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こどもNISAの賢い活用法!2027年開始の新制度をジュニアNISAとの違い・デメリットまで解説
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公開:
2026.09.18
更新:
2026.09.18
2027年1月開始予定のこどもNISAは、子どもや孫の教育資金づくり、将来資産の形成、生前贈与の手段として注目されている新制度です。一方で、成人向けNISAや終了したジュニアNISAとの違い、投資枠、払い出し条件、贈与税との関係が分かりにくく、使い方を誤ると期待した効果を得にくい可能性もあります。この記事では、こどもNISAの基本からメリット・デメリット、学資保険との比較、活用方法、始め方まで具体的に解説します。
目次
こどもNISAは2027年1月開始の子ども向け非課税制度
こどもNISAは、0〜17歳を対象に年間60万円・累計600万円まで非課税で投資できる、2027年1月開始予定の制度です。長期・安定的な投資を通じて、大学進学などにともなう子どもの必要資金を備えたいというニーズから生まれました。
詳細な運用ルールや対象商品の範囲などは、2026年中に政令などで定められる見込みです
対象は0〜17歳の子ども
利用できるのは0歳から17歳までの未成年者で、口座の管理は親などが担います。現行NISAでは18歳以上が対象でしたが、こどもNISAでは0歳から17歳の子ども名義でNISA口座を開設できるようになります。
口座の管理や手続きは、原則として親権者などの口座管理者が担います。祖父母が資金を援助することは考えられますが、口座手続きの主体とは分けて考える必要があります。
- 口座内の資産は法的に子どものものとなるため、親が自由に使うことはできません。つまり、名義どおり「子どものお金」として扱われる設計です。
年間60万円・累計600万円が上限
投資できる金額は年間60万円、生涯の保有上限は600万円です。これは月額5万円の積立投資に相当する金額です。
- 上限まで使い切る目安も具体的に見えます。0歳から投資を始めた場合、10年間フル活用すれば上限に達する計算になります。投資対象は長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託に限定され、成人NISAのつみたて投資枠と同じ考え方です。なお限度額に達しても、保有資産の運用そのものは続けられます。
18歳で成人NISAへ自動で移行
こどもNISAの魅力は、18歳以降も非課税運用を引き継げる点にあります。期限切れで売却を迫られる心配がないため、長期の複利効果(利益が利益を生む効果)を取りこぼしません。
具体的には、600万円の枠は子どもが18歳に達した際、成人向けNISAの非課税保有限度額(総額1,800万円)へと自動的に引き継がれる仕組みです。成人後も継続して資産運用を続けやすい設計になっています。17歳までに育てた資産を、そのまま一生涯の資産形成へつなげられるわけです。
成人向けNISAとの違い
こどもNISAは成人向けNISAと完全に別の制度というより、つみたて投資枠の対象を未成年にも広げる位置づけです。ただし、年間投資枠や非課税保有限度額、払い出し条件などは成人向けNISAと異なります。
最も大きな違いは投資できる金額の規模です。成人NISAは年間投資枠がつみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円、非課税保有限度額は合わせて1,800万円あります。一方こどもNISAは年間60万円・累計600万円にとどまり、株式などに投資できる成長投資枠もありません。
対象年齢も対照的で、成人NISAが18歳以上であるのに対し、こどもNISAは0〜17歳が使えます。両者は重複しないため、親が成人NISA、子がこどもNISAをそれぞれ持てる関係です。
- ここで押さえたいのは、こどもNISAが成人NISAと地続きである点です。18歳以降はこどもNISAの資産が通常のNISA口座のつみたて投資枠に移行されます。つまり、子ども時代の600万円枠は成人後の1,800万円枠へ吸収され、生涯にわたる非課税運用の入り口として機能します。
現在のNISA制度は、こちらの記事でも解説しています。あわせて参考にしてみてください。
こどもNISAはジュニアNISAの弱点を解消した後継制度
