専門用語解説
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基軸通貨
基軸通貨とは、国際的な貿易や金融取引で広く使われ、各国が外貨準備として保有する中心的な通貨のことです。現在の基軸通貨はアメリカの「米ドル(USD)」であり、世界の貿易決済、国際借入、資産運用などの多くが米ドルを基準として行われています。 たとえば、原油や金などの国際商品は米ドル建てで取引されることが一般的であり、各国の中央銀行も外貨準備の大部分をドルで保有しています。これは、ドルが安定した価値を持ち、世界中で信頼されていることの表れです。 基軸通貨は、その国の政治・経済の安定性、金融市場の規模、流動性の高さなどに支えられて成り立っています。米ドル以外にも、ユーロや日本円、人民元などが「準基軸通貨」として一定の存在感を持っていますが、世界の中心としての地位は現在も米ドルが圧倒的です。 資産運用や為替取引を行ううえで、基軸通貨の動向や信認は非常に大きな影響を及ぼすため、その性質や役割を理解しておくことが重要です。
基準価額(NAV)
NAV(基準価額)とは、投資信託やETFなどが保有する資産の「1口あたりの価値」を示す指標です。英語ではNet Asset Valueと呼ばれ、ファンドの純資産総額から負債を差し引き、発行口数で割って算出されます。投資信託の価格の基本となるもので、投資家が保有している資産の時価を把握する際の中心的な指標です。 通常の投資信託では、この基準価額は1日に1回(多くの場合、取引終了後)に算出されます。そのため、日中の値動きは反映されず、翌営業日に公表される形になります。一方で、ETFの場合も同様のNAVが算出されていますが、これは「取引日の理論的終値」を示すもので、リアルタイム取引用にはiNAV(インディカティブNAV)が補完的に使われます。 NAVの値は、ファンドが保有する株式・債券・コモディティなどの時価評価額や、分配金・費用(信託報酬など)を反映して計算されます。そのため、市場の変動や為替の影響により日々変化します。投資家はこのNAVをもとに、「ファンド全体の価値がどの程度増減しているか」を把握することができます。 ただし、NAVはあくまで算出時点の理論価格であり、市場での売買価格(ETFの取引価格や投資信託の購入・解約価格)とは必ずしも一致しません。特にETFでは、取引時間中に市場価格がNAVから乖離することがあります。 まとめると、NAVはファンドの「公的な時価」を示す指標であり、投資信託・ETF双方の基準となる価格です。ETFの場合はこれに加え、リアルタイムの理論値であるiNAVを組み合わせることで、投資家はより正確に市場状況を把握できます。
基準金利
基準金利とは、金融機関が貸出金利や預金金利を決める際の目安となる、基礎的な金利水準のことをいいます。たとえば、住宅ローンやカードローンの金利は、この基準金利に一定の利幅(スプレッド)を加えて設定されます。一般的には、各銀行が独自に設定する「店頭表示金利」や、日本銀行が金融政策の一環として誘導する「政策金利」、短期の市場金利などが基準金利として使われます。 特に住宅ローンでは、変動金利型の商品において基準金利が変動することで返済額も見直されるため、金利動向に敏感になる必要があります。初心者の方にとっては、「どんな金利がどう決まるのか」を理解する入口として、基準金利という考え方を押さえておくことがとても重要です。
規制リスク
規制リスクとは、法律や制度の変更、または新しい規制の導入によって、投資や資産運用に予期せぬ影響が及ぶ可能性のことを指します。特に暗号資産やステーブルコインのような新しい金融商品は、各国で規制の方向性が定まっていない場合が多く、突然の規制強化や利用制限によって価格が下落したり、サービスが停止したりすることがあります。 規制リスクは投資家自身の努力では避けにくいため、投資判断をする際には対象となる国や地域の法制度や監督機関の動向を把握しておくことが重要です。安定した投資を行うためには、規制リスクを理解し、分散投資などで備えることが求められます。
帰省旅費
