分の例を示していきます。ただし、これらはあくまで目安であり、個々の状況に応じて調整することが重要。定期的な見直しを行いながら、市場環境の変化にも柔軟に対応していく必要があるでしょう。

保守的な人:現金・預金・債券が中心

元本割れのリスクを極力避けたい保守的なタイプの方には、安全資産を中心としたポートフォリオがおすすめです。あくまでも一例ですが、現金・預金50%、債券30%、株式20%程度のバランスが考えられます。

円グラフで示されたポートフォリオの例。現金・預金が約50%、債券が約30%、株式が約20%を占める。リスクを抑えて運用したい人向けです 円グラフで示されたポートフォリオの例。現金・預金が約50%、債券が約30%、株式が約20%を占める。リスクを抑えて運用したい人向けです

このポートフォリオでは、全体の80%が比較的安全な資産で占めているため、大きな損失を被る可能性は低くなります。債券部分は、個人向け国債や投資適格社債などの安全性の高い商品を選択するとよいでしょう。株式投資信託も、国内外の大型株を中心とした分散投資型のインデックスファンドを活用することで、リスクを抑制できるでしょう。

  1. 年間の期待リターンは2〜3%程度と控えめですが、インフレ率を上回る運用を目指すことは十分可能。3000万円を年利2.5%で運用した場合、年間75万円の収益が期待できます。このタイプは、60代以降のリタイア世代や、投資未経験者で慎重に運用を始めたい方に適しているでしょう。

インデックス投資だけで資産運用をするメリットは、こちらのQ&Aでも解説しています。

標準的な人:株式50%のポートフォリオ

バランス重視の標準的なタイプには、リスクとリターンのバランスが取れたポートフォリオを提案します。リスク資産の割合を増やし、現金・預金30%、債券20%、株式50%程度のバランスが考えられます。

現金・預金、債券、株式の3資産で構成されたポートフォリオ例を示す円グラフ。株式の保有割合を50%にしてリターンを狙います。 現金・預金、債券、株式の3資産で構成されたポートフォリオ例を示す円グラフ。株式の保有割合を50%にしてリターンを狙います。

保守的なポートフォリオよりも高いリターンを狙いながら、債券や現金でリスクをコントロールできます。株式部分は、日本株20%、先進国株15%、新興国株5%といった具合に、地域分散も意識しましょう。J-REITや金ETFなどを組み入れることで、さらなる分散効果を図れます。

  1. このポートフォリオの期待リターンは年率4〜6%程度です。3000万円を年利5%で運用できれば、年間150万円の収益となり、複利効果を活かせば10年後には約4,890万円まで増える期待が持てます。

積極的な人:株式80%のポートフォリオ

高いリターンを追求する積極的なタイプには、リスク資産中心のポートフォリオが向いています。現金・預金20%、株式80%程度という株式を軸としたポートフォリオを組み、積極的にリターンを狙いましょう。

現金・預金が約2割、株式が約8割を占めるポートフォリオの円グラフ。株式をポートフォリオの軸に据えて積極的にリターンを狙います。 現金・預金が約2割、株式が約8割を占めるポートフォリオの円グラフ。株式をポートフォリオの軸に据えて積極的にリターンを狙います。

株式の中でも、成長株や小型株、新興国株式なども積極的に組み入れれば、期待リターンを高められます。個別株投資にも挑戦し、配当金だけでなく値上がり益も狙っていく戦略が考えられます。

  1. 期待リターンは年率6〜10%と高めですが、短期的には元本割れのリスクも覚悟する必要があります。3000万円を年利8%で運用できれば、20年後には約1億4000万円まで成長する計算です。20代〜30代の若い世代や、投資経験が豊富で相場の変動に動じない方、FIREを目指している方などに適したアプローチといえるでしょう。

年代別に3000万円の資産運用戦略を解説

年代によって、取れるリスクの大きさや運用期間、ライフイベントが大きく異なるため、3000万円の運用戦略も年齢に応じて最適化する必要があります。若い世代は長期的な複利効果を活かせる一方、シニア世代は資産を守りながら取り崩していく局面に入ります。

年代が変わるごとにポートフォリオを見直し、リスク資産と安全資産のバランスを調整しましょう。

20・30代は高リターンを狙える資産を組み込む

20代・30代の強みは、30年以上という長期の運用期間を確保できることです。時間を味方につけて、積極的にリスクを取って運用できます。

投資をする場合、50%以上を株式に投資する積極的なポートフォリオを組みましょう。株式は、国内株だけでなく米国株や新興国など、グローバルな分散投資を心がけます。

  1. さらに、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を最大限活用することも重要です。年間の非課税枠は限られていますが、30年間継続すれば大きな節税効果が得られます。

30代の資産運用でモデルとなるポートフォリオは、こちらのQ&Aでも解説しています。あわせて参考にしてみてください。

40代は徐々に分散効果を高める

40代は、収入のピークを迎える一方で、子どもの教育費や住宅ローンなど、一般的に大きな支出も重なる時期です。3000万円の資産があっても、流動性を意識しながら、バランスの取れた運用を心がける必要があります。

