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相続税の寄付金控除について詳しく教えてください

相続税の寄付金控除について詳しく教えてください

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2025/09/11 08:55


男性

60代

question

相続税の計算において、相続財産の一部を公益法人や国・地方公共団体などに寄付した場合に「寄付金控除」が使えると聞きました。この制度を活用すれば実際に相続税を減らすことができるのでしょうか。例えば、どのような団体への寄付が対象になるのか、相続人が自由に選んだNPO法人なども含まれるのか、控除の限度額や適用手続きはどうなっているのかを知りたいです。また、寄付金控除と他の相続税軽減制度(配偶者控除や小規模宅地等の特例など)との併用は可能なのでしょうか。


回答

佐々木 辰

38

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

相続税における寄付金控除は、うまく活用すれば実際に相続税の負担を減らすことができます。仕組みとしては、相続や遺贈で取得した財産を国や地方公共団体、あるいは公益法人や認定NPO法人などに寄付すると、その分の財産は「課税財産から外す」ことができ、相続税の対象になりません。つまり、寄付した分が丸ごと相続税計算から除かれるため、節税効果は非常に大きくなります。

ただし、対象となる寄付先は限定されています。国や自治体、学校法人、社会福祉法人、日本赤十字社、公益社団法人や公益財団法人といった公益性が高い法人は認められますが、認定を受けていない一般のNPO法人への寄付は対象外です。寄付を考える際は、相手先が「認定NPO法人」や「公益法人等」として所定の資格を満たしているかを確認する必要があります。

また、適用を受けるためには期限と手続きが重要です。寄付は相続開始から10か月以内の申告期限までに行う必要があり、相続税の申告書には寄付の明細や寄付先からの受領証を添付します。現金以外の資産を寄付する場合には、通常は譲渡所得課税が生じますが、特例の承認申請を行うことで非課税にできる仕組みもあります。専門的な手続きが必要になるため、実行前に税理士や専門家に確認するのが安心です。

寄付金控除は、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例といった他の相続税の軽減制度と併用することも可能です。ただし、寄付によって課税財産の総額や相続人ごとの取得額が変わるため、どの財産を誰が取得し、どの部分を寄付に回すかといった全体設計が重要になります。相続人間の分け方や遺言の有無とも関係するため、寄付の位置づけを慎重に検討する必要があります。

まとめると、寄付金控除は条件さえ整えば相続税を確実に減らせる強力な制度です。ただし、対象先の限定や期限、証明書類、現物寄付時の扱いなど、実務的なポイントを外すと適用できないケースもあります。制度を使いこなすためには、事前に寄付先と寄付方法を整理し、他の特例とのバランスを見ながら最適な形を設計することが大切です。

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関連する専門用語

相続税

相続税とは、人が亡くなった際に、その人の財産を配偶者や子どもなどの相続人が受け継いだときに課される税金です。対象となる財産には、預貯金や不動産、株式、貴金属、事業用資産などが含まれ、相続財産の合計額が一定の基準額を超えると課税対象となります。 相続税には、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される基礎控除があり、この範囲内であれば原則として税金はかかりません。しかし、資産規模が大きい場合や相続人の数が少ない場合には、課税対象となり、10%〜55%の累進税率が適用されます。 さらに、相続税にはさまざまな非課税枠や控除制度が設けられており、これらを適切に活用することで税負担を抑えることが可能です。代表的な制度には以下のようなものがあります。 - 生命保険金の非課税枠:法定相続人1人あたり500万円まで非課税 - 死亡退職金の非課税枠:生命保険と同様に1人あたり500万円まで非課税 - 債務控除:被相続人に借入金などの債務があった場合、その金額を控除可能 - 葬式費用の控除:通夜・葬儀などにかかった費用は、相続財産から差し引くことができる また、配偶者には配偶者の税額軽減(1億6,000万円または法定相続分まで非課税)が認められており、適切に遺産分割を行えば、税額を大幅に減らすことができます。 相続税は、財産の種類や分割の仕方、受け取る人の立場によって税額が大きく変動するため、生前からの対策が非常に重要です。生命保険や不動産の活用、資産の組み替えなどを通じて、相続税評価額をコントロールすることが、家族への負担を減らし、スムーズな資産承継を実現するための鍵となります。

