退職金を受け取った翌年に、確定申告は必要ですか?
退職金を受け取った翌年に、確定申告は必要ですか?
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2025/11/12 09:12
男性
60代
退職金を受け取った翌年に確定申告は必要でしょうか?必要な場合、どのような書類を用意する必要がありますか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
退職金を受け取った翌年に確定申告が必要かどうかは、会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出したかどうかで決まります。提出していれば退職金は支給時に正しく源泉徴収されており、翌年の確定申告は原則不要です。
一方、この申告書を出していない場合は、一律20.42%で源泉徴収されているため、確定申告で退職所得控除や2分の1課税を適用すれば税金が還付される可能性があります。
また、同じ年に複数の企業や共済から退職金を受け取った場合も、通算して課税額を再計算する必要があるため確定申告が必要です。さらに、医療費控除やふるさと納税など別の理由で申告を行う際にも、退職所得の情報を合わせて記載します。
申告の際には「退職所得の源泉徴収票」を必ず手元に準備し、必要に応じて控除証明書などの添付書類も確認しましょう。会社員であっても退職金の受け取り方によっては還付を受けられるケースがあるため、申告の要否を正しく判断することが大切です。
制度改正の影響で控除計算が変わる可能性もあるため、不安な場合は専門家に相談するのが安心です。退職金の税金や申告手続きで迷ったときは、「投資のコンシェルジュ」の無料相談をご利用ください。
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