支出状況や今後のライフイベントにも留意する必要がありますが、老後資産を用意するためにも株式の保有割合を50%は維持しましょう。保守的に運用したい方の場合は、株式の比率を下げ、債券や預貯金の割合を高めても問題ありません。

また、教育資金として必要な金額は、無リスク資産である定期預金や個人向け国債など、元本確保型の商品で管理することが賢明です。

  1. この年代では、老後資金の具体的なシミュレーションを始めることも大切です。65歳でのリタイアを想定した場合、残り20年程度の運用期間があるため、十分な資産形成ができるでしょう。

40代の資産状況に関しては、こちらのQ&Aをご覧ください。

50代は安全資産の割合を徐々に高める

50代になると、定年退職が現実的な視野に入ってきます。老後生活の基盤となる資産を確保するためにも、リスクを抑えながら、確実に資産を守っていく運用方針への転換を意識しましょう。

資産配分の目安は、株式の保有割合を30%程度に下げ、債券の比率を高くするイメージです。元本の保全を図りつつ、インフレで目減りしないような運用を心がけましょう。

  1. 退職金の受け取り方も、この時期に検討すべき重要なテーマです。一時金で受け取るか、年金形式にするかで税金の負担が変わってきます。また、iDeCoの受給開始時期も60歳から75歳まで選択可能なため、公的年金との組み合わせを考慮しながら、最適なタイミングを見極めましょう。

50代の資産運用に関して知りたい場合は、こちらのQ&Aも参考にしてみてください。

60代以降はインフレに負けない運用を心がける

60代以降は、資産を増やすことよりも、インフレから資産を守りながら計画的に取り崩していく段階に入ります。3000万円という資産を、残りの人生でどのように活用していくか、具体的なプランニングが不可欠です。

株式は10~20%に抑え、債券や預貯金の割合を高めるイメージです。高齢期になると医療や介護などの支出が増えやすくなるため、現金の比率を高めて、日々の生活費や急な医療費などに備えましょう。

年金収入と資産の取り崩しを組み合わせた収支計画も重要です。日本年金機構によると、2025年度における厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は月額約23万円です。リスク許容度の範囲内で運用を継続することで、老後生活を充実させつつ、資産寿命をさらに延ばすことも可能です。

資産3000万円に到達した投資経験者が意識すべきこと

すでに投資経験があり、運用によって3000万円まで資産を増やしてきた方は、これまでの成功体験を活かしながら戦略の見直しが必要です。資産規模が大きくなると、わずかな利回りの差でも収益額に大きな影響を与えるため、より効率的な運用を追求することが重要となります。

一方で、過去の成功体験にとらわれすぎることなく、市場環境の変化に柔軟に対応していく姿勢も大切です。

リスク資産比率を段階的に引き上げる

投資経験者の強みは、相場の変動に対する耐性があることです。これまでの経験から、一時的な元本割れに動じることなく、長期的な視点で運用を継続できる精神的な余裕があるはず。この強みを活かして、リスク資産の比率を段階的に引き上げていくことを検討しましょう。

ただし、一気にリスク資産を増やすのではなく、徐々に比率を高めていく慎重なアプローチが賢明。たとえば、現在の株式比率が40%なら、1年かけて60%まで引き上げるイメージです。

また、国内資産に偏っている場合は、海外資産への分散も検討しましょう。為替リスクはありますが、米国株式や新興国株式への投資を通じて世界経済の成長を取り込むことで、より高いリターンが期待できます。

税制優遇制度を最大限に活用する

3000万円の資産運用において、税金対策は収益に直結する重要な要素です。NISAやiDeCoといった税制優遇制度を最大限活用することで、実質的なリターンを大幅に向上させることができます。

2024年から始まった新NISAでは、年間投資枠が360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)、生涯投資枠が1800万円まで拡大されました。3000万円のうち1800万円をNISA口座で運用すれば、配当金や売却益にかかる約20%の税金が非課税となり、長期的には数百万円単位の節税効果が期待できます。

iDeCoについても、掛金の全額所得控除というメリットは見逃せません。会社員の場合、年間最大27.6万円(月額2.3万円)まで拠出可能で、所得税率が20%の方なら年間約5.5万円の節税効果があります。60歳以降の受給時も、退職所得控除や公的年金等控除を活用することで、税負担を抑えられます。

NISAやiDeCoに関しては、こちらの記事も参考にしてみてください。

コストの最適化を図る

資産規模が3000万円になると、わずかな手数料の差も大きな金額差となって現れます。投資信託の信託報酬が0.5%違うだけで、年間15万円もの差が生じる計算です。長期運用を前提とすれば、この差はさらに拡大していきます。

まず見直したいのが、保有している投資信託の信託報酬です。アクティブファンドの信託報酬は年1.0~2.0%程度ですが、インデックスファンドなら0.2%以下の商品も多数存在します。同じような運用成果が期待できるなら、低コストのインデックスファンドの選択が合理的です。

資産3000万円に到達した投資未経験者が意識すべきこと

相続や退職金、事業の売却などで一度に3000万円という大きな資産を手にした投資未経験者の方は、焦って運用を始める前に、まず基本的な知識を身につけることが大切です。大きな金額だからこそ、慎重に準備を進め、段階的に投資の世界に足を踏み入れていく必要があります。

