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上場廃止になった株はどうなる?投資家が取るべき行動と税金・確定申告の影響を解説
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公開:
2026.09.15
更新:
2026.09.15
保有している株式が上場廃止になると、「売れなくなるのか」「損失は確定するのか」「税金の処理はどうすればよいのか」と不安に感じる投資家は少なくありません。上場廃止にはTOB・MBOのように買付価格が提示されるケースもあれば、経営破綻や上場基準未達により株価が大きく下落するケースもあります。対応を誤ると、売却機会を逃したり、損益通算や確定申告で不利益が生じたりする可能性があります。この記事では、上場廃止の仕組み、監理銘柄・整理銘柄の違い、ケース別の売却判断、税金やNISA口座での注意点まで具体的に解説します。
目次
そもそも上場廃止とは何か
上場廃止とは、証券取引所で株式が売買できなくなる状態を指し、企業そのものが消滅することを意味するわけではありません。仕組みや背景を正しく理解しておけば、保有株が廃止対象となった場合でも冷静に判断できます。
上場廃止の基本的な意味
上場廃止とは、証券取引所で株式の売買ができなくなる状態を意味します。取引所が定めた上場維持基準への抵触や、企業が自主的に上場をやめる判断などが引き金となります。たとえば、東京証券取引所では株主数や流通株式時価総額などの基準を満たさない企業は、原則として上場廃止の対象です。
重要なのは、「市場での売買停止」を意味するだけで、会社そのものが消滅するわけではない点です。株主としての権利は廃止後も引き続き維持されます。
上場廃止と非公開化の違い
上場廃止が「結果」を表すのに対し、非公開化(ゴーイング・プライベート)は「目的」を指す概念です。両者は混同されやすいものの、意味合いがまったく異なります。
| 比較項目 | 上場廃止 | 非公開化 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 取引所での売買が停止される「結果」 | 上場企業が非上場に戻る「目的・選択」 |
| 主体 | 取引所(強制)または企業(自主) | 企業・経営陣 |
| 主な要因 | 上場維持基準の抵触、経営破綻、TOB・MBOなど | MBO、完全子会社化、TOB |
| 株主への影響 | 原因により大きく異なる(プレミアム獲得〜無価値化まで) | プレミアム付き売却の機会となるケースが多い |
| 株価への影響 | 上昇・下落どちらもあり得る | プレミアムが上乗せされ、上昇しやすい |
| 関係性 | 非公開化を含む広い概念 | 上場廃止の一形態 |
具体的には、MBO(経営陣による自社買収)やTOB(株式公開買付)を通じて経営の自由度を高めるため、自ら非公開化を選ぶケースがあります。
一方で、経営破綻や基準抵触により強制的に廃止されるケースも存在します。前者は戦略的な経営判断、後者は投資家保護を目的とした処分という違いがあるのです。
企業が株式を非公開化した場合における、既存の株主への影響はこちらのFAQも参考にしてみてください。
上場廃止企業数の推移
近年、上場廃止銘柄数は増加傾向にあります。2024年は94件、2025年は125件とさらに増え、2025年は過去最多を記録しました。背景には、買収・MBO・完全子会社化の増加に加え、上場維持コストや資本市場改革への対応負担が意識されていることがあります。
- 実際、2025年の上場廃止理由は、他社による買収、支配株主等による買収、MBOが大半を占めています。したがって、上場廃止は経営破綻だけを意味するものではなく、買収や非公開化に伴うケースも多い点を押さえておく必要があります。
上場廃止までの流れと期間
上場廃止は突然訪れるものではなく、監理銘柄への指定から整理銘柄を経て、最終的に上場廃止日を迎える段階的なプロセスをたどります。各段階で取れる行動の幅が異なるため、自分の保有株が現在どの段階にあるかを把握することが重要です。
両者の主な違いは、以下の表のとおりです。
| 項目 | 監理銘柄 | 整理銘柄 |
|---|---|---|
| 廃止の確定 | 未確定(おそれの段階) | 確定済み |
| 売買の可否 | 継続可能 | 原則1か月間のみ可能 |
| 株価への影響 | 上下どちらにも振れる | 大きく下落しやすい |
| 指定後の流れ | 解除または整理銘柄へ移行 | 上場廃止 |
監理銘柄への指定段階
監理銘柄とは、上場廃止基準に該当するおそれがある銘柄を投資家に周知するため、取引所が指定する区分です。「監理銘柄(確認中)」と「監理銘柄(審査中)」の2種類があり、後者は虚偽記載など影響が重大な事象が発覚した場合に指定されます。
