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介護休業給付金とは?計算方法・いつもらえるか、介護離職を防ぐ方法まで解説
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公開:
2026.03.12
更新:
2026.03.12
親の介護などで急に休みが必要になっても、収入をゼロにせず働き続けるために「介護休業給付金」は重要です。一方で、介護休業と介護休暇の違いを誤解したり、退職予定や就労日数・賃金条件の見落としで不支給になる例もあります。この記事では、制度の概要から受給条件・対象外ケース、給付額の計算、支給時期(後払い)、申請方法と期限までを具体的に解説します。
目次
介護休業給付金とは
介護休業給付金は、雇用保険の制度のひとつで、家族の介護で仕事を休む労働者を経済的に支える仕組みです。休業中は会社から給与が支払われないケースが多いため、生活費への不安から離職を選んでしまう方も少なくありません。
この給付金があれば、休業開始時の賃金の67%を受け取れるため、収入をゼロにせずに介護と仕事の両立が可能になります。
制度の概要と目的
介護休業給付金は、雇用保険法にもとづく給付制度で、仕事と介護の両立を支援し、労働者の生活を安定させることを目的としています。家族が要介護状態になっても、すぐに離職せずに介護体制を整える時間を確保できるよう設計されました。
厚生労働省の「雇用動向調査」によると、2024(令和6)年に「個人的理由」で離職した人のうち「介護・看護」を理由とする人は約9.3万人(男性約3.4万人、女性5.9万人)でした。
介護離職をすると収入が減少するため、経済面で負担が重くなります。また、年齢的に再就職が難しくなるケースも少なくありません。そのため、介護離職を防ぐうえで介護休業給付金は有効活用できます。
介護休業と休暇の違い
介護に関する制度には「介護休業」と「介護休暇」があり、どちらも育児介護休業法で定められています。名称が似ているため混同されやすいですが、取得日数や申請方法、給付金の有無など、内容は大きく異なる制度です。
| 項目 | 介護休業 | 介護休暇 |
|---|---|---|
| 取得日数 | 通算93日(分割3回まで) | 年5日(対象家族2人以上で年10日) |
| 取得単位 | 日単位 | 時間単位・日単位 |
| 申請時期 | 休業開始の2週間前まで | 当日でも可能(詳細は企業次第) |
| 給付金 | あり(賃金の67%) | なし |
| 用途 | 長期的な介護体制の構築 | 通院付添い・突発的な対応 |
介護休業は長期の休みを想定した制度で、対象家族1人につき通算93日まで取得できます。休業開始の2週間前までに申請が必要で、介護休業給付金を受け取れます。
一方、介護休暇は短期・突発的な休みに適した制度で、対象家族1人につき年5日(2人以上の場合は年10日)まで取得可能です。
職場復帰が前提の制度
介護休業給付金は、休業後に職場へ復帰することを前提とした制度です。そのため、休業開始時点で退職が決まっている場合や、退職を予定している場合は支給の対象外となります。
この制度の趣旨は、介護のために一時的に休業する労働者を支援し、離職を防ぐことにあります。給付金を受け取るには、休業終了後に同じ事業所で働き続ける意思が必要です。休業中に退職を決めた場合も、給付金の支給が打ち切られる可能性があるため注意しましょう。
また、2025年4月からの法改正により、企業には介護休業制度の周知や取得意向の確認が義務付けられました。
介護休業給付金を受け取るための条件
介護休業給付金を受け取るには、対象となる家族の範囲や雇用形態による要件を満たす必要があります。雇用保険に加入していても、加入期間が足りない場合や、契約期間の定めがあって更新の見込みが不明確な場合は受給できません。
介護休業給付金を受け取るための条件
- 雇用保険加入(週20時間以上等)
- 直近2年で被保険者期間12か月(11日/80時間基準)
- 休業中の就労(10日超でその期間は不支給)
自分が条件を満たしているかを事前に確認しておけば、いざ介護が必要になったときにスムーズに申請できます。正社員だけでなく、パートや契約社員、派遣社員も対象となりますが、それぞれ異なる要件があるため注意しましょう。
対象となる家族の範囲
介護休業給付金の対象となる家族は、以下のように法律で明確に定められています。
- 配偶者(事実婚を含む)
- 父母
- 子
- 配偶者の父母
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 孫
これらの家族が、負傷や疾病、身体上または精神上の障害により、2週間以上にわたって常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合に取得できます。
対象家族と同居している必要はありません。遠方に住む親の介護でも制度を利用できるため、通院の付き添いや施設探しなど、離れて暮らす家族の介護にも活用可能です。
無期雇用者の条件
無期雇用契約(期間の定めのない労働契約)で働いている正社員などの場合、介護休業開始日の前2年間に、雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あることが条件です。
被保険者期間の計算方法は、休業開始日の前日から1ヶ月ごとに区切った期間に、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月、または賃金支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月を1ヶ月とカウントします。この条件を満たす月が通算12ヶ月以上必要です。
