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金利と債券の関係とは?価格が逆に動く理由・利回り・デュレーションと投資判断を解説
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公開:
2026.10.22
更新:
2026.10.22
金利上昇のニュースを受けて、保有する債券や債券投資信託の評価額が下がり、不安を感じている人も多いでしょう。「金利が上がると債券価格は下がる」と理解していても、仕組みが分からなければ、売却や追加購入の判断を誤る可能性があります。この記事では、既発債と新発債の関係から、利回り、イールドカーブ、デュレーションまでを具体例で解説し、個別債券・債券投資信託・外債への影響を整理します。
目次
金利と債券の関係とは
金利と債券の関係は、一方が上がればもう一方が下がる「シーソー」の関係です。市場金利が上昇すれば既発債(すでに発行されている債券)の価格は下がり、市場金利が低下すれば既発債の価格は上がります。

この関係は債券投資のもっとも基本的な原則であり、債券投資信託の基準価額が金利ニュースで動くのも同じ理由です。
金利が上がると債券価格は下がる
市場金利が上がると、すでに発行されている債券の価格は下がります。既発債は発行時に利率が固定されているため、より高い利率の新しい債券と比べて魅力が落ちるからです。
- たとえば、市場金利が2%から3%に上がったとします。年2%の利息しか受け取れない既発債は、年3%の新発債と同じ条件で売れません。買い手がつく水準まで価格を下げる必要があり、その結果として評価額が下落します。
出典:日本証券業協会「個人向け社債の特徴やリスク、価格情報の入手方法」
金利が下がると債券価格は上がる
逆に市場金利が下がると、既発債の価格は上がります。新しい債券の利率が低くなるため、高い利率が固定された既発債の希少性が増すからです。
市場金利が2%から1%に下がった場合、年2%の利息を生む既発債は新発債より有利になります。この「お得さ」の分だけ価格に上乗せ(プレミアム)がつき、保有者は値上がり益を得られる可能性があります。
金利上昇が債券投資家に必ず不利とは限らない
金利上昇は、債券投資家にとって必ずしも悪い材料ではありません。すでに保有している債券には価格下落要因ですが、これから購入する債券では高い利回りを得やすくなるからです。
債券投資信託についても同様の見方ができます。金利上昇の直後は基準価額が下がりますが、ファンドは満期を迎えた債券や売却した債券を、より利回りの高い債券へ入れ替えていきます。時間の経過とともに受け取る利息収入が増えるため、長期で見れば金利上昇がプラスに働く局面もあるのです。
- 「金利上昇=債券は全面的に不利」と単純化せず、保有中の債券と新規購入の債券を分けて考えることが大切です。
債券の投資方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。
なぜ金利が上がると債券価格は下がるのか
金利が上がると債券価格が下がる理由は、既発債の利率が固定されている一方で、新発債の利率は市場金利に合わせて変わるからです。両者は市場で常に比較されており、条件の劣る既発債は価格を下げなければ買い手がつきません。
この仕組みは、数字を使って追いかけると納得しやすくなります。ここでは「額面100円・残存期間5年・年2%」の債券を例に、市場金利が動いたときの理論価格を計算していきましょう。
既発債と新発債を比較すると分かりやすい
債券の価格変動を理解するうえで大切なのは、動いているのが「すでに持っている債券」の価格だという点です。新発債は市場金利に合わせた利率で発行されるため、額面どおりの100円前後で買えます。
- 一方、既発債の利率は発行時に決まっており、途中で変わりません。市場金利が動くたびに新発債との条件差が生まれ、その差を埋める形で既発債の価格が調整されます。金利上昇局面で評価損が出ているのは、この調整が保有債券に起きているためです。
金利2%から3%へ上昇した場合
額面100円・残存5年・年2%の債券を保有しているとします。市場金利が3%に上がると、この債券の理論価格は約95.4円まで下がります。
理由は、新発債なら年3円の利息を受け取れる環境で、年2円しか生まない既発債を100円で買う人はいないからです。5年間で受け取る利息の差は合計5円です。この差を価格で埋め、投資家が年3%の利回りを得られる水準まで価格が下がります。
理論価格は「将来受け取る利息と額面を、市場金利で現在の価値に割り引いた合計」で計算します。この債券なら、5年分の利息10円と額面100円を年3%で割り引くと約95.4円です。
金利2%から1%へ低下した場合
同じ債券で市場金利が1%に下がった場合、理論価格は約104.9円まで上がります。新発債では年1円しか受け取れないのに、この債券なら年2円受け取れるからです。
5年間で5円多く利息をもらえる分が価格に反映され、額面を上回る水準で取引されます。額面100円で買っていた人がこの時点で売却すれば、約4.9円の値上がり益を得られる計算です。
