投資信託のロングとショートとはなんですか?
投資信託のロングとショートとはなんですか?
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2025/07/24 09:34
男性
40代
投資信託について調べていたら、「ロング」「ショート」という言葉が出てきました。それぞれ、どんな意味ですか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
投資信託の「ロング」とは、ファンドが株式などの資産を値上がりを期待して買い持ち(購入して保有)することを指します。一方の「ショート」とは、値下がりを予想し、借りてきた株式を先に売却し、後で安く買い戻すことで利益を得る戦略です。
ショートを利用すれば、市場が下落する場面でも利益獲得のチャンスがありますが、反対に株価が予想に反して上昇すると損失が拡大します。損失の理論的な上限がなく、運用に際しては厳格な証拠金管理が必要となります。
こうしたロングとショートを組み合わせた「ロングショート型」の投資信託もあります。このタイプのファンドは、相場全体の動きに関係なく、個別銘柄間の価格差から収益を狙います。ただし、ショートを活用する場合には追加のコストがかかるため、目論見書をよく確認する必要があります。
日本の公募投資信託では規制やコストの関係上、ショート戦略を使ったファンドは稀であり、多くはロングのみの運用であることが一般的です。
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関連する専門用語
投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。
ロング
ロングとは、将来的に資産の価格が上がると予想して、その資産を買い保有する投資行動やポジションのことを指します。たとえば、株式や通貨、商品などを買って値上がりを待つのが「ロングポジションを取る」行為にあたります。 利益は、購入価格よりも高い価格で売却できたときに得られます。ロングは投資の基本的なスタイルで、上昇相場(ブル相場)で利益を狙う戦略として広く使われるため、個人投資家から機関投資家まで幅広く利用されています。また、「買い持ち」や「買い建て」とも呼ばれ、信用取引や先物取引でも同様の意味で使われます。なお、ロングの反対は「ショート」で、価格が下がることを見越して売りから入る戦略です。値上がり益(キャピタルゲイン)を狙う際の基本的な投資姿勢として、理解しておくことが重要です。
ショート
ショートとは、将来的に資産の価格が下がると予想して、保有していない資産を先に売ることで利益を得ようとする投資行動やポジションのことです。たとえば、株式を証券会社から借りて先に売り、市場価格が下がったところで買い戻して返却するという仕組みが典型的なショート取引(空売り)です。 この取引により、売却価格と買い戻し価格の差額が利益になります。下落相場で利益を得る戦略として、ロング(買い)とは逆方向の取引になります。信用取引や先物取引、オプション取引などで使われることが多く、ヘッジ目的(保有資産のリスク回避)としても活用されます。ただし、価格が予想に反して上昇すると、損失が無限大に拡大するリスクがあるため、リスク管理が非常に重要な戦略でもあります。
ショートポジション(売り持ち)
ショートポジション(売り持ち)とは、将来の価格下落を見越して、保有していない資産を先に売却し、あとで安く買い戻して差額の利益を得る投資ポジションのことです。たとえば、株式を証券会社から借りて市場で売却し、その後価格が下がったところで買い戻して返却すれば、売値と買値の差額が利益になります。 この取引を行っている状態が「ショートポジション」または「売り持ち」と呼ばれます。株式、先物、FXなどの取引で広く用いられており、相場が下落する局面でも利益を出せる数少ない戦略のひとつです。 一方で、価格が上昇した場合には損失が拡大するため、リスク管理が非常に重要なポジションでもあります。ポートフォリオのヘッジ手段としても使われ、高度な相場対応が求められる投資スタイルです。
ロングショート型ファンド
ロングショート型ファンドとは、株式などの資産に対して「買い(ロング)」と「売り(ショート)」の両方のポジションを活用し、相場全体の上下にかかわらず安定した収益を目指す運用手法を採用した投資ファンドのことです。 たとえば、成長が期待される銘柄をロング(買い持ち)し、下落が予想される銘柄をショート(売り持ち)することで、市場全体の動きに左右されにくい「市場中立型(マーケットニュートラル)」の運用が可能になります。この戦略により、株価全体が上昇しても下落しても、個別銘柄の選定が当たれば利益を得ることができます。 特にヘッジファンドで用いられることが多く、リスクを抑えながらリターンを狙う高度な運用方法として知られています。一方で、運用には高度な分析力と継続的なリバランスが必要であり、手数料が高めになる傾向や、投資家が戦略の内容を把握しにくいという側面もあるため、投資判断には慎重さが求められます。
ロングショート
ロングショートとは、資産運用の手法のひとつで、ある銘柄や資産を「買い(ロング)」と「売り(ショート)」の両方を組み合わせて投資する戦略です。具体的には、将来値上がりすると考える銘柄を買い(ロング)、逆に値下がりすると考える銘柄を売り(ショート)して、その差から利益を得ようとするものです。 この戦略の特徴は、市場全体が上がっても下がっても、選んだ銘柄間の価格差(相対的な動き)によって収益を狙える点にあります。たとえば、同じ業界のA社とB社について「A社は成長が期待できるが、B社は業績が悪化する」と予想した場合、A社株を買い、B社株を売ることで、業界全体が下がってもA社とB社の差分で利益を狙える仕組みです。 ロングショートは、株式のほか、債券、通貨、コモディティなど幅広い資産クラスで活用されます。特にヘッジファンドが好んで用いる戦略であり、市場の方向性に依存しない「マーケット・ニュートラル戦略」として知られています。 ただし、リスクも存在します。ショートポジションは価格が上昇すると損失が無限に拡大する可能性があるため、管理を誤ると大きな損失につながる恐れがあります。また、銘柄選びや市場分析に高い精度が求められるため、経験や情報力が重要になります。 初心者が学ぶ際は、「ロングショート=値上がりと値下がりの両方を利用して差益を狙う戦略」という基本イメージを押さえることが大切です。市場の上下に左右されにくい戦略ですが、専門的な分析やリスク管理が必須であり、実際の運用ではプロが活用することが多い手法です。