雇用保険に加入していれば、65歳以上の高年齢被保険者も支給対象となります。年齢による制限はないため、定年後も働き続けている方も安心して制度を利用できます。
有期雇用者の条件
契約社員やパート、派遣社員など、有期雇用契約(契約期間の定めがある労働契約)で働いている方の場合、無期雇用者の条件に加えて追加の要件があります。
介護休業開始予定日から93日を経過する日から6ヶ月以内に、労働契約期間が満了することが明らかでないことが必要です。つまり、休業終了後も雇用が継続される見込みがあることが条件となります。
契約更新の可能性がある場合は対象となりますが、契約期間の満了が決まっており更新されないことが確実な場合は対象外です。雇用契約書に更新の有無や判断基準が記載されているため、事前に確認しておきましょう。
なお、日々雇用される日雇い労働者は、介護休業制度そのものの取得対象から除外されているため、給付金も受け取れません。また、週の所定労働時間が20時間未満の方は雇用保険の加入対象外となるため、こちらも給付金は受給できない点に注意が必要です。
介護休業給付金の計算方法
介護休業給付金の金額は、休業開始前の賃金をもとに計算されます。おおむね休業前の月収の67%が支給されると考えてよいでしょう。ただし、上限額と下限額が設定されているため、高収入の方や低収入の方は実際の支給率が変わる場合があります。
基本の計算式
介護休業給付金の支給額は、以下の式で計算されます。

休業開始時賃金日額とは、休業開始前6ヶ月間の総支給額(保険料等が控除される前の額)を180で割った金額です。賞与は含まれません。
支給日数は、原則として1支給単位期間あたり30日です。支給単位期間とは、休業開始日から1ヶ月ごとに区切った期間を指します。ただし、休業終了日を含む最後の支給単位期間については、その休業終了日までの日数が支給日数となります。
受給できる金額のシミュレーション
介護休業期間を対象とした賃金の支払いがない場合、休業前の月収に応じた支給額の目安は以下のとおりです。1ヶ月(30日)の休業を取得した場合を想定しています。
| 休業前の平均月収 | 給付金支給額(1ヶ月) | 実際の支給率 |
|---|---|---|
| 約15万円 | 約10万円 | 約67% |
| 約20万円 | 約13.4万円 | 約67% |
| 約30万円 | 約20.1万円 | 約67% |
| 約50万円 | 約33.5万円 | 約67% |
| 約60万円 | 約35.7万円(上限) | 約60% |
介護休業給付金は非課税のため、所得税や住民税はかかりません。ただし、健康保険料や厚生年金保険料は休業中も支払う必要がある点に注意しましょう。社会保険料の負担を考慮したうえで、生活費をどう確保するか計画を立てることが大切です。
上限額と下限額
介護休業給付金には、支給限度額が設定されています。2025年8月1日以降、上限額は35万6,574円です。この金額は毎年8月1日に見直されるため、最新の情報は厚生労働省のホームページやハローワークで確認しましょう。
上限額が適用されるのは、休業開始時賃金月額(休業前6ヶ月間の総支給額÷180日×30日)が上限の53万2,200円を超える場合です。月収が約53万円を超える方は、実際の賃金に対する支給率が67%を下回ります。
介護休業給付金はいつもらえる?支給時期を確認
介護休業給付金は、休業中にリアルタイムで受け取れるわけではありません。休業終了後に申請し、審査を経て支給決定された後に振り込まれる「後払い」の制度です。このため、休業中の生活費は別途確保しておく必要があります。
申請から入金までには一定の期間がかかるため、いつ・どのタイミングで給付金を受け取れるのかを事前に把握しておくことが重要です。資金繰りを計画的に行い、休業中の経済的な不安を軽減しましょう。
支給されるタイミング
介護休業給付金は、休業終了後に申請手続きを行います。申請期限は、休業終了日の翌日から2ヶ月後の月末までです。たとえば、3月31日に休業が終了した場合、5月31日が申請期限となります。
申請後はハローワークで審査が行われ、支給決定通知が届きます。審査には通常1〜2週間程度かかり、支給決定後、約1週間で指定した銀行口座に振り込まれます。
つまり、休業終了から給付金が実際に入金されるまでには、最短でも2〜3週間程度、場合によっては1ヶ月以上かかる可能性があります。申請書類に不備があると、さらに時間がかかるため注意しましょう。
休業中に入金されない点に注意
介護休業給付金は後払いの制度であり、休業中に給付金を受け取ることはできません。つまり、休業期間中は給付金による収入がゼロの状態で生活する必要があります。
休業前に1〜2ヶ月分の生活費を貯蓄しておく、または家族と資金面での協力体制を整えておくことをおすすめします。会社によっては、休業期間中の社会保険料を立て替え払いしてくれる制度がある場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
また、休業中も健康保険料や厚生年金保険料、住民税の支払い義務は継続します。これらの固定費を含めた資金計画を立て、給付金が入金されるまでの期間を乗り切る準備をしておくことが大切です。
介護休業給付金をもらえないケース
介護休業給付金には、受給要件を満たしていても支給されない、または減額されるケースがあります。事前にこれらのパターンを把握しておけば、申請後のトラブルを防ぎ、スムーズに給付金を受け取ることができます。
特に注意が必要なのは、休業中の働き方や他の給付金との関係です。知らずに条件を満たさなくなってしまうケースもあるため、休業前に確認しておくことが大切です。
