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NISAの積立は一部解約してまた始めることはできますか?その場合どうなりますか?

NISAの積立は一部解約してまた始めることはできますか?その場合どうなりますか?

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2025/10/08 09:05


男性

30代

question

NISAで積立投資をしているのですが、途中で資金が必要になった場合に一部を解約して現金化し、また後日改めて積立を再開することは可能なのでしょうか。その際には非課税枠がどう扱われるのかや、一度解約した分の枠を再度使えるのかが気になります。制度上のルールや実務的な注意点を初心者でも理解できるように教えていただきたいです。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

NISAの積立は途中で一部を解約して現金化し、その後また再開することが可能です。売却益や分配金は非課税のままですが、注意点として同じ年の投資枠は売却しても復活しません。復活するのは簿価ベースで計算される非課税保有限度額であり、それは翌年以降に再び利用できる仕組みになっています。

具体的には、その年に積立枠を使い切っていれば同じ年の買い直しはできません。翌年になると売却した分の簿価が総枠に戻り、そのうえで翌年分の年間投資枠の範囲内で改めて積立を再開できます。つまり同一年内に売却と買い直しを繰り返しても年間の上限額は増えないため、資金需要に応じて一旦現金化する場合は翌年以降に再利用する流れになります。

実務上は、まず証券会社の積立設定を一時停止し、必要な分だけ売却します。売却代金は通常、約定から数営業日後に受け取れるので資金需要の時期を逆算して売却手続きをすると安心です。資金に余裕ができたら積立設定を再開すればよく、その際は年間投資枠と非課税総枠の範囲を確認することが重要です。

併せて、NISAでは損失が出ても課税口座の利益と損益通算ができない点や、一部の投資信託では売却時に信託財産留保額がかかる場合がある点にも注意してください。これらを踏まえれば、必要に応じて柔軟に解約しながら非課税のメリットを維持しつつ再開することができます。

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非課税枠とは、税金が課されない金額の上限を指し、様々な税制に適用される制度。 例えば相続税では基礎控除額として「3,000万円+600万円×法定相続人数」が非課税枠となる。贈与税では年間110万円までの贈与が非課税。また、NISA(少額投資非課税制度)では年間の投資上限額に対する運用益が非課税となる。 このような非課税枠は、税負担の軽減や特定の政策目的(資産形成促進など)のために設定されており、納税者にとって税金対策の重要な要素となっている。

簿価

簿価(帳簿価額)とは、資産を取得した時点で会計帳簿に記録した価額、あるいは取得後に減価償却や評価替えを行った後の帳簿上の残存価額を指します。株式や債券の取得原価、不動産や設備の償却後残高など、資産の「会計上の基準点」となる数値であり、企業の財務諸表では貸借対照表(B/S)の資産項目に表示されます。 簿価は取得原価主義を前提とするため、市場価格(時価)とは乖離する場合があります。たとえば100万円で購入した上場株式の帳簿価額がそのまま100万円で残っていても、現在の市場価格が150万円なら50万円の含み益、70万円なら30万円の含み損が生じている計算です。この差は売却して初めて実現損益として確定しますが、運用状況の把握や税務計算の前提として簿価を基準にすることが多い点は押さえておきましょう。 実務上、簿価が変動する代表例は二つあります。一つ目は減価償却で、建物や設備など耐用年数のある固定資産は会計期間ごとに計画的に簿価を減らします。二つ目は簿価切り下げ(評価損)で、時価の大幅下落などによって資産価値の回復が見込めないと判断されると、簿価を減額処理するケースがあります。いずれの場合も、財務指標や利益計算に影響を与えるため、投資家は簿価と時価の双方を意識して企業の財務健全性や投資パフォーマンスを評価する必要があります。 個人投資の観点では、簿価は「取得原価=税務上のコスト」と同義となることが多く、売却益に対する課税額を計算する際のベースになります。長期保有資産ほど時価との乖離が大きくなりやすいことから、簿価と時価の差を定期的に確認し、含み益・含み損の管理やリバランス、損益通算などの税務戦略に生かすと効果的です。

年間投資枠

年間投資枠とは、つみたてNISAや一般NISAなど非課税制度を利用する際に、その年に非課税で投資できる上限金額を指します。たとえば2024年から始まった新しいNISA制度では、「成長投資枠」で最大240万円、「つみたて投資枠」で最大120万円という年間上限が設定されています。この枠内で購入した投資信託や株式の売却益・配当金は、制度が定める期間中、課税を受けません。 年間投資枠は翌年に繰り越せないため、未使用分は消滅しますが、使い切った場合でも翌年には新たな枠が自動的に付与されます。資産形成を効率化するには、自分の資金計画やリスク許容度に合わせて年間投資枠を無理なく活用し、長期的な非課税メリットと複利効果を最大化することが大切です。

損益通算

投資で発生した利益と損失を相殺することで、課税対象となる利益を減らす仕組みのことです。たとえば、株式投資で50万円の利益が出た一方、別の取引で30万円の損失が発生した場合、損益通算を行うことで、課税対象となる利益は50万円から30万円を引いた20万円になります。この仕組みにより、納める税金を減らすことが可能です。 損益通算が適用されるのは、同じ「所得区分」の中でのみです。たとえば、株式や投資信託の譲渡損益や配当金などは「株式等の譲渡所得等」に分類され、この範囲内で損益通算が可能です。ただし、不動産所得や給与所得など、異なる所得区分間では基本的に通算できません。 さらに、株式投資の損失は、損益通算後も控除しきれない場合、翌年以降最長3年間繰り越して他の利益と相殺できます。これを「繰越控除」と呼び、投資初心者にとっても節税に役立つ重要なポイントです。

信託財産留保額

信託財産留保額とは、投資信託を解約(売却)する際に、投資家が支払うことになる費用の一つで、解約代金から差し引かれてファンド内に留め置かれるお金のことです。 このお金は、運用している信託財産の中に残され、他の投資家に不利益が出ないようにするための調整の役割を持ちます。たとえば、大量の解約が発生すると、ファンドは保有資産を売却して現金化しなければならず、その際に売却コストが発生します。このコストをすべての投資家に負担させると不公平になるため、解約者に信託財産留保額という形で部分的に負担してもらうのです。つまり、長くファンドを保有する投資家の利益を守る仕組みとして設定されています。

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