| 市場金利 | 理論価格(額面100円・残存5年・年2%) | 額面との差 |
|---|---|---|
| 1% | 約104.9円 | +4.9円 |
| 2% | 100円 | ±0円 |
| 3% | 約95.4円 | -4.6円 |
債券価格は市場の利回りに合わせて調整される
債券市場では、価格そのものより「利回り」が取引の基準になっています。価格の変動は、既発債の利回りを市場の実勢水準に合わせるための調整にすぎません。
- 95.4円で買えば年2円の利息に加えて、満期時に額面100円で償還されることで4.6円の償還差益を得られます。これらを含めると、満期まで保有した場合の利回りは年3%程度になります。残存期間や信用力などの条件が近い債券では、市場の実勢利回りに近づくように価格が調整されます。
この「利回りが揃う」という性質を理解すると、次の章で扱う利率と利回りの違いも自然に整理できます。
債券の金利には「利率」と「利回り」の2つがある
「債券の金利」と呼ばれるものには、利率と利回りという別の指標があります。利率は額面に対して毎年受け取る利息の割合で、発行時に固定されます。利回りは購入価格と受取総額から計算する実際の収益率で、価格によって変わります。
「年2%の債券なのに、証券会社の画面では利回り3%と表示されている」という状況は、この違いから生まれます。投資判断で見るべきなのは、利率ではなく利回りです。
表面利率は発行時に決まる
表面利率(クーポン)とは、額面金額に対して支払われる年間利息の割合です。額面100円・表面利率2%なら、価格が何円で取引されていても、毎年2円の利息を受け取ります。
表面利率は発行時の市場金利や発行体の信用力を反映して決まり、満期まで変わりません。
債券価格は市場で変動する
債券は発行後も市場で売買されており、価格は日々変動しています。金利水準の変化や発行体の信用力の変化、需給の偏りなどが価格を動かす主な要因です。
個別債券を途中で売買する場合や、債券投資信託の基準価額を見る場合には、この市場価格が使われます。額面100円の債券が、98円や103円で取引されるのは珍しいことではありません。
購入価格によって利回りが変わる
同じ債券でも、購入価格が違えば利回りは変わります。安く買えば利回りは高くなり、高く買えば利回りは低くなるという関係です。
- 年2円の利息を受け取る債券を95.4円で買った人は、利息に加えて満期時に4.6円の値上がり益を得ます。一方、104.9円で買った人は、満期時に4.9円の値下がり損が確定します。利息が同じでも、購入価格の違いで最終的な収益率に差が出るわけです。
投資判断では最終利回りを見る
債券を比較するときは、表面利率ではなく「最終利回り」を確認しましょう。最終利回りとは、購入価格で買って満期まで保有した場合の年平均収益率で、利息と償還差損益の両方を含みます。
証券会社の債券一覧に表示される「利回り」は、通常この最終利回りです。表面利率が高い債券でも価格が高ければ最終利回りは低く、逆に表面利率が低くても安く買えれば最終利回りは高くなります。
| 項目 | 表面利率 | 最終利回り |
|---|---|---|
| 意味 | 額面に対する年間利息の割合 | 購入価格に対する年平均収益率 |
| 決まる時期 | 発行時に固定 | 購入時の価格で変動 |
| 含む要素 | 利息のみ | 利息+償還差損益 |
| 投資判断での重要度 | 参考程度 | 比較の基準 |
債券価格がどれくらい動くかはデュレーションで決まる
金利が動いたときに債券価格がどれくらい変わるかは、「デュレーション」という指標でおおよそ見積もれます。デュレーションが大きい債券ほど、同じ金利変動でも価格の振れ幅が大きくなります。
「金利が上がると下がる」と分かっていても、自分の債券がどの程度下がるかを知らなければ、リスクの大きさを判断できません。この章では、保有商品の価格変動リスクを自分で見積もる方法を解説します。
残存期間が長い債券ほど価格が動きやすい
同じ幅の金利上昇でも、残存期間(満期までの年数)が長い債券ほど価格の下落幅は大きくなります。金利差の影響を受ける期間が長く、条件差の累積が大きくなるからです。
- 先ほどの例で残存期間を5年から10年に延ばすと、市場金利が2%から3%に上がったときの理論価格は約91.5円まで下がります。残存5年なら約95.4円だったので、下落幅がほぼ2倍に広がる計算です。
デュレーションとは
デュレーションとは、債券への投資資金が平均して何年で回収されるかを示す指標です。利息を受け取る時期と金額、満期に戻る額面を加重平均して計算します。
- 利息のない割引債では、デュレーションは残存期間と一致します。利付債では途中で利息を受け取る分だけ資金回収が早まるため、デュレーションは残存期間より短くなります。表面利率が高いほど、また残存期間が短いほど、デュレーションは小さくなる関係です。
このデュレーションを「1+利回り」で割った「修正デュレーション」が、価格感応度の指標として使われます。修正デュレーションが7の債券は、利回りが1ポイント動くと価格が約7%動くことを意味します。