生活防衛資金を取り分ける

投資を始める前に必ず行うべきことが、生活防衛資金の確保です。これは、病気やケガ、失業などの不測の事態に備えるための資金で、投資には回さず、いつでも引き出せる預貯金として管理します。

生活防衛資金の目安は、毎月の生活費の6ヶ月〜1年分です。月々の支出が25万円の世帯なら、150万〜300万円程度を別途確保しておくことが基本となります。会社員で雇用が安定している方は6ヶ月分、自営業やフリーランスの方は1年分を目安にすると良いでしょう。

  1. 3000万円から生活防衛資金を差し引いた残りが、実際に運用に回せる金額となります。仮に300万円を生活防衛資金とした場合、2700万円が投資可能額です。この金額をベースに、自分のリスク許容度に応じた資産配分を検討していくことになります。

生活防衛資金を準備する方法や必要な金額は、こちらの記事を参考にしてみてください。

少額から始めて徐々にリスク資産を増やす

投資未経験者が陥りがちな失敗は、最初から大きな金額を投資してしまうことです。相場の値動きに慣れていない段階で多額の資金を投入すると、価格変動に精神的に耐えられず、損失を確定してしまう可能性があります。

まずは100万円程度から始めて、3〜6ヶ月かけて相場の動きを体験することをおすすめします。その後、少しずつ投資額を増やし、段階的にリスク資産を積み上げていくプランが現実的です。

積立投資を実践すれば、投資経験を積みながらドルコスト平均法の恩恵を受けられます。詳しくは、こちらの記事を参考にしてみてください。

長期投資を前提とした商品を選ぶ

投資初心者は短期的な値動きに一喜一憂しがちです。着実に資産形成を進めるためには、10年以上の長期投資を前提とすることが重要です。長期的な視点に立てば、一時的な相場の下落も、むしろ追加投資のチャンスと捉えることができます。

  1. 長期的に投資を継続するためには、分散投資が効いているインデックスファンドがおすすめです。たとえば、全世界株式インデックスファンドなら世界中の株式に分散投資でき、個別銘柄を選ぶ必要がありません。信託報酬も0.1%程度と低コストで、初心者でも安心して長期保有できる商品といえます。

インデックス投資に関しては、こちらの記事を参考にしてみてください。

資産が3000万円に到達したときの具体的な金融商品選び

3000万円という資産を運用する際、どのような金融商品を選ぶかは重要な決定です。金融商品には、それぞれ特徴やリスク・リターンの特性があり、自分の投資スタイルや目的に合わせて適切に選択する必要があります。

ここでは、自分で個別に商品を選択したい方向けの商品と、手間をかけずに運用したい方向けの商品に分けて、それぞれの特徴とメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

自分で個別に選択したい場合

投資の知識があり、自分で判断して運用したい方には、個別の債券、株式、不動産などを直接購入する方法があります。これらの商品は、自分でコントロールできる範囲が広い一方、相応の知識と時間が必要となります。

債券

債券投資の代表格は、個人向け国債です。変動10年型なら、最低金利0.05%が保証されており、金利上昇局面では利率も上昇する仕組み。1万円から購入可能で、中途換金時も元本が保証されるため、安全性を重視する方に適しています。

社債投資も選択肢のひとつです。大手企業の社債なら、国債よりも高い利回りが期待できます。ただし、企業の信用リスクがあるため、格付けがA格以上の投資適格債を選ぶことが基本。満期まで保有すれば元本が戻ってくる可能性が高く、定期的な利息収入も得られます。

個人向け国債や債券投資に関しては、こちらの記事で解説しています。

株式

個別株投資は、企業分析力があれば大きなリターンが狙える投資手法です。配当利回り3%以上の高配当株なら、3000万円の投資で年間90万円以上の配当金収入が期待できます。安定した配当を継続している銘柄を中心に選ぶことで、インカムゲインを重視した運用が可能です。

成長株投資にも一定の資金を振り向けることで、資産のさらなる成長を狙えます。ただし、個別株は価格変動が大きいため、1銘柄への投資は全体の5%以内に抑え、最低でも20銘柄以上に分散することが望ましいでしょう。業種や市場規模の異なる銘柄を組み合わせることで、リスクの低減を図ることができます。

不動産

実物不動産投資は、3000万円あれば都市部のワンルームマンションや、地方の一棟アパートの購入も視野に入ります。家賃収入という安定したキャッシュフローが魅力で、インフレヘッジ効果も期待できる資産クラスです。

ただし、物件の選定や管理、空室リスクへの対応など、専門知識が必要です。また、流動性が低く、売却したいときにすぐに現金化できない点にも注意が必要です。融資を活用したレバレッジ投資も可能ですが、金利上昇リスクや返済負担を十分に検討したうえで判断することが重要です。

不動産投資について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

手間をかけずに運用したい場合

仕事が忙しい方や、投資に時間をかけたくない方には、プロに運用を任せられる商品や、自動的に分散投資できる商品がおすすめです。これらの商品なら、専門知識がなくても3000万円を効率的に運用することが可能となります。