帰省旅費とは、単身赴任や長期出張などで家族と離れて暮らしている従業員が、自宅に戻るためにかかる交通費のことを指します。多くの企業では、福利厚生の一環としてこの帰省にかかる費用を一定の条件で補助する制度を設けています。例えば、月に1回や年数回まで、実費の全額または上限付きで交通費を支給する場合があります。資産運用の面では、帰省旅費の補助があることで生活コストの一部が軽減され、家計への負担が和らぎます。ただし、補助の対象外となる費用がある場合は自己負担となるため、出費のタイミングや内容を把握しておくことが重要です。また、補助があるからといって頻繁に帰省すれば、その他の支出がかさむこともあるため、バランスの取れた資金計画が求められます。
帰属権利者
帰属権利者とは、特定の財産や権利に対して正式な所有権や使用権を持ち、その利益を享受する個人または法人を指す。資産運用の分野では、投資信託や生命保険、遺産相続などの場面で受益者として位置づけられることが多い。例えば、投資信託における受益者は、そのファンドの運用成果に基づく分配を受ける帰属権利者である。また、相続や贈与においては、正式な手続きを経て資産の帰属権利者が変更されることがある。権利の帰属を明確にすることは、財産管理や法的トラブルを回避する上で重要である。
基礎工事
基礎工事とは、建築物の荷重を地盤に安全に伝えるため、建物の下部に基礎を構築する一連の建築工事を指します。 この用語は、住宅取得や不動産投資、建築計画の検討、工事契約の内容確認など、建物の安全性や耐久性を前提に判断する場面で登場します。完成後には目に見えなくなる工程であるため、建築全体の中では軽視されがちですが、建物の性能を左右する重要な工程として位置づけられています。 基礎工事が問題になりやすいのは、工事内容の違いが価格や品質の差として現れにくい点にあります。外観や内装と異なり、完成後にやり直すことが難しいため、設計段階や工事中の判断がそのまま将来のリスクや維持管理に影響します。そのため、どの工程までを基礎工事として捉えるのかは、契約や責任範囲を理解するうえでも重要になります。 誤解されやすい点として、基礎工事は「コンクリートを打つ作業」だけを指すという思い込みがあります。実際には、地盤の状況確認や掘削、配筋、型枠の設置など、複数の工程が連続して構成されています。この理解が不十分だと、工事の省略や簡略化に気づきにくく、結果として建物の安全性に関わる判断ミスにつながります。 一方で、基礎工事は単独で完結する工程ではなく、地盤条件や建築物の構造計画と密接に結びついています。基礎だけを切り離して良し悪しを判断するのではなく、建物全体の設計思想の一部として捉える視点が求められます。 基礎工事という用語を正しく理解することは、見えない部分を含めて建築の品質を考えるための前提になります。この用語は、建物の安全性を支える基盤として、判断の起点となる概念です。
基礎控除
基礎控除とは、所得税の計算において、すべての納税者に一律で適用される控除のことを指す。一定額の所得については課税対象から除外されるため、納税者の負担を軽減する役割を持つ。所得に応じて控除額が変動する場合もあり、申告不要で自動適用される。
基礎控除額
基礎控除額とは、相続税を計算する際に、遺産のうち課税されない金額のことを指します。つまり、この金額までは相続税がかからず、基礎控除額を超えた部分だけに税金がかかります。基礎控除額は、すべての人に一律で適用される「基本分」と、法定相続人の人数に応じて加算される「人数分」とを合計して決まります。たとえば、法定相続人が2人いる場合、2025年現在では「3,000万円 +(600万円 × 2人)= 4,200万円」が基礎控除額となります。資産運用の観点では、この控除を意識して相続税のかからない範囲での財産形成や分配を考えることが、税金対策やスムーズな資産承継につながります。
基礎控除申告書
