投資信託におすすめしない銘柄はありますか?理由とともに教えて下さい。
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2025/10/07 09:09
女性
40代
投資信託には多くの種類があり、どれを選べば良いのか初心者には判断が難しいと感じています。特に「おすすめしない銘柄」や注意した方が良い投資信託があるのか知りたいです。具体的にどのような基準で見分ければ良いのか、理由とあわせて教えていただけませんか。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
投資信託で避けた方がよいのは、具体的な銘柄名よりも商品タイプや設計です。特に初心者が長期の資産形成を目指す場合には、高コストの商品や複雑な仕組みを持つファンドは不利になります。
代表的に注意したいのは、購入時手数料や信託報酬が高い商品です。インデックス型なら0.2%以下、アクティブ型でも1%台前半程度が目安です。それを大きく上回るものは、リターンがコストに削られる可能性が高まります。
また、毎月分配型や通貨選択型のファンドは一見魅力的に見えますが、複利効果を削いでしまうケースが多いです。元本を取り崩して分配する場合もあり、長期での資産形成には不利です。同様にAIやEVなど特定テーマに偏ったファンドもリスクが集中し、価格変動が激しくなりがちです。
短期売買向けに設計されたレバレッジ型やインバース型も避けるべきです。日々の値動きに倍率をかける仕組みは長期投資には不向きで、指数から乖離するリスクがあります。また、純資産残高が小さい商品や運用実績が極端に短い商品は、繰上げ償還や不安定な運用のリスクがあります。
さらに、指数に連動するとしながら乖離が大きい商品や、情報開示が不十分で実態が見えにくい商品も注意が必要です。外貨資産を扱う場合は、為替ヘッジの方針が自分の目的と合っているかを必ず確認してください。
初心者の方が投資信託を選ぶ際は、ノーロードで低コスト、広範に分散されたインデックス型を基本にし、無分配で再投資型を選ぶのが原則です。興味のあるテーマ投資は少額に抑え、コア資産とは切り分けると安心です。
要するに「高コスト」「複利を損なう設計」「分散不足」「複雑な仕組み」は長期投資には向きません。この基準を外さなければ、初心者でも大きな失敗は避けられます。
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投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。
信託報酬
信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。
毎月分配型
毎月分配型とは、投資信託などの金融商品において、運用成果の一部を「毎月」分配金として受け取ることができるタイプのファンドを指します。通常の分配型ファンドは年1回や半年に1回など決まったタイミングで分配金を出しますが、毎月分配型は定期的に現金収入を得られることから、年金代わりや生活費の補填を目的とした投資家に人気があります。 分配金の原資は、運用益に加えて元本の一部が含まれることもあり、その場合は基準価額(ファンドの価格)が徐々に下がる傾向があります。そのため、「分配金が多い=運用が好調」とは限らず、分配の中身を見極めることが重要です。毎月分配型は短期的なキャッシュフローには向いていますが、長期の資産形成を目的とする場合には注意が必要です。
通貨選択型
通貨選択型とは、投資信託などの金融商品において、投資先の資産だけでなく「どの通貨で運用するか」を投資家が選べる仕組みを指します。たとえば、同じ海外債券に投資するファンドであっても、米ドルコース、豪ドルコース、円コースといった複数の通貨から選べるようになっているケースがあります。通貨を選ぶことで、為替変動による影響(為替差益や損失)を自分の判断で取り入れることができますが、その分リスクも高まります。特に高金利通貨を選ぶと為替差益を狙いやすい一方で、為替が逆に動くと元本割れのリスクが大きくなる点に注意が必要です。通貨選択型は、為替リスクを積極的に取りたい投資家向けの商品といえます。
レバレッジ型ETF
レバレッジ型ETFとは、ある株価指数や資産の値動きに対して、2倍や3倍といった倍率で連動するように設計された上場投資信託(ETF)のことです。たとえば、対象指数が1%上昇したときに2%上昇する「2倍型ETF」や、逆に下落時に2倍下がる「インバース型レバレッジETF」などが該当します。このような商品は、短期的な値動きを狙って大きなリターンを得たい投資家に向いており、日々の値動きに連動するよう設計されているため、長期保有には向かない場合が多いです。 注意点として、レバレッジ型ETFは日々の変動に対して倍率で連動するように調整されており、数日間にわたって保有すると複利効果やボラティリティの影響で、想定通りのパフォーマンスにならないことがあります。したがって、デイトレードや短期の相場判断に基づく運用に適している一方、初心者にはリスク管理が難しい側面もあります。投資前には仕組みやリスク特性を十分に理解することが大切です。
インデックス型ETF
インデックス型ETF(上場投資信託)は、日経平均株価やS&P500などの株価指数(インデックス)に連動する運用を目指すETF(Exchange Traded Fund)のことです。 ETFは株式のように証券取引所で売買でき、手数料が比較的安いのが特徴です。インデックス型は特定の指数に沿った運用をするため、個別銘柄の選定が不要で、分散投資がしやすいメリットがあります。 例えば、「S&P500 ETF」はS&P500指数に連動し、アメリカの代表的な500社に分散投資できます。少額から投資可能で、長期投資や資産形成に向いているため、多くの投資家に人気です。