産前産後の休業中
産前産後休業中は、介護休業を開始することができません。そのため、産休中に家族の介護が必要になったとしても、介護休業給付金は受け取れません。
また、すでに介護休業を取得している期間中に産前産後休業が始まった場合、産休開始日の前日をもって介護休業は終了となります。産休開始日以降の分については、介護休業給付金の支給対象外です。
同様に、介護休業期間中に他の家族に対する介護休業や育児休業が開始された場合も、それらの新たな休業の開始日の前日で当初の介護休業は終了します。複数の休業制度を同時に取得することはできない点に注意しましょう。
なお、育児休業給付に関してはこちらの記事でも解説しています。あわせて参考にしてみてください。
復帰予定がない場合
介護休業給付金は、休業終了後に職場へ復帰することを前提とした制度です。このため、介護休業開始時点ですでに退職が決まっている場合や、退職を予定している場合は支給対象外となります。
あくまで仕事と介護の両立を支援する制度であり、介護を理由に退職する方への給付金ではありません。休業中に状況が変わり、やむを得ず退職することになった場合は給付金を受け取れますが、最初から退職が決まっている場合は対象外です。
また、休業の途中で退職した場合、退職日が含まれる支給単位期間については給付金が支給されません。実務上、介護休業給付金は休業終了後に申請するため、退職してしまうと申請自体ができなくなります。
休業中に働きすぎた場合
介護休業期間中に就労した場合、給付金が減額または不支給となる可能性があります。1支給単位期間(休業開始日から1ヶ月ごとに区切った期間)において、就労日数が10日を超えると、その支給単位期間については支給対象外です。
| 休業中に会社から支払われた賃金 | 給付の扱い |
|---|---|
| 休業開始時賃金月額の13%以下 | 原則:賃金日額×支給日数×67% |
| 13%超〜80%未満 | 80%相当額 − 賃金(差額支給) |
| 80%以上 | 給付なし |
介護休業終了日を含む1ヶ月未満の支給単位期間については、就労日数が10日以下であるとともに、全日休業している日が1日以上必要です。つまり、休業期間中に少しでも完全に休んでいる日がなければなりません。
さらに、休業中に会社から賃金が支払われる場合、その金額によっても給付金が変わります。休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上の賃金が支払われている場合、給付金は0円です。80%未満でも13%を超える場合は減額されます。
雇用保険の加入対象外
介護休業給付金は雇用保険の制度であるため、雇用保険に加入していない方は受け取れません。週の所定労働時間が20時間未満のパートタイマーやアルバイトは、雇用保険の加入対象外となります。
また、日々雇用される日雇い労働者も、介護休業制度そのものの取得対象から除外されているため、給付金も受給できません。学生アルバイトも、原則として雇用保険の適用除外となるため対象外です。
会社役員の場合
会社の取締役や監査役などの役員は、労働者ではなく委任契約に基づく立場とみなされるため、原則として雇用保険に加入できません。このため、介護休業給付金も受給できません。
ただし、役員であっても従業員としての身分を併せ持ち、労働者的性格が強い場合(兼務役員)は、雇用保険の被保険者となる可能性があります。具体的には、取締役であっても部長などの従業員としての職務を兼ねており、賃金が明確に区分されている場合などです。
兼務役員として雇用保険に加入している場合は、介護休業給付金の受給対象となります。ご自身の立場が雇用保険の対象となるかどうかは、会社の人事担当者またはハローワークに確認してください。
介護休業中のお金の注意点
介護休業給付金を受給できるとはいえ、休業中は収入が減少するうえ、支払いが必要な固定費もあります。経済的な負担を最小限に抑えるために、休業前に知っておくべきお金の注意点を確認しましょう。
社会保険料は免除されない
介護休業中、最も注意すべきポイントは社会保険料の扱いです。育児休業の場合は社会保険料が免除されますが、介護休業では免除制度がありません。休業中も、健康保険料と厚生年金保険料を通常通り支払う必要があります。
支払いが必要な社会保険料
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 介護保険料(40歳以上の場合)
これらの保険料は、休業前の標準報酬月額に基づいて計算されるため、休業中も休業前と同じ金額を納める必要があります。たとえば、月額3万円の社会保険料を支払っていた場合、休業中もその金額を負担し続けます。
介護休業が最長93日という短期間であることや、最大3回まで分割取得できることが、免除制度がない理由だといわれています。しかし、休業中は無給となることが多いため、社会保険料の支払いは大きな負担になります。
一方、雇用保険料については、賃金が支払われない場合は負担がゼロになります。雇用保険料は賃金に保険料率を乗じて計算されるため、無給であれば保険料も発生しません。また、介護休業給付金に対しても雇用保険料はかかりません。
住民税の支払いも続く
住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、休業中も支払いが必要です。介護休業給付金は非課税ですが、住民税は前年の収入で決まるため、給付金を受け取っていても支払い義務が免除されることはありません。
住民税の支払い方法も、社会保険料と同様に会社と相談して決めておく必要があります。特別徴収(給与天引き)の場合、休業中は自分で納付書を使って支払う普通徴収に切り替わることが一般的です。
