FANG+指数とはどのような株価指数ですか?
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2025/06/18 11:29
男性
30代
最近SNSや投資アプリで目にする「FANG+指数」は、米国の有名ハイテク企業をまとめた株価指数だと聞きました。どんな銘柄が含まれ、S&P500などの一般的な指数と比べてリターンやリスクの違いはどこにあるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
FANG+(ファングプラス)指数は、ICE(インターコンチネンタル・エクスチェンジ)の子会社であるICE Data Indicesが算出する、米国の代表的な成長企業10社で構成された株価指数です。Meta(旧Facebook)、Amazon、Apple、Microsoft、Alphabet(Google)といったテック大手に加え、Netflix、NVIDIA、Teslaなど、イノベーションを牽引する企業が均等比率(各10%)で組み入れられています。
S&P500のように時価総額加重型の指数では、大型株が指数全体に与える影響が大きくなりますが、FANG+は均等加重のため、比較的中堅企業の値動きも指数に素直に反映されやすい構成です。このため、強気相場ではS&P500以上の上昇が期待できる一方で、10社への集中投資という構造上、個別企業の悪材料が指数全体に与える影響も大きく、変動リスクは高めです。
FANG+はリターンのブーストを狙える一方、コア資産としての安定性には欠けるため、資産配分ではS&P500などの広範なインデックスを主軸にし、FANG+は全体の1〜2割ほどにとどめる「サテライト運用」としての活用が効果的です。
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NASDAQ(ナスダック)
NASDAQ(ナスダック)とは、アメリカの代表的な株式市場の一つで、特にハイテク企業をはじめとする成長企業が多く上場していることで知られています。正式名称は「National Association of Securities Dealers Automated Quotations」で、その頭文字をとってNASDAQと呼ばれています。 ニューヨーク証券取引所(NYSE)と並ぶ主要市場であり、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどの大手テクノロジー企業を含む多くの企業が上場しています。NASDAQは電子取引を採用しており、取引スピードや透明性が高いのが特徴です。また、証券会社(マーケットメーカー)が仲介する「ディーラー市場」としての特性も持っています。 NASDAQには「NASDAQ Global Select Market」「NASDAQ Global Market」「NASDAQ Capital Market」の3つの市場区分があり、企業の規模や条件によって異なります。また、「NASDAQ総合指数」はNASDAQ全体の動向を示し、「NASDAQ100指数」は時価総額の大きい非金融セクターの100銘柄で構成される指数として、世界中の投資家に注目されています。
FANG+指数
FANG+指数とは、インターコンチネンタル取引所(ICE Data Indices)が算出・公表する株価指数で、米国を代表するハイテク・グロース企業10社で構成されます。Meta、Apple、Amazon、Netflix、Alphabet、Microsoftの6社は常に固定され、残り4社は時価総額や流動性、売上成長率などの基準で年4回の見直し時に入れ替えが行われます。 指数は等ウェイト方式(各10%)で構成され、四半期ごとにリバランスされるため、特定の大型株に偏らず、各銘柄の値動きが指数全体に均等に反映される仕組みです。過去にはTeslaやSnowflake、Alibaba、Twitterが採用されていた時期もあり、常に成長力の高い企業群を反映するよう設計されています。 投資手段としては、日本では東証上場の「NEXT FUNDS NYSE FANG+(1546)」、米国では「MicroSectors FANG+ ETN(FNGS)」などが代表的です。また、国内の投資信託でも同指数に連動する商品が複数提供されています。 テクノロジー分野の成長企業をまとめて捉えられる一方で、値動きが大きい点には注意が必要で、ハイリスク・ハイリターンの投資対象と位置づけられています。
ICE(Intercontinental Exchange)
ICEは、エネルギーや農産物などのコモディティ先物をはじめ、株価指数、金利関連など幅広いデリバティブ取引所や清算機関を世界各地で運営する米国発の取引所グループです。2013年にはニューヨーク証券取引所(NYSE)を傘下に収め、上場株式市場のプラットフォームとしての存在感も高めました。取引インフラの提供にとどまらず、市場データや指数算出といった情報サービスも展開しており、機関投資家やヘッジファンドはもちろん、資産運用会社にとっても価格発見やリスクヘッジの基盤を支える重要な存在です。
均等加重型
均等加重型とは、投資ポートフォリオや株価指数の構成方法の一つで、全ての銘柄を等しい割合で保有するアプローチを指します。この方法では、各銘柄に割り当てられる資金の比率が同一であり、市場価値や業績に基づく加重が行われません。均等加重型のポートフォリオや指数は、大型株や業績の良い株だけではなく、小型株やパフォーマンスが低下している株にも平等に投資するため、リスクの分散が促進されます。 この加重方式は、市場や特定の銘柄の偏りが少なく、全体としての市場動向やセクターの平均的なパフォーマンスを捉えるのに適しています。しかし、均等加重型では、市場価値の小さい銘柄が過大に評価される傾向があるため、この点を考慮する必要があります。このアプローチは特に、市場全体に均等に露出したいと考える投資家に適しており、バランスの取れた投資戦略として活用されています。
サテライト投資(サテライト運用)
サテライト投資(サテライト運用)とは、資産運用において全体の資産の一部を使って、リターンの上乗せを狙うために積極的な運用を行う手法のことです。これは「コア・サテライト戦略」と呼ばれる資産配分の考え方の一部で、安定的に資産を守る「コア(中核)」運用に対して、サテライトは個別株、テーマ型ファンド、新興国資産、仮想通貨など、値動きが大きくリスクも高い商品を対象にします。サテライト投資は成功すれば高い収益を期待できますが、リスクが大きいため、全体の資産に対する割合は限定的にとどめるのが基本です。初心者でも、資産全体のバランスを維持しながら一部の資金でチャレンジする手法として、長期的な運用戦略の中に組み込まれることがあります。
コア投資
コア投資とは、長期的に安定したリターンと資産保全を目的としてポートフォリオの中心に据える運用部分を指します。株価指数に連動するインデックスファンドや国債など値動きが比較的穏やかな資産を主体とし、継続的な市場成長や配当収入を堅実に取り込みます。コア資産は運用方針を頻繁に変更せず、時間を味方にして複利効果を高めることで、家計全体の資産形成を土台から支えます。そのうえで、より高い成長や超過収益を狙うサテライト投資を組み合わせることで、リスクとリターンのバランスを最適化する戦略が一般的です。