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名義預金とは?贈与税・相続税がかかるケースや時効との関係を整理

名義預金とは?贈与税・相続税がかかるケースや時効との関係を整理

名義預金とは?贈与税・相続税がかかるケースや時効との関係を整理

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公開:

2026.01.08

更新:

2026.01.08

相続

名義預金は、家族名義で預金していても実際の出資者が別にいる場合、相続税や贈与税の対象として扱われる重要な論点です。近年は税務調査で名義預金が指摘されるケースが増えており、「家族名義にしているだけなら問題ない」という認識は大きな誤解となり、思わぬ追徴課税や相続トラブルにつながる可能性があります。この記事では、名義預金と判断される基準、使ってしまった場合の扱い、時効の誤解、生前贈与として成立させるための手続きまでを、順序立てて具体的に解説します。

サクッとわかる!簡単要約

名義預金の仕組みや、税務署が判断する具体的な基準、贈与税・相続税との関係、使ってしまった場合の扱い、成立しない贈与の共通点を体系的に理解できます。これにより、家族名義の預金が税務上どう扱われるかを自分で判断できるようになり、将来の相続で余計な税負担や調査リスクを避ける行動が取れるようになります。また、生前贈与を確実に成立させるための実務的な手順を押さえ、適切な管理と書類準備ができるようになります。

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目次

名義預金とはそもそも何か?なぜ問題になるのか?

名義預金とは名義人と実際の出資者が異なる預金のこと

名義預金は相続税のトラブルにつながりやすい

名義預金かどうかを判定する2つのポイント

① 贈与契約が成立していること(双方の合意)

② 管理処分権限が移行していること(通帳・印鑑・使途の自由)

名義預金が相続税・贈与税の対象になる仕組み

相続税で課税されるパターン

贈与税で課税されるパターン

名義預金が税務署に発覚する仕組み

銀行の預金照会の仕組み

相続税申告での口座チェック

過去の入金履歴・管理状況の聞き取り調査

名義預金と判断されやすいケース

子ども名義・孫名義の貯金

専業主婦(夫)名義の貯金

本人が口座の存在を知らない

「名義預金を使ってしまった」場合の取扱いとリスク

贈与税の対象になるケース

相続税の対象になるケース

名義預金を使い切っても「なかったこと」にはできない

名義預金に時効はない

名義預金にならないための対策と正しい生前贈与の条件

贈与を成立させる3要件を満たす

贈与契約書を作成する

通帳・印鑑・キャッシュカードは名義人本人に渡す

贈与税をきちんと申告する

入金しかない通帳は名義預金と疑われやすい

名義預金を解消する方法

お金を元の所有者に戻す

名義預金を贈与税または相続税として申告する

贈与税や相続税に関する留意点

定期贈与認定に注意する

非課税で生前贈与できる制度を有効活用する

タンス預金も相続税の対象になる

名義預金とはそもそも何か?なぜ問題になるのか?

名義預金とは、口座の名義人と実際にお金を出した人が異なる預金のことを指します。名義預金が問題になる理由は、贈与税や相続税の対象となるからです。申告漏れがあると、追徴課税や加算税が発生するリスクがあります。

名義預金とは名義人と実際の出資者が異なる預金のこと

名義預金とは、口座の名義人と実際にお金を預けた人(出資者)が一致していない預金を指します。税務上は、名義がだれであるかではなく、実質的にだれのお金かが重視されます。

ケース出資者名義人よくある状況名義預金と判断されるポイント
親→子ども(教育資金)子ども親が子どもの将来の教育資金として毎年100万円ずつ子ども名義の口座に入金している通帳と印鑑を親が管理している、子どもが口座の存在を知らない
祖父母→孫祖父母祖父母が孫の誕生と同時に口座を開設し、お年玉やお祝い金を入金し続けている孫が口座の存在を知らされていない、孫が成人しても通帳・印鑑を祖父母が保管し続けている
夫→妻(配偶者)夫の収入から生活費の余りを妻名義の口座に貯金している妻が専業主婦で独自の収入がない、実質的に夫の資金で形成された預金
名義人と出資者が異なるケースの典型例