- 指定された後も売買は継続できるため、保有株が指定された段階で売却するか保有を続けるかを判断できます。なお、TOBやMBOによる指定では買付価格に近い水準で株価が推移する一方、経営破綻が要因の指定では株価が急落する傾向があります。
整理銘柄への指定段階
整理銘柄とは、上場廃止が正式に決定した銘柄を投資家に周知するための区分です。通常は上場廃止日まで一定の売買機会が設けられますが、上場維持基準の経過措置終了に伴う基準未達のケースでは、改善期間を経た後、監理銘柄・整理銘柄として原則6か月間指定されたうえで上場廃止となる場合があります。
1か月という期間は、投資家が売却機会を確保できるように配慮された制度設計です。
- ただし、整理銘柄期間中は流動性が低下し、値幅制限が緩和されるケースもあるため、株価が乱高下しやすい点に注意が必要です。短期売買を狙ったマネーゲームに巻き込まれないよう、慎重な判断が求められます。
上場廃止日と最終売買日について
最終売買日とは、市場で売買できる最後の取引日のことで、上場廃止日の前営業日に設定されます。上場廃止日当日には取引所で売買できない状態となるためです。たとえば、上場廃止日が3月31日(月)に設定された場合、最終売買日は3月28日(金)となります。
なお、株式交換による完全子会社化など、対価として別の上場株式が交付される場合は、整理銘柄に指定されることなく上場廃止となるケースもあります。この例外パターンでは、最終売買日の取り扱いも個別に確認が必要です。
上場廃止になる主な理由
上場廃止には、企業自らが選択する自主的なケースと、取引所のルール抵触により強制されるケースがあります。原因によって株主が取れる選択肢が大きく変わるため、まずは自分の保有株がどの理由で廃止されるのかを特定することが重要です。
企業が自ら廃止を選んだとき
経営判断として企業が自ら上場をやめる選択を取るパターンでは、多くの場合株主にとってプレミアム付きの売却機会となります。買収側が株主から株式を集めるために、市場価格を上回る価格を提示する仕組みが背景にあるためです。
TOBで買収されたとき
TOB(株式公開買付)とは、買収を希望する企業や投資ファンドが、市場外で株主から直接株式を買い付ける手法のことです。
通常、買付価格には市場価格を20~40%程度上回るプレミアムが付与されるため、応募することで利益を得られる可能性が高まります。応募するか市場で売却するかは、手取り金額と確実性を比較して判断することになります。
MBOで非公開化するとき
MBO(マネジメント・バイアウト)とは、経営陣が自社の株式を買い取り、上場を廃止して経営の自由度を高める手法を指します。
近年では、2023年に大正製薬HDやベネッセHD、2025年にトプコンといった大型MBOが相次いで実施されました。
MBOの仕組みに関しては、こちらの記事も参考にしてみてください。
完全子会社化・合併のとき
親会社による完全子会社化や、他社との合併で消滅会社となった場合も、上場廃止の主要因の一つに数えられます。
この場合、対価として現金ではなく親会社や存続会社の株式が交付される「株式交換」が用いられることもあり、新株を受け取った株主は廃止後も投資を継続できる仕組みです。
取引所基準に抵触したとき
取引所のルールに基づき、投資家保護の観点から強制的に実施される上場廃止のパターンも存在します。このケースでは、株主にとって損失リスクが高い類型となるため、早期の情報収集と判断が求められます。
上場維持基準を満たさないとき
東京証券取引所は、株主数・流通株式時価総額・流通株式比率などの上場維持基準を定めており、これを満たせない企業は上場廃止の対象となります。
2022年4月の市場再編で基準が厳格化されたものの、改善計画を提出すれば一定期間の猶予が認められる仕組みも残されています。基準未達が、ただちに上場廃止につながるわけではない点は押さえておきましょう。
虚偽記載が発覚したとき
有価証券報告書の虚偽記載や粉飾決算が発覚した場合、影響が重大と判断されると「監理銘柄(審査中)」に指定され、最終的に上場廃止となるおそれがあります。投資家保護を目的とした処分のため、判明から廃止までの期間が短いケースも珍しくありません。粉飾の規模や悪質性によっては、訴訟や刑事責任に発展する事例もあります。
経営破綻・債務超過のとき
民事再生・会社更生・破産手続きの開始申立てや債務超過の継続により、上場廃止に至るケースもあります。これらは100%減資が実施される典型例で、既存株主の持分はゼロとなる結末を迎えるのが一般的です。
最も警戒すべき類型であり、整理銘柄期間中の早期売却判断が問われる場面となります。
上場廃止で株はどうなる?ケース別に整理
上場廃止になっても、株式が直ちに無価値となるわけではなく、原因によって保有株の価値は大きく異なります。TOBやMBOによる廃止と経営破綻による廃止では結末がまったく違うため、自分のケースを正しく把握しましょう。