「ほったらかし投資」に興味がある方は、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

投資信託・ETF

投資信託は、少額から分散投資ができる最も手軽な商品のひとつ。特にインデックスファンドなら、日経平均やS&P500などの指数に連動するため、市場平均のリターンを確実に獲得できます。信託報酬も年0.1〜0.3%程度と低コストで、長期投資に適しています。

ETF(上場投資信託)は、証券取引所でリアルタイムに売買できる投資信託です。通常の投資信託よりも信託報酬が低く、売買の機動性も高いため、3000万円規模の運用には特に有効。国内外の株式、債券、REIT、金など、幅広い資産クラスのETFを組み合わせることで、自分だけのポートフォリオを構築できるでしょう。

投資信託やETFに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

変額保険

変額保険は、保険と投資を組み合わせた金融商品で、払い込んだ保険料の一部を投資信託などで運用する仕組みです。運用成果に応じて保険金額や解約返戻金が変動しますが、死亡保障は最低保証されているため、万が一の際の備えと資産運用を同時に実現できます。

保険料の所得控除も受けられるため、節税効果も期待できるでしょう。ただし、保険関係費用や運用関係費用などのコストが高めになる傾向があり、純粋な投資商品と比較すると運用効率は劣る可能性があります。

変額保険は、相続対策としても有効な選択肢。死亡保険金は「500万円×法定相続人数」まで非課税となるため、資産を次世代に効率的に引き継ぐことができます。50代以降で相続を意識し始めた方には、検討する価値のある商品といえるでしょう。

変額保険のメリットやデメリットは、こちらの記事で解説しています。併せて参考にしてみてください。

ロボアドバイザー

ロボアドバイザーは、AIやアルゴリズムを活用して、自動的に資産配分の決定や運用を行うサービスです。簡単な質問に答えるだけでリスク許容度を診断し、最適なポートフォリオを提案してくれるため、投資知識がない方でも手軽に始められます。

最低投資額は10万円程度からで、複数のロボアドバイザーを使い分けることもできます。手数料は預かり資産の年率1%程度と、投資信託と比較するとやや高めですが、リバランスや税金最適化まで自動で行ってくれる利便性が魅力です。

感情に左右されない機械的な運用ができ、相場の急落時でも淡々と運用を継続し、定期的なリバランスで適切な資産配分を維持してくれます。投資に時間をかけたくない会社員や、感情的な判断を避けたい方に適したサービスといえるでしょう。

ただし、AIといえども必ず利益を出してくれるわけではありません。また、手数料が発生する点もデメリットとして押さえておきましょう。

ロボアドバイザーに関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

ファンドラップ

ファンドラップは、証券会社や銀行が提供する一任運用サービスで、専門家があなたに代わって資産運用を行います。3000万円という資産規模なら、多くの金融機関でファンドラップの利用が可能。最低投資額は300万〜500万円程度が一般的です。

運用のプロセスは、まず担当者との面談でリスク許容度や運用目標を確認し、オーダーメイドの運用プランを作成します。その後は、市場環境に応じて適宜ポートフォリオの見直しを行いながら、長期的な資産形成をサポートしてくれます。定期的な運用報告書も提供されるため、運用状況を把握しやすいのもメリットです。

ただし、手数料は年率1.5〜3%程度と高めに設定されているケースが多く、コスト面での負担は無視できません。また、運用成果は担当者の腕に左右される部分もあるため、金融機関や担当者の選択は慎重に行う必要があります。

ファンドラップについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングは、インターネットを通じて複数の投資家から資金を集め、不動産に投資する仕組みです。1口1万円程度から投資可能で、実物不動産投資と比べて少額から始められる点が特徴です。3000万円の一部を分散投資する手段として活用できます。

期待利回りは年4〜8%程度と、預貯金や債券を大きく上回る水準。運用期間は数ヶ月から2年程度の商品が多く、比較的短期間で資金を回収できます。物件の選定や管理は事業者が行うため、不動産の知識がなくても投資できます。

注意点としては、元本保証がないことと、途中解約ができない商品が多いこと。また、事業者の信用リスクもあるため、金融庁に登録された正規の事業者を選ぶことが重要です。不動産投資に興味はあるものの、実物不動産を購入するほどの手間をかけたくない方にとって、選択肢の一つとなります。

不動産クラウドファンディングについて詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。

ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングは、お金を借りたい企業と投資家をインターネット上でマッチングするサービスです。融資型クラウドファンディングとも呼ばれ、投資家は企業への貸付を通じて利息収入を得ることができます。

平均的な利回りは年5〜10%と高水準で、3000万円の一部を振り向けることで、安定したインカムゲインが期待できます。最低投資額は1万円程度からと少額で、運用期間も6ヶ月〜2年程度の短期案件が中心。毎月分配型の商品も多く、定期的な収入を得たい方に人気があります。

ただし、貸倒れリスクには十分な注意が必要です。過去には大手事業者でも貸倒れが発生した事例があるため、案件の審査体制がしっかりしている事業者を選ぶことが大切です。

ソーシャルレンディングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

リスク管理の方法と対策

どれだけ高いリターンを狙っても、一度の大きな損失で資産の大部分を失ってしまっては意味がありません。リスクを完全に排除することは不可能ですが、適切な対策を講じることで、想定外の損失を抑えることができます。