これらのケースでは、名義人本人に「もらった」という認識がなく、贈与契約が成立していません。税務上は出資者の財産として扱われるため、相続時に課税対象となります。

たとえば、親が子ども名義で口座を開設し、自分の収入から毎月入金しているケースが典型例です。この場合、通帳上の名義は子どもでも、実質的な所有者は親とみなされる可能性があります。

  1. 税務上は、口座の名義そのものではなく、資金の出どころや通帳・印鑑の管理状況などから実質的に「誰のお金か」を判断します。

名義預金は相続税のトラブルにつながりやすい

名義預金が相続税トラブルにつながりやすい理由は、相続人が「名義が違うから相続財産ではない」と誤解しているケースが多いからです。しかし税務署は、名義ではなく実質的な所有者で判断します。

相続税の申告で名義預金を含めなかった場合、税務調査で指摘され、本来の相続税に加えて過少申告加算税や延滞税が課される可能性があります。過少申告加算税は追加納税額の10〜15%、悪質とみなされれば重加算税として35〜40%が上乗せされます。

  1. 相続人が「子ども名義だから子どものお金」「妻名義だから妻の財産」と考えてしまう誤解は非常に多いです。しかし贈与が成立していなければ、名義に関係なく出資者の財産となります。

名義預金かどうかを判定する2つのポイント

名義預金かどうかを判定する際のポイントは、大きく分けて2つあります。1つ目は贈与契約が成立しているかどうか、2つ目は管理処分権限が移行しているかどうかです。

① 贈与契約が成立していること(双方の合意)

贈与契約が成立するには、あげる側(贈与者)ともらう側(受贈者)の双方の合意が必要です。民法第549条では、贈与は当事者の一方が無償で財産を与える意思を表示し、相手方が受諾することで成立すると定められています。

つまり、親が一方的に「あげたつもり」になっていても、子どもが「もらった」と認識していなければ、贈与契約は成立していません。この場合、法律上は財産の移転が行われていないことになります。

  1. 税務調査では、名義人本人に対して「いつ、だれから、いくらもらったか知っていますか」と質問されます。答えられなければ、贈与契約が成立していないと判断される根拠となります。

② 管理処分権限が移行していること(通帳・印鑑・使途の自由)

管理処分権限の移行とは、名義人が自分の意思で自由に預金を引き出したり、使ったりできる状態になっていることを指します。贈与契約が成立しても、管理権限が移っていなければ、真の贈与とは認められません。

税務署が特に注目するのは、通帳・印鑑・キャッシュカードをだれが保管しているかです。これらを贈与者が保管し続けていれば、実質的な支配は贈与者にあると判断されます。

  1. たとえば、親の口座からこの口座へ資産を移したものの、通帳・印鑑・キャッシュカードを親が持っている場合、子に管理処分権限がありません。この場合、名義預金と判断されます。

名義預金が相続税・贈与税の対象になる仕組み

名義預金は、贈与が成立していない以上、被相続人の財産として相続税の課税対象となります。一方で、適切に贈与が成立していれば贈与税の対象となり、相続財産からは除外されます。

相続税で課税されるパターン

名義預金が相続税で課税されるのは、贈与が成立していないと判断された場合です。具体的には、被相続人が通帳や印鑑を管理し続けていた、名義人が口座の存在を知らなかった、名義人による使用実績がないといった状況が該当します。

たとえば、父親が長男名義の口座に20年間で2000万円を入金していたものの、通帳を父親が保管し、長男は口座の存在を知らなかったケースです。この場合、贈与は成立しておらず、2000万円は父親の相続財産として扱われます。

贈与税で課税されるパターン

名義預金が贈与税で課税されるのは、使用時点で贈与が成立したとみなされた場合です。名義人が名義預金から実際にお金を引き出して使用した時点で、被相続人から名義人への贈与があったと判断されます。