株主権は廃止後も残る
上場廃止になっても株式そのものは消滅せず、議決権や配当請求権などの株主権は維持されます。上場廃止は「市場での売買停止」を意味するのみで、会社が存続している限り株式は権利として有効だからです。
- 具体的には、株主総会で議決権を行使する権利、配当を受け取る権利、残余財産の分配を受ける権利などが廃止後も継続します。「上場廃止=株式が無価値」という誤解は根強いですが、企業が事業を継続する限り、株主としての立場は変わりません。
上場廃止された株はどうなるのかに関しては、こちらのFAQも参考にしてみてください。
TOB・MBOでは高値で売れる可能性がある
TOBやMBOによる上場廃止では、発表前の市場価格にプレミアムを上乗せした買付価格が提示されるケースがあります。もっとも、投資家自身の取得単価によっては、買付価格が市場価格を上回っていても損失になる可能性があります。提示価格だけでなく、自分の取得価額、手数料、税金を含めた手取り額で判断することが大切です。
- たとえば、市場価格1,000円の株式に対して30%のプレミアムが付き、1,300円で買付けが行われるケースもあります。さらに、TOB成立後にスクイーズアウト(少数株主の強制買取)が実施された場合、応募しなかった株主もTOB価格と同水準で強制的に現金化される仕組みです。
発表前の株価より有利な価格で売却できる可能性はありますが、すべての株主が利益を得られるとは限りません。取得単価が高い場合や、過去の高値圏で購入していた場合は、TOB価格で売却しても損失が残ることがあります。
TOB・MBOが株価に与える影響はこちらの記事でも詳しく解説しています。
経営破綻では株価が暴落する
経営破綻が原因の上場廃止では、整理銘柄期間中に株価が急落し、ほぼ無価値に近い水準まで下がるケースが一般的です。投資家が損失回避のため一斉に売却に動き、流動性が低下することで売り注文が買い注文を大きく上回るためです。
- 過去には民事再生手続き開始の発表後、整理銘柄期間中に株価が1桁円台まで下落した事例も少なくありません。この段階では、1円でも高く売却することが現実的な対応となり、保有を続けるメリットはほぼないと判断されます。
破産すると株が無価値(紙くず)になる
破産手続き開始や清算結了により、株式は実質的に無価値(紙くず)となります。会社更生法や民事再生法に基づく100%減資が実施されると、既存株主の持分はすべて消滅するためです。
具体的な無価値化事由には、破産手続き開始の決定、再生計画認可後の100%減資、清算結了などが含まれます。これらに該当した場合、保有株は1円の価値も持たなくなるものの、後述する「みなし譲渡損失の特例」を活用すれば、税務上の損失として計上できる可能性が残されています。
廃止後は口座から抹消される
上場廃止後の株式は、ほふり(証券保管振替機構)での取扱いが廃止されると、原則として証券会社の口座から払い出されます。最終売買決済日の翌営業日が「ほふり」での取扱廃止日となるのが通常の運用で、それ以降は発行会社の株主名簿で株主管理が行われます。
ただし、解散・民事再生手続き開始・会社更生手続き開始の申立てが原因で、発行会社が「ほふり」の所定要件を満たした場合のみ、取扱いが継続される仕組みです。
上場廃止株の売却方法
上場廃止が決まった株式を売却する方法は、廃止のタイミングや状況によっていくつかの選択肢に分かれます。市場での売却が最も確実ですが、TOBへの応募や廃止後の相対取引といった代替手段もあり、状況に応じた使い分けが必要です。
整理銘柄期間中の市場売却
最も一般的な売却方法は、整理銘柄に指定されている期間中に、証券会社を通じて市場で売却することです。ただし、売買可能な期間は上場廃止の理由や制度上の取扱いによって異なるため、JPXや証券会社が公表する最終売買日を必ず確認する必要があります。
- ただし、整理銘柄期間中は売り注文が殺到し、取引が成立しにくくなる場面が頻発します。さらに、東京証券取引所はその都度指定した銘柄について値幅制限を撤廃する場合があり、想定外の安値で約定するリスクも生じます。早期に発注するほど有利な価格で売却できる傾向があるため、廃止理由を見極めたうえで速やかに動くことが大切です。
TOBへの応募で売却
TOBが実施されている銘柄では、買付期間内に証券会社を通じて公開買付に応募することで、提示された価格で売却できます。応募には公開買付代理人として指定された証券会社の口座が必要となるため、保有口座と異なる場合は事前に株式の移管手続きが求められます。
判断のポイントは、市場売却とTOB応募のどちらが手取り金額で有利かという点です。
| 比較項目 | 市場売却 | TOB応募 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 買付価格にやや近い水準(TOB価格には届かない) | 買付価格ちょうど |