基礎控除申告書とは、会社員やパート・アルバイトなどが勤務先に提出する書類で、誰でも受けられる「基礎控除」を適用するためのものです。基礎控除とは、所得税や住民税を計算する際に、一定額を所得から差し引いて税負担を軽くできる制度で、収入があるすべての人に認められています。令和2年の税制改正から、基礎控除額は一律ではなく、合計所得金額が高い人ほど控除額が少なくなる仕組みに変わりました。この申告書を提出することで、会社が行う年末調整で正しい税額計算がされるようになり、余分な税金を取られないようにすることができます。投資や資産運用を考える際にも、税金の基礎的な仕組みを理解するうえで重要な書類です。
基礎退職金
基礎退職金とは、企業などに長く勤めた社員が退職する際に支給される、基本的な退職金の部分を指します。これは主に勤務年数や退職時の役職、給与水準などに基づいて計算され、特別な成果や業績とは関係なく、一定のルールに従って支給される金額です。企業によって算出方法は異なりますが、いわば退職金制度の「土台」となる部分です。資産運用の観点から見ると、基礎退職金は老後資金の一部として重要な役割を果たします。特に退職後に年金だけで生活するのが難しい時代において、この基礎退職金をどのように受け取り、運用していくかは、将来の生活設計に大きく関わります。
基礎年金
基礎年金とは、日本の公的年金制度の土台となる年金で、20歳から60歳までのすべての人が加入する国民年金により将来受け取れる年金を指します。会社員や公務員など厚生年金に加入している人も、まずこの基礎年金を共通部分として受け取ったうえで、勤め先を通じて上乗せされる年金を受け取ります。 支給開始年齢は原則65歳で、保険料を納めた期間に応じて受取額が決まり、未納期間が多いと将来の年金額が減る仕組みです。このため、老後の生活資金の基礎をつくる大切な制度として、若いうちから保険料を継続して納めることが重要になります。
基礎年金番号
基礎年金番号とは、日本の公的年金制度に加入するときに一人ひとりに割り当てられる、固有の番号のことです。この番号は、国民年金や厚生年金などの年金記録を一元的に管理するために使われ、転職や結婚などで姓や勤務先が変わっても年金の加入記録を正確に追跡できるようになっています。年金に関する手続きや確認の際には、この基礎年金番号が必要になるため、自分の番号を把握しておくことが大切です。通常は「年金手帳」や「基礎年金番号通知書」に記載されています。
既存住宅状況調査技術者
既存住宅状況調査技術者とは、中古住宅の状態を調査・診断するための専門資格を持った技術者のことです。建築士の資格を有しており、一定の講習を修了した者がこの資格を取得できます。この技術者は、住宅の劣化や不具合の有無、安全性に問題がないかを客観的に調べる役割を担っています。 国の制度に基づき、特に不動産の売買時に行う「既存住宅状況調査(インスペクション)」を実施できる唯一の資格者であり、買主や投資家が安心して住宅を購入するための判断材料を提供してくれます。資産運用の観点では、物件選びの精度を高め、思わぬ出費や損失のリスクを減らすために重要な存在です。
既存住宅売買瑕疵保険
既存住宅売買瑕疵保険とは、中古住宅の売買において、引き渡し後に発見された構造上の欠陥や雨漏りなどの「隠れた瑕疵(かし)」に対して補償を行う保険制度です。この保険は、国に登録された保険法人が提供しており、対象となる住宅について事前に建物状況調査(インスペクション)を実施し、一定の基準を満たした場合に加入できます。補償内容としては、基礎・柱・屋根などの構造耐力上主要な部分や、雨水の浸入を防ぐ部分に不具合があった場合の修補費用が含まれます。 売主が個人である場合には、契約不適合責任が免責とされるケースも多く、買主にとってはリスク管理の手段としてこの保険が有効です。不動産投資においても、保険付き物件であれば購入後のトラブルリスクを軽減できるため、安心材料のひとつとなります。
既存不適格
既存不適格とは、建物が建てられた当時の法律や基準には適合していたものの、その後の法改正や基準の見直しによって、現在のルールには合わなくなっている状態を指します。違法に建てられたわけではなく、あくまで「昔は適法だが今の基準では不適合」という扱いになります。 資産運用の観点では、増改築や建て替えの際に最新基準への適合が求められてコストが増える可能性があるほか、耐震や防火などの面で性能が相対的に見劣りすることがあり、価格や融資の条件に影響することがあります。一方で、現在の基準に合うように改修すれば価値を高められる余地もあるため、購入前に法規制と改修の可否、費用見込みを丁寧に確認することが大切です。