たとえば、父親が管理していた長男名義の口座から、長男が500万円を引き出してマンション購入の頭金に使用したケースです。この時点で父親から長男への贈与が成立し、長男には贈与税の申告義務が発生します。

名義預金が税務署に発覚する仕組み

名義預金が税務署に発覚するタイミングは、主に相続税の申告後です。税務署は相続税申告書の内容を精査し、必要に応じて実地調査を行います。

国税庁の「令和5事務年度における相続税の調査等の状況」によると、相続税の実地調査件数は8,556件で、そのうち7,200件(非違割合84.2%)で申告漏れ等が指摘されています。

銀行の預金照会の仕組み

税務署は金融機関に対して預金情報の照会を行う権限を持っています。被相続人が取引していた可能性のある金融機関すべてに照会をかけることができます。

照会の範囲は被相続人名義の口座に限りません。配偶者、子ども、孫など家族名義の口座も含まれます。過去10年程度の口座開設状況・入出金履歴・残高推移などがチェックされ、名義預金の有無を審査しているのです。

相続税申告での口座チェック

相続税申告では、被相続人名義の口座だけでなく、家族名義の口座も含めてチェックされます。税務署は申告書に記載された財産と、金融機関照会で判明した預金残高を突き合わせます。

たとえば、被相続人の給与口座から毎月子ども名義の口座に送金されていた記録があれば、税務署は子ども名義の口座も相続財産ではないかと疑うでしょう。

適切な説明ができなければ、名義預金として認定され、修正申告を求められます。場合によっては実地調査に移行し、より詳細な資料の提出や質問を受けることになるのです。

過去の入金履歴・管理状況の聞き取り調査

税務署は過去の入金履歴を詳細に調査します。だれの口座から入金されたか、入金の頻度や金額はどうか、名義人本人からの入金はあるかなどが重要なポイントです。

管理状況については、通帳や印鑑がどこに保管されていたか、名義人が自由に引き出していた実績はあるかをチェックします。被相続人の自宅から家族名義の通帳が見つかれば、管理者は被相続人と推定されます。

  1. また、名義人への聞き取りも行われます。「この口座を知っていましたか」「だれが管理していましたか」「自由に使えましたか」といった質問に対する回答が、名義預金判定の重要な材料となるのです。

名義預金と判断されやすいケース

名義預金と判断されやすいケースには、共通するパターンがあります。

特に問題になりやすいのは、子ども名義や孫名義の貯金、専業主婦(夫)名義の貯金、そして本人が口座の存在を知らないケースです。これらは家族の間では当たり前の行為と考えられがちですが、税務上は厳格に判断されます。

子ども名義・孫名義の貯金

子ども名義や孫名義の貯金は、名義預金として指摘される最も典型的なケースです。親や祖父母が「将来のために」と善意で貯めていても、適切な贈与手続きを踏んでいなければ名義預金となります。

特に問題となるのは、子どもや孫が未成年の場合です。本人に判断能力がないため、親や祖父母が通帳を管理するのは自然な行為に思えます。しかし税務上は、管理している人の財産と判断されるのです。

  1. 親が子ども名義の口座から自由に引き出して使える状態であれば、確実に名義預金と判断されます。名義は子どもでも、実質的な支配権は親にあるからです。

専業主婦(夫)名義の貯金

専業主婦(夫)名義の貯金も、名義預金として指摘されやすいケースの1つです。配偶者に独自の収入がない場合、その口座にある預金の資金源は働いている配偶者の収入と推定されます。

夫の給料が夫名義の口座に振り込まれ、そこから妻名義の口座に毎月一定額を移している構造は、多くの家庭で見られます。妻がその口座から生活費を支出し、余った分を貯蓄に回すパターンです。

  1. 税務署は、妻名義の口座に蓄積された預金が夫の収入から来ていることを、銀行照会や入出金履歴から把握します。妻に独自の収入がなければ、実質的には夫の財産と判断される可能性が高いです。