なお、翌年の住民税については、介護休業給付金は課税対象外のため、給付金分は計算に含まれません。そのため、翌年の住民税は減少する可能性があります。
給付金受取までの資金繰り
介護休業給付金は後払い制度のため、休業終了後に申請し、審査を経てから振り込まれます。休業中は給付金を受け取れないため、当面の生活費を事前に確保しておくことが重要です。
必要な準備資金の目安
休業開始から給付金受取まで、最短でも2〜3週間、長ければ1ヶ月以上かかります。その間の生活費に加えて、以下の支出を考慮した資金を準備しておきましょう。
- 社会保険料(1〜2ヶ月分)
- 住民税
- 日常生活費
- 介護関連費用(介護サービス利用料、医療費など)
- その他の固定費(家賃、ローン、光熱費、通信費など)
たとえば、月収30万円の方が93日(約3ヶ月)休業する場合を考えてみましょう。
- 給付金受取額:約60万円(20万円×3ヶ月)
- 社会保険料:約9万円(3万円×3ヶ月)
- 住民税:約3万円(1万円×3ヶ月)
- 差引:約48万円
この48万円が実質的な収入となりますが、最初の1〜2ヶ月は給付金が入らないため、その分の生活費と社会保険料を自己資金で賄う必要があります。最低でも30〜40万円程度の準備資金があると安心です。
家計管理のポイント
介護休業を取得する前に、以下のポイントを確認して準備しておくことをおすすめします。
1. 収支シミュレーションを作成
休業期間中の収入(給付金)と支出(社会保険料、住民税、生活費、介護費用など)を事前に計算し、収支バランスを把握しておきましょう。
2. 支払い方法を会社と相談
社会保険料と住民税の支払い方法を、休業前に会社の人事担当者と話し合って決めておきます。
3. 自己資金を確保
最初の1〜2ヶ月分の生活費と社会保険料を賄えるだけの貯蓄を準備しておきます。
4. 固定費の見直し
可能であれば、休業前に不要な固定費(サブスクリプションサービス、保険の見直しなど)を削減しておくと、経済的負担が軽くなります。
5. 介護サービスの費用を把握
介護保険サービスを利用する場合、自己負担額を事前に確認しておきます。ケアマネジャーに相談すれば、利用予定のサービスにかかる費用を教えてもらえます。
介護休業給付金は大きな支えとなりますが、社会保険料や住民税の支払いが続くことを理解し、計画的に準備することが大切です。不安な点があれば、会社の人事担当者やファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。
申請方法と必要書類
介護休業給付金を受け取るためには、休業終了後に申請手続きを行う必要があります。申請には複数の書類が必要となるため、事前に準備しておくことが大切です。
手続きは原則として会社を経由して行いますが、申請期限や必要書類を把握しておけば、スムーズに給付金を受け取ることができます。書類の不備は審査の遅れにつながるため、正確に準備しましょう。
必要な書類一覧
介護休業給付金の申請には、会社が用意する書類と本人が用意する書類があります。会社が用意する主な書類は以下のとおりです。
| 区分 | 書類名 | 補足・確認内容 |
|---|---|---|
| 会社が用意する書類 | 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書 | 休業開始前の賃金月額を証明するための書類 |
| 会社が用意する書類 | 介護休業給付金支給申請書 | ハローワークへ提出する給付金の申請書 |
| 会社が用意する書類 | 賃金台帳 | 賃金月額証明書に記載した内容を確認するため、全期間分が必要 |
| 会社が用意する書類 | 出勤簿またはタイムカード | 休業日数および就労日数を確認できる書類 |
| 本人が用意する書類 | 本人と介護対象家族の続柄確認書類 | 住民票記載事項証明書、戸籍謄本など |
| 本人が用意する書類 | 介護対象家族の氏名・性別・生年月日確認書類 | 住民票、戸籍謄本など |
| 本人が用意する書類 | 振込先口座確認資料 | 本人名義の通帳またはキャッシュカードの写し |
| 本人が用意する書類 | 雇用契約書の写し | 有期雇用労働者の場合のみ必要 |
なお、介護対象家族と同居している場合で、介護対象家族のマイナンバーも提出する場合は、続柄確認書類が省略できます。ただし、介護対象家族の氏名、性別、生年月日が確認できる書類は別途必要です。
書類の準備は休業前から進めておくと、休業終了後の申請がスムーズになります。不明な点は会社の人事担当者に確認しましょう。
申請期限の確認
介護休業給付金の申請期限は、介護休業終了日の翌日から2ヶ月後の月末までです。たとえば、8月20日に介護休業が終了した場合、申請期限は10月31日となります。
この期限を過ぎると申請できなくなるわけではありません。介護休業給付金には時効があり、休業終了日の翌日から2年を過ぎると受給権が消滅します。申請を忘れていた場合でも、2年以内であれば遡って申請できるため、必ず期限内に手続きを行いましょう。
ただし、申請が遅れるとその分給付金の受け取りも遅れます。休業中の生活費を確保するためにも、できるだけ早めに申請することをおすすめします。
申請手続きの流れ
介護休業給付金の申請手続きは、原則として会社を経由してハローワークに提出します。ただし、本人が希望する場合や、会社が協力してくれない場合は、本人が直接ハローワークで申請することも可能です。
申請の基本的な流れは以下のとおりです。
1. 休業前の準備
介護休業を取得する際は、休業開始の2週間前までに会社に申し出ます。この時点で、休業期間の初日と末日を明確にしておきましょう。