期待インフレ率
期待インフレ率とは、今後の物価上昇に対して人々や市場が予想しているインフレの水準のことを指します。これは実際のインフレ率ではなく、「これから物価がどれくらい上がると思っているか」という将来予測であり、企業の価格設定や家計の消費行動、投資家の資産運用に大きな影響を与えます。 たとえば、人々が今後インフレが進むと予想すれば、企業は値上げに積極的になり、消費者は物価がさらに上がる前に購入を急ぐようになるため、実際のインフレが現実化しやすくなるという側面があります。中央銀行にとっても、期待インフレ率は金融政策の方向性を決めるうえで重要な参考指標となります。特に長期金利や実質金利の分析、物価連動債(インフレ連動債)の価格形成などにも深く関係しています。
期待ショートフォール(expected-shortfall)
期待ショートフォールとは、一定の確率を超えて損失が発生した場合に、その損失が平均してどのくらいの大きさになるかを示すリスク指標のことです。これは、一般的に使われるVaR(バリュー・アット・リスク)が「ある確率の範囲内で起こりうる最大損失額」を示すのに対して、「その限界を超えたもっと深刻な損失」に着目したもので、より現実的で慎重なリスク管理に役立ちます。 たとえば、「5%の確率で起こる最悪の事態」が実際に起きたとき、その平均的な損失が期待ショートフォールです。金融機関では、リーマンショックのような極端な市場変動に備えるため、この指標を使ってポートフォリオの健全性を評価するケースが増えています。投資初心者にとっては少し専門的に聞こえるかもしれませんが、「想定を超えた損失にどう備えるか」を考えるうえで、知っておきたいリスク指標です。
期待値
期待値とは、将来的に得られる可能性のある金額の平均的な値を示す考え方です。たとえば、ある投資の結果が複数のパターンで分かれていて、それぞれの結果が起きる確率がわかっている場合、それぞれの結果にその確率をかけて合計したものが期待値になります。 これは、「運がよければこうなる」ではなく、「長い目で見れば平均的にこうなる」という考えに基づいています。投資判断においては、一度きりの結果ではなく、何度も同じ選択を繰り返したときの平均的な利益や損失を見積もるために用いられます。ただし、期待値が高いからといって必ずしも良い投資とは限らず、リスクも一緒に考えることが大切です。
期待利回り
期待利回りとは、ある投資から将来得られると予想される収益の割合を示す指標です。これは「この投資をすると、平均してこれくらいの利益が見込めます」という目安を表すもので、実際の利益が必ずしもその数値になるわけではありません。過去の実績や将来の経済状況、リスクなどを考慮して算出されるため、投資判断の材料のひとつとして使われます。たとえば、株式や債券などを選ぶ際に、どちらの方がリターンが見込めるかを比較するために活用されます。初心者にとっては、リターンだけでなくリスクも含めて投資先を判断するための基本的な考え方の一つです。
記念配当
記念配当とは、企業が創立○周年や上場○周年、業績の節目となる達成など、特別な出来事を祝う目的で、一時的に支払う配当金のことです。通常の配当金に上乗せする形で支払われることが多く、株主への感謝を示すために行われます。 これはあくまで臨時的なものであり、翌期以降も継続されるわけではありません。企業のブランド価値や株主との関係強化を目的とする場合が多く、投資家にとっては予期せぬ利益となることがあります。 ただし、記念配当があるからといって企業の業績が常に良好であるとは限らないため、その配当の背景にある企業の財務状況や意図を確認することも大切です。
希薄化(ダイリューション)