本人が口座の存在を知らない

名義人本人が口座の存在を知らない場合、ほぼ確実に名義預金として扱われます。贈与は「あげる側」と「もらう側」の双方の合意が必要であり、もらう側が知らなければ合意が成立しないからです。

典型的なケースは、親が子どもの将来のために口座を作り、本人に内緒で貯金を続けているパターンです。「20歳になったら渡そう」「結婚するときに渡そう」と考えて秘密にしていても、税務上は贈与として認められません。

税務調査では、名義人本人に「この口座をいつから知っていましたか」と直接質問されます。「相続が発生して初めて知った」「親が亡くなるまで存在を知らなかった」と答えれば、贈与不成立の決定的な証拠となります。

  1. 善意で家族のために貯めていても、本人の認識がない限り贈与は成立しません。相続時には被相続人の財産として相続税の課税対象となるため、生前に本人に伝え、通帳を渡しておくことが重要です。

「名義預金を使ってしまった」場合の取扱いとリスク

名義預金を使ってしまった場合でも、相続税の課税対象から外れるわけではありません。残高がゼロになっていても、過去に名義預金が存在した事実は消えないからです。

贈与税の対象になるケース

名義預金を使ってしまった場合、その使用時点で贈与が成立したとみなされ、贈与税の対象となる可能性があります。贈与税が課税されるのは、年間110万円を超える贈与を受けた場合です。

たとえば、父親が管理していた長男名義の口座から、長男が500万円を引き出して使用したとします。この時点で父親から長男への贈与があったと判断され、長男には贈与税の申告義務が発生します。

相続税の対象になるケース

名義預金を使ってしまっても相続税の対象になる理由は、その預金が実質的に被相続人の財産であり、使用した時点で財産の移転があったと判断されるからです。残高の有無は関係ありません。

被相続人が実質的に所有していた財産を相続人が使ったということは、被相続人から相続人への財産移転が行われたことを意味します。

相続開始前3年以内(令和6年以降は段階的に7年以内に延長)に被相続人から贈与を受けた財産は、相続財産に加算するルールがあります。名義預金の使用も、このルールの対象となる可能性があるのです。

名義預金を使い切っても「なかったこと」にはできない

名義預金を使い切っても、税務上は「なかったこと」にはできません。銀行の取引記録は長期間保存されており、税務署は過去に遡って調査する権限を持っているからです。

相続税の調査では、被相続人が亡くなった日から遡って10年程度の銀行取引を確認するのが一般的です。場合によっては、それ以上前の記録も調査対象となります。

名義預金に時効はない

名義預金には時効がないというのが、税務上の重要な原則です。贈与税には原則6年(悪質な場合は7年)の時効がありますが、名義預金の場合はそもそも贈与が成立していないため、時効の起算点が存在しません。

多くの人は「10年前の預金だから時効で大丈夫」と誤解していますが、名義預金は何年経過しても被相続人の財産として扱われます。相続が発生した時点で、すべての名義預金が相続財産として一気に課税対象となるのです(相続税の課税処分は原則5年、不正があると7年)。

この仕組みを理解せずに放置していると、相続時に予想外の多額の相続税が発生するリスクがあります。時効を期待して対策を怠ることは、非常に危険な判断といえるでしょう。

名義預金にならないための対策と正しい生前贈与の条件

名義預金にならないための対策は、正しい生前贈与を実行することです。形式的に口座を作るだけでなく、税務上認められる贈与の要件をすべて満たす必要があります。

贈与を成立させる3要件を満たす

贈与を確実に成立させるためには、3つの要件を満たす必要があります。

  1. 双方の合意
  2. 名義人の認識
  3. 処分権限の移転

これらの要件は、民法上の贈与契約の成立要件であると同時に、税務上も贈与として認められるための実質的な要件です。どれか1つでも欠けていれば、名義預金として否認されるリスがあります。