| 換金スピード | 即時換金が可能 | 買付期間終了後の決済を待つ必要あり |
| 手続き | 保有口座から通常の売却注文で完結 | 公開買付代理人の口座が必要(移管手続きが発生する場合あり) |
| 手数料 | 通常の売買手数料が発生 | 無料の証券会社が多い |
| 向いている人 | 即時に換金したい人 | 手数料を考慮しても買付価格で確実に売却したい人 |
TOB発表後の市場価格は買付価格にやや近い水準で推移するものの、ぴったりTOB価格には届かないのが通常です。手数料を考慮しても買付価格で確実に売却したい場合はTOB応募、即時に換金したい場合は市場売却を選ぶとよいでしょう。
TOB・MBOの違いに関しては、こちらのFAQで詳しく解説しています。
上場廃止後の相対取引
上場廃止後は取引所での売買ができなくなるため、相対取引や発行会社への買取請求という手段が残されます。相対取引とは、買い手を個別に見つけて売買契約を結ぶ取引方法のことです。
- 実際には買い手を探すのが極めて困難で、価格交渉も難航するため、換金性は著しく低くなります。発行会社への買取請求も、応じる義務は原則としてなく、確実に売却できる保証はありません。
さらに、未上場株の譲渡は税務上「非上場株式」として扱われ、上場株式との損益通算もできない点に注意が必要です。廃止前の市場売却を逃すと、現金化は事実上難しくなる点を理解しておくべきでしょう。
単元未満株の買取請求
整理銘柄や監理銘柄に指定された銘柄は、証券会社の単元未満株サービスの取扱対象から外れるケースがあります。単元未満株とは、通常の取引単位(100株など)に満たない株式のことを指します。
このような株式を換金するには、発行会社の株主名簿管理人を務める信託銀行などに対し、買取請求を行う必要があります。手続きは銘柄ごとに異なり、所定の請求書類の提出や本人確認が求められるのが一般的です。
上場廃止となった株を売却すべきか持ち続けるべきか
保有株が上場廃止になった場合、売却すべきか保有を続けるべきかは、廃止の原因と自分の投資目的によって判断が分かれます。一律に「とりあえず売却」と決めつけるのではなく、冷静に状況を見極めることが重要です。
すぐ売却すべきケース
経営破綻・債務超過・虚偽記載などネガティブ要因による廃止では、整理銘柄期間中の早期売却が合理的です。時間経過とともに売り注文が積み上がり、株価が下落していく傾向が見られるためです。
- 具体的には、民事再生手続き開始や破産手続き開始の申立てが公表された銘柄では、整理銘柄期間中に株価が10分の1以下にまで下がる事例も少なくありません。
さらに、ほふりでの取扱いが廃止される最終売買決済日以降は、現金化の手段が事実上ほぼ失われます。判断を先送りすると損失が拡大するだけのため、ためらわず売却に踏み切るのが賢明と言えるでしょう。
保有継続を検討できるケース
TOB価格に不満がある場合や、株式交換で存続会社の株式を受け取れる場合は、保有を継続する選択肢も成り立ちます。TOBに応じなくても、後述するスクイーズアウトでTOB価格と同水準の現金が交付されるためです。
- たとえば、株式交換による完全子会社化では、廃止後も親会社の株主として配当や値上がり益を享受できる可能性があります。ただし、少数株主として残った場合、流動性が枯渇して売却したくても売却できないリスクが伴う点に注意が必要です。配当方針や親会社の経営戦略が変更されるリスクも考慮したうえで、判断する姿勢が求められます。
スクイーズアウトの注意点
TOB成立後に買収側が議決権の90%以上を取得すると、特別支配株主による株式等売渡請求(スクイーズアウト)が実施され、残存株主は強制的に現金化されます。応募しなかった株主も結局は同水準の価格で買い取られるため、TOBに応募しない判断が必ずしも有利になるとは限りません。
なお、90%に届かない場合でも、株主総会の特別決議(議決権の2/3以上)で株式併合などを通じてスクイーズアウトが実施されるケースもあります。スクイーズアウト価格に不服がある場合は、裁判所に対する売買価格決定の申立てによって価格を争う制度もあるものの、手続きが長期化しやすく現実的ではありません。
株価変動リスクへ対処する方法
整理銘柄期間中の短期売買は、株価が乱高下するマネーゲームに発展しやすく、投資初心者は手を出さないのが賢明です。値幅制限が撤廃される場合があり、想定外の安値で約定するリスクが大きく高まるためです。
たとえば、過去には整理銘柄期間中に株価が数十円から数円台へ短時間で急落した事例も観測されています。保有株を売却する場合は、寄付き直後など流動性が比較的高い時間帯に指値で発注し、成行注文を避けるのが基本的な対処法です。短期的な値動きで利益を狙うのではなく、確実な現金化を優先する姿勢が求められます。
保有している株が上場廃止になったときの税金と確定申告