希薄化(ダイリューション)とは、企業が新株発行やストックオプションの行使、転換社債の株式転換などを行った結果、発行済株式数が増加し、既存株主が保有する株式の「持ち分比率」や1株当たり指標(EPS・BPS・配当など)が相対的に低下する現象を指します。たとえば、発行済株式が1,000万株の会社で100万株を追加発行すると、株数は1,100万株に増え、従来10%を保有していた株主の持株比率はおよそ9.1%へ下がります。この比率低下だけでなく、利益や純資産が同じまま株数だけ増えるため、1株当たり利益(EPS)や1株当たり純資産(BPS)も薄まる点が既存株主にとっての実質的な影響です。 希薄化は、資金調達やM&A対価の支払いなど経営上の目的で避けられない場合がありますが、次のような視点で注意が必要です。 発行規模と発行価格 既存株主に与える希薄化インパクトは「何株・いくらで」発行するかで大きく変わります。発行株数が多い、あるいは発行価格が市場より著しく低い場合は希薄化が急激に進みやすいです。 資金使途とリターン 調達資金が成長投資や財務改善に使われ、中長期で収益拡大が見込めるなら、希薄化を上回る株価上昇につながる可能性があります。逆に、明確なリターンが見込めない増資は株価を長期的に押し下げることがあります。 潜在株式の規模 ストックオプションや転換社債など、まだ株式化していない潜在株式も将来の希薄化要因です。有価証券報告書の「潜在株式数」や平均行使価格を把握し、完全希薄化後EPSでバリュエーションを確認することが重要です。 ロックアップ・売却制限 発行先にロックアップ(一定期間の売却禁止)が設定されているかで、実際に市場へ売り圧力が出るタイミングが異なります。解除時期が近いと、株価の上値を抑えるオーバーハング要因になります。 まとめると、希薄化は発行済株式数の増加に伴う既存株主の持ち分低下と1株当たり価値の減少を意味します。投資判断を行う際は、新株発行の規模・価格・資金使途に加え、潜在株式の存在やロックアップ条件まで確認し、将来のリターンとリスクを総合的に見極めることが欠かせません。
既発債
既発債とは、すでに発行され市場に流通している債券のことを指します。新規に発行される新発債と区別され、既発債は発行時に決定された金利、償還期間、利払い条件などの契約内容が固定されているため、その後の市場環境の変化に応じて価格が変動する特徴があります。 投資家は、既発債を市場で売買する際に、発行時の条件と現行の金利状況などを考慮してリスクとリターンを判断する必要があります。また、既発債の市場動向は、金融全体の金利環境や信用リスクの変動を反映するため、経済の健全性や市場動向の分析においても重要な指標となっています。
寄付型クラウドファンディング
寄付型クラウドファンディングとは、金銭的な見返りを前提とせず、活動や目的への賛同によって資金を提供する仕組みを指します。 この用語は、社会貢献活動、地域支援、研究・文化活動、災害支援など、収益の創出そのものを目的としない取り組みについて資金を集める文脈で登場します。資金を提供する側は、商品やサービスの提供を受けることを期待するのではなく、理念や目的に共感した結果として資金を拠出します。そのため、資金調達の手段であると同時に、活動への支持や意思表示の方法としても使われる点が特徴です。 誤解されやすい点として、寄付型クラウドファンディングが「購入型の一種」や「将来的に何らかのリターンが得られる可能性がある仕組み」と理解されることがあります。しかし、この用語は対価性を前提としていません。支援の結果として報告や感謝の表明が行われることはあっても、それは取引上の見返りではなく、金銭的価値を伴う返礼を意味するものではありません。この点を曖昧にすると、期待と実態のズレが生じやすくなります。 また、「寄付型であれば必ず善意として扱われ、負担や責任は生じない」という理解も注意が必要です。寄付という形式であっても、資金を受け取る側には使途の説明や目的に沿った活用が求められます。名称から自由度が高い仕組みに見えますが、信頼を前提とした関係性の上に成り立つ点は重要な前提条件です。 寄付型クラウドファンディングを理解するうえで重要なのは、「何を受け取れるか」ではなく、「何を支えたいのか」という視点です。この用語は、資金提供を投資や購買と切り離し、共感や支援という行為として整理するための概念です。寄付型クラウドファンディングは、金銭的リターンを求めない資金調達の形を明確に区別するための基準語として位置づけるべきものです。