2. 休業終了
介護休業期間が終了し、職場に復帰します。休業開始前に会社へ休業の申し出を行い、休業期間中は介護体制を整えます。
3. 申請書類の準備
会社の人事担当者と協力して、支給申請書や賃金月額証明書、出勤簿、賃金台帳などの必要書類を準備します。住民票記載事項証明書など、本人が用意する書類もあります。
4. ハローワークへ申請
会社を経由して、事業所の所在地を管轄するハローワークに申請書類を提出します。申請期限は休業終了日の翌日から2ヶ月後の月末までです。
5. 審査・支給決定
ハローワークで書類の審査が行われます。要件を満たしていれば、支給決定通知が本人宛に郵送されます。審査期間は通常1〜2週間程度です。
6. 給付金の振込
支給決定後、約1週間で指定した銀行口座に給付金が振り込まれます。振込完了後、振込通知が届きます。
書類に不備があると審査が遅れるため、会社の担当者と連携しながら正確に記入しましょう。また、申請は会社経由が原則ですが、会社が協力してくれない場合や本人が希望する場合は、ハローワークに相談して自分で申請することもできます。
雇用保険制度では、さまざまな支援制度を用意しています。詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。
介護離職しないために介護休業給付金は有効活用できる
介護が必要になったとき、多くの方が仕事を辞めるかどうかの選択を迫られます。しかし、介護休業給付金をはじめとする両立支援制度を活用すれば、離職せずに介護と仕事の両立が可能です。
介護離職のメリットは少ない
厚生労働省の調査によると、2024年に介護・看護を理由に離職した人は約9.3万人にのぼります。一度離職すると収入が途絶えるだけでなく、年齢的に再就職が難しくなるケースも少なくありません。
また、厚生労働省「令和元年度仕事と介護の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 労働者調査 結果の概要」によると、介護離職すると「精神面・肉体面・経済面」の全てにおいて負担が減るどころか増加する傾向にあります。
| 回答区分 | 人数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| 非常に負担が増した | 603 | 30.2 |
| 負担が増した | 521 | 26.1 |
| 変わらない | 296 | 14.8 |
| 負担が減った | 251 | 12.6 |
| かなり負担が減った | 198 | 9.9 |
| わからない | 131 | 6.6 |
| 回答区分 | 人数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| 非常に負担が増した | 480 | 24.0 |
| 負担が増した | 550 | 27.5 |
| 変わらない | 328 | 16.4 |
| 負担が減った | 304 | 15.2 |
| かなり負担が減った | 216 | 10.8 |
| わからない | 122 | 6.1 |
| 回答区分 | 人数 | 割合(%) |
|---|---|---|
| 非常に負担が増した | 682 | 34.1 |
| 負担が増した | 699 | 35.0 |
| 変わらない | 379 | 19.0 |
| 負担が減った | 74 | 3.7 |
| かなり負担が減った | 32 | 1.6 |
| わからない | 134 | 6.7 |
厚生労働省「令和元年度仕事と介護の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 労働者調査 結果の概要」より筆者作成
介護の負担を減らすために仕事を辞めたはずなのに、実際には「負担が減った」「かなり負担が減った」と感じている人は、精神面・肉体面ともに3割未満にとどまっています。特に経済面では、**約7割が「負担が増えた」**と回答しており、収入減少や社会保険・将来不安が重くのしかかっている実態がうかがえます。
また見落とされがちなのが、精神的・肉体的な負担も半数以上で増えている点です。仕事を辞めれば介護に集中できて楽になる、というイメージとは裏腹に、介護の責任が一手に集中し、孤立感や疲労感が強まるケースが少なくありません。
こうした現実を踏まえると、介護離職は「追い込まれてから決断するもの」ではなく、制度(介護休業・介護休暇・給付金)や外部サービスを活用しながら、仕事を続ける選択肢を含めて慎重に検討すべきものだと言えそうです。
短期的な負担軽減だけで判断せず、中長期の生活・収入・キャリアへの影響まで見据えることが重要です。また、介護は長期化する可能性があるため、経済的な基盤を維持することも欠かせません。
まず会社と家族に相談
介護が必要になったら、一人で抱え込まず、まず会社と家族に相談しましょう。2025年4月からの法改正により、企業には介護に直面した従業員への個別周知と意向確認が義務付けられました。会社に申し出れば、利用できる制度を説明してもらえます。
上司や人事担当者に早めに状況を伝えることで、業務の調整や引き継ぎをスムーズに進められます。介護の状況は人それぞれ異なるため、どのような働き方が可能か、どの程度の期間休業が必要かを相談しながら決めていくことが大切です。
同時に、家族間でも役割分担を話し合いましょう。介護は一人で担うものではありません。兄弟姉妹がいる場合は、誰がどの程度関わるのか、費用負担はどうするのかなど、早めに調整しておくことでトラブルを防げます。
介護休業給付金で収入減に備える