リスク管理の基本は、「卵を一つのカゴに盛るな」という格言にあるように、分散投資を徹底することです。また、市場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点を持ち続けることも大切です。

暴落に備えて現金を用意しておく

株式市場は、10年に一度は30%以上の大幅な下落を経験するといわれています。リーマンショックやコロナショックのような暴落は、予測不可能なタイミングで発生するため、常に現金を備えておくことが重要です。

3000万円の運用において、最低でも10〜20%(300万〜600万円)程度は現金として保有しておくことをおすすめします。これは生活防衛資金とは別に、相場の急落時に追加投資するための「待機資金」として位置づけます。暴落時に現金があれば、安値で優良資産を購入できるチャンスとなり、その後の回復局面で大きなリターンを得ることができるでしょう。

  1. また、暴落時の精神的な安定にもつながります。すべての資産が値下がりしている状況でも、一定の現金を保有していれば、パニック売りを避けることができます。過去のデータを見ると、暴落後3〜5年で株価は回復することが多いため、現金という余裕があれば、冷静に相場の回復を待つことができるのです。

年に1回程度はリバランスする

リバランスとは、値上がりした資産を一部売却し、値下がりした資産を買い増すことで、当初の資産配分に戻す作業のことです。これにより、リスクとリターンのバランスを維持しながら、「高値で売り、安値で買う」という投資の基本を実践できます。

たとえば、株式50%、債券50%で運用を開始し、1年後に株式が値上がりして60%、債券が40%になったとします。この場合、株式を10%分売却して債券を購入し、元の50:50に戻すのがリバランスです。

分散投資を意識する

分散投資には、資産クラスの分散、地域の分散、時間の分散という3つの側面があります。3000万円という資産規模なら、これらすべての分散を効果的に実施することが可能です。

資産クラスの分散では、株式、債券、不動産(REIT)、金などの異なる値動きをする資産を組み合わせます。相関関係の低い資産を組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスクを低減します。たとえば、株式が下落しても債券や金が上昇することで、損失を相殺する効果が期待できます。

地域の分散も重要な要素です。日本だけでなく、米国、欧州、新興国など、世界中の市場に投資することで、特定の国や地域のリスクを回避できます。

  1. 手間をかけずに分散投資したい場合は、先進国や全世界へ投資する投資信託・ETFを選ぶとよいでしょう。為替リスクは発生しますが、長期的には世界経済の成長を取り込むことができ、より安定したリターンが期待できます。

資産3000万円でセミリタイアも可能

3000万円という資産があれば、条件次第ではセミリタイアやFIREも現実的な選択肢となります。完全なリタイアは難しくても、労働時間を減らして自由な時間を増やしながら、資産運用の収益と合わせて生活していくことは十分可能です。

セミリタイアを実現するためには、年間の支出額と運用収益のバランスを慎重に計算する必要があります。一般的に「4%ルール」と呼ばれる考え方では、資産の4%を年間生活費として取り崩しても、適切な運用を続ければ資産は枯渇しないとされています。

3000万円の4%は120万円となり、月10万円の収入に相当します。これだけでは生活は厳しいですが、パートタイムの仕事や副業と組み合わせることで、十分な生活費を確保できるでしょう。

月15万円程度で生活できれば、3000万円の運用益とわずかな労働収入で、自由な時間を確保しながら生活できます。

  1. ただし、セミリタイアには病気や介護などの予期せぬ出費に対するリスクもあります。公的医療保険や年金の仕組みを理解し、将来の不安要素に対する備えも忘れずに準備しておくことが、安心できるセミリタイア生活の実現につながります。

IFAを活用するメリット

3000万円という大きな資産を運用する際、すべてを自分一人で判断するのは精神的にも時間的にも大きな負担となります。そこで検討したいのが、IFA(Independent Financial Advisor:独立系ファイナンシャルアドバイザー)の活用です。専門家の知識と経験を借りることで、より効率的で安心できる資産運用が実現できるでしょう。

IFAは特定の金融機関に属さない独立した立場のアドバイザーであり、顧客の利益を最優先に考えた提案が期待できます。3000万円規模の資産なら、多くのIFAが積極的にサポートしてくれるため、質の高いアドバイスを受けることが可能です。

そもそもIFAとは

IFAとは、証券会社や銀行などの金融機関から独立して、投資アドバイスや金融商品の仲介を行う専門家です。米国では資産運用の相談先として一般的な存在であり、日本でも認知度が高まってきています。

IFAの最大の特徴は、特定の金融機関の販売ノルマに縛られないこと。銀行や証券会社の営業担当者は、自社の商品を優先的に販売する傾向がありますが、IFAは複数の金融機関の商品を取り扱えるため、本当に顧客に適した商品を選択できます。また、転勤や異動がないため、長期的な信頼関係を築けることも大きなメリットといえるでしょう。

報酬体系も透明性が高く、多くの場合は運用資産に対する一定割合(年1〜2%程度)の手数料となっています(報酬体系はIFAによって異なります)。成功報酬型の契約も可能で、運用成果に応じた公平な報酬設定ができる点も魅力です。