こどもNISAは、2023年末で終了したジュニアNISAの使い勝手の悪さを改善する形で生まれました。ジュニアNISAは2023年末に制度が終了となり、2023年9月末で口座開設申込が終わりました。
| 項目 | ジュニアNISA | こどもNISA | 成人NISA(つみたて投資枠) |
|---|---|---|---|
| 対象年齢 | 0〜19歳 | 0〜17歳 | 18歳以上 |
| 年間投資枠 | 80万円 | 60万円 | 120万円 |
| 非課税保有限度額 | 最大400万円 | 600万円 | 1,800万円(成長投資枠含む) |
| 非課税期間 | 最長5年 | 無期限 | 無期限 |
| 払い出し制限 | 原則18歳まで不可 | 一定要件下で12歳以降可 | 制限なし |
| 新規投資 | 2023年末終了 | 2027年1月開始予定 | 受付中 |
※こどもNISAは令和8年度税制改正大綱に基づく予定で、詳細は今後の公表で変わる可能性があります。
従来のジュニアNISAから何が変わったのかを見ていきましょう。
12歳以降に引き出せるようになった
大きな改善点は、子どもが成人する前に資金を取り出せるようになったことです。ジュニアNISAの最大の弱点が、引き出しの硬さにあったからです。
ジュニアNISAは基本的に18歳まで払い出しができず、それ以前に引き出すと過去に非課税だった利益などに課税されてしまう仕組みでした。予定外の出費も想定される子ども用の資金としては使い勝手が悪かったのです。
- 一方でこどもNISAは、一定要件を満たせば12歳以降に払い出しが可能とされています。ただし、自由に引き出せるわけではなく、子どものための資金であることや、子どもの同意、親権者等による申出などが求められる見込みです。
非課税期間が無期限になった
保有できる期間の制約も大きく緩みました。ジュニアNISAは最長5年間の非課税にとどまり、期間が来るたびに継続管理勘定への移管が必要でした。
こどもNISAでは、この5年という期限がありません。期限切れを気にして資産を移し替える手間がなくなり、長期の複利効果(利益が利益を生む効果)を取りこぼさずに済みます。短期で区切られていた旧制度より、腰を据えた運用が可能です。
18歳で手続き不要で成人NISAへ移る
出口の設計も滑らかになる予定です。ジュニアNISAは18歳で口座が使えなくなり、資産の整理が必要でした。
- これに対しこどもNISAは、18歳以降にこどもNISAの資産が通常のNISA口座のつみたて投資枠へ移行します。子ども時代に育てた資産を成人後の資産形成へそのままつなげられる点が、生涯にわたる資産づくりの土台になります。
教育資金の準備は学資保険とこどもNISAのどちらが得か
教育資金準備にはどちらが得かという答えは、家庭が「確実性」と「増やす力」のどちらを重視するかで変わります。学資保険には払込保険料より多く学資金が受け取れるなどの特徴がある一方、途中解約すると解約返戻金が払込総額を下回る注意点もあります。両者の性格を整理しましょう。
確実性を重視するなら学資保険
満期に決まった額を確実に受け取りたい家庭には、学資保険が向きます。元本確保と税制面の利点に加え、親に万一のことがあっても教育資金を守れる保障機能があるためです。学資保険は生命保険料控除を受けられ、所得税や住民税の負担が軽減されます。
- 注目したいのが、こどもNISAにはない死亡保障の側面です。学資保険には保険料払込免除があり、契約者である親が死亡・高度障害などになると以後の保険料が免除されます。免除された場合でも、学資金は予定どおり受け取れます。親に万一の事態が起きても、子の進学資金が途切れない仕組みです。
ただし弱点もあります。途中解約すると解約返戻金が払込保険料の総額を下回ることが多く、物価上昇局面では受取額の価値が目減りしやすい点に注意が必要です。
学資保険の仕組みやメリットなどは、こちらの記事でも解説しています。
増やす力を重視するならこどもNISA
長い時間を味方につけて資産を増やしたい家庭には、こどもNISAが向きます。運用益が非課税で、世界経済の成長を取り込めるからです。通常約20.315%課税される利益がそのまま手元に残るため、長期になるほど差が広がります。
一方で代償もあります。投資信託で運用する以上、市場環境次第では元本割れ(投資額を下回ること)が起こりえます。確実な金額が約束されない点は、学資保険との大きな違いです。
