「一度扶養から外れると戻れない」聞きましたが、本当でしょうか?
「一度扶養から外れると戻れない」聞きましたが、本当でしょうか?
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2025/12/12 10:22
女性
30代
扶養は一度外れると二度と戻れないと聞き、不安に感じています。今年は収入が多く、扶養から外れてしまいました。税金や社会保険の扶養で扱いが違うのか、自分の場合はどう判断すべきか知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
扶養は「一度外れると二度と戻れない」というのは誤解で、税金の扶養と社会保険の扶養で判定方法が異なることが混乱の原因です。まず、どちらの扶養から外れたのかを確認する必要があります。
税制上の扶養(配偶者控除・扶養控除など)は、その年ごとの年間所得で判定する仕組みです。今年収入が増えて控除が受けられなくなっても、翌年以降の所得が基準内に戻れば再び扶養に入り直すことができます。一度外れたら不可という決まりはありません。
一方、社会保険の扶養(健康保険の扶養・第3号被保険者)は、「今後1年間の収入見込み」で判断します。見込み年収が基準を超えれば扶養から外れ、自身で社会保険や国民健康保険に加入します。
しかし、その後の収入見込みが基準を下回れば、再度扶養に戻れる可能性はあります。ただし、健康保険組合ごとに審査基準や必要書類が異なり、継続性のある減収かどうかを厳しく見られる点に注意が必要です。
判断の際は、①今年の収入、②来年以降の働き方、③加入している健保の扶養基準、④現在の保険料負担の4点を整理することが重要です。状況を明確にすれば、扶養に戻れる時期や最適な働き方の調整が分かります。
不安な場合は、投資のコンシェルジュの無料相談で、あなたの収入・働き方・保険状況を踏まえた最適な扶養設計を一緒に整理しましょう。
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