寄附金控除

寄附金控除とは、国や地方公共団体、認定NPO法人など一定の要件を満たす団体へ寄附した場合に、確定申告で所得税や住民税の負担を軽減できる制度です。具体的には、対象となる寄附金のうち所定の金額を所得から差し引く、あるいは税額から直接差し引く仕組みがあり、所得税では最高で所得の40%相当まで控除に使える一方、住民税では寄附総額の一部を税額控除として扱うことができます。 また、寄付をすれば自動的に控除が受けられると考えられがちですが、寄付金控除はすべての寄付に適用される一般的な仕組みではありません。税制上、控除の対象として位置づけられている寄付かどうかが重要であり、寄付先や寄付の性質によって扱いは異なります。この点を整理せずに「寄付=控除」と短絡的に捉えると、手続きや判断を誤る可能性があります。 ふるさと納税もこの制度の一形態であり、自治体からの返礼品を受け取りつつ税負担を抑えられるため、家計の節約や社会貢献の手段として人気があります。控除を受けるには寄附先が法令で定める対象に該当することや、寄附金受領証明書を申告時に添付することが必要で、ワンストップ特例が利用できる場合には確定申告をしなくても控除が適用されるケースもあります。

公益法人

公益法人とは、社会貢献を目的として活動する非営利の団体を指します。主に教育、医療、文化活動などの分野において、資金の提供や支援を通じて公益の増進を図ります。これらの団体の中には、保有する資産を運用し、その収益をもとに活動資金を確保する仕組みを採用しているものもあります。 また、公益法人に対する寄付については、税制上の優遇措置が設けられている場合があります。たとえば一定の要件を満たす法人への寄付金は、法人税法上の損金として扱うことができる場合があり、寄付を行う側にとっても税務上のメリットがあります(寄付先や金額、適用条件などにより異なります)。

認定NPO法人

認定NPO法人とは、NPO法人の中でも公益性の高さや運営の透明性などが一定基準を満たしていると国税庁長官または都道府県知事に認められた団体です。認定を受けると、寄付者は個人住民税や所得税の優遇措置が適用され、法人寄付についても損金算入枠が拡大されるため、団体は資金を集めやすくなります。同時に、団体自身も信頼性や社会的評価が高まる一方で、毎年度の詳細な活動報告や厳格な会計基準を守り続ける責任が生じます。税制優遇を通じて寄付を促進し、非営利活動の発展を後押しする制度として重要な役割を果たしています。

配偶者控除

配偶者控除とは、納税者に配偶者がいる場合、一定の条件を満たせば所得税や住民税の計算において課税所得を減らすことができる制度です。具体的には、配偶者の年間所得が一定額以下であれば、納税者の所得から一定金額を差し引くことができるため、結果として支払う税金が少なくなります。この制度は、家計全体の負担を軽減するためのもので、特にパートタイムや扶養内で働く配偶者がいる世帯にとって重要な意味を持ちます。なお、配偶者の収入が一定額を超えるとこの控除が使えなくなるため、「○○万円の壁」といった表現で語られることもあります。資産運用やライフプランを考える際には、税金の仕組みを理解しておくことが大切であり、配偶者控除はその中でも身近で影響の大きい制度のひとつです。

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは、相続が発生した際に、被相続人が居住や事業に使用していた土地について、一定の条件を満たせば、その土地の相続税評価額を大幅に減額できる制度です。主な目的は、相続税負担によって自宅や事業用不動産を手放すことを防ぎ、円滑な資産承継を支援することにあります。 たとえば、亡くなった方の自宅に配偶者や同居していた親族が引き続き居住する場合、その宅地の評価額を最大で80%まで減額できる可能性があります。事業用地や貸付事業に用いられていた土地についても、50%〜80%の減額が認められるケースがあります。この減額によって相続税の課税対象となる財産の価額が抑えられるため、納税資金の負担が軽減され、不動産を売却せずに相続を完了できる事例も多く見られます。 ただし、この特例の適用には、居住や事業の継続に関する要件、土地の面積制限(最大330㎡まで)など、細かな条件を満たす必要があります。また、相続税申告期限内に適用を受ける旨を申告することが必須であり、準備不足や誤解によって適用を逃すケースもあるため注意が必要です。 自宅や事業用不動産を含む資産を次世代に円滑に引き継ぐ上で、この特例は極めて重要な制度のひとつです。早めに対策を講じ、制度の内容を正しく理解したうえで、税理士など専門家のサポートを受けながら計画的に進めることが求められます。

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