上場廃止された株式の税務処理は、口座種別と廃止理由によって取扱いが大きく変わります。特定口座任せにすると申告漏れや特例の適用漏れが起きやすいため、自分のケースに合った対応を理解しておくことが欠かせません。
特定管理口座への移管手続
特定口座で保有していた株式が上場廃止になる場合でも、税務上の特例を受けるには、同じ証券会社で特定管理口座を開設し、対象株式が所定の要件を満たした状態で管理されている必要があります。
特定管理口座が未開設の場合や、必要な手続きが間に合わない場合は、特例の対象外となる可能性があるため、上場廃止の見込みが出た段階で証券会社に確認しましょう。
- ただし、上場廃止日までに特定管理口座を開設していないと、自動移管が行われず一般口座扱いとなる場合があります。証券会社によっては最終売買日の前営業日までに口座開設手続きを終える必要があるため、廃止の見通しが立った時点で早めに確認しておきましょう。
一般口座で株式を購入し、売却益を得た場合は確定申告が必要です。詳しくは、こちらのFAQも参考にしてみてください。
みなし譲渡損失の特例
みなし譲渡損失の特例とは、破産など一定の事実によって株式の価値が失われた場合に、その損失を上場株式等の譲渡損失とみなして申告できる制度です。ただし、対象となるのは特定管理口座または特定口座で管理されていた株式などに限られ、確定申告時には証券会社から交付される証明書類などが必要です。
価値喪失証明書の取得方法
「価値喪失株式に係る証明書」は、特定管理口座で保管されていた株式が無価値化した際に、証券会社から株主へ交付される書類です。発行条件には、破産手続き開始の決定・再生計画認可後の100%減資・清算結了・特別危機管理開始決定などが該当します。
確定申告の際には、この証明書を申告書に添付(または提示)し、損失額を申告分離課税の譲渡損失として計上する流れです。
適用要件と注意点
特例の適用には3つの必須要件があります。
みなし譲渡損失の適用要件
- 上場廃止前から特定口座で保管されていた株式であること
- 廃止後も同じ証券会社の特定管理口座で継続管理される状態であること
- ほふりでの取扱いが継続されている銘柄であること
要件のいずれかを欠いた場合、無価値化した時点で証明書が発行されず、特例の適用が認められなくなります。
損益通算と繰越控除
みなし譲渡損失は、ほかの上場株式等の譲渡益や上場株式等の配当所得と損益通算できます。さらに、損益通算で控除しきれなかった金額は、翌年以降最大3年間の繰越控除も可能です。
繰越控除を受けるためには、損失が発生した年だけでなく、繰越期間中の各年についても連続して確定申告を行う必要があります。1年でも申告を怠ると繰越が打ち切られるため、空白の年を作らないよう注意しなければなりません。
TOB後の譲渡益の申告漏れに注意
TOB成立後に上場廃止となった株式を買付者などに買い取られた場合、その取引は上場株式の市場売却ではなく、証券会社を通さない相対取引として扱われます。
- そのため、特定口座内で損益計算されず、他の上場株式等との損益通算や繰越控除もできません。申告漏れを防ぐため、買取代金の通知や取得価額の資料を確認し、必要に応じて確定申告を行う必要があります。
国税庁が2023年6月に公表したサンプル調査では、対象379件のうち199件で申告漏れが見つかり、追徴税額は7,258万円、1件当たり平均36万円に上りました。
なかには1億8,216万円の譲渡益が無申告となり、追徴税額3,151万円が課された事例も含まれています。国税庁は今後、無申告者に対して積極的に調査を行う方針を示しており、特定口座任せにできない盲点として強く警戒すべきポイントです。
一般口座保有時の留意点
一般口座で保有していた株式が無価値化した場合、みなし譲渡損失の特例は適用されず、損益通算や繰越控除も認められません。特例の対象は、あくまで上場廃止前に特定口座で保管されていた株式に限られるためです。
廃止リスクのある銘柄を一般口座で保有している場合は、無価値化する前に特定口座へ移管できるか確認しておきましょう。
NISA口座保有時の扱い
NISA口座で保有していた株式が上場廃止になった場合、最大の注意点は、NISA口座内で生じた損失を税務上利用できないことです。課税口座で保有している株式と異なり、他の上場株式等の利益との損益通算や、損失の繰越控除はできません。
上場廃止後に金銭交付や買取が発生する場合は、NISA口座内の損失とは切り離して、申告要否を確認する必要があります。
NISA特有の落とし穴として、損失を税制上活用できない点が挙げられます。スクイーズアウト後の金銭交付では非上場株式の譲渡として扱われ、確定申告が必要になるケースもあります。TOB対象銘柄をNISA口座で保有している場合は、特に注意が必要です。
NISA制度の概要に関しては、こちらの記事をご覧ください。
2026年の上場廃止リスク動向