相談前の準備

IFAに相談する前に、自分の状況や目標を整理しておくことで、より具体的で有益なアドバイスを受けることができます。まず準備すべきは、現在の資産状況の把握です。預貯金、株式、債券、不動産など、すべての資産をリストアップし、3000万円の内訳を明確にしておきましょう。

次に、今後のライフプランと必要資金の想定も重要です。子どもの教育費、住宅購入、老後資金など、将来必要となる資金とその時期を具体的に書き出します。また、毎月の収支状況も把握しておくことで、追加投資の可能性や取り崩しのタイミングなど、現実的な運用プランを立てることができます。

リスク許容度についても、事前に自己診断しておくとよいでしょう。最大でどの程度の損失まで耐えられるか、投資期間はどの程度確保できるか、といった点を明確にしておくことで、IFAもより適切な提案がしやすくなります。

IFAに相談するメリット

3000万円の資産運用においてIFAを活用するメリットは、プロの視点から客観的なアドバイスを受けられることです。自分では気づかないリスクや、見落としている投資機会を指摘してもらえる可能性があります。特に、税制優遇制度の活用方法や、相続対策なども含めた総合的な資産管理の提案は、専門家ならではの価値といえるでしょう。

また、市場が大きく変動した際の精神的なサポートも重要な役割です。暴落時にパニック売りをしてしまったり、バブル時に過度なリスクを取ってしまったりすることを防ぐ、いわば「行動コーチ」としての機能も期待できます。定期的な面談を通じて、運用方針のブレを防ぎ、長期的な資産形成を支援してくれるのです。

  1. さらに、IFAは最新の金融商品情報や市場動向にも精通しています。個人では入手困難な情報や、機関投資家向けの分析レポートなども共有してもらえることがあり、より高度な投資判断が可能となります。3000万円という資産規模なら、IFAへの手数料を支払っても、それ以上の付加価値を得られる可能性が高いといえるでしょう。

IFAに相談するメリットについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

この記事のまとめ

この記事では、貯金3,000万円に到達した後に必要となる資産配分の考え方、リスク管理、税制優遇の活用、将来の必要額の見立て方を学びました。貯金の安心感と同時に、物価や税制の変化に備える視点が重要であることも理解できたはずです。

次のステップとして、現在の資産構成を棚卸しし、老後資金シミュレーションや税制メリットの有無を確認しましょう。将来に不安が残る場合は、投資のコンシェルジュの無料相談を活用し、最適な資産設計を専門家と一緒に検討してみてください。

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柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

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2025.12.03

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基礎知識

関連する専門用語

ポートフォリオ

ポートフォリオとは、資産運用における投資対象の組み合わせを指します。分散投資を目的として、株式、債券、不動産、オルタナティブ資産などの異なる資産クラスを適切な比率で構成します。投資家のリスク許容度や目標に応じてポートフォリオを設計し、リスクとリターンのバランスを最適化します。また、運用期間中に市場状況が変化した場合には、リバランスを通じて当初の配分比率を維持します。ポートフォリオ管理は、リスク管理の重要な手法です。

アセットアロケーション(資産配分)

アセットアロケーション(Asset allocation)とは、資産配分という意味で、資金を複数のアセットクラス(資産グループ)に投資することで、投資リスクを分散しながらリターンを獲得するための資産運用方法。アセットアロケーションは戦略的アセットアロケーションと戦術的アセットアロケーションの2つを組み合わせることで行われ、前者は中長期的に投資目的・リスク許容度・投資機関に基づいて資産配分を決定し、後者は短期的に投資対象の資産特性に基づいて資産配分を決定する。

オルタナティブ資産(代替資産)

オルタナティブ資産(代替資産)とは、株式や債券などの伝統的な金融資産とは異なる性質を持ち、ポートフォリオに多様性を加える目的で投資される資産のことです。代表的な代替資産には、不動産、ヘッジファンド、プライベート・エクイティ、コモディティ(金・原油など)、インフラ投資、暗号資産(仮想通貨)などがあります。 これらの資産は、通常の市場と異なる値動きをすることが多く、伝統的資産との相関が低いとされています。そのため、市場の変動リスクを和らげる「分散投資」の一環として、特に機関投資家や富裕層の間で積極的に活用されています。ただし、流動性が低かったり、価格の透明性が乏しかったりすることもあるため、運用には十分な理解と注意が必要です。

リスク許容度

リスク許容度とは、自分の資産運用において、どれくらいの損失までなら精神的にも経済的にも受け入れられるかという度合いを表す考え方です。 投資には必ずリスクが伴い、時には資産が目減りすることもあります。そのときに、どのくらいの下落まで冷静に対応できるか、また生活に支障が出ないかという観点で、自分のリスク許容度を見極めることが大切です。 年齢、収入、資産の状況、投資経験、投資の目的などによって人それぞれ異なり、リスク許容度が高い人は価格変動の大きい商品にも挑戦できますが、低い人は安定性の高い商品を選ぶほうが安心です。自分のリスク許容度を正しく理解することで、無理のない投資計画を立てることができます。