金利変動による価格変化の簡易計算
債券価格の変化率は、次の式でおおむね近似できます。

たとえば修正デュレーションが7の債券で、市場利回りが1ポイント(1%)上昇したとします。この場合、価格は「-7×1%=約-7%」下落する見込みです。逆に利回りが0.5ポイント低下すれば、価格は約3.5%上昇します。
この式は金利変動が小さいときの近似であり、変動幅が大きくなると誤差が出ます。それでも、保有債券や債券ファンドのリスク量を把握する目安としては十分に実用的です。
金利が1%上昇した場合を比較
修正デュレーションの違いによって、金利1%上昇時の価格変化がどう変わるかを整理します。
| 修正デュレーション | 金利+1%時の価格変化の目安 | 該当しやすい商品の例 |
|---|---|---|
| 2 | 約-2% | 短期債、短期債ファンド |
| 5 | 約-5% | 中期債、一般的な国内債券ファンド |
| 10 | 約-10% | 長期債、長期債ファンド |
| 15 | 約-15% | 超長期債(20〜30年) |
同じ「債券」でも、修正デュレーション2と15では価格変動リスクが7倍以上違います。利回りの高さだけを見て超長期債や長期債ファンドを選ぶと、想定以上の評価損を抱える可能性があるため注意が必要です。
債券ファンドのデュレーションを確認する方法
保有している債券投資信託のデュレーションは、運用会社が公開している資料で確認できます。主な確認先は次の3つです。
デュレーションを確認する方法
- 月次レポート(月報):「ポートフォリオの特性」「デュレーション」といった項目に記載されている
- 運用報告書:決算ごとに発行され、期末時点のデュレーションや残存期間の分布が載っている
- 交付目論見書:運用方針としてデュレーションの目安が記載されている場合がある
個別債券の場合は、証券会社の商品ページに残存年数と表面利率、利回りが載っているため、修正デュレーションを概算できます。目安として、残存10年・表面利率2%程度の債券なら修正デュレーションは8〜9前後です。
債券の価格を動かす金利は何によって決まるのか
債券価格の上流にある金利は、中央銀行の金融政策、インフレと景気の動向、国債の需給や市場の期待によって動きます。ただし、短期金利と長期金利では決まり方が異なるため、この点を分けて理解しておくことが重要です。
金利の動く仕組みを知っておけば、ニュースを見たときに「自分の債券にどう影響しそうか」を自分で考えられるようになります。
短期金利と長期金利では決まり方が違う
短期金利は中央銀行の政策金利にほぼ連動しますが、長期金利は市場参加者の売買で決まります。政策金利を1%上げても、10年国債の利回りが機械的に1%上がるわけではありません。
長期金利には、将来の政策金利の予想やインフレ予想、財政への信認、長期間資金を固定することへの上乗せ(期間プレミアム)が織り込まれています。利上げが予想どおりなら長期金利はすでに織り込み済みで動かず、利上げが景気を冷やすと見られれば逆に低下することもあります。
出典:日本銀行「長期金利」
出典:財務省「国債金利情報」
長期金利が上がったときの影響については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
中央銀行の金融政策
政策金利とは、中央銀行が金融機関同士の短期資金のやり取りに適用される金利を誘導する目標値です。日本では、日本銀行が無担保コール翌日物金利を対象に設定しています。
- 日本銀行は2026年6月16日に政策金利を0.75%から1.0%へ引き上げました。1%台は1995年以来、約31年ぶりの水準です。金融政策決定会合は年8回開かれ、利上げ・利下げの決定や将来の方針に関する発言が、債券市場のもっとも重要なイベントとなっています。
出典:日本銀行「金融市場調節方針の変更について(2026年6月16日)」
インフレと景気
物価が上がると、金利も上がりやすくなります。中央銀行がインフレ抑制のために利上げをするうえ、投資家も物価上昇分を上回る利回りを求めるからです。
- ここで重要なのが「実質金利」という考え方です。実質金利は、名目金利からインフレ率を差し引いた値を指します。表面上の利回りが3%でも、物価が3%上がっていれば実質的な購買力は増えていません。債券投資では、名目の利回りだけでなく物価上昇を差し引いた実質的なリターンを意識する必要があります。
景気拡大局面では企業の資金需要が高まり、金利は上がりやすくなります。逆に景気後退局面では資金需要が減り、利下げ期待も高まるため、金利は下がりやすい傾向です。
国債の需給や市場の期待
金利は国債の需給によっても動きます。政府の国債発行が増えれば供給過多で価格が下がり(金利は上がり)、中央銀行や海外投資家の買いが増えれば価格は上がります(金利は下がります)。
- 財政運営への懸念も、投資家が国債に求める利回りを押し上げる要因になります。2026年9月初めには日本の10年国債利回りが3%台に上昇しました。背景として、国内の物価動向や追加利上げへの警戒に加え、財政赤字や政府債務への懸念などが市場で意識されました。