税務調査では、これらの要件が実際に満たされていたかを、客観的な証拠に基づいて確認されます。形式だけでなく、実態が伴っていることが求められるのです。

贈与契約書を作成する

贈与契約書を作成することは、贈与の事実を証明する最も有効な方法です。口頭での贈与も法律上は有効ですが、税務調査で「贈与があった」と客観的に証明するには、書面での記録が不可欠です。

贈与契約書には、贈与する日付、贈与者と受贈者の氏名、贈与する財産の内容(現金〇〇円など)、双方の署名捺印を記載します。シンプルな内容で構いませんが、双方の合意があったことが明確に分かる形式が重要です。

作成のタイミングは、実際に贈与を行う都度です。毎年贈与する場合は、毎年契約書を作成します。日付や金額を少しずつ変えることで、定期贈与とみなされるリスクを回避できます。

通帳・印鑑・キャッシュカードは名義人本人に渡す

通帳・印鑑・キャッシュカードを名義人本人に渡すことは、贈与を成立させるための重要な対応です。これらを贈与者が保管し続けている限り、管理権限は移転していないと判断されます。

税務調査では、通帳がどこに保管されていたかを必ず確認されます。被相続人の自宅や金庫から家族名義の通帳が見つかれば、管理者は被相続人と推定され、名義預金として認定されるのです。

未成年の子どもへの贈与でも、親権者が管理する場合は、子どもの利益のために管理している実態を示す必要があります。親(贈与者)ではなく、もう一方の親(親権者)が管理する形にするなど、工夫が求められます。

贈与税をきちんと申告する

贈与税申告をすることは、贈与の事実を税務署に確定させる最も確実な方法です。年間110万円を超える贈与を行った場合、受贈者は翌年3月15日までに贈与税の申告が必要です。

申告することで、贈与があった事実が公的に記録されます。税務調査で「贈与の認識がなかった」と疑われるリスを大幅に減らせるのです。

なお、計画的に暦年贈与を活用すれば年間で110万円を非課税で移転できます。詳しくは、こちらの記事を参考にしてみてください。

入金しかない通帳は名義預金と疑われやすい

入金しかない通帳は、名義預金と疑われる典型的なパターンです。真に名義人本人の財産であれば、生活費や趣味、買い物などで使用した出金履歴があるはずだからです。

税務調査では、口座の入出金明細を詳細にチェックされます。10年間入金だけで出金がゼロという口座があれば、税務署は「名義人が管理していない」と判断します。

税務署は入金元の口座も照合します。父親の口座から長男名義の口座への振込履歴があれば、資金の出所が父親であることが証明され、名義預金として認定される根拠となるのです。

  1. 税務調査では「なぜ一度も引き出さなかったのですか」と質問を受けたとき、「存在を知らなかった」と答えれば贈与不成立、「親に言われて触らなかった」と答えれば管理権限なしと判断され、いずれも名義預金として認定されます。一方で「将来のために貯金していた」と回答すれば、自分の意志で管理しているため、名義預金には該当しません。

名義預金を解消する方法

名義預金を解消する方法は、大きく分けて2つあります。1つ目は名義預金のお金を元の所有者に戻す方法、2つ目は適切に贈与税または相続税として申告する方法です。

お金を元の所有者に戻す

名義預金を解消するシンプルな方法は、お金を元の所有者に戻すことです。たとえば、父親が管理している長男名義の口座から、父親名義の口座にお金を戻します。

また、お金を戻した後は、今後どのように財産を移転していくかを計画する必要があります。正しい贈与手続きを踏んで、改めて財産を移転する計画を立てましょう。

相続対策を進める際には、相談内容に応じて専門家が異なります。詳しくは、こちらの記事もご覧ください。

名義預金を贈与税または相続税として申告する

名義預金を解消するもう1つの方法は、適切に贈与税または相続税として申告することです。過去の名義預金を正式な贈与として認めてもらうか、相続時に相続財産として申告するかを選択します。