NISA

NISAとは、「少額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)」の略称で、日本に住む個人が一定額までの投資について、配当金や売却益などにかかる税金が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託などで得られる利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばその税金がかからず、効率的に資産形成を行うことができます。2024年からは新しいNISA制度が始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを併用できる仕組みとなり、非課税期間も無期限化されました。年間の投資枠や口座の開設先は決められており、原則として1人1口座しか持てません。NISAは投資初心者にも利用しやすい制度として広く普及しており、長期的な資産形成を支援する国の税制優遇措置のひとつです。

新NISA

新NISAとは、2024年からスタートした日本の新しい少額投資非課税制度のことで、従来のNISA制度を見直して、より長期的で柔軟な資産形成を支援する目的で導入されました。この制度では、投資で得られた利益(配当や売却益)が一定の条件のもとで非課税になるため、税負担を気にせずに投資ができます。新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が用意されており、年間の投資可能額や総額の上限も大幅に引き上げられました。 また、非課税期間が無期限となったことで、より長期的な運用が可能となっています。投資初心者にも利用しやすい仕組みとなっており、老後資金や将来の資産形成の手段として注目されています。

iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。

インデックスファンド

インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して運用される投資信託のことです。たとえば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの市場全体の動きを示す指数に連動するように設計されています。この仕組みにより、個別の銘柄を選ぶ手間がなく、市場全体に分散投資ができるのが特徴です。また、運用の手間が少ないため、手数料が比較的安いことも魅力の一つです。投資初心者にとっては、安定した長期運用の第一歩として選びやすいファンドの一つです。

ETF(上場投資信託)

ETF(上場投資信託)とは、証券取引所で株式のように売買できる投資信託のことです。日経平均やS&P500といった株価指数、コモディティ(原油や金など)に連動するものが多く、1つのETFを買うだけで幅広い銘柄に分散投資できるのが特徴です。通常の投資信託に比べて手数料が低く、価格がリアルタイムで変動するため、売買のタイミングを柔軟に選べます。コストを抑えながら分散投資をしたい人や、長期運用を考えている投資家にとって便利な選択肢です。

REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)

REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)とは、多くの投資家から集めた資金を使って、オフィスビルや商業施設、マンション、物流施設などの不動産に投資し、そこで得られた賃貸収入や売却益を分配する金融商品です。 REITは証券取引所に上場されており、株式と同じように市場で売買できます。そのため、通常の不動産投資と比べて流動性が高く、少額から手軽に不動産投資を始められるのが大きな特徴です。 投資家は、REITを通じて間接的にさまざまな不動産の「オーナー」となり、不動産運用のプロによる安定した収益(インカムゲイン)を得ることができます。しかも、実物の不動産を所有するわけではないので、物件の管理や修繕といった手間がかからない点も魅力です。また、複数の物件に分散投資しているため、リスクを抑えながら収益を狙える点も人気の理由です。 一方で、REITの価格は、不動産市況や金利の動向、経済環境の変化などの影響を受けます。特に金利が上昇すると、REITの価格が下がる傾向があるため、市場環境を定期的にチェックしながら投資判断を行うことが重要です。 REITは、安定した収益を重視する人や、実物資産への投資に関心があるものの手間やコストを抑えたい人にとって、有力な選択肢となる資産運用手段の一つです。

変額保険

変額保険とは、死亡保障を持ちながら、保険料の一部を投資に回すことで、将来受け取る保険金や解約返戻金の金額が運用成績によって変動する保険商品です。 保険会社が提供する複数の投資先から自分で選んで運用することができるため、運用がうまくいけば受け取る金額が増える可能性があります。 ただし、運用がうまくいかなかった場合は、受け取る金額が減ることもあります。保障と資産運用の両方を兼ね備えた商品ですが、元本保証がない点には注意が必要です。投資初心者の方には、仕組みを十分に理解したうえで加入することが大切です。

ロボアドバイザー(ロボアド)

ロボアドバイザーとは、投資家のリスク許容度や運用目的に応じて、自動的に資産配分や投資商品を提案・運用するサービスです。利用者は、いくつかの質問に答えるだけで最適なポートフォリオの提案を受けることができ、少額からでも投資を始められるのが特徴です。 ロボアドバイザーには、「提案型(アドバイス型)」と「運用型(投資一任型)」の2種類があります。提案型は、投資家に適したポートフォリオを提案するものの、実際の運用は投資家自身が行います。一方、運用型は、提案だけでなく資産運用もロボアドバイザーが自動で行い、定期的なリバランスも実施します。 主にインデックス運用を中心としたバランス型の商品が提供され、現代ポートフォリオ理論(MPT)を活用した分散投資が行われます。そのため、個別株の選定や細かい資産管理には向いていません。また、投資家の保有資産全体を考慮した包括的なアドバイスを受けることができない点に注意が必要です。 ロボアドバイザーのメリットとして、投資初心者でも簡単に分散投資ができること、感情に左右されない合理的な運用が可能であること、対面の投資アドバイザーと比較して低コストで運用できることが挙げられます。一方で、一定の手数料がかかること、投資家が細かくカスタマイズできないこと、相場急変時の柔軟な対応が難しいことがデメリットとして存在します。 それでも、投資初心者や手間をかけずに資産運用を始めたい人にとって、ロボアドバイザーは手軽に利用できるサービスとして人気を集めています。