また、市場参加者が「今後さらに利上げがある」と予想すれば、実際の利上げ前から長期金利は上昇します。金利は現在の政策だけでなく、将来の期待も織り込んで決まる指標です。
出典:財務省「国債金利情報」
イールドカーブから分かること
イールドカーブとは、残存期間ごとの国債利回りを線で結んだグラフです。カーブの形を見ることで、市場が将来の金利や景気をどう見ているかを読み取れます。
「金利」と一口に言っても、1年・5年・10年・30年では水準が違います。どの年限の債券を選ぶかを考える際に、イールドカーブは欠かせない道具です。
イールドカーブとは
横軸に残存期間、縦軸に利回りをとり、各年限の国債利回りを結んだ曲線がイールドカーブです。日本では2年・5年・10年・20年・30年・40年の国債が主な観測点になります。
2026年9月上旬の日本国債の利回りは、おおむね次のような水準でした。
| 年限 | 利回りの目安 |
|---|---|
| 2年 | 1.9%前後 |
| 5年 | 2.3%前後 |
| 10年 | 3.0%前後 |
| 30年 | 4.2%前後 |
このように期間が長いほど利回りが高い、右肩上がりの形状になっています。
出典:財務省「国債金利情報」
順イールドと逆イールド
期間が長いほど利回りが高い右肩上がりの形を「順イールド」と呼び、これが通常の形です。長く資金を固定するほど、インフレや金利変動のリスクが大きくなるため、その分の上乗せが求められます。
一方、短期金利が長期金利を上回る右肩下がりの形を「逆イールド」と呼びます。市場が将来の金利低下を織り込んでいる場合などに生じ、米国では過去に景気後退の前に観測されることが多かったため、景気の先行指標として注目されてきました。

ただし、逆イールドの発生から景気後退までの期間は数か月から2年以上と幅があり、投資タイミングの判断材料としては使いにくい面があります。「逆イールド=すぐに景気後退」と断定せず、市場の見方を映す一つのサインとして捉えるのが適切です。
カーブの形状で変わる年限の選び方
イールドカーブの形状は、どの年限の債券を選ぶかの判断に役立ちます。順イールドが急な(傾きが大きい)局面では、長期債を買うことで高い利回りを確保できます。
反対に、カーブが平坦な局面では、長期債を買っても短期債と利回りがあまり変わりません。それなら価格変動リスクの小さい短期債を選ぶほうが合理的だという判断も成り立ちます。
- 2026年10月時点では2年と10年の利回り差が1%以上あり、比較的傾きの大きい順イールドです。長期債の利回りは魅力的ですが、前章で見たとおり価格変動リスクも大きいため、保有期間との兼ね合いで判断する必要があります。
金利変動が債券に与える影響は商品によって違う
同じ金利上昇でも、個別債券・債券投資信託・外国債券では影響の出方が異なります。個別債券は満期まで保有すれば途中の価格変動の影響を受けにくい一方、投資信託には額面償還の仕組みがなく、外国債券には為替の要因が加わります。
自分の保有商品がどのタイプに当たるかを把握しておかないと、同じ「評価損」でも取るべき対応を誤ります。商品ごとの違いを整理していきましょう。
個別債券
個別債券とは、国債や社債など特定の銘柄を直接購入する投資方法です。満期と額面が決まっており、途中売却もできます。
満期保有と途中売却では価格変動の意味が違う
個別債券では、満期まで保有するか途中で売却するかによって、価格変動の意味がまったく変わります。満期まで持つなら途中の価格は関係なく、売却するなら売却時点の価格がそのまま損益になります。
金利上昇で評価損が出ていても、満期まで保有する予定であれば、その評価損は実現しません。逆に、資金が必要になって途中で売る場合は、評価損がそのまま損失として確定します。「いつまで持つのか」が個別債券の損益を決める最大の要素です。
満期まで保有すれば途中の価格変動の影響を受けにくい
発行体が債務不履行(デフォルト)にならず、契約どおり償還される場合、個別債券は満期に額面金額で戻ってきます。途中でどれだけ価格が下がっても、満期時には額面100円が償還されるためです。
ただし、この条件は必ず意識しておく必要があります。発行体の経営が悪化して利払いや償還ができなくなれば、額面は戻りません。社債では発行体の信用力、外国債券では国の信用力を確認したうえで、「満期まで持てば額面が戻る見込み」だと判断してください。
もう一点、評価損が実現しないとはいえ、より高い利回りの債券に乗り換える機会を逃す「機会損失」は発生します。この点は後の「含み損の債券は売るべきか」で扱います。
債券投資信託
債券投資信託は、多数の債券をまとめて運用するファンドです。少額から分散投資できる利点がある一方、個別債券とは損益の性質が異なります。
個別債券のような額面償還はない
債券投資信託には、個別債券のように「この日まで持てば額面100円で償還される」という仕組みがありません。ファンドは常に複数の債券を保有し、満期が来た債券は新しい債券に入れ替えられていくからです。
