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不動産投資の減価償却は節税に有効ですか?

不動産投資の減価償却は節税に有効ですか?

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2025/08/06 08:16


男性

40代

question

不動産投資では、建物部分の減価償却が節税に有効だと聞きましたが、具体的にどのような仕組みで所得税や住民税が軽減されるのでしょうか?たとえば、給与所得と損益通算できる場合や、減価償却費が不動産収支を赤字にしても税金が戻ってくるケースなど、実際にどのような節税メリットがあるのか知りたいです。また、償却年数や構造別の耐用年数の違い、中古物件を購入した場合の注意点、将来の売却時に生じる課税リスクとのバランスも含めて、初心者でもわかるように教えてください。


回答

佐々木 辰

38

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

不動産投資における「減価償却」は、建物の取得費用を年数に応じて毎年経費として計上できる仕組みです。これは実際にお金が出ていかなくても、帳簿上の必要経費として認められるため、課税対象となる不動産所得を減らすことができます。たとえば、家賃収入が年間200万円あり、管理費やローン利息などの実費に加えて減価償却費が50万円ある場合、課税対象の所得は150万円ではなく100万円として計算されるため、所得税・住民税の負担が軽くなります。

さらに、不動産所得が赤字になった場合には、その赤字を給与所得など他の所得と合算して損益通算することが可能です。これにより、本来給与から源泉徴収されていた税金の一部が還付されるケースもあります。ただし、損益通算できるのは原則として建物や借入金の利子にかかる部分であり、土地部分の取得費や利息については対象外ですので注意が必要です。

建物の減価償却費は、構造ごとに決められた「法定耐用年数」に基づいて算出されます。たとえば、木造住宅は22年、鉄筋コンクリート造は47年とされており、建物価格をこれらの年数で割って毎年一定額を経費に計上します。中古物件の場合は、築年数を考慮して残存耐用年数を再計算し、それに基づいて償却期間を設定します。たとえば、築20年の木造住宅であれば、残りの法定耐用年数は2年ですが、最低でも法定耐用年数の20%(この場合4年)が償却期間となるルールがあります。

ここで重要なのは、減価償却による節税効果は「税金を軽減する」のではなく、「支払うタイミングを後ろにずらす」という意味合いが強い点です。つまり、減価償却によって帳簿上の取得価額が年々減っていき、いざ物件を売却する際にはその分取得費が小さく見積もられ、譲渡益が大きくなります。その結果、売却時に課税される所得が増えてしまうのです。これを「減価償却の繰延効果」といい、保有中は節税に見えても、出口で税負担が一気に表面化するリスクがあることは理解しておく必要があります。

特に、築古の木造アパートなどを短期間で売却する場合、購入時に多額の減価償却を行っていたことで帳簿価額が極端に低くなり、売却益が想定以上に膨らむことがあります。このようなケースでは、保有期間中の税メリットと売却時の税負担をトータルで見た収支が悪化する可能性もあるため、購入前から将来の売却戦略を含めて慎重に検討すべきです。

また、減価償却の効果を最大限に活かすには、物件の建物価格割合を適切に把握し、必要であれば売買契約書や固定資産税評価証明書を活用して建物部分の価額を明確にしておくことが大切です。併せて、青色申告を行うことで65万円の特別控除を使えたり、事業的規模であれば専従者給与や繰越損失も認められたりと、節税効果を広げることができます。

まとめると、減価償却は不動産投資において強力な節税ツールではありますが、その本質は「税金の繰延」であり、将来の譲渡税とのバランスを踏まえて活用すべきものです。節税効果に飛びつく前に、保有中のキャッシュフローと売却時の税負担をあわせてシミュレーションし、全体最適での判断を心がけましょう。

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減価償却

減価償却とは、固定資産の購入価格をその使用可能年数にわたって経済的に分配する会計処理の方法です。企業が機械や建物、車両などの固定資産を購入した際に、これらの資産は使用することで徐々に価値を失います。減価償却を行うことで、資産のコストをその寿命にわたって費用として計上し、その結果として企業の財務報告が実態に即したものになることを目指します。 減価償却には様々な方法がありますが、一般的なものに直線法、定率法、数字和法があります。直線法はもっとも単純で、資産の耐用年数にわたって均等に費用を計上します。定率法は残存価値を基に毎年一定の割合で費用を計上し、数字和法では耐用年数の初年度に最も多くの費用を計上し、年数が経過するにつれてその額を減らしていきます。 減価償却は税務上も重要で、企業は減価償却費を経費として計上することで課税所得を減少させることができます。このため、適切な減価償却方法の選択と計算は、企業の税負担の管理にも直接関連しています。

不動産所得

不動産所得とは、アパートやマンション、駐車場、土地などの不動産を人に貸すことで得られる収入のことをいいます。たとえば、持っているマンションの一室を他の人に貸して家賃を受け取ると、その家賃収入が不動産所得になります。ただし、収入から固定資産税や修繕費、管理費などの必要経費を差し引いた後の利益部分が実際の「所得」として計算されます。この不動産所得は、確定申告の際に他の所得と合わせて税金の対象になりますので、正しく計算して申告することが大切です。

課税対象所得

課税対象所得とは、税金を計算するためのもとになる所得のことです。たとえば、給与や事業などで得た収入から、必要経費や各種控除(医療費控除や扶養控除など)を差し引いた後に残る金額がこれにあたります。この金額に基づいて所得税や住民税が決まるため、「いくら稼いだか」ではなく、「いくらに対して税金がかかるか」という点が重要になります。 投資の場合も、配当金や売却益から必要な経費や控除を差し引いた後の金額が課税対象所得になります。税金の負担を正しく理解するために、この考え方はとても大切です。

法定耐用年数

法定耐用年数とは、税法上で資産の「使用可能な期間」として定められた年数のことです。これに基づいて、資産の購入費用を分割して経費として計上する「減価償却」を行います。たとえば、不動産や設備、車両などが対象となります。 資産ごとに耐用年数は異なり、建物なら数十年、機械や車両なら数年程度が一般的です。この法定耐用年数は税務上のルールであり、実際の使用期間や資産の寿命とは必ずしも一致しません。投資家として不動産や設備に投資する際、この耐用年数を理解しておくことで、減価償却を活用した節税や資産の収益性の計算に役立てることができます。

固定資産評価証明書

固定資産評価証明書とは、土地や建物などの固定資産について、市区町村がその評価額を証明する書類のことです。固定資産税の計算のもとになる評価額が記載されており、主に不動産の相続や売買、贈与の際に使われます。 特に相続手続きでは、遺産の中に不動産が含まれている場合に、遺産の全体価値を把握するためにこの証明書が必要になります。また、不動産の価格の目安として金融機関に提出したり、登記の手続きの際にも利用されることがあります。各市区町村の役所や窓口で取得することができます。

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