フラット35の買取型と保証型はどちらが有利ですか?違いや比較ポイントを教えてください。
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2025/09/30 09:08
男性
30代
住宅ローンを検討しているのですが、フラット35には「買取型」と「保証型」があると知りました。ただ、両者の違いや、どちらを選んだ方が有利なのかが分かりにくいです。将来的な返済計画やリスクを考えるうえで、どのような比較ポイントに注目すればよいか、教えていただきたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
結論から言うと、フラット35の買取型と保証型のどちらが有利かは一概に言えず、自己資金比率や借入年数、繰上返済の予定、さらに融資手数料の違いによって変わります。一般的に保証型は金利がやや低めに設定されることが多い一方で、融資手数料が高くなる傾向があり、買取型は条件が標準的で費用が分かりやすい点が特徴です。そのため、複数の金融機関から見積もりを取り、総支払額で比較することが欠かせません。
両者の仕組みを整理すると、買取型は金融機関が融資した債権を住宅金融支援機構が買い取る仕組みで、商品設計が機構の基準に沿って統一されています。保証型は債権の買い取りはなく、機構が保証を付ける形で、金融機関ごとに条件設定の自由度がやや大きくなっています。そのため、金利や返済条件に幅が出やすいのが特徴です。
費用面では、保証型は金利が低めに出ることがある一方、融資手数料が高く設定される場合があります。例えば5000万円を35年借りた場合、金利差0.05%は総返済額で約50万円程度の違いにつながりますが、融資手数料1%の差も同じく50万円程度となり、逆転することもあります。保証料そのものはフラット35ではかからないので、その点は両者とも同じです。
団体信用生命保険については、買取型は団信の種類ごとに金利が上乗せされる設計ですが、保証型は金融機関によっては基本付帯で追加費用がかからない商品もあります。加入条件や保障範囲は機関ごとに異なるため、確認が必要です。
比較の際には、まず自己資金比率を確認することが重要です。LTVが80%以下であれば保証型の方が金利優位になる設計が多い一方、繰上返済を早めに行う予定がある場合は融資手数料が低い買取型の方が総支払額で有利になることがあります。さらに、長期完済を前提とするなら、保証型のわずかな金利差が効いてくる可能性があります。
結局のところ、どちらが有利かは借入額、期間、繰上返済の計画、そして団信の希望内容を加味してシミュレーションする必要があります。判断の際には総返済額だけでなく、5年後や10年後の残高推移や繰上返済後の見通しも確認すると失敗しにくくなります。制度の基本は共通していても、金融機関ごとの商品性が異なるため、必ず複数社の条件を並べて検討することが最も重要です。
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