- そのため、基準価額が金利上昇で下がった場合、「満期を待てば戻る」という考え方は当てはまりません。基準価額はその時点の保有債券の時価で決まり、下落分は保有者の評価損としてそのまま残ります。この点が、個別債券との決定的な違いです。
なお、信託期間に終わりが設定されているファンドや、特定の満期に向けて運用する「ターゲット・マチュリティ型」のファンドも一部にあります。ただし、これらも個別債券の額面償還とは仕組みが異なるため、目論見書で確認が必要です。
金利上昇後は高い利回りの債券へ入れ替わる
債券投資信託には、金利上昇が中長期的にプラスに働く面もあります。ファンドが保有債券を入れ替える過程で、より利回りの高い債券が組み入れられていくからです。
金利上昇の直後は基準価額が下がりますが、その後はより高い利回りの債券への入れ替えが進み、受け取る利息収入も増えていきます。金利が上昇した後に大きく変動せず、信用リスクなど他の条件も大きく変わらないと仮定すれば、
修正デュレーションは価格下落の影響を時間の経過とともに吸収していく期間を考える一つの目安になります。ただし、実際の回復時期はその後の金利や市場環境によって変わります。
外国債券
外国債券(外債)は、外貨建てで発行された債券です。国内債券より高い利回りが得られる場合が多い反面、金利以外のリスクが加わります。
金利だけでなく為替がリターンを左右する
外国債券の円換算でのリターンは、その国の金利と為替レートの両方で決まります。利回りが5%の米ドル建て債券でも、円高が5%進めば円ベースの収益はほぼゼロです。
日本の投資家にとって、日米金利差は為替を通じてリターンに直結します。一般に金利差が縮小すると円高方向に働きやすく、外債の円換算価値を押し下げる要因になります。2026年は日本の利上げが進む一方で米国にも利上げ観測があり、金利差の方向は一方向に決まっていません。金利差と為替の動向は、外債を持つ限り継続して確認が必要です。
出典:金融経済教育推進機構「為替変動リスク:かわせへんどうりすく」
為替ヘッジあり・なしでリスクが異なる
外国債券ファンドには「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」のタイプがあります。為替ヘッジとは、為替予約などを使って為替変動の影響を打ち消す仕組みです。
為替ヘッジありのファンドは為替リスクを抑えられますが、ヘッジコストがかかります。ヘッジコストは一般に2通貨間の短期金利差を主な要因として決まり、市場の需給などによっても変動します。金利差が大きい時期には、ヘッジコストが運用収益を大きく押し下げる場合があります。
為替ヘッジなしは為替リスクをそのまま負う代わりに、コストがかかりません。
| 項目 | 為替ヘッジあり | 為替ヘッジなし |
|---|---|---|
| 為替変動の影響 | 小さい | 大きい |
| コスト | 短期金利差相当のヘッジコスト | なし |
| 向いている人 | 為替リスクを避けたい | 円安メリットも取りたい |
外国債券や為替ヘッジについてくわしく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
債券を購入・保有・売却するときの5つの判断軸
債券の売買判断は、金利の予測ではなく「自分の条件」を確認して行うのが基本です。確認すべき軸は、資金の使途時期、現在の利回りで目的を達成できるか、価格変動の許容度、発行体の信用力、為替リスクの5つです。
| 判断軸 | 確認する内容 | 適した選択肢の例 |
|---|---|---|
| 使う時期 | 支出時期が決まっているか | 時期に合わせた個別債券 |
| 目標利回り | 現在の利回りで目的を満たせるか | 利回りが基準以上なら購入検討 |
| 価格変動の許容度 | 何%の評価損まで耐えられるか | 許容度から修正デュレーションを逆算 |
| 信用力 | 格付けと発行体の財務状況 | 投資適格以上を基本にする |
| 為替リスク | 外貨建てで持つ必要があるか | 不要なら円建て、必要なら為替ヘッジも検討 |
1. いつ使うお金なのか
もっとも重要な軸は、その資金をいつ使うかです。使う時期が決まっている資金なら、その時期に満期を迎える個別債券が第一候補になります。
教育資金や住宅の頭金など、支出時期が明確な資金は、株式のように「回復を待つ」ができません。満期の時期を使う時期に合わせれば、途中の価格変動を気にせず、必要な時期に額面を受け取れます。逆に、1〜2年以内に使う資金を長期債や債券ファンドに入れると、必要なときに評価損を抱えている恐れがあります。
2. 現在の利回りで目的を達成できるか
購入を検討する債券の最終利回りが、自分の目的に見合っているかを確認します。個別債券を満期まで保有し、発行体が予定どおり利払いと償還を行う前提では、購入時点の価格から満期までの収益率を見積もることができます。その後に市場金利が動いても、満期まで保有するなら途中の市場価格を基準に売却する必要はありません。
たとえば「年2%の利回りを10年間確保したい」という目的があるなら、現在の利回りがその水準を満たしているかが判断基準になります。「もう少し待てば金利が上がるかもしれない」という予測は、達成できるかどうか分からない前提です。目的を満たす利回りが得られるなら、購入を検討する十分な理由になります。
