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公務員は不動産投資をするべきと聞きましたがなぜでしょうか?

公務員は不動産投資をするべきと聞きましたがなぜでしょうか?

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2025/08/06 08:16


男性

30代

question

公務員は不動産投資に向いていると聞きましたが、なぜそのように言われるのでしょうか?安定収入があるから融資が受けやすいという話もありますが、実際にどんなメリットがあるのか詳しく知りたいです。また、一方で副業制限がある中で不動産投資は問題ないのか、どこまでが許容される範囲なのか、制度上の制約についても気になります。区分マンションのような小規模投資と一棟物件では違いがあるのか、また将来の年金や退職金にどう影響するのかなど、公務員として不動産投資を始める際の注意点や判断の基準を教えてください。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

公務員が不動産投資に向いていると言われる最大の理由は「与信力の高さ」です。国家公務員法や地方公務員法で身分が保証され、景気悪化でも給与が急減しにくいことから、金融機関は長期ローンでも返済遅延リスクが小さいと判断します。その結果、低金利・長期の融資枠を確保しやすく、同じ物件でも民間より自己資金を抑えて投資できるケースが多くなります。給与天引き型の団体保険や住宅ローン実績も信用評価を底上げし、返済比率の審査でも有利に働きます。

安定収入によるキャッシュフローの見通しやすさは、物件の空室リスクを一時的に被っても家計が耐えやすいという点でもメリットです。公務員年金と退職金がほぼ確定給付型であるため、将来の生活費と賃料収入を組み合わせる資産設計もしやすく、インフレ局面で実物資産を保有することで年金・預貯金の購買力低下を補うという分散効果も期待できます。

一方、副業制限との整合性は必ず確認しなければなりません。国・地方いずれも「営利企業への従事等の制限」があり、原則として事業的規模の不動産貸付は許可制です。ただし、平成28年総務省通知などで示された「5棟10室基準(戸建てなら5棟以下、アパートなら10室以下、床面積500㎡以下程度)」に収まる小規模賃貸は、営利事業に該当しないとされるのが一般的です。規模を超える場合や職務専念義務に抵触する恐れがある場合は、人事院(国)や任命権者(地方)へ事前届出・許可申請が必要です。無届で規模を拡大すると懲戒対象になり得るため、拡張の際は早めに庁内手続きを確認してください。

投資対象としては、ワンルーム区分マンションのような小口物件が副業規制の範囲に収まりやすく、管理会社に委託すれば業務負担も軽微です。一棟アパートは規模拡大による高利回りを狙えますが、5棟10室基準を超えれば許可が必要となり、修繕・空室対策も自己負担が増えます。融資面でも区分は住宅ローンに近い金利が出ることがあるのに対し、一棟物件は事業用ローン扱いとなり金利が上がる点を踏まえて比較することが大切です。

年金や退職金への直接的な影響はありませんが、現役時代にローン返済を終えれば、退職後も安定した賃料が私的年金のように機能します。ただし、退職前後で住民税・社会保険料の計算所得が増減するため、不動産所得の黒字化タイミングと給与水準の推移をあわせてシミュレーションし、税負担が急増しないか確認しておくと安心です。退官後に物件を売却することを想定する場合は、減価償却累計額による譲渡所得の増加や住民税の負担時期にも注意が必要です。

総じて、公務員が不動産投資を始める際の判断基準は、①融資条件が有利である利点を活かしつつも副業規制を超えない物件規模にとどめること、②家計の可処分所得と将来年金の範囲でローン返済が無理なく完了する期間設定とすること、③賃貸管理を外部委託して本業に支障を及ぼさない体制を整えること、の三点に集約されます。これらを満たせば、公務員の安定した信用力を背景に、少ない自己資金と低金利でインフレ耐性のある資産を築く合理的な手段となり得ますが、制度上の許可基準や税務の細則は自治体によって微妙に異なるため、着手前に必ず所属機関の人事担当や専門家に確認することが肝要です。