2025年3月1日以後に到来する基準日から、本来の上場維持基準が適用されています。基準に適合しない企業は、原則1年間の改善期間に入り、期間内に基準を満たせなければ、監理銘柄・整理銘柄として原則6か月間指定された後に上場廃止となる可能性があります。2026年以降は、経過措置終了の影響が実際の上場廃止リスクとして表れやすい局面です。
経過措置終了のスケジュール
2025年3月1日以降に到来する基準日から、本来の上場維持基準が全面適用されています。3月期決算企業の場合、2025年3月末の判定で基準未達となった企業は、2025年4月から1年間の改善期間に入る仕組みです。
改善期間内に基準を満たせなければ、2026年3月末に監理銘柄、その後整理銘柄へ指定され、2026年10月1日に上場廃止となります。3月期決算以外の企業も、各社の決算月に応じて順次同じスケジュールが適用されるため、決算月のずれを意識した確認が欠かせません。
上場維持基準と未達企業数
東京証券取引所が公表している「改善期間該当銘柄一覧」によれば、2026年2月時点で改善期間に該当する銘柄は109社に上ります。市場別の内訳はプライム28社、スタンダード52社、グロース29社で、特にスタンダード市場の比率が高いのが現状です。
不適合となる主な基準は、流通株式時価総額・流通株式比率・時価総額(グロース)が中心です。自分が保有する銘柄が該当しているかは、日本取引所グループ(JPX)の公式サイトで随時確認できます。
投資家への影響と対処
廃止リスク銘柄を保有している投資家は、企業の改善計画の進捗・MBOやTOBの可能性・他市場への上場変更計画などを冷静に確認することが重要です。改善計画の進展次第で監理銘柄指定が解除されるケースもあり、慌てて売却すると判断ミスにつながりかねません。
一方で、改善見込みが乏しい銘柄では早期売却を検討する価値があります。情報源としては、企業のIR・適時開示・東証の改善期間該当銘柄一覧を組み合わせて、定期的にウォッチする姿勢が求められます。
上場廃止となった株式に関する留意点
上場廃止に関しては、誤解されやすいポイントや見落とされがちな注意点が複数あります。ここまで解説してきた内容のうち、特に押さえておくべき要点を改めて整理します。
上場廃止でも株主権は残る
上場廃止後も、議決権・配当請求権・残余財産分配請求権といった株主としての権利は維持されます。市場での売買ができなくなるだけで、企業が事業を継続している限り株式そのものは有効です。「廃止=即無価値」という誤解は捨てて、まずは廃止理由を確認しましょう。
再上場は可能だが審査は厳格
上場廃止となった企業も、所定の基準を満たせば再上場できます。実際にスカイマークが2022年12月に東証グロース市場へ再上場した事例もあるものの、新規上場と同等以上の厳格な審査が課されるのが原則です。特にMBO後の再上場では、MBOと再上場の関連性などが追加で問われます。
一般口座は損失計上が不可
一般口座で保有していた株式が無価値化しても、税法上の譲渡損失として認められず、損益通算や繰越控除はできません。
みなし譲渡損失の特例の対象は、特定口座・特定管理口座で保管されていた株式に限定されています。廃止リスクのある銘柄は、無価値化前に特定口座へ移管できるか確認しておくことが大切です。
信用取引は決済期日が発生
信用取引で保有しているポジションは、上場廃止の決定により決済期日が設定され、強制的に決済される場合があります。現物株式と異なり、整理銘柄期間中に反対売買か、現引き・現渡しによる決済を選ぶ必要が生じます。
信用取引特有の対応が求められるため、保有状況を早めに確認しておきましょう。
NISA株は払出時時価で評価する
NISA口座保有株は上場廃止に伴い課税口座へ払い出され、その時の時価が新たな取得価額となります。NISA特有の非課税メリットが廃止と同時に失われ、口座内で生じた損失は税務上ないものと扱われるため、損益通算もできません。TOB対象銘柄をNISA口座で保有している場合は特に意識すべきポイントです。
TOB後売却は申告漏れに注意
TOB成立後の上場廃止株の買取は、特定口座での損益計算対象外となり、株主自身による確定申告が必要です。国税庁は積極的に調査する方針を示しており、特定口座任せの感覚で放置すると追徴課税のリスクが生じます。買取代金の通知が届いた段階で、申告の要否を必ず確認しましょう。
保有している株が上場廃止となるリスクへの備え方
上場廃止リスクへの備えは、廃止が決まってから動くのではなく、平時から情報収集と対策を講じておくことが重要です。早期に兆候をつかめば、選択できる対応の幅が広がり、損失を最小限に抑えやすくなります。
IR情報を継続的に確認する
企業のIR情報・適時開示・取引所発表を継続的に確認することで、上場廃止につながる兆候を早期に把握できます。業績悪化・債務超過・改善計画の進捗遅延などのシグナルは、決算短信や臨時報告書、適時開示で随時公開されているためです。