国債の利回りの決まり方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
3. どこまで価格変動を許容できるか
途中売却の可能性がある場合や債券ファンドを買う場合は、どの程度の評価損まで受け入れられるかを事前に決めておきましょう。許容できる下落幅から、選ぶべきデュレーションが逆算できます。
- 金利が1%上昇したときに10%の評価損に耐えられないなら、修正デュレーション10の長期債ファンドは避けるべきです。5%までなら修正デュレーション5程度までに抑える、という考え方になります。
ここで重要なのは、理屈だけでなく感情面の耐性も含めて考える点です。含み損を見て眠れなくなるようなら、その商品は自分の許容度を超えています。
4. 発行体の信用力に問題はないか
個別債券では、発行体が満期まで利払いと償還を続けられるかを確認します。「満期まで持てば額面が戻る」という前提は、発行体の信用力があって初めて成り立つからです。
信用力の目安として、格付け会社が付与する格付けが参考になります。一般にBBB格(トリプルB)以上が「投資適格」、BB格以下が「投機的格付け」と区分されます。信用リスクを抑えて選ぶ際には、投資適格級であるかが一つの確認材料になります。
ただし、格付けは将来の元本や利払いを保証するものではありません。**同じ年限の国債より利回りが大幅に高い場合は、その背景にある信用リスクも確認しましょう。
出典:日本証券業協会「個人向け社債の特徴やリスク、価格情報の入手方法」
5. 為替リスクを取る必要があるか
外国債券を検討する場合は、為替リスクを取ることが自分の目的に合っているかを確認します。円で使う資金を外貨建て債券に投じると、為替次第で円換算の元本が減る可能性があります。
高い利回りに惹かれて外債を買う前に、「その利回りは為替リスクの対価として妥当か」を考えてみてください。国内金利が上昇した現在は、為替リスクなしでも2〜3%台の利回りが国債で得られます。為替リスクを取る必要性は、以前より下がっていると言えます。
含み損の債券は売るべきか
含み損を抱えた債券を売るべきかどうかは、含み損の大きさではなく「その債券を今後も持つ理由があるか」で判断します。満期まで保有できるか、信用力に変化はないか、資金が必要な時期はいつか、乗り換えるメリットはあるかの4点を確認しましょう。
満期まで保有できるか
個別債券で、満期まで保有できる見込みがあれば、途中の含み損は実現しません。発行体に問題がなければ、満期には額面が戻るためです。
含み損を見て動揺し、満期の直前に売却して損失を確定させてしまうのは、もっとも避けたい失敗です。「満期まで持てるか」をまず確認し、持てるなら含み損自体を判断材料から外して構いません。
発行体の信用力に変化はないか
含み損の原因が金利上昇なのか、発行体の信用力低下なのかを見分けることが重要です。金利上昇による価格下落なら、満期まで持てば額面が戻る見込みは変わりません。
- しかし、発行体の業績悪化や格下げが原因なら話は別です。この場合は償還そのものが危うくなる可能性があるため、含み損があっても売却を検討すべき場面があります。同じ年限の国債利回りと比べて、その債券の利回りが急に大きく開いていれば、信用力の低下を疑うサインです。
資金が必要になる時期はいつか
満期より前に資金が必要になるなら、いつ売却しても評価損は確定します。その場合は「今売るか、必要になった時点で売るか」の選択です。
必要な時期まで金利が下がれば価格は回復しますが、さらに上がれば損失は拡大します。将来の金利は予測できないため、資金が必要な時期が近いなら、その時点で慌てて売るより計画的に売却する選択も合理的です。逆に資金の使途が数年先なら、無理に今売る理由はありません。
売却して乗り換えるメリットはあるか
含み損の債券を売り、より高い利回りの債券に乗り換えることで、最終的な収益が改善する場合があります。「今、その債券をゼロから買うとして保有したいか」という視点で考えてみてください。
- たとえば残存5年・表面利率1%の債券を保有しており、同じ残存期間・同じ信用力で利回り3%の債券が買えるとします。売却損は確定しますが、乗り換え後は5年間で利回り差2%分を受け取れる計算です。
理論上は売却損と乗り換え後の利回り改善はほぼ見合う関係ですが、税務上の損益通算や、より信用力の高い債券への入れ替えなど、乗り換えが有利になる条件もあります。
売却損を実現することへの抵抗感だけで判断せず、乗り換え後の利回りと保有期間で比較するのがポイントです。
出典:国税庁「No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」
債券が向いている人・注意したい人
債券投資は、資金の使途時期が決まっている人や、資産全体の値動きを抑えたい人に向いています。一方、短期で使う資金を運用しようとしている人や、利回りの高さだけで商品を選んでいる人は注意が必要です。