併用すれば確実性と成長を両取りできる
現実的な最適解は、どちらか一方ではなく両方を組み合わせる方法です。学資保険とNISAだけでなく、預貯金をはじめとした複数の方法を組み合わせることで、教育資金を計画的に準備できます。
たとえば、確実に必要な学費の土台は学資保険で固め、上乗せ部分をこどもNISAで狙う配分が考えられます。リスクを抑えつつ増やす力も取り込める、バランスの取れた設計です。
こどもNISAを活用する4つのメリット
こどもNISAの魅力は、非課税効果・親と別枠・引き出しの柔軟性・金融教育の4点に集約されます。それぞれ、具体的に見ていきましょう。
運用益がまるごと非課税になる
最大の利点は、増えた利益に税金がかからないことです。課税口座なら約2割が差し引かれるため、こどもNISAを活用すれば、手元に残る金額が大きく変わる可能性があります。
具体例で見てみましょう。100万円の利益が出た場合、課税口座では約20万3,150円の税金がかかり、手取りは約79万6,850円になります。こどもNISAなら、この100万円がそのまま残ります。長期で運用するほど、この差は広がっていきます。
親の枠とは別に非課税枠を600万円持てる
家族全体の非課税枠を広げられる点も見逃せません。子ども名義の枠は、親自身のNISAとは独立しているからです。
- 親は成人NISAで最大1,800万円、子はこどもNISAで最大600万円を、それぞれ非課税で運用できます。家族で役割を分担し、世帯としての非課税の器を大きくできるわけです。親の枠を使い切った家庭にとっては、追加の受け皿として機能します。
12歳以降は柔軟に引き出せる
必要なタイミングで資金を取り出せる柔軟性も強みです。原則18歳まで引き出せなかったジュニアNISAの弱点が解消されます。
一定要件を満たせば12歳以降の払い出しが可能で、中学・高校進学などの出費に充てられます。教育費は思わぬ時期に発生するため、出口の自由度が高い設計は家計の安心につながるでしょう。
子どもの金融教育の入口になる
資金準備以外の価値として、お金を学ぶきっかけになります。子ども自身の口座を持つことで、経済への当事者意識が芽生えるからです。
自分名義の資産が増減する様子を見れば、投資や複利の仕組みを実感を伴って理解できます。早い時期から金融リテラシー(お金を適切に判断・活用する力)を育てる、生きた教材になるはずです。
こどもNISAの注意点とデメリット
メリットの裏側には、見落とせないリスクもあります。こどもNISAは投資である以上、元本割れ・損益通算の不可・出口での相場下落という3つの注意点を抱えます。NISAは利益に税金がかからない制度であり、元本保証をしているものではありません。
元本割れの可能性がある
投資では、投じたお金が減るリスクがあります。こどもNISAは投資信託で運用するため、市場環境次第で価格が下がる可能性があります。投資信託や株式は価格が変動するため、元本割れをする可能性があり、必ず利益を得られるとは限りません。
- 対策は「長期投資」です。0歳など早い時期から始めれば運用期間が長くなり、価格変動の影響を時間でならせます。預貯金や学資保険といった安全資産と併用し、全額を投資に振り向けない設計も有効です。
損益通算と繰越控除ができない
こどもNISAでは、損失が出ても税制上の救済を受けられません。NISA口座内で生じた譲渡損失は「ないもの」と見なされ、ほかの口座の譲渡益や配当と損益通算することや繰越控除することはできないからです。
たとえば課税口座で50万円の利益、こどもNISAで30万円の損失が出ても、相殺はできません。課税口座の利益50万円すべてに税金がかかります。非課税の恩恵は利益が出てこそ、という点を押さえておきましょう。
なお、損益通算や繰越控除の仕組みは、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。
出口の相場下落に注意が必要
運用資金を使いたい時期に、相場が下がっている出口リスクがあります。進学などの目標時期と下落局面が重なると、含み損のまま取り崩す事態になりかねません。
- 回避策として、目標時期の数年前から少しずつ現金化し、値動きの影響を抑える方法が挙げられます。必要額が確定している資金ほど、早めに安全資産へ移しておく判断が大切です。
資産運用の出口戦略については、こちらの記事も参考にしてみてください。
贈与税を課税されないための対策