監理銘柄に指定される前の段階で異変に気づければ、TOBへの応募や早期売却など取れる選択肢が広がります。少なくとも四半期決算のタイミングでは、保有銘柄の開示情報を一通り目を通す習慣をつけると安心です。証券会社の銘柄詳細画面や、日本経済新聞をはじめとした経済メディアも併用すると、より漏れがなくなります。
監理銘柄の一覧を定期的にチェックする
日本取引所グループ(JPX)の公式サイトでは、監理銘柄・整理銘柄の一覧が随時更新されています。自分の保有銘柄が含まれていないか、月1回程度の頻度でセルフチェックする習慣を持つと安心です。
JPX公式サイトでは、指定理由を記した詳細PDFも閲覧できます。指定理由を読み込めば、TOBによる前向きな指定なのか、業績悪化による懸念ありの指定なのかを判別でき、次に取るべき行動も判断しやすくなるでしょう。証券会社によっては、保有銘柄が指定された際にアラートを通知してくれるサービスも提供されています。
上場維持基準の達成状況を把握する
東京証券取引所が公表している「改善期間該当銘柄一覧」では、上場維持基準に未達となり改善期間に入っている企業の名前が公表されています。プライム・スタンダード・グロース各市場の対象銘柄が一覧化されており、自分の保有銘柄の状況を確認しやすくなっています。
特に、2026年は経過措置の終了を受けて廃止が現実化する節目の年です。3月期決算企業を中心にウォッチ対象を絞り込み、改善計画の達成期限や市場変更の検討状況など、企業ごとの進捗を追う姿勢が大切です。
専門家に相談して判断を仰ぐ
税務処理や売却タイミングの判断が複雑なケースでは、税理士や中立的なFPまたはIFAへの相談が有効です。みなし譲渡損失の特例の適用要件確認や、TOB後の確定申告対応など、自己判断では誤りやすい論点が数多く存在します。
判断に迷いが残る場合は、早めに専門家へ相談するのが安心です。
この記事のまとめ
上場廃止の基本的な仕組みや主な理由、監理銘柄・整理銘柄の違い、上場廃止前後に株主が取れる対応を整理しました。上場廃止といっても、TOBやMBOにより一定の価格で売却できる場合と、経営破綻などで大きな損失につながる場合では、取るべき行動が異なります。また、売却損が出た場合の損益通算や確定申告、NISA口座で損失が税務上使えない点にも注意が必要です。まずは保有株がどの理由で上場廃止になるのか、証券会社や取引所の情報を確認し、不安が残る場合は税理士や投資の専門家に相談しながら対応を進めましょう。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
関連する専門用語
上場廃止
上場廃止とは、証券取引所で売買できた株式が市場から外れ、公開の場で取引できなくなることです。原因は二つに分かれます。自主的上場廃止は、経営陣がTOBやMBOで株式を買い集め、非公開化して経営の自由度を高めたい場合などに選択されます。一方、強制的上場廃止は、連続債務超過や時価総額・株主数の基準割れ、有価証券報告書の虚偽記載など、取引所ルールに違反したときに適用されます。 廃止決定後は通常約1か月「整理銘柄」に指定され、その間のみ売買が可能ですが値幅制限が厳しく、流動性も低下します。廃止日を過ぎると市場での売却はできず、TOBによる買い取りや店頭での相対取引が主な出口となるため、希望価格で現金化しにくくなります。株価は発表直後に急変動しやすいので、整理ポスト入りしたら取引期限、TOB価格、スクイーズアウト(少数株主の強制売却)の有無を早めに確認し、対処方針を固めることが重要です。確定した損失は譲渡損として申告し、税金を軽減できる場合もあるため、税務上の取り扱いも併せてチェックしましょう。
非公開化
非公開化とは、上場企業が株式市場から自社の株式を引き上げ、一般投資家が株を売買できない状態にすることを指します。これは「株式の上場廃止」とも言われ、通常は経営陣や特定の投資ファンド(例:プライベート・エクイティ・ファンド)が全株式を取得し、企業を非公開にします。非公開化の目的には、経営の自由度を高める、短期的な株価に左右されずに中長期の成長戦略を実行する、買収リスクの回避、コスト削減などがあります。 非公開になった企業は、株主向けの情報開示義務が減る一方で、資本市場からの資金調達は難しくなります。
TOB(株式公開買付)
特定の企業の株式を、市場取引ではなく公開の場で株主から直接買い付ける方法です。買付期間や価格、予定株数などを事前に公表し、投資家は提示条件を踏まえて売却を検討します。 通常、市場価格より高めに買付価格が設定されることで既存株主に売却を促すインセンティブが働き、買収成立を目指すのが一般的です。 買収後の経営方針や企業価値向上策などを明確に示すことで、投資家や市場の理解を得やすくなります。ただし、敵対的TOBの場合は経営陣や他の大株主との対立に発展することもあります。
株式交換