贈与税として申告する方法では、名義預金を「今この時点で正式に贈与した」として処理します。年間110万円を超える場合は贈与税が発生しますが、贈与の事実が確定し、将来の相続財産から除外できます。

相続税として申告する方法は、相続が発生した時点で名義預金を相続財産として正しく申告する方法です。生前に解消できなかった場合でも、相続税申告時に漏れなく計上することで、後日の税務調査での指摘を避けられます。

贈与税と相続税の仕組みを理解しておけば、適切な対応ができます。詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。

贈与税や相続税に関する留意点

贈与税や相続税に関して、実務上よくある疑問や留意点を紹介します。

定期贈与認定に注意する

定期贈与とは、最初から一定期間にわたって定期的に贈与することを約束した贈与のことです。たとえば「10年間、毎年100万円ずつ贈与する」と約束した場合、初年度に1000万円の贈与があったとみなされ、全額に贈与税が課される可能性があります。

これを避けるには、毎年贈与契約書を作成し、金額や時期を変えることが重要です。贈与のタイミングや金額に変化をつけ、その都度独立した贈与であることを示す必要があります。

定期贈与認定に関しては、こちらのQ&Aでも詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

非課税で生前贈与できる制度を有効活用する

生前贈与には、一定の条件を満たせば非課税となる特例制度があります。

住宅取得等資金の贈与税の非課税措置では、親や祖父母から子や孫への住宅取得資金の贈与について、最大で1,000万円まで非課税となります。結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置では、18歳以上50歳未満の子や孫への結婚・子育て資金の贈与について、1人あたり1,000万円まで非課税です。

これらの制度には、それぞれ要件や手続きがあるため、利用前に税理士などの専門家に相談しましょう。詳しくは、こちらのQ&Aでも解説しています。

タンス預金も相続税の対象になる

タンス預金とは、銀行に預けず自宅で現金を保管することを指します。名義預金と同様に、タンス預金も相続税の課税対象となります。銀行口座に入っていないからといって、申告しなくてよいわけではありません。

相続税法では、被相続人が所有していたすべての財産が課税対象です。現金も財産の一種であり、保管場所が自宅であっても相続財産として申告する必要があります。

タンス預金と相続の関係性に関しては、こちらのQ&Aも参考にしてみてください。

よくある質問(FAQ)

question

2026.02.24

男性60代

孫の教育費は、非課税で贈与できますか?

A. 孫の教育費は、必要な都度、支払先へ直接充てれば原則非課税です。一括援助は専用口座の教育資金また、贈与制度で最大1,500万円が非課税です。

question

2025.12.03

男性60代

名義預金は相続税になる場合と贈与税になる場合があると聞きました。どういう時にそれぞれ課税されますか?

A. 名義預金は名義人以外が実質管理している場合に相続税の対象となり、実際に贈与が成立していても申告がなければ贈与税が課される可能性があります。贈与の意思記録と受贈者による管理が大事です。

question

2025.12.12

女性30代

私名義の名義預金について、使ってしまった場合にも相続税や贈与税の対象になりますか?

A. 名義預金は名義が子でも親の資金なら相続・贈与の対象となります。既に使っていても問題は残るため、入金源を整理し必要に応じて修正申告を検討しましょう。

この記事のまとめ

この記事では、名義預金の基本概念、税務署が名義預金と判断する要素、贈与税・相続税との関係、使ってしまった場合の扱い、さらに生前贈与として成立させるための要件を整理しました。名義預金は「家族名義なら安全」という単純な話ではなく、実質的な出資者と管理状況で課税関係が変わる点がポイントです。

財産を移転したいときは、家族名義の預金の入出金や管理状況を確認し、必要に応じて贈与契約書・通帳管理・振込記録などの整備を進めましょう。不安が残る場合は、投資のコンシェルジュの無料相談を活用し、専門家と話しあってみましょう。

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柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

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孫の教育費は、非課税で贈与できますか?