親や祖父母が資金を出す際の贈与税は、ポイントを押さえれば過度に恐れる必要はありません。年110万円の基礎控除を活かし、名義預金とみなされない準備をすれば回避できます。
年110万円の基礎控除に収める
まず押さえたいのは、贈与税には非課税の枠がある点です。1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額110万円を差し引いた額に税率がかかり、110万円以下の贈与なら贈与税はかかりません。
こどもNISAの年間枠は60万円なので、この範囲に十分収まります。110万円以下なら申告も不要です。基本ルールを知っておけば、必要以上に身構えずに済みます。
親子間の贈与に関する注意点については、こちらのFAQも参考にしてみてください。
祖父母からの援助は合算に注意する
注意したいのは、基礎控除が「もらう側」で計算される点です。基礎控除額110万円は、財産をもらった受贈者1人あたりの金額です。
たとえば1人の子に父・母・祖父母がそれぞれ贈与すると、合計額で判定され、110万円を超えた分に贈与税がかかります。親とは別に祖父母からも援助を受ける場合は、子ども1人あたりの合計が110万円を超えないよう調整しましょう。
贈与税の仕組みは、こちらの記事でも解説しています。あわせて参考にしてみてください。
名義預金対策で記録を残す
最後に重要なのが、名義預金とみなされない準備です。形式上は子名義でも実質を親が支配していると、相続時に課税対象となるおそれがあるからです。親が子ども名義の口座に振り込んでも、子どもが口座の存在を知らず、通帳や印鑑を親が管理していると、贈与が成立していないと判断されます。
対策は、以下の3点を意識しましょう。
名義預金対策
- 贈与契約書を作成する
- 銀行振込など記録が残る方法で渡す
- 受贈者本人が口座を管理する
誰からの資金かを通帳に残しておくと、後の証明に役立ちます。
なお、名義預金に関して詳しく知りたい場合は、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。
こどもNISAでいくら貯まる?シミュレーション結果
実際にどれだけ育つかを、3つのモデルで試算しました。前提は年利回り3%と5%、運用期間は0歳から18歳までの18年です。あくまで一定利回りを仮定した試算で、元本や利回りを保証するものではありません。金額で効果を見ていきましょう。
| モデル | 元本(概算) | 利回り3% | 利回り5% |
|---|---|---|---|
| 児童手当を積立 | 約234万円 | 約316万円 | 約392万円 |
| 月3万円(上限で停止) | 600万円 | 約811万円 | 約1,002万円 |
| 上限600万円を使い切り | 600万円 | 約890万円 | 約1,162万円 |
※筆者試算。運用成果を保証するものではありません。
※試算は税・手数料を考慮しない概算です。複利計算は毎月積立・年複利換算に基づきます。
児童手当を回せば約320万円
家計に負担をかけず始めたいなら、児童手当の活用が現実的です。2024年10月の拡充で受給総額が大きく増えたためです。所得制限が撤廃され全額支給となり、対象も高校生年代まで延長されました。第1子・第2子で0歳から高校生年代の終わりまでの受給総額は234〜245万円になります。
これをそのまま積み立てた場合、元本約234万円に対し利回り3%で約316万円、5%で約392万円が見込めます。新たな家計負担なしに資産を築けるモデルです。
児童手当の有効活用法については、こちらのFAQも参考にしてみてください。
月3万円なら18歳で約800万円超
もう少し積極的に備えるなら、月3万円(年36万円)の積立が一つの目安です。年間枠60万円の範囲に収まり、無理なく続けやすい金額帯だからです。
この場合、累計600万円の上限に達した時点で新規積立は止まり、以降は運用のみ継続します。18歳時点の試算は、利回り3%で約811万円、5%で約1,002万円です。元本600万円に対し、200万〜400万円ほどの運用益が期待できる計算になります。
※第1子・第2子の支給額(3歳未満月1.5万円、3歳以上高校生年代まで月1万円)を0歳から積み立てた場合の概算です。第3子以降は支給額が異なります。
上限600万円を使い切ると最大1000万円超
枠を最大限使う前提なら、さらに大きく育ちます。0歳から月5万円(年60万円)を10年間積み立て、上限600万円を埋めるケースです。