株式交換とは、親会社となる企業が自社の株式を対価として対象会社の発行済株式をすべて取得し、対象会社を支配することで、グループ企業を形成・再編する方法です。主に、M&Aの手段やホールディングス化を目指すために行われます。株式交換のメリットとしては親会社は自社株式を発行するだけでよいので買収資金が不要であることや、買収した後も対象企業は別法人という扱いになるので早急な経営統合を行う必要がないことなどがあります。 一方でデメリットとしては、自社株式を新規に発行するため、既存株主の持ち分が希薄化する可能性があります。また、親会社の1株当たりの利益が減少して市場評価が下がり株価が減少するリスクがあることや、親会社の株主構成が変化することなどが挙げられます。
上場維持基準(継続上場条件)
上場維持基準(継続上場条件)は、市場の流動性・財務健全性・情報開示の透明性を確保するために各証券取引所が設けるルールであり、基準を外れた企業は改善計画の提出と猶予期間を経ても回復できなければ上場廃止となります。 東京証券取引所のプライム市場では、流通株式比率35%以上と流通株式時価総額100億円以上などの数値要件が本則として定められています。移行経過措置は2025年12月末で終了し、それ以降は本来基準のみで判定されます。さらに、2025年4月期決算から英文での同時開示が必須となり、2025年までに女性役員を少なくとも1人、2030年までに役員の30%以上を女性とする目標も盛り込まれています。現時点で2030年以降にプライム市場の数値要件を追加で引き上げる計画は公表されていません。 一方、同取引所のグロース市場では見直し案が示されており、上場から5年を経過した企業に対して時価総額100億円以上を求める新基準を2030年に適用する方針が協議されています。これにより、現行の「上場10年経過後に時価総額40億円以上」という基準が大幅に引き上げられる見込みです。 米国では、ニューヨーク証券取引所とナスダック市場の双方が最低株価1ドルを共通の下限としています。ニューヨーク証券取引所はこれに加えて公開株主数400人以上などの要件を課し、ナスダックは公開株の時価総額500万ドルから1,500万ドルの範囲で区分ごとに基準を定めています。2024年から2025年にかけては、頻繁な逆株式分割による形式的な株価引き上げや聴聞猶予を利用した長期延命策が抑制され、基準未達の企業が上場を継続しにくくなる方向でルールが改正されました。 ロンドン証券取引所では2024年に制度改正が行われ、フリーフロート要件が25%から10%へ緩和される一方で、取締役会の独立性や情報開示の質を重視する原則主義に移行しています。デュアルクラス株も容認されましたが、適時開示と実質的な市場規模に対する審査はむしろ厳格化されています。 取引所によって数値や重点項目は異なるものの、投資家保護と市場の公正性を維持するという目的は共通です。国際分散投資を行う際には各市場の維持基準や改定スケジュール、企業の適合状況を確認し、流動性変化や上場リスクを把握することが重要です。
監理銘柄
監理銘柄とは、証券取引所が上場企業に対して「このままでは上場廃止になる可能性がある」と判断した場合に、その株式に対して一時的に指定する銘柄区分です。この指定は、企業に何らかの重大な問題が発生しており、投資家に注意を促す必要があると判断されたときに行われます。たとえば、有価証券報告書の未提出や提出遅延、債務超過、継続企業の前提に疑義がある場合、不正会計や粉飾決算が明らかになったとき、株主数や流通株式比率などの上場維持基準を満たしていないとき、あるいは会社更生や民事再生手続きの申立てがなされたときなどが代表的な理由です。 監理銘柄に指定されると、企業の株式は投資家から強い警戒対象となり、株価が大きく下落したり、売買が急激に減少することがあります。ただし、この段階ではまだ上場廃止が確定しているわけではなく、企業には一定の猶予期間が与えられ、必要な改善策を講じたり、取引所に対して説明責任を果たすことで、監理指定が解除される可能性もあります。 東京証券取引所では、監理銘柄には2つの区分があり、まず「監理銘柄(確認中)」として事実関係の調査が行われ、その後「監理銘柄(審査中)」に移行して上場廃止に該当するかどうかの判断が進められます。そして、改善がなされない、または基準を満たさないと判断された場合には、「整理銘柄」として指定され、原則としておよそ1か月間の最終取引期間を経て上場廃止となります。 監理銘柄に指定されると、株価の急落に加えて流動性が低下し、売買が難しくなるほか、信用取引の規制や証券会社による担保評価の引き下げなども発生することがあります。そのため、監理銘柄は投資家にとって非常にリスクの高い状態を示すものであり、指定された企業の情報開示や再建姿勢を注意深く見極める必要があります。監理銘柄は単なる警告ではなく、上場廃止の一歩手前という重大なシグナルであることを理解し、慎重な対応が求められます。




