任意後見制度にかかる費用はどのくらいですか?
任意後見制度にかかる費用はどのくらいですか?
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2025/07/29 06:58
男性
50代
最近、両親の高齢化をきっかけに任意後見制度の利用を考え始めました。ただ、実際に制度を使うにはどのくらいお金がかかるのかがわからず不安です。最初に払う費用や制度が始まってから継続的にかかる費用の目安を教えてください。
回答
佐々木 辰
38歳
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
任意後見制度の費用は、「契約時(初期費用)」「発効時」「運用中(ランニングコスト)」の3段階で発生します。
まず契約時には、公証役場での公正証書作成に関する費用がかかります。公正証書作成の基本手数料(約11,000円)、登記嘱託手数料(1,400円)、登記手数料(印紙代2,600円)に謄本や郵送費用を含めて約2~3万円が目安です。専門家(司法書士や弁護士)に契約文書の作成を依頼する場合は、追加で約3万~10万円がかかることもあります。
次に、本人の判断能力が低下して制度を実際に利用開始(発効)する際には、家庭裁判所に対する申立費用として収入印紙(800円)、郵券(切手代:約3,000円)、登記手数料(1,400円)などが発生します。また、ご本人の状態を医学的に判断するための医師による鑑定が必要になる場合は、追加で約10万~20万円程度を見込んでおく必要があります。
そして最も負担が大きくなりやすいのが、制度が始まってからご本人が亡くなるまで毎月発生するランニングコスト(任意後見監督人報酬)です。これは裁判所が決定しますが、一般的には管理財産5,000万円以下で月額1万~2万円、5,000万円超では月額2.5万~3万円程度が目安となっています。任意後見人に家族がなる場合は報酬を無報酬に設定することも可能です。
具体例として、管理財産が3,000万円で、家族が任意後見人(無報酬)、監督人報酬が月額1.5万円とすると、10年間の費用総額は約183万円程度となります。高齢化が進む中、余裕を持った資金計画を立てることが大切です。
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“任意後見制度とはどのような制度ですか?”
A. 任意後見制度とは、将来の認知症などに備え、財産管理や生活支援を信頼できる人に託す仕組みです。
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“任意後見契約の締結方法と開始手続きは?”
A. 任意後見契約は公証役場で締結後、判断力低下時に家庭裁判所で監督人を選任して開始します。
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“任意後見制度を利用するメリットは何ですか?”
A. ご本人の意思で後見人や財産管理範囲を自由に指定でき、資産凍結を防ぎ、相続対策にも有効です。
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“任意後見制度のデメリットや注意点は?”
A. 取消権がなくご本人の不利益な契約を防げない点、監督人への報酬負担や制度の柔軟性不足に注意が必要です。
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“任意後見制度の相談先はどこが適切ですか?”
A. 市区町村の成年後見センターや司法書士会・弁護士会の無料相談、法テラスを活用しましょう。
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“「任意後見制度」「法定後見制度」「家族信託」それぞれの特徴を教えてください”
A. 任意後見は自由度、法定後見は裁判所主導の保護力、家族信託は財産管理と相続設計に強みがあります。
関連する専門用語
任意後見
任意後見とは、自分の判断能力が低下する将来に備えて、あらかじめ信頼できる人を後見人として選び、公正証書で契約を結んでおく制度のことをいいます。これは「元気なうち」に本人の意思で準備できる後見制度であり、判断能力が実際に低下したときに、家庭裁判所の監督のもとで任意後見人が正式に活動を開始します。 任意後見人は、本人の財産管理や生活支援などを本人の希望に沿って行うことができるため、自分らしい生活を維持するための手段として注目されています。法定後見と違い、自分で「誰に、何を任せるか」を決めておける点が特徴です。高齢化や認知症のリスクが高まる中で、資産や生活の管理を将来にわたって安心して託すための、重要な準備の一つです。初心者にとっても、「自分の老後を自分で選ぶ」ための有効な制度として知っておく価値があります。
任意後見人
任意後見人とは、本人が将来判断能力を失った場合に備えて、あらかじめ信頼できる相手と結んでおいた「任意後見契約」に基づき、本人の財産管理や生活支援などを代わりに行う人のことです。この契約は、本人がまだ判断能力のあるうちに公正証書で結ばれ、実際に判断能力が不十分になったと家庭裁判所が判断し、任意後見監督人が選任された段階で効力が発生します。 任意後見人の業務は、日常の金銭管理や契約手続き、介護サービスの手配、不動産の管理など多岐にわたり、本人の意思を尊重しつつ、その権利や生活を守ることが求められます。家族や専門職(司法書士・弁護士など)が任命されることが多く、安心して老後を迎えるための備えとして注目されている制度です。
任意後見監督人
任意後見監督人とは、将来に備えてあらかじめ結んでおいた「任意後見契約」が実際に発効されたときに、任意後見人の業務が適正に行われているかを監督する立場として、家庭裁判所により選任される第三者のことです。本人の判断能力が低下し、任意後見契約の内容に基づいて後見が開始された場合、任意後見人だけでは不正やミスが起きるおそれがあるため、それをチェックする役割を担います。 任意後見監督人は通常、弁護士や司法書士などの専門職が選ばれ、定期的に家庭裁判所へ報告を行いながら、任意後見人の活動を見守ります。資産管理や生活支援を本人に代わって行う制度を円滑かつ安全に機能させるための重要な存在であり、任意後見制度の信頼性を支える柱となります。
公正証書
公正証書とは、公証人という法律の専門家が法律に基づいて作成する公式な文書のことをいいます。これは、契約内容や遺言などを法的に強い効力をもって証明するために用いられ、文書の信頼性を高める役割を果たします。たとえば、金銭の貸し借りに関する契約を公正証書にしておくと、返済が滞った場合に裁判を経ずに強制執行(差し押さえなど)を行うことができるようになります。 このように、公正証書には「証明力」と「執行力」があり、将来のトラブルを防ぐために非常に有効です。資産運用や相続、離婚時の財産分与、贈与契約など、法的な取り決めを明確にしておきたい場面で利用されます。初心者にとっても、「書面で約束を残す」ことの重要性を理解するうえで、知っておくと安心な制度です。