A. 孫の教育費は、必要な都度、支払先へ直接充てれば原則非課税です。一括援助は専用口座の教育資金また、贈与制度で最大1,500万円が非課税です。

question

2025.12.03

男性60代

名義預金は相続税になる場合と贈与税になる場合があると聞きました。どういう時にそれぞれ課税されますか?

A. 名義預金は名義人以外が実質管理している場合に相続税の対象となり、実際に贈与が成立していても申告がなければ贈与税が課される可能性があります。贈与の意思記録と受贈者による管理が大事です。

question

2025.12.12

女性30代

私名義の名義預金について、使ってしまった場合にも相続税や贈与税の対象になりますか?

A. 名義預金は名義が子でも親の資金なら相続・贈与の対象となります。既に使っていても問題は残るため、入金源を整理し必要に応じて修正申告を検討しましょう。

question

2025.12.12

女性30代

子供名義の預金を引き出し、一部を使ってしまいました。何か問題は起こりますか?

A. 子ども名義の預金でも親が自由に使えば名義預金とみなされる可能性があります。生活費への流用は相続時に問題化しやすいため、用途管理と記録を丁寧に行いましょう。

question

2026.01.29

男性

夫の口座から妻の口座へ500万円を送金しました。この場合、贈与税は発生しますか?

A. 夫から妻へ500万円を送金しても直ちに贈与税とは限らず、生活費・立替精算など目的と実態が説明できれば非課税です。

question

2025.12.03

男性60代

暦年贈与をする際に、契約書の作成は必須ですか?

A. 暦年贈与は契約書不要ですが、毎年の合意と振込記録を残すことが重要です。名義預金や定期贈与と判断されないために、毎年独立した贈与の証拠を残しましょう。

関連する専門用語

名義預金

名義預金とは、預金口座の名義人と、実際にそのお金を出した人(出資者)が異なる預金のことを指します。 たとえば、親が自分のお金を子どもの名義で開設した口座に預けているようなケースが代表的です。名義上は子どもの預金でも、実際にお金を出したのが親で、子どもが自由に使えない状態であれば、そのお金は「親の財産」とみなされます。 このような名義預金は、相続の際に「相続財産」として課税対象になる可能性があり、税務署から指摘を受けることもあります。 つまり、「相続対策のつもりで家族名義の口座にお金を移していたつもりが、かえって相続税の対象になってしまう」といったリスクがあるのです。 名義だけでなく、実際にお金を管理・使用しているのは誰なのか?という“実質的な所有者”を明確にしておくことが重要です。 相続や贈与を意識した資産管理を行う際には、形式だけでなく実態をともなった対策が求められます。

贈与

贈与とは、ある人が自分の財産を無償で他の人に与えることをいいます。日常的には親から子へ生活費を渡すといった小さなものも含まれますが、資産運用の場面では不動産や現金、株式などまとまった財産の移転が問題となります。 贈与を受けた側には贈与税がかかることがあり、税額は贈与を受けた財産の価値や関係性によって変わります。特に相続の対策として贈与を活用することが多く、生前に財産を移すことで相続税の負担を軽減できる可能性があります。資産を計画的に守るうえで、贈与は大切な手段のひとつです。