積立完了後も18歳まで運用を続けると、利回り3%で約890万円、5%で約1,162万円が見込めます。注目すべきは、18歳での自動移行後も非課税運用を継続できる点です。社会人以降まで持ち続ければ、複利がさらに働く余地が残ります。
こどもNISAの効果的な活用方法
こどもNISAは目的によって使い道が変わります。教育資金の準備・生前贈与による相続対策・子の将来資産づくりという、短中期から超長期まで3つの軸で活用できます。家庭の狙いに合う使い方を選びましょう。
教育資金を着実に準備する
最も王道の使い道は、大学進学などの教育費を非課税で備えることです。長期運用と非課税の組み合わせが、効率よく資金を育てるからです。
- ポイントは出口戦略にあります。目標時期から逆算して積立額を決め、進学の数年前から徐々に現金化しておくと、相場下落の影響を抑えられます。必要な時期と金額が読める教育費だからこそ、計画的な取り崩しが効いてきます。
なお、必要な教育資金の目安はこちらの記事でも解説しています。あわせて参考にしてみてください。
生前贈与で相続税に備える
祖父母世代にとっては、相続対策の手段としても有効です。年間枠60万円が贈与税の基礎控除110万円に収まるため、無理なく資産を子や孫へ移せるからです。
将来の相続財産を生前に圧縮でき、相続税の負担軽減につながります。ただし注意点があります。2024年以降、亡くなる前の一定期間の贈与は相続財産に加算される「生前贈与加算」の対象期間が、3年から段階的に7年へ延長されました。早めに計画的に始めるほど、対策としての効果が高まります。
子の将来資産を超長期で育てる
教育費にとどめず、子の人生全体を見据える使い方もあります。非課税が無期限で続き、18歳で成人NISAへ自動移行する特性を活かせるからです。
子ども時代に育てた資産を売らずに持ち続ければ、就職・結婚・住宅購入といったライフイベントや老後の備えにもなります。0歳から始めれば運用期間は数十年に及び、複利の効果を最大限に引き出せる、最も時間軸の長い使い道です。
なお、年代ごとのライフイベントはこちらの記事で詳しく解説しています。
【始め方】こどもNISAは開始前の準備で差がつく
2027年の開始までにできることは少なくありません。親自身が投資に慣れ、家庭の目標を定め、未成年口座を準備しておくと、開始時にスムーズに動けます。今からの一歩を整理しましょう。
開始前に親自身が投資に慣れる
最初にやるべきは、親が一足先に投資を経験しておくことです。自分が積立や値動きに慣れていれば、子の運用も落ち着いて判断できるからです。
具体的には、親自身のNISAで少額からつみたて投資を始めるとよいでしょう。あわせて、教育プランと目標額を決め、積立に回せる原資を家計から洗い出しておくと、制度開始時に迷わず踏み出せます。
金融機関を選ぶ
次に重要なのが、金融機関選びです。NISA口座には開設先が1つに限られる制約があります。NISA口座は同一年において1人1口座(1金融機関)までの開設となります。
そのため、取扱商品の幅・手数料の安さ・積立の使いやすさ・サポート体制を比べて選ぶことが大切です。特定の会社を推すものではなく、家庭の方針に合う基準で判断しましょう。
NISA口座を選び方については、こちらの記事でも解説しています。
未成年口座を先に準備する
最後に、口座まわりの下準備です。こどもNISAを始めるには、証券総合取引口座(未成年口座)とNISA口座の2つの開設が必要になる見込みです。
手続きは成人と異なる点に注意が必要です。未成年口座は親権者が先に口座を開設したうえで申し込み、住民票の写しや子のマイナンバーなどが必要になります。先に整えておけば、制度開始と同時に投資を始められます。
なお、具体的な受付時期や対応金融機関は今後の公表を待つ段階です。最新情報は金融庁などで確認しましょう。
この記事のまとめ
この記事では、2027年開始予定のこどもNISAについて、対象年齢や年間投資枠、非課税期間、ジュニアNISAとの違い、メリット・デメリットを整理しました。こどもNISAは教育資金だけでなく、生前贈与や子どもの将来資産づくりにも活用できる一方、元本割れや贈与税、出口戦略には注意が必要です。制度詳細の公表を確認しながら、まずは家庭の教育費目標や積立原資、親自身のNISA活用状況を整理しておきましょう。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
関連する専門用語
こどもNISA