介護休業給付金を活用すれば、休業前の賃金の67%を受け取れるため、収入がゼロになる心配はありません。たとえば月収30万円の方なら、約20万円の給付金を受け取れます。
この給付金があることで、介護体制を整える期間の生活費を確保できます。施設探しや在宅介護の準備、ケアマネジャーとの打ち合わせなど、長期的な介護計画を立てる時間を持てるようになります。
ただし、給付金は休業終了後の後払いである点に注意が必要です。休業中は給付金を受け取れないため、1〜2ヶ月分の生活費は事前に確保しておきましょう。また、休業中も健康保険料や厚生年金保険料、住民税の支払いは続くため、これらの固定費も考慮した資金計画が必要です。
会社によっては、休業期間中の社会保険料を立て替え払いしてくれる制度がある場合もあります。人事担当者に確認してみましょう。
両立支援制度を活用する
介護休業だけでなく、さまざまな両立支援制度を組み合わせることで、長期的に仕事と介護を両立できます。育児介護休業法では、以下の制度が定められています。
介護休暇
対象家族1人につき年5日(2人以上の場合は年10日)まで、時間単位や1日単位で取得できます。通院の付き添いや急な呼び出しなど、短時間の対応に適しています。
所定外労働の制限(残業免除)
介護が必要な家族がいる場合、残業を免除してもらえます。事業主に請求すれば、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、所定労働時間を超える労働を免除されます。
時間外労働の制限
月24時間、年150時間を超える時間外労働を制限できます。繁忙期でも過度な残業を避けられるため、介護との両立がしやすくなります。
深夜業の制限
午後10時から午前5時までの深夜帯の労働を制限できます。夜間の介護が必要な場合に活用できる制度です。
所定労働時間の短縮等の措置
1日の所定労働時間を短縮する制度です。事業主は、介護をする従業員が利用できる措置を講じる必要があります。
さらに、2025年4月からは、要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう、事業主が措置を講じることが努力義務化されました。在宅勤務が可能になれば、通勤時間を介護に充てられるため、より柔軟な働き方が実現します。
これらの制度を状況に応じて使い分けることで、介護が長期化しても仕事を続けられます。介護離職しないために活用できる公的な支援制度に関しては、こちらのQ&Aも参考にしてみてください。
相談先を把握しておく
介護と仕事の両立には、専門機関のサポートが欠かせません。困ったときに頼れる相談先を把握しておきましょう。
地域包括支援センター
市区町村が設置する高齢者の総合相談窓口です。介護サービスの利用方法や、介護保険の申請手続きについて相談できます。無料で利用でき、専門スタッフが対応してくれます。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
介護保険サービスを利用する際に、ケアプランを作成してくれる専門家です。利用者の状態に合わせて、最適なサービスの組み合わせを提案してくれます。
なお、親族の介護をする際には、公的な介護保険の理解が欠かせません。こちらのQ&Aも、参考にしてみてください。
ハローワーク
介護休業給付金の申請方法や受給要件について相談できます。書類の書き方がわからない場合も、丁寧に教えてもらえます。
収入減やキャリアの中断などを考えると、安易な介護離職はおすすめできません。詳しくは、こちらのQ&Aも参考にしてみてください。
介護休業給付金に関して知っておきたい注意点
介護休業給付金を活用するうえで、いくつか注意すべきポイントがあります。制度を最大限に活用するために、これらの注意点を事前に確認しておきましょう。
他の給付金との併用不可
介護休業給付金は、厚生労働省が管轄する他の給付金と同時に受け取ることができません。介護休業中に別の休業が開始されると、新しい休業の開始日前日で介護休業は終了となり、それ以降の介護休業給付金は支給されなくなります。
具体的には、介護休業中に以下の休業が開始された場合、介護休業給付金の支給は打ち切られます。
- 別の家族に対する介護休業
- 産前産後休業
- 育児休業
たとえば、母親の介護で介護休業を取得している最中に、配偶者が出産して育児休業を取得する場合、どちらか一方の給付金しか受け取れません。このような場合は、家族でよく話し合い、どの時期にどの制度を利用するか計画的に決める必要があります。
分割で取得する際にはルールがある
介護休業給付金は、同一の対象家族について93日を限度に最大3回まで分割して取得できます。分割取得には、いくつかのルールがあるため注意が必要です。
93日の数え方
93日は、カレンダー上の日数でカウントされます。土曜日、日曜日、祝日も含まれるため、実際の勤務日だけで93日取得できるわけではありません。
たとえば、月曜日から金曜日まで5日間休業した場合でも、土日を含めて7日間としてカウントされます。休業期間を計画する際は、このカレンダー日数でのカウント方法を理解しておくことが大切です。
分割は3回まで
同一の対象家族について、介護休業は最大3回まで分割できます。1回目で30日、2回目で40日取得した場合、3回目は残りの23日までしか取得できません。
3回の分割をすべて使い切った場合、たとえ93日に達していなくても、同じ家族についてはそれ以上介護休業給付金を受け取れません。分割回数は慎重に決める必要があります。
分割取得の例
介護の状況に応じて、柔軟に分割取得することが可能です。
- 1回でまとめて取得:93日連続(施設入所手続きなど、集中的に対応が必要な場合)
- 2回に分割:50日+43日(状態が変化した場合に備える)