贈与契約

贈与契約とは、一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を示し、相手方がこれを受け入れることで成立する契約を指します。 この用語は、個人間で財産を移転する場面、とくに家族間や親族間での資金移動、不動産や有価証券の移転を考える文脈で登場します。「あげる」「もらう」という日常的な行為であっても、法的には当事者双方の意思が合致してはじめて成立する契約関係として整理されます。税制や相続・資産管理の議論では、単なる資金移動なのか、贈与契約に基づく財産移転なのかが重要な分岐点となります。 誤解されやすい点として、贈与は「一方的に与えれば成立するもの」「書面がなければ契約ではない」と考えられることがあります。しかし、贈与契約は相手方の受諾を前提とする双方向の合意であり、必ずしも書面がなければ成立しないわけではありません。実際には口頭でも成立し得ますが、その一方で、契約としての存在や内容が曖昧になると、後から法的・税務的な整理が難しくなることがあります。この点を理解していないと、「贈与したつもり」「もらった認識がない」といった認識のズレが問題化しやすくなります。 また、贈与契約を「単なる好意」や「家族内のやり取り」と軽く捉えてしまうことも判断ミスにつながります。贈与は無償であるがゆえに、対価のやり取りがない一方、財産の帰属は明確に移転します。その結果、税制や他の権利関係に影響を及ぼす可能性があり、気持ちの問題とは切り離して整理されるべき概念です。 制度理解や資産管理の観点では、贈与契約は「無償で財産が移転したことを、法的にどう捉えるか」を定義するための基礎概念です。金額の大小や当事者の関係性ではなく、合意に基づく財産移転であるかどうかが判断の軸になります。贈与契約を感覚的な行為ではなく、法的な枠組みとして理解しておくことが、後の制度対応や判断を整理するうえで重要です。

贈与税

贈与税とは、個人が他の個人から金銭・不動産・株式などの財産を無償で受け取った際に、その受け取った側(受贈者)に課される税金です。通常、年間110万円の基礎控除を超える贈与に対して課税され、超過分に応じた累進税率が適用されます。 この制度は、資産の無税移転を防ぎ、相続税との整合性を保つことを目的として設けられています。特に、親から子へ計画的に資産を移転する際には活用されることが多く、教育資金や住宅取得資金などに関しては、一定の条件を満たすことで非課税となる特例もあります。 なお、現在は「暦年課税」と「相続時精算課税」の2制度が併存していますが、政府は近年、相続税と贈与税の一体化を含めた制度改正を検討しており、将来的に制度の選択肢や非課税枠、課税タイミングが見直される可能性があります。 こうした背景からも、贈与税は単なる一時的な贈与の問題にとどまらず、長期的な資産承継や相続対策の設計に深く関わる重要な制度です。税制の動向を踏まえた上で、専門家と連携しながら最適な活用方法を検討することが求められます。

基礎控除

基礎控除とは、所得税の計算において、すべての納税者に一律で適用される控除のことを指す。一定額の所得については課税対象から除外されるため、納税者の負担を軽減する役割を持つ。所得に応じて控除額が変動する場合もあり、申告不要で自動適用される。

相続税

相続税とは、人が亡くなった際に、その人の財産を配偶者や子どもなどの相続人が受け継いだときに課される税金です。対象となる財産には、預貯金や不動産、株式、貴金属、事業用資産などが含まれ、相続財産の合計額が一定の基準額を超えると課税対象となります。 相続税には、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される基礎控除があり、この範囲内であれば原則として税金はかかりません。しかし、資産規模が大きい場合や相続人の数が少ない場合には、課税対象となり、10%〜55%の累進税率が適用されます。 さらに、相続税にはさまざまな非課税枠や控除制度が設けられており、これらを適切に活用することで税負担を抑えることが可能です。代表的な制度には以下のようなものがあります。 - 生命保険金の非課税枠:法定相続人1人あたり500万円まで非課税 - 死亡退職金の非課税枠:生命保険と同様に1人あたり500万円まで非課税 - 債務控除:被相続人に借入金などの債務があった場合、その金額を控除可能 - 葬式費用の控除:通夜・葬儀などにかかった費用は、相続財産から差し引くことができる また、配偶者には配偶者の税額軽減(1億6,000万円または法定相続分まで非課税)が認められており、適切に遺産分割を行えば、税額を大幅に減らすことができます。 相続税は、財産の種類や分割の仕方、受け取る人の立場によって税額が大きく変動するため、生前からの対策が非常に重要です。生命保険や不動産の活用、資産の組み替えなどを通じて、相続税評価額をコントロールすることが、家族への負担を減らし、スムーズな資産承継を実現するための鍵となります。

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