「今は買い時か」という市場のタイミングより、自分の状況に債券が合っているかを確認するほうが、判断を誤りにくくなります。
債券を検討しやすい人
次のような状況にある人は、債券をポートフォリオに加える価値が高いと考えられます。
債券を検討しやすい人
- 資金を使う時期が決まっている人:教育資金や住宅資金など、支出時期に合わせた満期の個別債券で計画的に準備できる
- 株式の比率を下げたい人:資産が株式に偏っている場合、債券を加えることで全体の値動きを抑えられる
- 退職後のキャッシュフローを確保したい人:定期的な利息収入を生活費の一部に充てる設計ができる
- 一定の利回りを確保したい人:国内金利が上昇した現在は、国債でも2〜3%台の利回りを確定させられる
特に退職が近い人は、大きな下落からの回復時間を確保しにくくなります。年齢が上がるにつれて債券比率を高める考え方は、この回復時間の制約に基づいています。
債券の購入に注意が必要な人
一方、次のような場合は、債券投資が目的に合わない可能性があります。
債券の購入に注意が必要な人
- 1〜2年以内に使う資金を運用しようとしている人:途中売却時の価格変動リスクを負うべきではなく、預金や個人向け国債が適している
- 利回りの高さだけで商品を選んでいる人:高利回りの裏には信用リスク・為替リスク・長い残存期間が隠れていることが多い
- 長期債に集中している人:資産全体が金利上昇に弱い構成になっており、追加購入はリスクの集中を招く
- 外貨リスクを理解していない人:為替の変動で円換算の元本が減る可能性を把握せずに外債を買うのは危険
これらに当てはまる場合でも、債券が不適切というわけではありません。年限を短くする、為替ヘッジを使う、信用力の高い発行体に絞るといった調整で、目的に合った形にできます。
預金・個人向け国債・株式との違い
債券が自分に合うかを判断するには、預金・個人向け国債・株式という他の選択肢との違いを知っておく必要があります。それぞれ元本の安全性、利回り、価格変動の性質が異なります。
債券という枠の中だけで最適化するのではなく、資産全体の中で債券がどの役割を担うかを考えることが大切です。
預金との違い
預金は元本が保証されており(預金保険の範囲内)、いつでも引き出せます。一方、債券は途中売却すると価格変動の影響を受け、発行体の信用リスクも負います。
その代わり、債券は預金より高い利回りを得やすいのが特徴です。2026年9月時点では10年国債の利回りが3%前後まで上昇しており、定期預金の金利を上回る水準です。元本の安全性と流動性を最優先するなら預金、一定期間資金を固定できるなら債券という使い分けになります。
出典:金融庁「預金保険制度」
出典:財務省「国債金利情報」
個人向け国債との違い
個人向け国債は、個人だけが買える国債で、市場で売買する一般の国債とは性質が大きく異なります。最大の違いは、発行から1年経過すれば国が額面で買い取ってくれる点です。
| 項目 | 一般の国債 | 個人向け国債(変動10年) |
|---|---|---|
| 購入者 | 誰でも | 個人のみ |
| 価格変動 | あり | なし(額面で中途換金可) |
| 金利上昇への追随 | 既発債は不利 | 半年ごとに利率見直し |
| 中途換金 | 市場価格で売却 | 発行後1年経過で額面(利息一部控除) |
| 最低金利保証 | なし | 年0.05% |
市場で売買する国債は金利上昇で価格が下がりますが、個人向け国債は中途換金しても額面で戻ります(直前2回分の利子相当額から税引後相当分が差し引かれます)。金利上昇局面でも元本割れしないため、価格変動を避けたい人にとって現実的な選択肢です。
特に「変動10年」は、半年ごとに利率が見直され、市場金利の上昇に追随する仕組みです。適用利率は基準金利(10年国債の利回り)の0.66倍で、下限は年0.05%と定められています。2026年9月募集分の利率は変動10年が年1.95%、固定5年が年2.24%、固定3年が年1.96%でした。
個人向け国債についてくわしく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
株式との違い
株式も債券も元本が必ず保証される金融商品ではありませんが、リスクとリターンの性質は大きく異なります。一般に長期の期待リターンは株式のほうが高い一方、信用力の高い債券は株式より価格変動を抑えやすい傾向があります。
| 項目 | 株式 | 債券 |
|---|---|---|
| 収益の源泉 | 値上がり益・配当 | 利息・償還差益 |
| 期待リターン(長期) | 高い | 株式より低い |
| リターンの上限 | なし | 満期まで持てばほぼ確定 |
| 価格変動の大きさ | 大きい | 相対的に小さい(デュレーション次第) |
| 元本の扱い | 保証なし | 満期に額面償還(債務不履行がない場合) |
| 主なリスク | 業績・景気・市場心理 | 金利・信用・為替(外債) |
| 資産の役割 | 増やす | 守りながら一定の収益を得る |
