外国税額控除を使う場合のデメリットはありますか?
外国税額控除を使う場合のデメリットはありますか?
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2025/09/30 09:08
男性
30代
外国株式や外国ETFに投資すると現地で課税されることがあり、日本でも課税されると二重課税になると聞きました。その際に「外国税額控除」を使うことで日本の税金から控除できると知ったのですが、一方で使う場合に何かデメリットや注意点があるのか気になります。初心者でも理解できるように教えていただけますか。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
外国税額控除は二重課税を軽減できる便利な仕組みですが、いくつかのデメリットや注意点があります。まず確定申告が必須になる点です。特定口座で普段は申告不要の人でも、外国税額控除を使うためには申告を行い、外国税額控除に関する明細書や証明書類を添付しなければなりません。
また、控除には上限があり、その年の所得税額に対して国外所得の割合を掛け合わせた金額が限度になります。日本での所得税が少ない場合や住宅ローン控除など他の控除を使って税額が減っている場合は、外国で引かれた税金をすべて取り戻すことができないことがあります。さらに使い切れなかった分は最長3年間しか繰り越せず、それを過ぎると消滅してしまいます。
NISA口座で受け取る外国株式の配当については、日本側で非課税の扱いになるため外国税額控除の対象外です。また、米国株などで必要な書類を提出せずに本来より高い税率で源泉徴収されてしまった場合、その超過分は控除で取り戻せず、現地で還付請求をする必要があります。
さらに、どの年の所得に属するかの判定や為替換算、明細書作成などの手続きが煩雑である点も負担になります。証憑の保管や繰越管理を含めて正しく処理することが求められるため、初心者にとっては手間がかかりやすい制度といえます。
まとめると、外国税額控除は二重課税を和らげる有効な方法ですが、確定申告が必須であること、控除に上限と期限があること、NISAや条約超過分は対象外であること、そして手続きが複雑であることが主なデメリットです。
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外国税額控除
外国税額控除とは、日本に住んでいる個人や法人が、海外で所得を得てその国で税金を支払った場合に、同じ所得に対して日本でも課税される「二重課税」を避けるために、日本で支払う税金からその分を差し引くことができる制度のことをいいます。たとえば、外国株式の配当金を受け取った際に、外国で源泉徴収された税金がある場合、その金額を一定の計算に基づいて日本の所得税や法人税から控除することができます。この制度を利用することで、国際的な投資やビジネスを行う際の税負担を適正に調整できるようになります。ただし、控除できる金額には上限があり、正確な申告と証明書類の提出が必要です。資産運用や海外取引を行ううえで、知っておきたい重要な税務上の仕組みです。
特定口座
特定口座とは、投資家の税金計算を簡便にするための口座形式です。証券会社が運用益や損益を自動計算し、年間取引報告書を発行します。特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があり、「源泉徴収あり」を選択すれば、税金が取引時点で自動的に納付されます。これにより、確定申告が不要になるため、多くの投資家に利用されています。ただし、損益通算や損失の繰越控除を行う場合は確定申告が必要です。
源泉徴収
源泉徴収とは、給与や報酬、利子、配当などの支払いを受ける人に代わって、支払者があらかじめ所得税を差し引き、税務署に納付する制度です。特に給与所得者の場合、会社が毎月の給与から所得税を控除し、年末調整で過不足を精算します。 この制度の目的は、税金の徴収を確実に行い、納税者の負担を軽減することです。例えば、会社員は確定申告を行わずに納税が完了するケースが多くなります。ただし、個人事業主や一定の副収入がある人は、源泉徴収された金額を基に確定申告が必要になることがあります。 また、配当金や利子の源泉徴収税率は原則20.315%(所得税15.315%+住民税5%)ですが、金融商品によって異なる場合があるため、事前に確認が必要です。
NISA
NISAとは、「少額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)」の略称で、日本に住む個人が一定額までの投資について、配当金や売却益などにかかる税金が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託などで得られる利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばその税金がかからず、効率的に資産形成を行うことができます。2024年からは新しいNISA制度が始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを併用できる仕組みとなり、非課税期間も無期限化されました。年間の投資枠や口座の開設先は決められており、原則として1人1口座しか持てません。NISAは投資初心者にも利用しやすい制度として広く普及しており、長期的な資産形成を支援する国の税制優遇措置のひとつです。
控除限度額(控除上限額)
控除限度額とは、税金を計算するときに所得から差し引くことができる金額の上限のことをいいます。たとえば、確定拠出年金や医療費控除などで使われる制度には、「この金額までなら控除できます」という決まりがあり、その上限が控除限度額です。 この仕組みにより、一定の範囲内で税金の負担を軽くすることができますが、限度額を超えた部分については控除の対象にならないので、利用する際には注意が必要です。投資や資産運用においても、節税を考えるうえでとても重要なポイントになります。
二重課税
二重課税とは、同じ所得や資産に対して、二つ以上の国や課税主体から重ねて税金が課されることを指します。たとえば、外国の株式や債券に投資して得た利息や配当金に対して、まず現地の国で源泉徴収され、その後に日本でも課税されるというケースがあります。このような状況では、同じ収益に対して二重に税金がかかってしまい、実質的な手取りが減ることになります。ただし、日本では外国で課税された分を日本の税額から差し引く「外国税額控除」という制度があり、一定の条件を満たせば二重課税の負担を軽減することができます。海外投資を行う際は、このような税制のしくみにも目を向けることが重要です。