- 3回に分割:30日+30日+33日(症状の悪化時に合わせて取得)
ただし、要介護状態が変わっても、同じ家族については新たに93日を取得できるわけではありません。たとえば、母親が要介護4から要介護5になったとしても、すでに70日分取得していれば、残りは23日までとなります。
申請期限は分割ごと
分割取得した場合、申請期限はそれぞれの休業終了日の翌日から2ヶ月後の月末までです。1回目が終了したら1回目の分を申請し、2回目が終了したら2回目の分を申請する流れになります。
複数人で同時取得も可能
同じ対象家族を介護する場合、複数の家族が介護休業を取得し、それぞれが介護休業給付金を受け取ることが可能です。
たとえば、祖母の介護のために、母が93日、父が93日、子が93日と、家族それぞれが介護休業給付金を申請できます。支給要件を満たしていれば、全員が給付金を受け取れます。
また、同時期に複数人が介護休業を取得することも認められています。母と父が同時に介護休業を取得し、両方とも給付金を受け取ることも可能です。
このように、家族で交代しながら長期的に介護する計画を立てることもできますし、症状が重い時期に複数人で集中的に対応することもできます。家族の働き方や介護の状況に合わせて、柔軟に制度を活用しましょう。
休業期間が2週間未満でも受給可能
介護休業給付金の要件として、対象家族が「2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態」であることが求められています。しかし、これは対象家族の要介護状態の期間を指すものであり、実際の介護休業期間が2週間以上である必要はありません。
つまり、2週間以上の介護が必要な状態であると判断されれば、実際の休業期間が2週間未満でも給付金を受け取れます。
たとえば、介護施設への入所手続きや在宅介護の環境整備のために2週間の休業を計画していたものの、予定より早く施設に入所できて10日で職場復帰した場合でも、10日分の介護休業給付金を申請できます。
ただし、休業終了後に職場復帰することが前提です。休業開始時点で退職が決まっている場合は、給付金の対象外となります。
複数の家族を介護する場合は日数を別々にカウントする
対象家族が異なる場合、それぞれ別々に93日を取得できます。父の介護で93日、母の介護で93日と、合計186日分の給付金を受け取ることが可能です。
ただし、1回の介護休業で2人以上の家族を同時に介護する場合、給付金は1人分のみとなります。期間をずらして別々に申請する必要があります。
休業中断期間の日数はカウントされない
介護休業を途中で中断して職場復帰した場合、復帰期間中の日数は93日にカウントされません。ただし、分割回数は消費されるため注意が必要です。
たとえば、30日の予定で介護休業を取得したものの、10日で復帰した場合、10日分のみがカウントされます。しかし、分割回数は1回として扱われるため、残り2回の分割しか使えなくなります。
これらの注意点を踏まえて、計画的に介護休業給付金を活用することで、仕事と介護の両立がしやすくなります。不明な点があれば、事前にハローワークや会社の人事担当者に確認しておくことをおすすめします。
2025年法改正のポイント
2025年4月から、育児介護休業法が改正され、介護離職を防ぐための支援制度が大幅に強化されました。介護休業給付金を利用するうえでも、これらの法改正内容を知っておくことで、より充実したサポートを受けられます。
個別周知と意向確認の義務化
2025年4月から、企業には介護に直面した従業員への個別周知と意向確認が義務付けられました。これにより、労働者が家族の介護が必要になったことを会社に申し出ると、会社は以下の制度について個別に説明し、利用の意向を確認しなければなりません。
周知対象となる制度
- 介護休業
- 介護休暇
- 所定外労働の制限(残業免除)
- 時間外労働の制限
- 深夜業の制限
- 所定労働時間の短縮等の措置
周知や意向確認の方法は、面談(オンライン可)、書面交付、FAX、電子メールなどから選択できます。企業側から積極的に制度を説明してもらえるため、労働者は利用できる制度を把握しやすくなります。
雇用環境整備の義務化
企業は、介護休業や介護両立支援制度を利用しやすい雇用環境を整備することが義務付けられました。以下の4つの措置のいずれかを講じる必要があります。
雇用環境整備の選択肢
- 介護休業・介護両立支援制度に関する研修の実施
- 相談窓口の設置
- 自社の労働者の介護休業取得・介護両立支援制度等の利用事例の収集と提供
- 介護休業・介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知
たとえば、社内研修を実施して管理職や従業員に制度の理解を深めてもらったり、人事部門に専門の相談窓口を設けて気軽に相談できる体制を作ったりすることが求められます。
また、実際に介護休業を取得した社員の事例を共有することで、他の社員も制度を利用しやすくなります。「先輩社員が介護休業を取得して無事に職場復帰した」という事例があれば、安心して制度を利用できるでしょう。
このような環境整備により、介護と仕事の両立がしやすい職場づくりが進められています。
介護休暇の取得要件緩和
これまで、勤続6ヶ月未満の労働者は、労使協定により介護休暇の適用対象外とすることができました。しかし、2025年4月の改正により、この除外規定が廃止されました。
つまり、入社直後であっても、家族の介護が必要になれば介護休暇を取得できるようになったのです。介護休暇は、対象家族1人につき年5日(2人以上の場合は年10日)まで、時間単位や1日単位で取得できます。