変額保険

変額保険とは、死亡保障を持ちながら、保険料の一部を投資に回すことで、将来受け取る保険金や解約返戻金の金額が運用成績によって変動する保険商品です。 保険会社が提供する複数の投資先から自分で選んで運用することができるため、運用がうまくいけば受け取る金額が増える可能性があります。 ただし、運用がうまくいかなかった場合は、受け取る金額が減ることもあります。保障と資産運用の両方を兼ね備えた商品ですが、元本保証がない点には注意が必要です。投資初心者の方には、仕組みを十分に理解したうえで加入することが大切です。

ファンドラップ

ファンドラップは、金融機関が顧客から資産運用を一任され、顧客の目標やリスク許容度に応じてポートフォリオを構築・管理するサービスです。顧客の資産を複数の投資信託やETFなどに分散投資し、運用を行います。運用内容や資産配分の調整(リバランス)は専門家が行い、定期的な運用状況の報告も提供されます。 主に、初心者や忙しい投資家が利用することが多く、手数料はファンドラップ・フィーとして一括で支払う形式が一般的です。この手数料には運用管理費やアドバイス料が含まれます。

不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングとは、インターネットを通じて多数の投資家から少額ずつ資金を集め、その資金を使って不動産事業に投資する仕組みです。これまで不動産投資といえば、高額な資金が必要で一部の人にしか手が届きませんでしたが、この仕組みによって1万円程度の少額からでも投資が可能になりました。運営会社が物件の選定や管理を行い、投資家は分配金や売却益を得られる可能性があります。専門的な知識がなくても始めやすく、分散投資の手段としても注目されています。

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)は、インターネットを通じて多くの個人投資家から資金を集め、そのお金を企業などの資金需要者に貸し出す仕組みです。投資家は貸し手となり、借り手が利息付きで返済することで利益を得る構造になっています。 銀行などの金融機関を通さずに資金が流れることで、資金調達のハードルが下がり、投資家は比較的少額から参加できる点が特徴です。一方で、借り手の信用状況や事業リスクによっては元本割れの可能性もあるため、案件の内容や運営会社の実績をよく確認することが大切です。

ドルコスト平均法

ドルコスト平均法とは、一定の金額を定期的に投資する方法です。価格が高いときは少なく、価格が低いときは多く買えるため、購入価格が平均化され、リスクを分散できます。市場のタイミングを読む必要がないため、初心者に最適な方法とされています。長期投資で効果を発揮し、特に投資信託やETFで利用されることが多い手法です。

リバランス

リバランスとは、ポートフォリオを構築した後、市場の変動によって変化した資産配分比率を当初設定した目標比率に戻す投資手法です。 具体的には、値上がりした資産や銘柄を売却し、値下がりした資産や銘柄を買い増すことで、ポートフォリオ全体の資産構成比率を維持します。これは過剰なリスクを回避し、ポートフォリオの安定性を保つためのリスク管理手法として、定期的に実施されます。 例えば、株式が上昇して目標比率を超えた場合、その一部を売却して債券や現金に再配分するといった調整を行います。なお、近年では自動リバランス機能を提供する投資サービスも登場しています。

分散投資

分散投資とは、資産を安全に増やすための代表的な方法で、株式や債券、不動産、コモディティ(原油や金など)、さらには地域や業種など、複数の異なる投資先に資金を分けて投資する戦略です。 例えば、特定の国の株式市場が大きく下落した場合でも、債券や他の地域の資産が値上がりする可能性があれば、全体としての損失を軽減できます。このように、資金を一カ所に集中させるよりも値動きの影響が分散されるため、長期的にはより安定したリターンが期待できます。 ただし、あらゆるリスクが消えるわけではなく、世界全体の経済状況が悪化すれば同時に下落するケースもあるため、投資を行う際は目標や投資期間、リスク許容度を考慮したうえで、計画的に実行することが大切です。

FIRE(ファイア)

FIRE(ファイア)とは、「Financial Independence, Retire Early」の略で、経済的に自立し、早期にリタイアすることを目指すライフプランの考え方です。一定の資産を築いて、労働に依存しなくても生活費をまかなえる状態を指します。 FIREには、完全に働かない「完全FIRE」のほか、収入の一部を維持する「サイドFIRE」や、資産が一定額に達した後は自然増加を待つ「コーストFIRE」など、複数のスタイルがあります。近年では、インデックス投資や積立NISAなどを活用して長期的にFIREを目指す人も増えています。 FIREを実現するためには、支出の最適化、資産運用の継続、そしてインフレや税制を考慮した生活設計が不可欠です。単なる「早期引退」ではなく、「自分の時間を主体的に選べる生き方」として位置づけられています。

独立系アドバイザー(IFA)

IFAとは、Independent Financial Advisorの略で、日本語では「独立系フィナンシャルアドバイザー」と呼ばれる資産運用の専門家を指す。内閣総理大臣より金融商品仲介業の登録を受け、1つ以上の証券会社と業務委託契約を締結し、投資家に対して資産運用のアドバイス業務や金融商品の仲介を行う。

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