株式は企業の成長による値上がり益を狙う資産で、リターンの上限がありません。債券は利息と償還という決まった収益を得る資産で、満期まで持てば得られるリターンがほぼ確定します。「増やす」目的なら株式、「守りながら一定の収益を得る」目的なら債券という役割の違いを意識しましょう。
出典:金融庁「資産形成の基本」
株式と債券が同時に下落することもある
株式が下がるときに債券が上がる「逆相関」は、常に成り立つわけではありません。2022年は、米国の急速な利上げによって株式と債券が同時に大きく下落し、伝統的な分散投資が機能しなかった年として知られています。
- インフレを抑えるための利上げ局面では、金利上昇が債券価格を押し下げると同時に、企業収益の悪化懸念で株式も下がります。「株式と債券を持っていれば安心」と考えている人が、もっとも知っておくべき落とし穴です。
分散効果を期待して債券を持つ場合も、デュレーションを抑える、短期債や個人向け国債を組み合わせるなど、金利上昇局面への備えを組み込んでおくことが重要です。
この記事のまとめ
この記事では、金利上昇時に既発債の価格が下がる理由を、新発債との利率差や利回りの関係から整理しました。また、イールドカーブやデュレーションを通じて、金利変動が債券価格に与える影響は、満期までの期間や商品の仕組みによって異なることも確認しました。まずは保有商品の残存期間、満期、信用力、資金を使う時期を確認しましょう。外債や債券投資信託では、為替変動や満期がない点も踏まえ、金利動向だけで売買を決めないことが重要です。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
関連する専門用語
債券
債券(サイケン、英語表記:Bond)とは、発行者が投資家に対して将来一定の金額を支払うことを約束する金融商品です。 国や地方自治体、企業などが資金を調達する目的で発行し、投資家はこれを購入することで、定期的に利息(クーポン)を受け取ります。満期が来ると、投資した本金が返済されます。 債券はリスクが比較的低く、安定した収入を求める投資家に選ばれることが多いです。 また、市場で自由に売買が可能であるため、流動性も確保されています。債券市場は世界的にも広がりを見せており、多様な投資戦略に利用されています。
市場金利
債券市場や銀行間取引で決定される金利のこと。市場金利が上昇すると、既発債の価格は下落し、逆に市場金利が低下すると債券価格は上昇する。物価連動債の価格にも影響を与える要因となる。
既発債
既発債とは、すでに発行され市場に流通している債券のことを指します。新規に発行される新発債と区別され、既発債は発行時に決定された金利、償還期間、利払い条件などの契約内容が固定されているため、その後の市場環境の変化に応じて価格が変動する特徴があります。 投資家は、既発債を市場で売買する際に、発行時の条件と現行の金利状況などを考慮してリスクとリターンを判断する必要があります。また、既発債の市場動向は、金融全体の金利環境や信用リスクの変動を反映するため、経済の健全性や市場動向の分析においても重要な指標となっています。
新発債
新発債とは、最新の市場環境や経済状況、政府や発行体の政策に基づいて新たに発行される債券を指します。 発行時には、その時点での金利や償還期間、利払い条件などが設定されるため、現行の市場動向や信用リスクを反映した内容となります。 投資家は、新発債の発行条件をもとに投資判断を行い、発行後は市場で売買されることによって既発債と同様に取引される可能性もあります。新発債の情報は、発行直後の市場反応や将来の金利動向に影響を受けるため、慎重なリスク評価が重要とされています。
額面
額面とは、金融商品に記載されている公式な金額のことを指します。主に債券や株式などで使われる用語で、たとえば債券であれば、満期時に発行体が投資家に返済する元本の金額、株式であれば、1株あたりの発行価額(旧来の額面株式)を意味します。 債券においては、償還金額や利息の計算基準となる重要な金額であり、市場価格(実際に売買される価格)とは異なる点が特徴です。たとえば、額面100円の債券が市場で95円で取引されていれば「アンダーパー」、105円であれば「オーバーパー」と呼ばれます。 資産運用においては、額面を基準に利回りや価格変動を評価することが多く、特に債券投資や定期預金、仕組債の設計において欠かせない基礎概念です。額面と市場価格の差異を理解することは、投資判断やリスク評価に直結します。
金利(利率)
金利(利率)とは、お金を貸したり預けたりしたときに発生する利息の割合を表す言葉です。たとえば、銀行にお金を預けると一定の利息がもらえますが、そのときの利息の割合を金利または利率と呼びます。一般的には「金利」が金融機関との貸し借りに使われることが多く、 「利率」は投資商品の収益率などに使われる傾向がありますが、日常的にはほぼ同じ意味で使われています。資産運用の場面では、金利の動きが預金、ローン、債券などの価格や収益に影響を与えるため、金利や利率に注目することはとても大切です。特に経済状況や中央銀行の政策によって金利は変動するため、それを理解しておくことでより良い投資判断につながります。