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与信

与信とは、ある相手に対して「この人(企業)なら将来、きちんとお金を返してくれるだろう」と信用して、お金を貸したり、代金の支払いを後回しにしたりする行為や、その判断のことを指します。金融機関が企業や個人に融資を行うときはもちろん、企業同士の取引でも「商品を先に渡して代金は後日支払い」といった形で与信が行われます。 与信をする側は、相手の返済能力を見極めるために、財務状況、過去の取引履歴、業績見通しなどをチェックし、貸せる金額の上限を設定します。このような仕組みにより、経済活動がスムーズに流れる一方で、相手が支払えなくなるリスク(信用リスク)も伴います。そのため、資産運用やリスク管理の観点からも、「どの相手に、どの程度まで信用を与えるか」という与信の判断は非常に重要になります。

住宅ローン

住宅ローンとは、自宅を購入したり新築・リフォームしたりする際に、金融機関から長期的にお金を借りるための貸付制度のことを指します。通常、借りた資金は数十年かけて分割返済され、元金と利息を毎月支払っていく仕組みです。 多くの場合、担保として購入する住宅や土地が差し入れられます。住宅ローンには金利のタイプ(固定金利・変動金利)や返済方法(元利均等返済・元金均等返済)など、さまざまな選択肢があり、自分の収入やライフプランに合わせて慎重に選ぶことが大切です。 また、一定の条件を満たせば住宅ローン控除などの税制優遇を受けられる場合もあります。家という大きな買い物を実現する手段として、多くの人が利用する金融商品です。

キャッシュフロー

お金の流れを表す言葉で、一定期間における「お金の収入」と「支出」を指します。投資や経済活動では特に重要な概念で、現金がどれだけ増えたか、または減ったかを把握するために使われます。キャッシュフローは大きく3つに分かれます。 1つ目は本業による収益や費用を示す「営業キャッシュフロー」、2つ目は資産の購入や売却に関連する「投資キャッシュフロー」、3つ目は借入金や配当などの「財務キャッシュフロー」です。 キャッシュフローがプラスであれば手元にお金が増えている状態、マイナスであれば減っている状態を示します。これを理解することで、資産の健全性や投資先の実態を見極めることができ、初心者でも資金管理や投資判断の基礎として役立てられます。

退職金

退職金とは、長年勤務した従業員が退職する際に企業から支給される一時金のことです。その金額は、勤務年数や役職、企業の規模や方針などによって決まり、退職後の生活を支える目的で支給されます。また、従業員にとっては将来への安心感を得るための制度であり、企業にとっては長年の貢献に対する感謝の意を示すとともに、円滑な人事の移行を促す役割も果たします。 退職金は、通常の給与とは異なり、特別な支払いとして扱われるため、税金の計算方法も異なります。一定の条件を満たすと税優遇措置が適用され、受け取る金額に対する税負担が軽減されることがあります。そのため、退職金を受け取る際には、税制や受け取り方法について事前に確認しておくことが大切です。 退職金の制度や金額の決め方は、企業の就業規則や雇用契約によって定められています。また、一括で受け取る方法と分割して受け取る方法があり、運用方法によっては老後の資産形成にも活用できます。退職金をどのように管理・運用するかは、将来の生活設計に大きく影響するため、計画的に活用することが重要です。

職務専念義務

職務専念義務とは、公務員や企業の従業員が、その勤務時間中は本来の業務に専念しなければならないという法的・契約上の義務のことを指します。 これは、勤務時間を私的な活動や他の仕事に使うことを禁止し、雇用者に対して誠実に職務を果たすことを求めるものです。特に公務員においては、公務の公正さや信頼性を守るために明文化されており、無断で副業を行ったり、公務中に私用の連絡や行動を取ることは職務専念義務違反となる可能性があります。 民間企業でも就業規則などで同様のルールが設けられており、組織の秩序や生産性を保つための基本的な原則とされています。

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