こどもNISAとは、未成年の子ども名義で資産運用を行うための制度で、正式には「ジュニアNISA」と呼ばれていました。2023年までに新規の口座開設は終了しましたが、保有している資産は2024年以降も非課税で運用を続けることができます。 この制度では、年間一定額までの投資による利益が非課税となるため、子どもの将来の教育資金や自立資金を効率的に準備する手段として活用されていました。保護者が代理で運用を行う仕組みになっており、18歳までは原則として引き出すことができないという制限がありました。制度の終了により、現在は新たに「こども向けのNISA」は存在しませんが、今後の資産形成を考える上で過去の制度を理解しておくことは大切です。
ジュニアNISA
ジュニアNISAとは、2023年で新規口座開設が終了した未成年者向けの非課税投資制度で、子ども名義の口座に年間80万円まで株式や投資信託を購入し、運用益や配当にかかる約20%の税金を非課税にできる仕組みです。 正式名称は「未成年者少額投資非課税制度」で、2016年に導入されました。親や祖父母が子どもの将来資金を準備する手段として利用されてきましたが、2024年以降は新NISAへ一本化されています。既存口座は当面非課税運用を継続できますが、追加買付には制限がある点に注意が必要です。
非課税保有限度額
非課税保有限度額とは、税制上の優遇制度において、非課税の対象として保有できる金融資産の上限を示す制度上の基準額を指す用語です。 この用語は、投資に関する税制優遇制度の仕組みを説明する文脈で登場します。一定の制度では、金融商品の運用益や配当などを非課税で扱う仕組みが設けられており、その適用範囲には保有できる資産の上限が設定されている場合があります。制度の中でどの程度の資産まで非課税の対象として扱われるかを示す基準として、この上限が「非課税保有限度額」と呼ばれます。資産形成支援制度の説明や投資制度の枠組みを理解する際に参照される基本的な制度用語の一つです。 誤解されやすい点として、非課税保有限度額は投資できる金額そのものを制限する制度であると理解されることがあります。しかし、この用語は投資自体の上限を意味するものではなく、税制上の優遇が適用される範囲の上限を示す概念です。限度額を超える投資ができなくなるわけではなく、制度の非課税扱いが適用される範囲が区切られているという位置づけになります。 また、非課税保有限度額という言葉は単一の制度だけを指す固有の名称ではなく、複数の税制優遇制度の中で用いられる概念的な表現です。制度ごとに対象となる資産の種類や計算方法が異なる場合があるため、この用語は非課税の適用範囲を管理するための制度上の上限を示す概念として理解することが重要です。
つみたて投資枠
つみたて投資枠とは、2024年から始まった新しいNISA制度の中で、少額から長期的に資産形成を行うことを目的として設けられた非課税投資の枠組みです。 この枠では、一定の条件を満たした投資信託などの商品に対して、年間最大120万円までの投資額が非課税の対象となります。毎月コツコツと積み立てるスタイルの投資に向いており、長期的な資産形成を支援することが狙いです。つみたて投資枠を活用することで、運用益や分配金にかかる税金がかからず、複利の効果を最大限に活かしながら資産を増やしていくことができます。特に投資初心者にとっては、少額から手軽に始められ、長く続けることで将来の資金づくりに役立つ有効な制度です。
成長投資枠
新NISAにおける成長投資枠とは、個別株や投資信託などの成長性の高い投資商品を購入できる非課税枠のことです。2024年に始まった新NISA制度では、年間最大240万円、累計1,200万円まで投資が可能で、売却しても枠が復活しない「一生涯の上限額」が設定されています。 成長投資枠では、主に上場株式やETF、アクティブ型の投資信託などが対象となり、比較的リスクを取りながら資産を増やしたい投資家向けの仕組みになっています。一方で、レバレッジ型や一部の毎月分配型投資信託など、一部のリスクが高い商品は対象外となるため注意が必要です。 つみたて投資枠と併用でき、両方を活用すれば年間最大360万円の投資が可能です。成長投資枠を活用することで、中長期的な資産形成を非課税で行うことができ、売却益や配当金に税金がかからないため、資産を効率的に増やす手段となります。
投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。







