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退職金制度がない会社に勤めています。老後生活はやばいでしょうか?

退職金制度がない会社に勤めています。老後生活はやばいでしょうか?

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2025/10/20 09:04


女性

30代

question

私は勤めている会社に退職金制度がなく、老後の生活資金をどう準備すればいいのか不安です。公的年金だけで生活できるのか、あるいは自分でどの程度の貯蓄や運用をしておく必要があるのか、具体的な目安を知りたいです。また、退職金がない場合に老後資金を効率的に準備する方法についても教えてください。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

退職金制度がなくても、老後生活が必ずしも厳しくなるわけではありません。重要なのは、早い段階で老後資金の必要額を把握し、自分で退職金相当の資産を計画的に形成することです。退職金をもらうのを待つのではなく、「自分でつくる退職金」という発想に切り替えることが安心につながります。

まず、老後資金の目安を算出するために、公的年金と支出の差を明確にします。ねんきん定期便やねんきんネットで年金見込み額を確認し、住宅費・生活費・医療費・交際費など老後の支出を現実的に見積もります。

たとえば支出が月25万円で年金が月17万円なら、不足は月8万円です。これを25年間補うと約2,400万円が必要となり、年3%の取り崩し率で安全に取り崩す場合は約3,200万円が目安です。このように不足額を「見える化」し、数字で分析して現実的な目標を立てることが第一歩です。

資産形成の基本は、生活防衛資金の確保、税制優遇制度の活用、そして長期分散投資の継続です。生活費の6〜12か月分は預金で確保し、そのうえでiDeCoを利用して所得控除を受けながら老後資金を積み立てます。

同時に新NISAを活用し、全世界株式や米国株式などの低コストインデックスファンドに定期積立を行うとよいでしょう。自営業者や小規模法人の方であれば、小規模企業共済を併用するのも一つの手です。

50代以降はリスクを徐々に下げ、退職の5年前からは当面3〜5年分の生活費を安全資産で確保するのが望ましいです。市場の急落に備え、暴落時にも取り崩しができるように現金や短期債券を一定割合持っておきます。とはいえ、インフレに対応するために株式を完全に手放さず、一定の割合を保有することも重要です。

支出面では、住宅ローンの繰上返済や保険の見直しを行い、老後の固定費を減らします。医療・介護費の自己負担上限を理解し、公的制度を上手に使えば、過剰な民間保険に頼らずに済みます。

なお、老後資金計画は一度立てたら終わりではありません。物価や収入、家族構成、健康状態が変化するたびに見直すことで、柔軟で持続可能な老後設計が可能になります。退職金がなくても、仕組み化と継続で十分に安心できる老後資金を築くことができます。

老後資金は、多くの方が抱える悩みの一つです。もし資金計画に不安がある場合は、投資のコンシェルジュの無料相談をご利用ください。

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公的年金

公的年金には「国民年金」と「厚生年金」の2種類があり、高齢者や障害者、遺族が生活を支えるための制度です。この制度は、現役で働く人たちが納めた保険料をもとに、年金受給者に支給する「世代間扶養」の仕組みで成り立っています。 国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する制度です。保険料を一定期間(原則10年以上)納めると、65歳から老齢基礎年金を受け取ることができます。また、障害を負った場合や生計を支える人が亡くなった場合には、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取ることができます。 厚生年金は、会社員や公務員が対象の制度で、国民年金に追加で加入する形になります。保険料は給与に応じて決まり、支払った分に応じて将来の年金額も増えます。そのため、厚生年金に加入している人は、国民年金だけの人よりも多くの年金を受け取ることができ、老齢厚生年金のほかに、障害厚生年金や遺族厚生年金もあります。 公的年金の目的は、老後の生活を支えるだけでなく、病気や事故で障害を負った人や、家計を支える人を亡くした遺族を支援することにもあります。財源は、加入者が納める保険料と税金の一部で成り立っており、現役世代が高齢者を支える「賦課方式」を採用しています。しかし、少子高齢化が進むことで、この仕組みを今後も維持していくことが課題となっています。公的年金は、すべての国民が支え合い、老後の安心を確保するための重要な制度です。

取り崩し率

取り崩し率とは、老後などの生活資金として貯めた資産を、毎年どのくらいの割合で使っていくかを表す指標です。 たとえば1,000万円の資産から1年間に40万円を生活費にあてる場合、取り崩し率は4%になります。この数字を見ることで、「どのくらいのペースで資産を使えば、長い老後を安心して過ごせるか」の目安を立てることができます。 資産をどれくらいのスピードで使っても大丈夫かは、運用の利回りやインフレ率によって大きく変わります。たとえば、年平均2%で運用でき、物価が毎年1%上がる環境なら、取り崩し率は3%程度に抑えると資産を約30年持たせることができます。 もう少しリスクを取って年3〜4%で運用できれば、4%前後の取り崩しでも資産が30年間もつ可能性が高まります。このような考え方は「4%ルール」として知られ、株式と債券を組み合わせて運用する場合の目安としてよく使われます。 ただし、これは米国のデータをもとにした考え方であり、日本では金利や為替、税金の影響を考慮して3%前後を目安にするのがより現実的です。 また、取り崩し率は「税金や社会保険料を引いた後の手取り」で考えることが大切です。たとえば年金や配当からの課税を差し引くと、実際に生活に使える金額は見かけより少なくなる場合があります。

iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。

新NISA

新NISAとは、2024年からスタートした日本の新しい少額投資非課税制度のことで、従来のNISA制度を見直して、より長期的で柔軟な資産形成を支援する目的で導入されました。この制度では、投資で得られた利益(配当や売却益)が一定の条件のもとで非課税になるため、税負担を気にせずに投資ができます。新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が用意されており、年間の投資可能額や総額の上限も大幅に引き上げられました。 また、非課税期間が無期限となったことで、より長期的な運用が可能となっています。投資初心者にも利用しやすい仕組みとなっており、老後資金や将来の資産形成の手段として注目されています。

小規模企業共済

小規模企業共済とは、中小企業の経営者や役員、個人事業主の方のための退職金制度です。「小規模企業」という文言が含まれているとおり、一定の要件を満たす中小企業や個人事業主が対象です。 小規模企業共済制度は、独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)が運営している「小規模企業共済法」という法令に基づいた共済制度です。 掛金は全額所得控除され、加入者は事業資金の借入れも可能です。 加入資格は、従業員が20人以下(商業・サービス業では5人以下)の個人事業主や会社役員などです。ただし、兼業で会社員をしているなど、給与所得を得ている場合は加入資格がないため注意が必要です。

生活防衛資金

生活防衛資金とは、万が一の病気や失業、災害などで収入が途絶えた場合でも、一定期間は生活を維持できるように、あらかじめ確保しておく現金のことです。投資を始める前にまず準備しておくべきお金で、一般的には生活費の3か月から6か月分を目安にするとされています。 この資金は、株や投資信託のように価格が変動する商品ではなく、すぐに引き出せる預金などで保管するのが望ましいとされています。生活防衛資金がしっかりと確保されていれば、投資のリスクを過度に恐れずに冷静な判断がしやすくなり、精神的な安心感にもつながります。

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