突発的な介護ニーズに対応しやすくなったため、通院の付き添いや急な体調変化への対応など、柔軟に休暇を取得できます。ただし、週の所定労働日数が2日以下の労働者については、引き続き労使協定により適用除外とすることが可能です。
法改正が介護休業給付金に与える影響
これらの法改正により、介護休業給付金を利用する環境が大きく改善されました。
制度を知る機会の増加
個別周知や早期情報提供により、介護休業給付金の存在を知る機会が増えます。これまで制度を知らずに介護離職していた方も、事前に情報を得られるようになります。
相談しやすい環境づくり
雇用環境整備により、介護について相談しやすい職場環境が整います。相談窓口があれば、介護休業給付金の申請方法や必要書類について気軽に聞くことができます。
柔軟な働き方の選択肢拡大
テレワークや介護休暇など、介護休業以外の選択肢も広がりました。介護休業給付金を使う93日を有効活用するために、他の制度と組み合わせることで、長期的に仕事と介護を両立できます。
法改正のタイミングで、自分の会社がどのような制度を導入しているのか、どのようなサポートが受けられるのかを確認しておくことをおすすめします。介護が必要になる前に情報を集めておくことで、いざというときに慌てずに対応できるでしょう。
この記事のまとめ
この記事では、介護休業給付金が雇用保険の制度であり、介護と仕事の両立を前提に設計されている点を押さえ、介護休業と介護休暇の違い、受給条件(対象家族・雇用形態)、不支給・減額となる典型例、給付額の計算と上限下限、支給時期(後払い)と申請期限を整理しました。次に、就業規則と休業予定日数、賃金・就労状況、社保・住民税の支払い見通しを確認し、不明点は人事やハローワーク、地域包括支援センター等に早めに相談しましょう。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
関連する専門用語
介護休業給付金
介護休業給付金とは、家族の介護を理由に会社を一時的に休む「介護休業」を取得した労働者に対して、雇用保険から支給される給付金のことです。支給対象となるのは、要介護状態にある家族(配偶者、父母、子、祖父母など)を介護するために休業し、一定の条件を満たした雇用保険加入者です。 給付額は、原則として介護休業開始前の賃金の67%相当(一定期間)であり、最大で通算93日分まで受給することができます。休業中の収入減を補いながら、家族の介護に専念できる制度として整備されており、介護離職を防ぐための重要な支援策の一つです。利用には、事前に事業主を通じて申請手続きが必要となるため、職場との調整や制度の理解が欠かせません。
雇用保険
雇用保険とは、労働者が失業した際に一定期間、給付金を受け取ることができる公的保険制度です。日本では、労働者と事業主がそれぞれ保険料を負担しており、失業給付だけでなく、教育訓練給付や育児休業給付なども提供されます。 この制度は、収入が途絶えた際の生活資金を一定期間補う役割を果たし、資産の取り崩しを抑えるという意味でも、資産運用と補完的な関係にあります。雇用の安定を図るとともに、労働市場のセーフティネットとして重要な位置を占めています。
介護休業
介護休業とは、家族の介護を行うために一定期間、仕事を休むことができる制度のことです。これは育児・介護休業法によって定められており、要介護状態にある家族を支援するための制度です。対象となる家族には、配偶者、父母、子ども、祖父母、兄弟姉妹、孫などが含まれます。介護休業は1人の家族につき通算で最大93日まで取得することが可能で、分割して最大3回まで利用できます。休業期間中は無給であることが一般的ですが、条件を満たす場合には「介護休業給付金」が雇用保険から支給され、所得の一部が補償されます。介護と仕事の両立を支援し、離職を防ぐための重要な制度として位置づけられています。
介護休暇
介護休暇とは、家族の介護や世話をするために、労働者が会社を休むことができる制度のことです。主に、親や配偶者、子どもなど、日常生活を送るうえで支援が必要な家族を一時的に介護する場合に利用されます。日本の労働基準法および育児・介護休業法で定められており、原則として1年度に5日まで(対象家族が2人以上の場合は最大10日まで)取得することができます。この休暇は有給ではなく無給であることが多いですが、会社によっては有給として扱われる場合もあります。介護休暇は、家族の急な体調悪化や介護サービスの手配など、短期間の対応を行う際に役立つ制度です。
要介護状態
要介護状態とは、加齢や病気、障害などによって、日常生活において入浴や食事、排せつ、移動といった基本的な動作を一人で行うことが難しくなり、継続的な介護が必要と判断された状態のことを指します。この判断は、介護保険制度の認定調査と主治医の意見書に基づいて市区町村が行い、「要支援」から「要介護1〜5」までの段階に分けられます。段階が上がるほど介護の必要性が高いことを意味します。この認定を受けることで、介護保険サービスを利用できるようになり、生活支援や介護費用の軽減が可能となります。高齢期の生活設計や医療・保険商品との関係でも重要な概念です。
被保険者期間
被保険者期間とは、公的な社会保険制度(年金・健康保険・雇用保険など)において、個人が被保険者として加入していた期間のことを指します。この期間は、保険料を納めていた期間や、免除を受けていた期間も含まれる場合があります。特に年金制度では、被保険者期間の長さが将来受け取れる年金額や受給資格の有無を決定する重要な要素となります。たとえば、国民年金では10年以上の被保険者期間が必要であり、厚生年金では勤務期間に応じて給付額が増えます。つまり、被保険者期間は「どれだけ長く社会保険に守られていたか」を示すものであり、老後や失業時の保障に大きく影響する重要な指標です。






